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住宅ローン控除は所得税の確定申告期限後でも適用できる

2010年03月29日

マイホームを銀行借り入れで購入した場合に適用できる所得税の住宅ローン控除制度について、全国の自治体が所得税の確定申告期限後でも適用できることをPRしています。

住宅ローン控除制度(住宅借入金等特別控除)は、マイホームの購入時に組んだ住宅ローンの年末残高の一定割合について、その年の所得税額から控除できるというものです。そして、所得税額から控除し切れなかった部分については、地方税の住民税から控除することができます。

具体的には、平成21年から平成25年までの間に居住し、所得税の住宅ローン控除制度を適用した人で、所得税で控除し切れなかった金額がある場合は、翌年度の個人住民税において住宅ローン控除制度が適用できることになっています。しかも、住宅ローン控除制度を適用する人が税務署へ申告した情報が、自動的に市区町村において把握できる仕組みとなっていて、市区町村(個人住民税)への申告が不要となっています。

いま自治体が気にかけているのは、この住宅ローン控除制度を適用できる要件として、所得税の確定申告を行う必要があることが掲げられているために、今年3月15日の期限までに申告できなかった人の中に、住宅ローン控除の適用をあきらめている人がいるのではないか、ということです。「原則として、納める所得税が発生しない人で、逆に所得税が還付される人については、確定申告の期限後に申告しても税務署は問題視することはない。税務署から市町村に情報が提供されるまでに申告をすることが大事だから、早めに確定申告書を税務署に提出してほしい」(税理士)といわれています。

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e-Taxの利用可能時間帯が通常ベースに戻りました―国税庁

2010年03月29日

国税庁の電子申告システムe-Taxの利用時間が通常時間に戻されました。これを受け、国税庁ではe-Taxのユーザーに対して利用可能時間が変わったことを告知しています。

e-Taxとは、あらかじめ開始届出書を提出して、利用者識別番号などを取得すれば、自宅や会社などにあるパソコンを使ってインターネットで国税に関する申告や納税、申請・届出などの手続ができるシステムです。

ただし、e-Taxが利用できる時間帯については、国税庁サイドの事務処理などの事情から制限が設けられています。通常の利用可能時間は、土日祝日を除く月曜日から金曜日までの午前8時30分から午後9時です。これについては、e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーの利用可能時間も同様です。

じつは、国税庁では、所得税の確定申告期間(平成22年1月18日から3月15日)だけ、限定的にe-Taxの受付時間(送信可能時間)について24時間利用可能にしていました。そのため、確定申告期限を過ぎた今でも24時間利用できると思っている人がいる可能性があることから、通常の利用可能時間帯の周知が必要となっているわけです。

国税庁では、e-Taxの利用可能時間帯が通常ベースに戻ったことを広く呼び掛けるとともに「利用可能時間内であっても、機器のメンテナンス等により、予告なくシステムの利用が停止、休止、中断又は制限される場合があるので、必ず、“運転状況”を確認してもらいたい。また、電子納税及び手数料納付の利用可能時間は、e-Taxの利用可能時間内で、かつ、ご利用の金融機関のシステム(インターネットバンキングやATM等)が稼動している時間となっているので注意してほしい」としています。

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ペットの診察を行なう獣医も医療用機器等の特別償却制度適用OK−国税局

2010年03月23日

「飼っている犬や猫は家族同然」と考えている人は少なくありませんが、税務上は単なる“物”とされています。ところが、このほど東京国税局がペットの診察を行なう獣医を「人間を診察する医師と同じ」とする見解を示しました。

「獣医も人間の診察を行なう医師と同じ」としたのは、社団法人日本獣医師会(山根義久会長)の照会に対して東京国税局が答えたものです。獣医師会は、租税特別措置法にある「医療用機器等の特別償却制度」(普通償却限度額にプラスして14%の特別償却を認める制度)の適用対象となる根拠を示したところ、それを東京国税局が容認しました。

