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米国では代行業者による「給付付き税額控除」の不正申請続発中―政府税調

2009年08月31日

政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長)が、今年6月9日から2週間にわたって各委員が行なった海外調査の報告書を公表しました。アメリカについては、「給付付き税額控除」で起きている問題がつぶさに報告されています。

 この春、政府が国民一人ひとりに給付した定額給付金の発想元となったのがアメリカなどで制度化されている所得税の「給付付き税額控除」です。同控除制度について日本では、平成21年度税制改正法の附則で「検討すること」とされたことから、政府税調では今回の海外調査の課題のひとつとしていました。

このほど公表された報告書では、アメリカで施行されている「給付付き税額控除」について、まず、勤労所得税額控除・児童税額控除として制度化されていて「1970年代以降に、低所得者の社会保障税の負担増の軽減や、中所得者の子育て支援を目的として導入され、原則として、所得税の確定申告に際して、税額から控除し、控除しきれない部分は給付している(年1回)」と仕組みを解説。「内国歳入庁においては、社会保障番号(SSN)を通じた所得情報のマッチング等を行っているが、適用要件が複雑であり、なお確認できない情報がある等のため発生している過誤支給・不正受給(支給額の23-28%)について給付前の段階で防止すること等が課題とされている」と税の執行現場で起きている問題点を指摘しています。

そして、その過誤支給や不正受給について「現在、勤労所得税額控除の適用数の約70%が代行業者を通じて申請されているところ、一部の代行業者が積極的に不正申請を行っていたことを内国歳入庁が把握している」と説明。対処法として「代行業には、免許・登録制の導入等の規制強化策が検討されている」ものの、「代行業者の数が多く、質にもバラつきがあることから、一律に規制するためのルールを作ることは相当難しいのではないか」としています。

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日税連が「平成22年度・税制改正に関する建議書」を財務省に提出

2009年08月31日


8月25日、日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)が、今年6月25日の理事会で決定した「平成22年度・税制改正に関する建議書」を関係官庁に提出しました。

日税連では毎年、税理士法の規定に基づいて財務省、国税庁、総務省、政府税制調査会などに「税制改正の建議」を行っています。同建議は、さすがに税の専門家によるものとあって、各業界団体が行なっている税制改正要望とはひと味違う内容となっています。

このほど関係官庁に提出した「平成22年度・税制改正に関する建議書」については、26項目の税制改正建議項目のほか、「法人税の課税ベース拡大と税率引下げ」、「消費税の改正」、「納税者番号制度の導入」の3項目に対する基本的な考え方や問題意識を表明。 中小零細企業にも関係する税制の見直しを訴えています。

例えば「少額減価償却資産の取得価額基準を引上げること」とした改正要望を行なっていますが、具体的には「少額減価償却資産の損金算入制度における取得価額基準は10万円未満とされ、20万円未満の減価償却資産については3年間にわたって損金算入を行う一括償却資産制度がある。さらに、中小企業者に対しては、平成22年3月までの間、年間の損金算入金額の上限を300万円として取得価額30万円未満の減価償却資産につき取得時に全額損金算入することが認められている。しかし、税制の簡素化の観点から、これらの制度を統合して少額減価償却資産の取得価額基準を30万円未満とすべきである」としています。

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来年は個人消費が前年比プラスになる!!―日本総研がレポート

2009年08月24日

三井住友フィナンシャルグループのシンクタンク「日本総合研究所(日本総研)」が、エコカー減税などの景気対策により“2010年に入ると個人消費が前年比プラスに復帰する”としたレポートを発表しました。

日本総研がこのほど発表したのは「悪化する所得環境への対応を図る家計〜低価格指向と『特別な消費』の底堅さ〜」と題するレポートです。目的は「厳しい雇用・所得環境の中で進む家計の低価格指向の強まりを、主な品目別に整理したうえで、個人消費の先行きを展望したもの」とされています。

結論としては「2010年入り後には、資源価格の反騰の影響もあり、物価下落幅は縮小するものの、(1)低価格品シフトが続くこと、(2)雇用・所得環境の悪化ペースが緩やかになること―から、実質消費が前年比プラスに復帰する見込み」だとしています。

これは「厳しい雇用・所得環境の下で、消費者は全体としては低価格指向を強めているものの、変化は一様ではなく、日常的な分野での低価格化を進める一方で、支出頻度の低い特別な分野や充実した購入インセンティブのある分野では、単価の高い思い切った支出が持続。支出頻度に応じメリハリをつけた予算配分は、限られた収入の中で消費全体の満足度を高めようとする動きがある」ことから導き出したものです。

ただし、「もっとも、2010年度には(1)エコカー減税やエコポイントなどの政策効果は剥落していくこと、(2)雇用・所得環境の本格回復には至らないことから、実質消費の回復ペースは緩やかなものにとどまる見通し。また名目ベースでの前年比マイナス傾向は2010年度いっぱい続く公算」と消極的な見方も示しています。

