過去のニュースを見る>>

国税がヤフーの「官庁オークション」で今年第3回目のネット公売

2008年10月27日

国税庁が、平成20年度第3回目のインターネット公売を実施します。今回は土地、建物などの不動産やリゾート会員権が中心に出品されます。

公売は、国税を滞納している納税者から税金を徴収するために、その納税者から差押えた財産を強制的に売却する制度です。そして、インターネット公売は、買受申込みなどの公売手続の一部について、ヤフー株式会社の「官公庁オークション」を利用して実施されます。
  平成20年度第3回目のインターネット公売は、土地76件、建物2件、土地付建物15件、区分所有建物5件、リゾート会員権10件が出品される予定です。公売参加申込期間は、10月31日(金)午後1時から11月17日(月)午後5時までで、この参加申込みを行わなければインターネット公売に参加することはできません。

公売では、保証金が必要となりますが、公売保証金額が50万円以下の物件についてはクレジットによる払込みで、公売保証金額が50万円超の物件についてはクレジットによる方法と現金振込による方法が選択できます。公売保証金の提供期限は、クレジットによる方法の場合は、11月17日(月)午後5時までで、現金振込による場合は、11月20日(木)午後2時までです。委任状などの必要書類の提出期限は11月20日(木)までとされています。

買受申込期間は、11月25日(火)午後1時から12月1日(月)午後1時までとなっていて、最高価申込者(落札者)の決定日は、12月3日(水)午前10時です。売却決定日は12月10日(水)午前9時、買受代金納付期限は12月15日(月)午後2時とされています。

▲ページトップへ戻る

婚姻取消された妻は所得税の寡婦控除受けられない

2008年10月27日

サッカー米MLS・LAギャラクシーのイングランド代表デイビッド・ベッカム選手が、夫人で歌手のビクトリアさんと離婚の危機にあることが話題となっています。ところで、日本の税務では、離婚にまつわる制度に意外な落とし穴があります。

夫と死別し、もしくは離婚した人で、扶養親族や生計を一にする子共がいる人は寡婦に該当し、27万円の所得控除(寡婦控除)が適用できます。最近は、外国人と結婚する人が多く、夫が外国人の場合、出身国の婚姻制度によっては一夫多妻制をとっていて、重婚で自治体と争いになるケースもあります。日本の場合は、一夫一婦制なので、重婚の禁止を理由として、そういった外国人男性との婚姻が取り消されることがあるわけです。

そのため、婚姻の取消し後において、妻だった女性が寡婦控除を適用できると勘違いするケースがあります。これは、所得税法で「離婚」について定義を設けていないために起きるものです。国税庁では、「離婚」の解釈については民法の規定で判断しています。

民法上、離婚とは、生存中に婚姻を解消することを言います。また、婚姻の取消しとは、民法の規定に違反した婚姻について、婚姻取消しの判決又は審判により、その婚姻の効力が否定されることを言います。つまり、離婚は、適法な婚姻の解消であるのに対して、婚姻の取消しは、その成立自体に瑕疵又は違法性のある婚姻の解消である点で、両者の性質は異なるわけです。

したがって、所得税法上の「寡婦控除」の要件である「夫と離婚した人」に「婚姻を取消された人」は該当せず、寡婦控除は適用できないわけです。

▲ページトップへ戻る

昨年度の所得税調査3万件増え82万7,000件―国税庁

2008年10月20日

国税庁が今年6月までの1年間(平成19事務年度)に全国の税務署が実施した所得税調査の状況を公表しました。それによると、調査件数は前年度より約3万件も増えています。

所得税の調査には、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を行う特別調査・一般調査と、申告漏れ所得等の把握を短期間で行う調査「着眼調査」、計算誤りや所得控除などの適用誤りがあるものを是正する「簡易な接触」があります。このほど国税庁が公表したそれらの調査件数は、特別調査・一般調査が6万件(前事務年度6万3,000件)、着眼調査は17万5千件(同18万3,000件)、簡易な接触は59万1,000件(同54万9,000件)でした。合計で82万7,000件(同79万5,000件)にのぼります。

