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全国の税務署が来署者のためにワンストップサービス開始

2009年06月29日

全国の税務署が、7月10日から来署した納税者の応対をひとつの窓口で受け付けるワンストップサービスをスタートさせます。

税務署の来署者へのワンストップサービスの開始は、国税庁が明らかにしたものです。これまで、納税者が税務署へ行くと、用件の内容に応じて総務課、管理・徴収部門、個人課税部門、資産課税部門、法人課税部門などそれぞれの窓口に行って用件を済まさなければなりませんでした。一方、対応する税務署側も納税者から来署した理由を聞いて、適切な窓口へ案内するのに手間取ることも少なくありませんでした。

そこで、国税庁ではワンストップサービスによりそうした問題を解消することにしたわけです。具体的には、「各種の申告書及び申請書等の提出」「各種用紙の交付請求」「納税証明書の請求及び受領」「国税の納付」「国税に係る制度や手続に関する一般的なご相談手続」などについて、一つの窓口で済ませることができるようになります。

ちなみに、ワンストップサービスを行う受付窓口の担当は、これまでの「管理・徴収部門」の職員となります。よって、「管理・徴収部門」は「管理運営部門」又は「管理運営・徴収部門」、「徴収部門」といった名称となります。また、管理運営部門や徴収部門が無い税務署では、総務課が担当することになっています。

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国税庁が「21年度実績評価に関する実施計画」で年金強制徴収実施を表明

2009年06月29日

このほど、国税庁が「平成21事務年度、国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価に関する実施計画」を発表しました。そこには、税務署による公的年金の強制徴収実施が盛り込まれています。

国税庁が今回発表した同実施計画には、達成すべき目標として「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収」、「酒類業の健全な発達の促進」、「税理士業務の適正な運営の確保」という3つの実績目標が打ち立てられていて、その下に「租税の役割、納税意識の重要性や税務行政について、広く国民各層から理解・協力を求めます。また、国民の意見・要望等を聴取し事務の改善に努めます」といった業績目標が11設定されています。

そのなかで、もっとも注目されるのが「厚生労働大臣から委任される滞納保険料等の徴収」です。平成22年1月から、厚生年金や国民年金などの年金保険料のうち、悪質な滞納者に対する強制徴収の権限が厚生労働大臣から委任されることから、これから滞納保険料を的確に徴収する体制、手続の整備に努めるとしています。

公的年金の強制徴収の権限については、国民年金法第96条に、社会保険庁長官は、(保険料の)督促を受けた者がその指定期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときには、国税滞納処分の例によってこれを処分し、または滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる―と規定されています。国税滞納処分の例とは、預金・貯金・生命保険料・ローン返済金・車といった財産の差押えのことです。
  社会保険労務士などによると「現状では、直近24ヶ月の間に未納月数13カ月以上、前年所得200万円以上の方は要注意」としています。

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福祉車両装った自動車税の脱税で判決。改めて注目される自治体の対応

2009年06月22日

このほど名古屋地裁で、福祉車両を装うことで自動車税を免れることをウリにしていた自動車販売会社に対する判決が下され、改めて障害者優遇制度の悪用への自治体の対応策がクローズアップされています。

福祉車両を装い顧客に自動車税などを不正に減免させたとして、地方税法違反の罪に問われた愛知県長久手町の自動車販売会社「ベストライン」社長A被告の判決公判が6月17日、名古屋地裁であり、裁判長は懲役2年、執行猶予4年、罰金500万円(求刑懲役2年、罰金500万円)を言い渡しました。

A被告らは約6年前から、身体障害者が利用する予定がない顧客に福祉車両を装った車計約1,000台を販売し、脱税を主導していたとされています。

A被告らの犯罪が明るみになったのは、豊田市の男性会社員ら4人に販売予定のワンボックスカーを福祉車両に改造。2007年11月から2008年3月にかけ、県税事務所に税免除を申請、その後装備を一般車両に戻し、4人分の自動車取得税や自動車税計約52万円を脱税させた容疑で逮捕されたのがきっかけでした。

