国税庁が、法人税の確定申告書の事前送付サービスを取り止めることを正式に決めました。
現在、法人税の確定申告書は、本店を所轄している税務署から毎年自動的に送られてきますが、このサービスを国税庁が取り止めることにしたのです。国税庁では「現在、e−Taxを御利用されていない法人に対しては、税務署から申告書用紙を送付しているところですが、一方で、税務署から送付した申告書用紙以外の用紙の使用も散見されています。このため、国税庁としては経費削減の観点から、平成21年5月以降に税務署から送付する法人税確定申告書(平成21年4月1日以後終了事業年度分)の「別表等送付要否」欄を「翌年以降送付要否」欄に変更し、申告書用紙の送付を不要とされた法人に対しては、平成22年5月以降、申告書用紙の送付に代えて、申告のお知らせ(現在送付している申告書用紙の1枚目に相当するもの)のみを送付することとしました」と説明しています。
仮に、今後も申告書の事前送付サービスを受けたい会社は、今年5月以後に税務署から送られてくる法人税確定申告書にある「翌年以降送付要否」欄の「要」に○をすれば、いままでどおり申告書が事前に税務署から送られてきます。
昨年10月に会計検査院から不適正経理を指摘された愛知県ですが、同県の経理適正化推進チームが、平成13年度まで遡って調べた愛知県庁と同県の公営企業の不適正経理の実態をまとめました。
会計検査院が指摘した愛知県の不適正経理とは、同県が支出した費用に需用費と賃金・旅費に国庫補助金の対象外となっている費用が含まれているというものでした。需用費は、預け金や一括払い、差替え、翌年度納入、前年度納入など官庁が業務用品納入業者と結託して、伝票等を偽造し経費を水増しする不正のこと。また、国庫補助金対象外の賃金や旅費とは、補助事業と関係のないイベント事業への参加旅費や日当、人事異動に伴うあいさつ回りや事務引継ぎの際の賃金などのことです。
愛知県では、会計検査院から指摘を受けた昨年の10月に、西村副知事を座長とする弁護士や公認会計士など第三者からなる経理適正化推進チームを立上げ、実態調査を平成13年度まで遡って実施してきました。その調査の結果がこのほど報告されたのです。
それによると、「不適正な経理処理に係る需用費のうち『預け金』、『一括払』、『差替え』については、2億4,405万5,000円で、これに会計検査院の指摘分を含めると3億7,124万4,000円であった。このほかに需用費の翌年度納入、前年度納入が7億9,383万3,000円、国庫補助の対象外に係る賃金・旅費が3億2,464万9,000円あった」としています。ただし「平成13年度から20年度分の調査結果では、私的な流用や使途不明金は認められなかった」と付け加えています。
東京都が、今年の4月から地方税ポータルシステム(eLTAX)を利用した電子納税をスタートさせます。
東京都では、これまでもeLTAXを使って電子申告・申請は可能でしたが、納税はできませんでした。今回は、その電子納税ができるようにするわけです。電子納税ができるのは、法人事業税・地方法人特別税・法人都民税、事業所税(23区内)です。これにより、eLTAXを利用して、申告から納税までの手続が一貫して行えるようになります。
eLTAXを利用した電子納税とは、銀行などの金融機関の窓口に足を運ぶことなく、インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATMで納税することを可能としたものです。これまでは、法人事業税・地方法人特別税・法人都民税、事業所税(23区内)について、eLTAXで電子申告をしたにもかかわらず、税金自体は納付書を持って金融機関や都税事務所の窓口で納付しなければなりませんでした。
なお、eLTAXで電子納税できるのは、法人事業税、地方法人特別税、法人都民税の「本税の納付」「延滞金の納付」「加算金の納付」「見込納付」となっていて、事業所税(23区内)については、そのうち「見込納付」はできません。さらに、領収証書が発行されないので、必要な場合は従来どおり納付書により金融機関等の窓口で納付することになります。
国税庁のホームページから入っていける所得税の確定申告書作成コーナーについて、パソコンのWindows VistaでInternet Explorer 7を通じて開いた場合、画面遷移が正常に行われないケースがあることが分かりました。
国税庁では、急きょ確定申告書作成コーナーの画面が正しく表示されないときの対処方法について同庁ホームページなどで告知しています。
その具体的な対処方法としては、「Internet Explorer 7を管理者として実行する方法」と「『お気に入り』に登録する方法」とがあります。
まず、Internet Explorer 7を管理者として実行する方法ですが、一番目にInternet Explorerのアイコンを右クリックし、「管理者として実行(A)」をクリックします。すると、「ユーザーアカウント制御」のダイアログが表示されるので、「許可(A)」をクリックします。利用者が登録しているスタートページが表示されれば終わりです。これにより所得税の確定申告書作成コーナーが正しく表示されますが、作業完了後は、ブラウザを終了し「管理者として実行」を解除しておく必要があります。