そのうち申告漏れなどの非違があった件数は、59万2,000件(同57万5,000件)でした。申告漏れ所得金額を見てみると、総額9,635億円(同9,166億円)で、このうち特別調査・一般調査によるものは5,828億円(同5,337億円)、着眼調査によるものは3,371億円(同3,281億円)、簡易な接触によるものは436億円(同548億円)でした。追徴税額は、総額1,322億円(同1,243億円)で、このうち特別調査・一般調査によるものは1,121億円(同995億円)、着眼調査によるものは159億円(同153億円)、簡易な接触によるものは42億円(同95億円)となっています。1件当たりの事業所得の申告漏れ所得金額が高額な業種は1位が貸金業(2,957万円)、2位病院(2,830万円)、3位風俗業(2,100万円)となっています。

▲ページトップへ戻る

自民税調の証券優遇税制延長決定に財務省は考え方変えず

2008年10月20日

来年度税制改正の内容のつめを行っている自民党税制調査会が、上場株式などの配当や譲渡益への所得税率について、来年以後も現行の一律10%を継続することを決定しました。

上場株式などの配当や譲渡益に対する証券優遇税制の2009年1月以降の延長は、麻生太郎首相が指示した追加経済対策に関連したもので、自民党税制調査会正副会長らによる会議で決まったものです。したがって、来年から適用される予定だった上場株式などの年間500万円以下の譲渡益と100万円以下の配当金にかかる10%特例税率は帳消しとなります。

気になるのは、証券優遇税制を廃止して原則の20%税率に戻し、金融所得一体課税を目指していた財務省の対応です。財務省の杉本和行事務次官は、記者会見で「現在におきましてはまだ総理から指示を受けて与党内で検討が行われている段階だというふうに理解している。まだ私共として何か申し上げる段階ではない。ただし、一般論として、金融証券税制については20年度税制改正において『金融所得課税の一体化』に向けた措置を講じたところなので、こうした取り組みをさらに進めていく必要があると考えている。また、簡素で分かりやすい仕組みが重要。いずれにせよ今後年末に向け関係者の意見を踏まえつつ、政府・与党で検討していくことになると考えている」と語り、様子見の姿勢を崩していません。

▲ページトップへ戻る

株価暴落で個人向け国債の相続税評価まで心配する人も出現

2008年10月14日

世界的な金融危機による株価暴落で、国内の投資家の多くがリスクの少ない投資商品に注目していますが、ここへ来て、財務省が発行している個人向け国債を相続したときの評価の仕方がクローズアップされています。

個人向け国債は低所得層でも手軽に買えるノーリスク商品です。そこで、購入を検討する人が増えているわけですが、心配されているのは、相続が発生したときの評価額の算定方法が分かりにくい点です。個人向け国債の変動金利10年ものの場合は発行から1年、固定金利5年ものの場合は発行から2年がそれぞれ経過すると、いつでも中途で換金できることになっています。したがって、常に中途での換金が可能な個人向け国債は、金融商品取引所に上場されている利付公社債などと実質的に同じように国税庁は取り扱っています。つまり、利付公社債などが金融商品取引所で成立する取引価格により時価を把握しているように、個人向け国債も中途換金の額で評価することにしているのです。

具体的には、「額面金額+経過利子相当額−中途換金調整額」によって計算した金額によって評価します。

なお、中途換金調整額は、個人向け国債の種類、課税時期と利子支払期日の区分及び課税時期(平成20年4月14日以前、同月15日以後)に応じて、変わります。例えば、個人向け国債の変動・10年ものの場合、平成20年4月14日以前のものについては「中途換金日の直前2回分の各利子相当額」で評価し、平成20年4月15日以後のものについては「中途換金日の直前2回分の各利子相当額×0.8」で評価します。

▲ページトップへ戻る

政府の補助金事業5,000億円は削減可能―日本総研が検証

2008年10月14日

シンクタンクの(株)日本総合研究所が「補助金削減論議の進化に向けて」と題するニュースリリースを発表しました。

政府が実施している補助金事業27.6兆円(平成19年度予算)は、税金のムダ使いの温床と言われ続けています。一方で、これまでの歳出削減により、補助金のカットには限界があるという指摘も少なくはありません。そこで、日本総研では、「『平成19年度補助金総覧』における個別補助金の再集計を通じて、複雑で分かりにくい補助金等の内容整理を行うことで削減検討対象のあぶり出しを行った」としています。

