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税理士会による税務支援等納税者数が昨年よりも19万人減少

2008年08月25日

日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)がこのほど、平成19年度中に全国の税理士会が行った税務支援等納税者数を発表しました。それによると、税理士会による納税者支援数は減少傾向にあります。

日税連の調べによると、全国の税理士会が行った税務支援等納税者数は約141万人で、前年度比で約19万人減少していました。このうち、確定申告相談における指導納税者数は約90万人で、前年度比で約13万人減少しています。これについて税理士会関係者は「国税当局との電子申告の積極的な推進により、税理士会よりも税理士会員が積極的に多くの納税者にアプローチしていることが影響しているのではないか」と見ています。

一方、給与・年金所得者の還付申告に係る指導納税者数は約18万人で、こちらは前年度比で約8万人増加していました。また、確定申告期の指導納税者に占める給与・年金所得者の還付申告に係る指導納税者数の割合も、前年度より11.14ポイント増え20.3%でした。やはり、多くの納税者が税金の納め過ぎに強い関心を持っていることから、税理士会に相談する人が少なくないことがわかります。
  ちなみに、国税庁が公表した平成19年分所得税の確定申告書を提出した人員は2,361万6,000人で、そのうち還付申告は1,269万2,000人でした。この数字から見てもわかるように、全国の税理士会による納税者支援の重要性は高まるばかりです。

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地方消費税への税源移譲など求めた提言を主要閣僚に提出―全国知事会

2008年08月25日

全国知事会の地方交付税問題小委員会委員長(井戸敏三兵庫県知事)が、8月19日、「地方交付税の復元・充実等に関する提言」を主要閣僚に提出しました。

同小委員長は、このほど全国知事会の政府への要請活動として、「地方交付税の復元・充実等に関する提言」を町村内閣官房長官、増田総務大臣、与謝野内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)などに提出しました。

「地方交付税の復元・充実等に関する提言」は、今年7月17日、18日に神奈川県で開催された全国知事会議において決定されたものです。同提言は、「地方交付税総額の復元・充実」、「 地方の財政需要の適切な積上げと格差是正」、「地方財政を犠牲にしたプライマリーバランス改善の見直し」、「地方財政対策の確定等における地方意見の確実な反映」を柱としていて、地方分権推進に必要な財源について各種要請を行っています。

納税者である地域住民にとってもっとも関心が高いのは、財政の基盤となる税源の問題です。これについて同提言では「地方の財政自主権を担保するための税源配分の実現」として「国と地方の税源配分について、まずは5:5を目指した地方税源の充実強化が必要」、「税源配分5:5の実現は、基本的に国庫補助負担金の廃止・縮小とそれに伴う偏在性の少ない地方消費税等への税源移譲によってなされるべき」、「消費税を含む税体系の抜本的改革を行なったとしても、地域間格差は依然として解消されないことから、法定率の引上げを含め、地方交付税が有する財源調整・財源保障機能の充実を図るべき」としています。

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民間でできることは民間で―税務大学校校舎の管理運営を民間委託へ

2008年08月18日

税務大学校の施設の管理・運営について、民間委託する方向性が固まり、このほど、その民間委託の競争入札に関する実施要綱が発表されました。規模が大きいだけに請負う企業には大きな収益がもたらされます。

民間でできることは民間に任せる―官僚の天下り団体による庁舎・公共施設の管理・運営は、サービスの向上や事業の効率化が望めないばかりか、税金のムダ遣いの温床となっています。そこで、政府では、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」を平成18年に創設して、民間業務委託を積極的に推進することとしました。

財務省・国税庁もその法律の趣旨に則って、このほど「税務大学校和光校舎における施設管理・運営業務に係る民間競争入札実施要項(案)」をまとめ、広く国民に意見を募集しています。

税務大学校は、国家公務員として採用された税務職員に対して必要な研修を行う機関で、税務大学校和光校舎(埼玉県和光市)は、その本拠地です。敷地面積は10万5000uで、5階建「管理棟」、7階建「研修棟」、3階建「階段教室棟」、2階建「厚生棟」、2階建「体育館」、10階建「学寮棟」4棟、1階建「倉庫棟」から構成されています。