そもそも同制度は、「青色申告書を提出する法人で医療保健業を営むもの」が適用対象とされています。問題は「医療保健業を営むもの」に「獣医業を営むもの」が含まれるのかどうかにありました。そこで、獣医師会は「日本標準産業分類において「獣医業」は「獣医学上の内科的、外科的、歯科的サービスを提供する事業所」と定められており、動物に対するものではあるものの「医」に係るサービスを提供する事業所と考えられている」ことや、広辞苑に「医師とは、『病気の診察・治療を業とする人、医者』とされ、獣医とは『家畜・愛玩動物の疾病の診察・治療に当たる医師。・・(省略)・・。獣医師。』とされており、獣医はその対象が家畜・愛玩動物に限定されているものの、いずれも病気(又は疾病)の診察・治療を行う点では一致している」こと。さらには、「獣医師法も医師法と同じく診療等及び保健に係る指導を通じて公衆衛生の向上への寄与を任務とする点でも一致している」ことなどを掲げ、「『獣医業』が同制度の『医療保健業』から除かれると解することはできない」などという考えを示しました。

それに対して東京国税局が「貴見のとおり取扱っても問題なし」と回答したのです。

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税金業務を民間に委託して大丈夫?大阪府が府税事務所に総合受付窓口設置

2010年03月23日

大阪府(橋下徹知事)が今年4月から府税事務所に民間業者が運営する総合受付窓口を設置することが注目されています。

大阪府では、平成22年4月1日から各府税事務所に総合受付窓口を設置します。受付内容は「法人の申告書等の受付」、「納税証明書の交付請求書の受付」、「自動車税減免申請書の受付」などです。受付時間帯は、平日9時から17時45分までですが、納税証明書や自動車税の納付書の請求については、17時30分までとしています。

一般的に、税金はプライバシーにかかわることなので、公務員以外は取扱えないようにしているものなのですが、大阪府では、この総合受付窓口を民間業者に委託しました。大阪府では、公共サービスの質の向上と効率化を同時に実現する取組みとして「大阪版市場化テスト」を推進していて、「大阪版市場化テスト対象業務の民間開放」のひとつとして「税務窓口業務」をピックアップしたわけです。大阪府によると「府税事務所における公権力の行使や裁量判断を伴う業務、意思決定等に関するものを除く窓口業務、資料のデータ化について包括的に民間に委託することにした」といています。

今回の事業の委託先候補者については、公募型プロポーザル方式で募集したところ複数の民間事業者が立候補しましたが、外部有識者で構成する「税務窓口業務等委託選定委員会」が選定したのは、「アデコ株式会社本町支社/ユーフィット株式会社(連合体)」でした。

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会社に現物出資した個人が支出した不動産鑑定料は費用扱いしない―国税局

2010年03月15日

株式会社に現金ではなく土地などの不動産を提供して、その代わりにその会社の株式をもらい受ける、いわゆる現物出資をしたときの経費について新たな取扱いを関東信越国税局が示しました。

株式会社が個人から土地の現物出資を受ける場合、その土地の所有権移転登記や裁判所に対して検査役の選任の申立てをして、現物出資財産の価額を調査してもらわなければなりません。所有権移転登記は問題ないのですが、裁判所に検査役の選任の申立てをするとなると少々面倒な手続きが必要となります。そこで、会社法では、現物出資した土地の価額について不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、その価額が相当であることについて税理士に証明してもらえば、現物出資で得た財産の価額について検査役の調査は不要とされています。

税務上、注意しなければならないのは、現物出資をした個人が土地と引換えに株式を受け取ることから、もらい受けた株式の総額が提供した土地の売却代金とみなされ、その分を譲渡所得として申告しなければならないということです。譲渡所得の計算上、費用をなるべく多く積み込むことができれば納める税金も少なくて済みます。そこで、関東信越国税局に寄せられた納税者からの質問は「現物出資をした個人が、所有権の移転登記に関する登録免許税や不動産鑑定料および税理士報酬を支払った場合、譲渡所得の計算上、それらを費用として取扱っても良いか」という内容でした。

それに対して同国税局は「登録免許税については費用と認めるが、税理士報酬及び不動産鑑定料は、現物出資を受けた株式会社がその税理士と不動産鑑定士に支払うべきものである。したがって、たとえ契約に基づいて出資者が負担したとしても、現物出資を実現するために必要であった費用に該当するとは認められない」という見解を示しています。

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企業に補助金ばかり出す政策ではなく炭素税などの導入を―日本総研