こうした福祉車両を装って自動車税や自動車取得税を逃れる事件は、ここ数年全国的に発生していることから、例えば、東京都では福祉車両に関する自動車税・自動車取得税の減免措置の適用に当たり、平成21 年度からは、構造要件に加え、居宅サービス計画書及びサービス利用票(ケアプラン)などの一定の書類の提出を求める利用要件などを追加しています。

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住宅資金贈与の非課税枠500万円は受贈者に与えられたもの

2009年06月22日

政府の「経済危機対策」に盛り込まれた住宅取得資金に関する贈与税の500万円の非課税措置がクローズアップされていますが、非課税枠について納税者の間で少々誤解が生じているようです。

 経済危機対策に盛り込まれている住宅取得資金に関する贈与税の優遇措置とは、平成21年1月1日に遡って、2年後の平成22年12月31日までの間に、20歳以上の子供が父母や祖父母などから住宅取得に充てるための金銭の贈与を受けた場合に2年間通算で500万円まで贈与税が非課税になるというものです。もちろん、それに基礎控除額の110万円もプラスされます。

 ただ、ここへきて一部の納税者が「500万円の非課税枠は、父母両方からだと1,000万円に膨らむ」といった見方をしています。というのも、贈与税の課税制度の特例である相続時精算課税制度において、特別控除枠が財産の贈与者ごとに2,500万円と設定されているからです。

相続時精算課税制度とは、65歳以上の親が20歳以上の子どもに対して相続発生時までに財産を贈与するとき2,500万円の特別控除を適用して贈与税の計算ができるというもので、父と母の両方からの財産の贈与があった場合、総額5,000万円まで贈与税が課税されません。

そのため、今回の500万円の非課税措置についても、父親や母親から500万円ずつ住宅取得資金の贈与税を受けると、1,000万円まで非課税枠が広がると思っている人がいるわけです。これについて国土交通省では「贈与を受ける方の直系尊属から受けたものが対象となる。父母双方及び祖父母からの贈与についても対象とすることができるが、合計で500万円が上限となっている」としています。

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環境対応車への買い換え・購入補助制度で経産省が19日から補助金申請受付

2009年06月15日

5月29日に平成21年度補正予算が成立したことを受け、経済産業省が6月19日から環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度の補助金申請受付を開始します。

経済危機対策として平成21年度補正予算に盛り込まれた同補助制度は、環境性能の良い新車への買い換え・購入を促進することにより、環境対策と景気対策を効果的に実現しようというものです。

この補助制度には、「経年車の廃車を伴う新車購入補助」と「経年車を廃車することのない新車購入補助」とがあります。

「経年車の廃車を伴う新車購入補助」とは、最初の登録等から13年に達した古い車を廃車して、一定の環境性能を有する新車(平成22年度燃費基準達成車)を購入する人に対する補助で、普通車については25万円が、軽自動車については12.5万円が補助されます。トラックやバスなどの重量車も車齢13年超車から新長期規制適合車へ買い換えた場合、小型(GVW3.5tクラス)で40万円、中型(GVW8tクラス)で80万円、大型(GVW12tクラス)で180万円が補助されます。

一方、「経年車を廃車することのない新車購入補助」については、乗用車の場合、排気ガス性能4☆かつ平成22年度燃費基準+15%以上の普通車が10万円、軽自動車で5万円が補助されます。トラックやバスなどの重量車も平成27年度燃費基準達成車かつNOxまたはPM+10%低減という要件を満たせば、小型(GVW3.5tクラス)で 20万円、中型(GVW8tクラス)で40万円、大型(GVW12tクラス)で90万円が、いずれも今年4月10日にさかのぼって適用されます。

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企業への法人市民税還付が相次ぎ市町村の財政逼迫

2009年06月15日

業績が大幅に悪化した企業から中間申告のときに過大徴収した法人市民税を返還する還付金が、各市町村の財政を圧迫しています。

静岡県静岡市は、前年度実績を基に予定(事前)納付された法人市民税の還付が、景気後退による企業の業績悪化を受け相次ぐと予想。市税還付金(払戻金)として9億円を平成21年度6月補正予算案に計上しました。