この検証作業では、政府の一般会計の補助金等約23兆円のうち、17.2兆円が厚生労働省と文部科学省に割り当てられていますが、そこから地方公共団体向け補助金(11.8兆円)と社会保障関係費や義務教育国庫負担金(1.9兆円)を除いています。また、特別会計からの補助金等4.6兆円のうち、厚労省所管の年金特別会計から地方公共団体向けの0.5兆円についても対象外としています。したがって、日本総研では、検証対象補助金は一般会計と特別会計を合わせて8.6兆円としました。

ムダ削減の趣旨に合致しない補助金としては、国立学校法人や国家公務員共済組合向けのもの、宇宙航空研究や旧日本育英会などへの補助金7.35兆円であるとし、残る1.25兆円が検証対象になり得るとしています。具体的には「補助金総覧」だけではなく国会提出資料の中に「民間団体等」として集計されている社団法人、財団法人、社会保険関係法人などが含まれていて、ここに「削減の余地あり」としました。金額的には0.45兆円から0.55兆円が検討対象と結論付けています。

▲ページトップへ戻る

減価償却資産の5年均等償却は95%償却した翌年から適用

2008年10月06日

平成19年度税制改正で減価償却資産の償却方法が大幅に改正され、100%償却が可能となりましたが、償却限度額95%を超えて償却し始めるときのタイミングで戸惑う納税者がクローズアップされています。

減価償却とは、業務に使うことによって価値が減少する資産、いわゆる減価償却資産について、その取得価額を使用可能期間に費用として配分する計算手続きのことです。そして、実際に償却するときには償却限度額というものが規定されていました。その償却限度額については、資産を除却しない限り、減価償却資産の取得価額の95%までとされていました。

それが平成19年度税制改正で100%償却できることになったのです。具体的には、95%まで償却が進んだ資産は、それ以後5年間で全額均等償却可能とされ、1円(備忘価額)まで償却できることになりました。

そこで、個人事業者の間では、95%まで償却したらその年から5年間の均等償却が適用できると思い込んでいる人が意外と多くいます。これについて国税庁では「5年均等償却は、減価償却費の累計額が取得価額の95%相当額に達した年分の翌年分から適用されます」と説明しています。これは、「平成19年3月31日以前に取得した一定の減価償却資産で、各年分の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入された金額の累積額が取得価額の95%相当額に達している場合には、その達した年分の翌年分以後の5年間で、1円まで均等償却する」とされている所得税法施行令第134条第2項に基づいています。

▲ページトップへ戻る

日本経団連が消費税率10%と5%の複数税率設置を提言

2008年10月06日

(社)日本経済団体連合会(日本経団連、御手洗 冨士夫会長)が「税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言」を発表しました。

日本経団連の今回の「税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言」で注目されているのは、「当面の一体改革の具体策」です。そこでは、「社会保障制度の綻び解消や基礎年金の安定的財源確保、基礎的財政収支の黒字化などに向け、2009年度から2011年度の3年間を第一フェーズと位置づけて、税・財政・社会保障の改革を一体的かつ連続的に措置すべき」としています。ただし実施に当たって「経済情勢や歳出入への影響に注意し、柔軟かつ機動的な判断が必要になる」ことも付け加えています。

そして、2010年度、または遅くとも2011年度を目途に「中低所得者層を対象とした、5年程度の時限措置として消費税率1%相当規模の大胆な所得税の定額減税の実施(例えば、世帯当たり10万円程度)」や「社会保障制度や少子化対策、基礎的財政収支の黒字化に向け、消費税率を5%引き上げ10%にし、地方の財源確保と活性化に資するよう、国7%、地方3%の配分を行う。同時に基礎的な食料品等に関しては軽減税率(現行の5%を維持)を検討する」、「社会保障番号を活用した納税者番号制度の導入する」ことを要求しています。

一方、法人企業については、「諸外国で進む法人実効税率引き下げ競争への対応はわが国経済成長のための主要課題である」とした上で、「地方法人特別税の廃止や地方法人二税の見直し」、「欠損法人による適切な応益負担」などを求めました。

▲ページトップへ戻る

過去のニュースを見る>>