2010年03月15日

三井住友フィナンシャルグループのシンクタンク(株)日本総合研究所(日本総研)が、企業への補助金依存の温暖化対策では目標達成は難しいことを結論づけた「京都議定書削減目標の達成可能性と中期目標の方向性」と題するレポートを公表しました。

日本総研の調べでは、2004年以降、燃焼起源の二酸化炭素の排出原単位は、年間でマイナス2.3%も改善していて、それはオイルショック期の年間マイナス3.5%に次ぐものだとしています。

しかし、2020年の中期目標として民主党が掲げている「1990年比25%削減(真水は15%)」を達成するためには、実質経済成長率を+1.3%としても、原単位を年間マイナス2.7%で改善し続けることが必要で、これまで以上の取り組み方が不可欠であるとしました。

そこで、2020年に1990年比マイナス25%と年率2%の経済成長を両立させるための政策として日本総研が同レポートのなかで要求したのは、自然エネルギーの導入促進などに加えて「二酸化炭素排出原単位が低く、付加価値額の高い産業を機軸とした炭素制約下の成長戦略」、「中長期的に調達コストの上昇が予想されるCDM(クリーン開発メカニズム)の活用は、あくまで『補足的』とすること」、「物流部門のモーダルシフトについては、規制緩和などによりトラック輸送からのシフトを促すこと」、「電力を中心としつつも、都市ガス、LPGのバランスに配慮した需給構造とすべき」などです。

さらに、日本総研は同レポートで「わが国が、世界最高水準の削減目標を達成するためには、あらゆる経済・財政政策を、二酸化炭素排出量への影響と関連付けて立案する必要がある。補助金依存の温暖化対策は、財政への負担が大きく持続性に乏しい。『気候変動交渉に関する日米共同メッセージ』に基づく2050年8割削減という長期目標を踏まえれば、炭素税や規制緩和などによる持続性の高い政策が必要」と強調しています。

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経費削減で全国の税務署が法人税の確定申告書の自動送付を取り止める

2010年03月08日

経費削減のため、全国524の税務署が法人に対して自動的に行なっている法人税の確定申告書の事前送付を取り止めることを国税庁が決めました。今年5月から事前送付を希望する法人を募ることにしています。

現在、e-Tax(国税の電子申告システム)を利用していない法人に対して、全国の税務署は自動的に法人税の確定申告書を事前送付しています。しかし、国税庁によると「税務署から送付した申告書用紙以外の用紙を使用される法人が増えてきている」といいます。そのため、数多くの確定申告書がムダになっているわけです。

そこで、国税庁では経費削減のため、平成21年5月以降に税務署から送付する法人税の確定申告書に「翌年以降送付要否」欄を設けて、申告書用紙の送付を不要とした法人に対しては、平成22年5月から申告書用紙の送付に代えて、申告のお知らせ(現在送付している申告書用紙の1枚目に相当するもの)だけを送付することにしました。同時に、消費税の確定申告書についても、経費削減を図るため、平成22年5月以降に税務署から送付する消費税等確定申告書(平成22年4月1日以降終了課税期間分)に「翌年以降送付不要」欄を設けて、申告書用紙の送付を不要とした法人に対しては、平成23年5月以降申告書用紙を事前に送ることを取りやめることにしています。

確定申告書の事前送付取り止めについて、国税庁では全国の税理士会に理解と協力を求めています。

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全国でも珍しい差押さえた不動産の広告随契を開催―東京都

2010年03月08日

東京都が全国でも珍しい、税金の滞納者から差押えた不動産を先着順に買受申込みできる広告随契を実施することを発表し、話題となっています。

都道府県が税金の滞納者から差押さえた物件は、通常、せり売りによる公売にかけるのが一般的です。しかし、最近は公売によってもスムーズに物件を換金することができないことから、東京都では、随意契約による差押え不動産の売却(広告随契)を実施することにしました。差押え財産を随意契約により売却する方法は、入札方式やせり売りと異なり、最初の買い受け申込者に売却する手法です。また、広告随契は、買い受ける人にとって東京都が広告した見積価額で差押え不動産を買受けることができ、公売保証金も不要となることから魅力的な手法といえます。