また、愛知県安城市では、昨年度予算で51億7,000万円の法人市民税を計上しましたが、昨秋からの自動車産業を中心とした急激な業績悪化で赤字企業が急増。今年度当初予算に10億円の還付金を盛り込んだものの、4億円上回ることになったと発表しました。

さらに、自動車メーカー“ホンダ”の工場がある埼玉県狭山市でも、業績悪化を見込み当初予算で前年度比約20倍の還付金関連予算計約13億円を計上しています。

法人市民税は、市内に事務所や事業所を有する法人にかかる税金です。資本金及び従業者数に応じて納める「均等割」と、法人の所得に応じた法人税額(国税)をもとに課される「法人税割」とがあり、中間(予定)申告を行った税額がある場合には、その税額を均等割額と法人税割額の合計額から差し引いて確定申告することになっています。したがって、確定申告のときに中間申告で納めすぎた法人市民税が戻ってくることがあるわけです。

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訂正

2009年06月08日

6月1日のトピックス「大好評の百貨店の『下取りセール』にも関係する税務処理」の記事中、「商品を仕入れる(下取りする)相手が消費税の課税事業者ではない個人となると、仕入税額控除の対象にならない取引となってしまいます」とあるのは誤りです。正しくは「相手が消費税の課税事業者ではない個人の場合、仕入価格(下取り価格)は税込みで区分して仕入控除を行うことになります」でした。お詫びし訂正いたします。

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9月1日からe-Taxで国税のダイレクト納付ができるようになる

2009年06月08日

国税の納付がインターネットを通じて直接納税できる、いわゆるダイレクト納付が今年9月1日から可能となります。

現在、納税者が国税を納付する方法としては、税務署や金融機関で現金納付するやり方とインターネットバンキング、モバイルバンキング、銀行などのATMを利用した電子納税があります。これらに加え、今年9月から新たに電子納税であるダイレクト納付が可能になります。

ダイレクト納付とは、事前に税務署に届出をしておけば、e-Tax(国税の電子申告システム)を利用して電子申告をした後に、預貯金口座からワンクリックで即時または期日を指定して納付することができるというものです。

ダイレクト納付のメリットは、なんといっても税務署や金融機関に出向くことなく、自宅やオフィスなどから納付ができること。そのため、毎月納付する源泉所得税など利用回数の多い国税の手続きに便利だといえます。利用する場合は、インターネットバンキングの契約をする必要もなく、事前にダイレクト納付利用届出書を所轄の税務署に提出するだけで大丈夫です。あとはe-Taxで電子申告した後、ワンクリックで納付手続を終えることができます。

注意しなければならないのは、ダイレクト納付利用届出書を提出してから実際に利用可能となるまで1ヶ月程度かかるということと、納付可能な税目が電子申告ができる税目(源泉所得税、法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税、酒税、印紙税)だということです。また、ダイレクト納付の利用は、e-Taxの利用可能時間内であることと、ダイレクト納付が利用できる各金融機関のオンラインサービスの提供時間内であることに気をつける必要があります。

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東京都が納税者に「土地の固定資産評価額アップにご理解を」

2009年06月08日

平成21年度の固定資産税と都市計画税の納税が始まりましたが、東京都では納税者に対して固定資産評価額がアップしていることに注意を呼びかけています。

東京都では6月1日に23 区内の固定資産税と都市計画税の納税者に対して平成21年度の納税通知書を発送しましたが、平成21 年度は3年に1度の評価替え(基準年度)の年にあたることから、土地・家屋の全件について、新しい価格(固定資産評価額)に変わっていることを告知しています。

固定資産税の課税対象となっている土地の価格は、3年に1度評価替えが行われていて、基準年度の前年度1月1日時点を価格調査基準日として地価公示価格の7割をメドに価格が改定されています。この評価替えが平成21年度に実施されたわけです。