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助成金がもらえる農水省の「食品小売機能高度化促進事業」に熱視線

2009年08月24日

国が交付する助成金はそもそも国民の税金。フルに活用したいものです。そこで、注目されているのが、農林水産省がスタートさせた「平成21年度食品小売機能高度化促進事業のうちの機能高度化支援事業」です。

少子高齢化により社会構造が激変する中で、ガソリン価格の高騰などで食料供給コストが増加し、地域における食品流通をとりまく情勢は厳しさを増しつつあります。つまり、全国の食品小売店は、消費者ニーズに十分な対応ができない状態に陥っているわけです。

そこで、農水省では、消費者ニーズに対応した食品販売サービスの機能強化や、販売商品の付加価値向上に取り組む地域の食品小売店への支援を通じ、利便性の高い商店街の振興と農林水産業の発展を図ることを目指しています。

具体的には、(1)新しい小売サービスの拡大(例えば、受発注の効率化を図るため新たなPOSレジを導入するなど)と、(2)オリジナル商品の開発や店内飲食などの付加価値向上(例えば、オリジナル商品開発のために最新式のフライヤーなど厨房・加工機器を導入するなど)―、を図るために導入した機材のリース料について一定の割合を、リース事業者を通じて国が助成することにしています。その一定の割合とは、(1)または(2)のみの場合は、初年度のリース料総額の3分の1で、そして、(1)と(2)を組み合わせた場合は、初年度のリース料総額の2分の1とされています。

現在、農水省では事業実施主体となるリース事業者の募集(締切は11月20日)を開始したばかり。中小食品小売事業者は事業実施主体が決まり次第「食品小売機能強化等計画」を提出できるよう、すぐにでも準備に取り掛かりたいものです。

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中小企業への事業税の外形標準課税が東京都税制調査会で浮上

2009年08月17日

さきごろ開催された東京都税制調査会の平成21年度第5回小委員会でのこと。沼尾波子委員(日本大学経済学部教授)が法人への外形標準課税について「適用を拡大する必要がある」とした意見を出し物議を醸しています。

第5回小委員会のテーマは、政府の中期プログラムについて「法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを検討する」とされていることについて、どのように考えるかを検討するものでした。

沼尾委員は、先進諸国の企業の法人所得税と社会保険料雇用者負担を足したものを、GDP(国内総生産)と対比して「日本はアメリカ、カナダ、イギリスと比べると高い水準だが、フランス、イタリア、スウェーデンなどの国々と比べると高い水準とはいえない」として法人課税の負担軽減に否定的な姿勢を見せました。そして、現在資本金1億円以上の法人に対して地方税の事業税とは別途課税されている外形標準課税について「資本金額を減らして、課税を逃れるケースが出ていることから、適用を拡大する必要性がある。事業税は応益負担原則の考え方に基づき幅広く徴収した上で、支援が必要と判断された場合は補助金を出すという考え方もある」としました。

つまり、不況で資金繰りに苦しんでいる中小企業に対しても外形標準課税を行なうことを提案したわけです。今後、東京都税制調査会の審議の行方に注目したいものです。

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中国・九州豪雨の被害者に国税庁が課税措置の救済手続きをPR

2009年08月17日

「中国・九州北部豪雨」の被害者に向けて、国税庁が課税措置の救済があることをPRしています。

 近年、取り沙汰され始めたゲリラ豪雨が、今年も日本を襲いました。被害に遭ったのは中国地方と九州北部地方です。そこで、被害者に対して国税庁が急きょ課税措置の救済手続きがあることを告知しました。

救済手続きは全部で4パターンあり、一つ目は「災害により申告・納税等をその期限までにできないときは、所轄税務署長に申請することにより、その理由のやんだ日から2カ月以内の範囲でその期限が延長される」というものです。二つ目は「災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請することにより、納税の猶予を受けることができる」というもの。そして、三つ目は「災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、(1)確定申告で所得税法に定める雑損控除の方法、(2)災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部または一部を軽減することができる」としています。

事業者が注目したいのは四つ目の消費税に関するもので「災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、または適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、または適用をやめることができる」としているものです。消費税は預かり金的な性質があるので、税務署も監視の目を光らせているだけにこの手続きは無視できないものがあります。

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大阪で「税金一括納入すれば生涯払う必要なし」と語る詐欺が横行

2009年08月10日

府税事務所の職員を装った振り込め詐欺が多発していることから、大阪府が厳戒態勢を敷いています。

大阪府では「税務職員をかたり、お年寄りから現金をだまし取る事件が発生している」と警戒を強めています。そして、実際に起きた今年5月20日の事件を取り上げ「実在しない区役所納税課職員名で『各種、税金のお取り扱いについて』という題名の文書を作成し、事前に自宅を訪れ、70歳以上の高齢者を対象として、指定された方法により一括納入すると今後一生涯税金を払う必要がないといった、架空の納税制度による納税勧奨を行い、後日納税者の自宅を訪れ、多額の金銭をだまし取った」という巧妙な手口を公開しています。