民間に委託するのは、こうした施設の点検及び保守業務、清掃業務、施設警備業務、図書室管理業務の各業務の包括的な管理・運営です。業務の委託期間は、平成21年4月1日から平成24年3月31日までとなっていて、この業務の入札書類の提出期限は、平成21年1月中旬頃とされています。入札には、ひとつの事業者で参加することもできるし、複数の事業者で構成されるグループで参加することも可能です。開札は、平成21年2月下旬頃とされています。

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商工会議所会頭が新福田内閣に中小企業税制の充実を要請

2008年08月18日

日本商工会議所の岡村正会頭が、さきに新福田内閣が取り決めた総合経済対策について、速やかな実施と中小企業の実効性のある事業承継税制の導入を政府に求めました。

新福田内閣がこのほどまとめた総合経済対策に対して、岡村会頭は「政府は、タイムリーに決定した基本方針に則って、速やかに総合経済対策を具体化し、財政・金融・税制等を通じて、国民の安心実現のための思い切った政策を実行してもらいたい」とのコメントを発表しました。そのコメントの中の「財政・金融・税制等を通じて、国民の安心実現のための思い切った政策を実行してもらいたい」というくだりについては、8月8日に同会議所が発表した「福田改造内閣に望む」と題する要望書に記述されています。

具体的には「中小企業に対するさらなる支援強化」というタイトルで「とりわけ、小規模(事業者)対策の柱として商工会議所が約半世紀にわたり信頼と実績を積み重ねてきた経営改善普及事業に対する都道府県の予算措置が十分なものとなるよう強く求める。また、下請適正取引の推進、資金調達の円滑化、設備投資等を促進する税制や使い勝手のよい事業承継税制の実現、地球温暖化対策への取り組み支援など中小企業の事業基盤強化に対する一層の施策を強力に実施されたい。特に、事業承継税制については、事業継続や雇用の維持等地域経済活性化の観点から極めて重要な施策であるので、納税猶予税額が免除される要件の具体化などに当たっては、真に実効ある制度となるよう要望する」としているものです。

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企業5社に1社が消費税率「10%」―帝国データバンク調べ

2008年08月11日

民間調査機関の帝国データバンクが、このほど、全国2万1,040社を対象に消費税や税制に対する意識調査を実施した結果を公表しました。それによると、5社に1社が消費税率10%を念頭においていることが分かります。

帝国データバンクが、今年7月18日から同月31日にわたって「消費税や税制に対する企業の意識調査」を実施しました。有効回答数は1万651社でした。

同意識調査の結果を見てみると、「消費税率が引き上げられることについて」の質問で、「賛成」と回答した企業は3,145社(29.5%)でした。逆に、「反対」とした企業は5,336社(50.1%)で、半数の企業が消費税率の引き上げに対して反対の意思表示をする一方で、3割程度の企業が賛意を示しています。

消費税率の引き上げに「反対」した理由としては「歳出削減が進んでいない」が5,336社中4,277社(80.2%)で最も多く、次いで「さらに景気が悪くなる」3,563社(66.8%)、「政治不信」2,683社(50.3%)といった順番でした。帝国データバンクでは「景気が一層後退することに懸念を感じているほかに、歳出削減が進んでいないなかで政治や行政に対する不信感が反対理由の上位に挙がった」と分析しています。また、「消費税率が将来引き上げられるとき」の質問では、「税率10%にすべき」と2,266社(21.3%)が回答、5社に1社が次の税率改定では「10%」を念頭においていました。

なお、税制改正への期待では、「道路特定財源の一般財源化への具体案」3,918社(36.8%)、「子育て世代への優遇策」3,833社(36.0%)、「たばこ税増税」3,599社(33.8%)、「消費税の見直し(食料など生活必需品への軽減税率の導入)」3,409社(32.0%)で3割を超えています。

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遺産から払った退職金は相続税の債務控除の対象なの?