東京都によると「地価公示価格は毎年発表されているのでご理解いただけると思いますが、東京都23区では平成18年から平成20年にかけて地価が大幅に上昇しました。そのため、今回の評価替えにおいて固定資産評価額も、平成20年1月1日以降の半年間の下落分を価格に反映していますが、大部分がこれまでの評価額よりもアップしていますので、ご注意ください」としています。

つまり、地価公示価格は毎年発表されているため地価が上昇していることがはっきりとわかりますが、土地の固定資産税については、前回評価替えが行われた平成17年1月1日から3年間据え置かれているため、地価の上昇が今回初めて反映されたわけです。東京都では、土地の固定資産評価額が値上りした事情について、多くの納税者に理解を求めています。

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多くの自治体でサラ金の「過払い金」差押え相次ぐ。福生市の提訴で判明

2009年06月01日

全国の自治体が、住民税の滞納整理を通じて消費者金融への返済に苦しんでいる市民を救済している実態が、5月27日に東京都福生市の加藤育男市長の定例記者会見で明るみになりました。

福生市は、このほど消費者金融3社に対して、市税の滞納者から差し押さえた「過払い金」の市への支払を求めて提訴しました。

今回の裁判に至った経緯は、市税を滞納していた市民4人に対して同市が財産調査を行った結果、ほかに換価できる財産がなく、貸金業者からの借入の返済を優先していたことを把握したのがきっかけでした。借入れの状況を調べたところ、かなりの過払い金があることわかったことから、調査員は滞納者本人の了解を得て、貸金業者を第三債務者として「過払い金」を差押えました。同市は、すぐに貸金業者に対し、支払い期限を4月27日とした支払催告書を送付しましたが、支払いが履行されなかったため提訴したそうです。

同市の収納課によると「現在多くの地方公共団体が過払い金差押に着手していて、その中で訴えを起こした団体は、当市が把握しているところでは、兵庫県芦屋市ほか10団体(茨城県租税債権管理回収機構、東京国税局、三重県地方税管理回収機構、山口県下関市、羽村市、東村山市、兵庫県相生市及び赤穂市並びに豊岡市)ある。なお、兵庫県芦屋市と羽村市においては勝訴の判決もでている」としています。そして、同市が今回の裁判に勝訴した場合は「市税に充当できる額は3件合わせると約270万円になる。過払い金が滞納額を上回った場合には、還付金として滞納者に返還する」としています。

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大好評の百貨店の「下取りセール」にも関係する税務処理

2009年06月01日

景気低迷の中、個人消費の拡大を促進するため「下取りセール」を行う百貨店や家電量販店が増えています。下取りセールといいながら、なぜか顧客が持ってきた不要品を割引券やポイントに交換しています。

顧客が下取りしてもらおうと持ってくる物は、百貨店の場合、衣類がダントツで多く、家電量販店の場合はパソコンやデジタルカメラといわれています。

そもそも下取りというのは、顧客が購入を決めた商品と同じ種類の物を買い取ることを意味しますが、実際にセールを行っている百貨店などは、顧客が購入する商品に関係なく、顧客が持ってくる不要品を割引券やポイントと交換していて、単なる不要品の引取りに過ぎません。

このように百貨店などが不要品を割引券やポイントに交換するのには理由があります。顧客に対して新たに購入する商品を自由に選べるようにしたという意味合いもあるのですが、じつは、消費税の処理に気を遣っているのです。

百貨店などが行う消費税の処理は、商品の売上げ時に課税した消費税から仕入れ時に課税された消費税を差引く仕入税額控除を行うことになっています。商品の下取りも顧客が購入する商品を決めていない場合は、単純に商品の仕入れと同じことになり、その商品を仕入れる(下取りする)相手が消費税の課税事業者ではない個人となると、仕入税額控除の対象にならない取引となってしまいます。そのため、百貨店などは、その顧客が購入する商品の値引きとして処理できる割引券やポイントに交換しているわけです。

小売業などが売上げを伸ばすイベントを組むときには、必ずといって良いほど税務処理に注意が払われています。

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