 さらに、大阪府では「税金を還付するためと称して、住所、生年月日や取引銀行などの個人情報を電話で聞きだそうとする事例」や「企業や事業者に対して、自動車税の税率が変わるなどの理由で従業員の独身者(単身者)の名前などを聞きだそうとする事例」を紹介。あの手この手でお金をだまし取る糸口をつかもうとしている輩がうごめいていることを府民に周知しています。

 各府税事務所も、「不審な電話がかかってきたときには、即答を避け、相手の所属、氏名、電話番号などを確認していただき、府税事務所の担当課までお問い合わせください。また、税務職員が調査などで納税者の自宅等を訪問する場合には、身分証明書(顔写真付)を携帯しているので、所属や氏名等を確認してください」と納税者に注意を促しています。

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国税庁が「非上場株式の相続税80%納税猶予制度」で担保の提供方法示す

2009年08月10日

今年度の税制改正で誕生した「非上場株式の相続税80%納税猶予制度」では、自社株を担保として提供することが適用要件とされていますが、このほど、その担保を提供する際の手続きを国税庁が明らかにしました。

中小企業が事業承継をスムーズに行なえるようにすることを目的として創設されたのが「非上場株式の相続税80%納税猶予制度」です。財務省では事業承継税制と呼んでいますが、具体的には、経済産業大臣の確認を受けた経営承継相続人(事業を承継する息子など)が、非上場会社を経営していた被相続人(死亡した親など)から相続によりその会社の株式を取得して会社を経営していく場合に、経営承継相続人が相続により取得した議決権株式に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されるというものです。

適用にあたっては、相続税相当分の担保を税務署に提供する必要があるわけですが、その際の手続きについて国税庁は(1)法務局(供託所)に備え付けられている担保のための供託書(正本・副本)を作成する、(2)作成した供託書(正本・副本)を法務局(供託所)に提出し、内容の審査を受ける。審査後、供託書(正本)(「受理した旨」が記載されたもの)及び供託有価証券寄託書が返却される、(3)法務局(供託所)から指定された日本銀行へ、供託書(正本)(「受理した旨」が記載されたもの)、供託有価証券寄託書及び株券を提出する、(4)供託書(正本)(「納入された旨」が記載されたもの)が返却される、(5)税務署長にその供託書(正本)を提出すると、担保関係書類の預り証が交付される―、と説明しています。

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中小企業への事業税の外形標準課税が東京都税制調査会で浮上

2009年08月03日

さきごろ開催された東京都税制調査会の平成21年度第5回小委員会でのこと。沼尾波子委員(日本大学経済学部教授)が法人への外形標準課税について「適用を拡大する必要がある」とした意見を出し物議を醸しています。

第5回小委員会のテーマは、政府の中期プログラムについて「法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを検討する」とされていることについて、どのように考えるかを検討するものでした。

沼尾委員は、先進諸国の企業の法人所得税と社会保険料雇用者負担を足したものを、GDP(国内総生産)と対比して「日本はアメリカ、カナダ、イギリスと比べると高い水準だが、フランス、イタリア、スウェーデンなどの国々と比べると高い水準とはいえない」として法人課税の負担軽減に否定的な姿勢を見せました。そして、現在資本金1億円以上の法人に対して地方税の事業税とは別途課税されている外形標準課税について「資本金額を減らして、課税を逃れるケースが出ていることから、適用を拡大する必要性がある。事業税は応益負担原則の考え方に基づき幅広く徴収した上で、支援が必要と判断された場合は補助金を出すという考え方もある」としました。

つまり、不況で資金繰りに苦しんでいる中小企業に対しても外形標準課税を行なうことを提案したわけです。今後、東京都税制調査会の審議の行方に注目したいものです。

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中国・九州豪雨の被害者に国税庁が課税措置の救済手続きをPR

2009年08月03日

「中国・九州北部豪雨」の被害者に向けて、国税庁が課税措置の救済があることをPRしています。

近年、取り沙汰され始めたゲリラ豪雨が、今年も日本を襲いました。被害に遭ったのは中国地方と九州北部地方です。そこで、被害者に対して国税庁が急きょ課税措置の救済手続きがあることを告知しました。

救済手続きは全部で4パターンあり、一つ目は「災害により申告・納税等をその期限までにできないときは、所轄税務署長に申請することにより、その理由のやんだ日から2カ月以内の範囲でその期限が延長される」というものです。二つ目は「災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請することにより、納税の猶予を受けることができる」というもの。そして、三つ目は「災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、(1)確定申告で所得税法に定める雑損控除の方法、(2)災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部または一部を軽減することができる」としています。

事業者が注目したいのは四つ目の消費税に関するもので「災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、または適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けること、または適用をやめることができる」としているものです。消費税は預かり金的な性質があるので、税務署も監視の目を光らせているだけにこの手続きは無視できないものがあります。

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