2008年08月11日

事業主の不慮の事故で、事業基盤を失う個人商店などが続出していますが、いま個人事業主の間で、廃業後に遺産から支払う従業員への退職金が相続税の計算上、債務控除の対象になるかどうかが取り沙汰されています。

個人事業者が従業員に支払う退職金は経費として計上できます。しかしそれは、事業がうまくいっているときであって、事業主の不慮の事故で廃業に追い込まれた場合は、事業主の遺産から解雇した従業員に退職金を支払うことになります。問題は、その従業員に支払った退職金が相続税の計算上、債務控除できるかどうかです。

このところ、地震や豪雨などの災害で命を落とす事業主が多くいることから、自分にもしもの場合があったときのことを考える事業主たちから、そういった声が聞かれるわけです。

その疑問について国税庁では「被相続人の死亡によって事業を廃止して、被相続人が雇用していた従業員を解雇するときに、その従業員に支給した退職金は、被相続人の生前事業を営む期間中の労務の対価であり、被相続人の債務として確実なものであると認められるので、相続税の課税価格の計算においては、その金額を控除しても差し支えない」と回答しています。

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5,000円以下の飲食費の経費算入制度で交際費減少―中小企業実態調査

2008年08月04日

中小企業庁が「平成19年度の中小企業実態基本調査」の結果を公表しました。そこには、平成18年度税制改正で導入された交際費課税の軽減措置の効果が現れています。

中小企業実態基本調査は、中小企業庁が平成16年度から毎年実施しているものですが、今回の調査報告書は、平成18年度の中小企業の決算データを基に提出された回答を集計し、取りまとめたものです。調査のベースは、売上高を基に、目標精度(標準誤差率)を業種分類(産業大分類)ごとに概ね5%、業種分類・従業者規模区分ごとに概ね8%として標本数を算出し、55,896件から回答を得ています。

今回の調査で注目されるのは、平成18年度税制改正で導入された「5,000円以下の飲食費の経費化」です。この制度の効果がどの程度あったかが問われました。

今回の調査における中小企業の営業費用の構成は、売上原価が78.4%で、販売費及び一般管理費は21.6%を占めました。売上原価の内訳では、商品仕入原価が42.2%と最も高く、次いで材料費11.8%、外注費10.9%の順となっています。販管費の内訳は、人件費が10.5%と約5割を占め、次いで地代家賃が1.3%、減価償却費が0.9%、運賃荷造費が0.9%となっています。そして、その販管費のなかに交際費が含まれているわけですが、今回の調査結果では、経費全体に占める交際費は0.3%でした。平成18年度の調査では、経費全体の中で交際費は0.4%だったことから、0.1%減ったことになります。不安定な景気から交際費を抑えた企業が増えた感もありますが、金額にすると0.1%は約300億円で、1社あたり年間で約53万円減ったことになることから、5,000円以下の飲食費の経費化はある程度効果があったと見られています。

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相続税の課税方式変更で日税連が財務省と意見交換

2008年08月04日

日本税理士会連合会(池田隼啓会長、日税連)の調査研究部(杉田宗久部長)が、7月31日に平成21年度税制改正に向けて検討されている相続税の課税方式の変更について、財務省主税局と2回目の意見交換を行いました。

今回の意見交換の内容については、公開されておらず、日税連の調査研究部が作成した資料が現時点で公開されているだけです。その資料は、相続税の課税方式を本来の遺産取得課税方式に改めることにした場合の現時点における主な法制的・実務的論点について、有識者からのヒアリング結果などを踏まえて整理されたものです。

同資料では、例えば「仮装分割・仮装未分割等への対応」と題して検証。現行制度では、相続税の総額について、合計課税価格に相当する金額を相続人が法定相続分に応じて取得したものとして算出し、各取得者の相続税額は、相続税の総額に各取得者の取得財産の課税価格が合計課税価格に占める割合を乗じて算出します。これについて、遺産取得者課税に変わると「現行課税方式の下では、相続税の総額は遺産がどのように分割されたかのかに関わらず一定であるが、課税方式を見直した場合には、相続税の総額は遺産分割のされ方に影響を受けることになることを踏まえ、仮装分割や仮装未分割等による租税回避行為が発生する」という問題が生じる可能性があることを指摘。

これについて、有識者の考え方は、「仮装分割等の租税回避行為に対しては、適切な調査により対応する必要があると考えられる。他方、納税者に過度の負担をかけることを避けるため、現行以上に効率的・効果的な調査を行う必要があることから、例えば、資料情報の一層の充実を図ることとしてはどうか」としています。

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