一方、「お気に入り」に登録する方法ですが、まずはじめに「確定申告書等作成コーナーへ」のリンクボタン上で右クリックし、『お気に入りに追加(F)』をクリックします。次に「お気に入りに追加」ダイアログが表示されるので、『追加(A)』をクリックすれば設定終了です。作業をはじめるには、メニューバーの「お気に入り(A)」から、『確定申告書等作成コーナーへ』をクリックすれば「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面が正しく表示されるので、そのまま作業を始めることができます。
乳がんの治療で失った乳房を再生する「CAL組織増大術」費用が、所得税の医療費控除の対象になりました。
株式会社バイオマスターというクリニックが国税庁に問い合わせていた乳房の再生手術「CAL組織増大術」費用の医療費控除について、国税庁がOKを出しました。
同社は、乳がんの治療で乳房を失った患者を対象として、「CAL組織増大術」という手法を用いて乳房の再生手術を自由診療で行っています。「CAL組織増大術」とは、患者自身の脂肪を吸引し、その中から脂肪由来幹細胞を抽出して患者の乳房として移植する手法です。この手術を受けた人が、手術費用について所得税の医療費控除が適用できるようになるには、税法上の「病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」であることと、国税庁の取扱いにある「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しない」という規定をクリアーしなければなりませんでした。そこで、同社は費用については「平均的な費用が約100万円で、当クリニックにおける費用も片側で147万円であるから著しく高額ではない」とし、容姿の美化などとの違いについては「乳房再建手術は乳がん治療の一環として一般的に行われているもので、いわゆる豊胸手術のように美容目的で行われるものとは性格が異なる」などと説明していました。
財政再建に苦しむ大阪府が民間企業に自動車税納税通知書等封筒などへの広告掲載を呼びかけています。
自動車税納税通知書などの封筒への広告掲載の応募締め切り日(2月13日)が迫っていることから、大阪府がPRに躍起になっています。
大阪府では、新たな財源を確保し、府民サービスの向上と地域経済の活性化に役立てるとともに、広告主に地域貢献の機会を提供することを目的として、平成17年に同府資産に民間広告を掲載する事業をスタートさせました。自動車税納税通知書などの封筒への広告掲載は、その事業の一環です。
現在募集しているのは、大阪府が作成する自動車税納税通知書(5月定期課税発送分及び10月再送分)と自動車税督促状(7月発送分)、個人事業税納税通知書(8月発送分)にかかる封筒に掲載する広告で、フラップ部分(封筒の折り返し部分、縦25mm×横150o)に印刷するサイズのもの。広告掲載料は、220万円としています。
なお、掲載できる広告には基準があり、公序良俗に反するもの又はそのおそれのあるものや、広告事業の内容を府が推奨しているかのような誤解を与える恐れのあるものなどは掲載できません。
まもなく平成20年分の所得税の確定申告がスタートすることから、平成20年度税制改正で誕生した「ふるさと納税」について税務署が適正な申告を呼びかけています。
平成20年度税制改正で誕生した「ふるさと納税」に共感して出身地などに寄附を行った人は、所得税の確定申告を行うことで納める住民税が減額されます。よって、昨年1月1日から12月31日までに地方公共団体に行った寄附については、今年3月15日までに住所地を管轄している税務署に申告をすれば、税負担が軽くなるのです。
ただし、寄附を行なった地方公共団体からもらった領収書を申告書に添付しなければなりません。もちろん、所得税の電子申告(e‐Tax)を利用する場合は、その領収書の添付は省略することができます。その場合は、領収書は3年間保存しておく必要があります。さらに、ふるさと納税による住民税の寄附金控除だけを受けたい人は、所得税の申告の代わりに、住所地の市区町村に申告を行うこともできます。この場合に注意しなければならないのは、所得税の控除が受けられないということです。
ちなみに、ふるさと納税による住民税の寄附金控除とは、基本控除額と特例控除額の合計額が住民税から差引けるという制度です。基本控除額は、寄附した金額から5千円を差引いた金額の10%で、一方の特例控除額は、90%から所得税の限界税率を差引いた率に寄附金から5千円を差引いた金額を乗じた金額とされています。
サラリーマンが納めた税金を取り戻す税制として有名な所得税の医療費控除について、昨年分の所得税の確定申告からメタボ検診費用を加えられることが取り沙汰されています。
昨年4月にスタートしたメタボ検診は「義務化」されたことから、賛否両論が飛び交いましたが、そのメタボ検診では、自費で検診を受けた人がいました。そして、検診の結果、高血圧症と同等の状態にあると診断された人は特定保健指導を受けたものです。
メタボ検診の自己負担額は、人間ドックの費用のように医療費に該当するものではありません。しかし、そのメタボ検診の結果が高血圧症や脂質異常症、糖尿病と同等の状態と診断され、しかも、引き続きメタボ検診を行った医師の指示に基づき特定保健指導が行われた場合には、税務上、そのメタボ検診の自己負担額は医療費に該当すると取り扱われます。なお、メタボ検診の代わりに人間ドックを受診した場合は、その人間ドックに要した費用もメタボ検診に係る診断料と同様の取扱いとなっています。
なお、医療費控除は、「実際に支払った医療費の合計額」−「保険金などで補てんされる金額」−10万円により算出された金額が年間所得金額から控除できるという制度です。