 そもそも、随意契約とは、契約主体が適当と判断した相手方との間で契約を結ぶことです。国や地方公共団体が行う契約は、予算の公正な執行のため一般競争契約を原則としていますが、一般競争では不利になると認められる場合や、契約の性質や目的が競争になじまない場合、競争が成立しない場合、価格が低いときなどは随意契約が行なえることになっています。

今回、東京都が開催する広告随契は、買い受け申込み受付け期間が平成22年3月11日から4月9日までで、買い受け申込み受付け時間は、午前9時から午後5時までとされています。注意しなければならないのは、買い受け申込み受付け場所が、主税局徴収部機動整理課公売係(東京都庁第一本庁舎19階南)、千代田都税事務所徴収課公売係(千代田区内神田2-1-12)、新宿都税事務所徴収課公売係(新宿区西新宿7-5-8)の3ヵ所に分かれていることです。

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国税庁でシステム障害。e-Taxの利用で肝心のヘルプデスクが使えない?

2010年03月01日

2月21日午前9時に国税庁ヘルプデスクが一時的に機能しませんでした。わずか17分間のトラブルだったため、大きな問題は起きなかったようですが、電話が通じないという事態にe-Taxの弱点が見え隠れいたします。

e-Tax は、国税の電子申告・電子納税システムのことで、自宅や会社にいながらにしてパソコンで申告と納税を済ますことができる便利なものです。ひとりに1台のパソコン時代とはいえ、操作には得手不得手があり、やはり誰かに相談しながらでないとうまく動かせない人も少なくありません。そこで、国税庁では、e-Taxの利用開始のための手続やe-Taxソフトを利用するときのためのパソコン操作などに関する問い合わせに電話で対応する専門窓口として、e-Taxヘルプデスクを設置しています。

ところが、2月21日午前9時から17分間、国税庁ヘルプデスクに電話がつながらないというトラブルが発生しました。国税庁によると「システムトラブルだ」ということですが、いまは所得税の確定申告期の真っただ中です。e-Taxが利用できる時間帯をわざわざ24時間にしているのに、まさにアナログの電話が通じないというトラブルは、デジタルが定着しつつある現代のモロさを露呈した形となりました。

そのヘルプデスクのトラブルに遭遇したあるサラリーマンは、「初めてe-Taxにチャレンジしたのだが、肝心の相談窓口に電話がつながらなくて、e-Taxを使うのを断念した。2月21日は日曜日だったのに税務署がやっていたので、申告書を作成して持って行った」と苦笑いしながら語っていました。

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公認会計士の試験制度で懇談会。またも税理士制度が議論の的に

2010年03月01日

2月19日、金融庁が第3回公認会計士制度に関する懇談会を開催しました。またも公認会計士による税理士業界への参入が議論されたのではないかと税理士会などが危機感を持っています。

日本公認会計士協会が昨年5月22日に行われた規制改革会議のヒアリングにおいて、「公認会計士資格をもって税務業務を行うことができる措置を求める」旨の見解を表明。それに強く抗議をしたのが日本税理士会連合会でした。「公認会計士協会の主張は、税理士制度の存在そのものを否定するばかりか、申告納税制度を全く理解していないものであり、到底容認できないところである。この規制改革は、税理士制度にどのような影響があるのかということを踏まえて、専門資格制度を歪めるような行き過ぎた規制改革には断固反対である」といろめきだったものです。

一方、日本公認会計士協会としては、平成30年頃までに5万人程度の規模となることを見込み、年間2,000 名から3,000名が新たな合格者となることを目指すことが、政府により一つの目安として示されていることから、監査証明業務だけでは、公認会計士の生計が成り立たないという不安を抱えています。監査証明を必要とするいわゆる株式を上場している企業は国内に約4万社しかありません。監査業務だけだと現状の公認会計士約2万人にあと数千人をプラスアルファーすれば足りるわけです。そのため公認会計士協会は業務拡大を狙っているわけですが、今回の懇談会では「公認会計士試験と税理士制度との関係は、実際に方向性を見つける場合には財務省と一緒にやらなければいけないので、この場で決めることはできない、それに中長期的な課題だと思うが、問題提起自体は今こそすべきだろう」というところで議論はストップしました。

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