東京都が、自動車税の納税通知書を確実に納税者に送付するため、引越しなどをした納税者のために、納税通知書の新たな送付先住所を届け出る専用ダイヤルを2月25日に設置しました。
東京都によると「昨年、5月初旬に納税者に送付した自動車税の納税通知書は、約234万通だったが、約4万通が宛先不明等で戻ってきた」としています。その戻ってきた納税通知書の宛先不明の理由のほとんどが、引越しなどで住所が変わっているものばかりでした。
自動車を所有する納税者は、引越しなどにより住所が変わった場合には、車検証の変更登録手続きが義務付けられています。具体的に、その車検証の変更登録手続きは、住所が変わった年の翌年3月末までに住所地を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所において行わなければなりません。その手続きを怠る納税者が多いわけです。
東京都サイドとしては「変更手続きが遅れると、転居先の納税者の元へ納税通知書が届かないことがある」として困っていました。そこで、このほど、納税通知書の新たな送付先住所を届け出る専用ダイヤル(0570-064-154、PHS・IP電話からの場合は、03-5985-7811)を設けたわけです。この専用ダイヤルでの受付けは、休日を除く月曜日から金曜日までの毎日午前9時から午後5時までとなっています。また、自動車税の納税通知書の送付先住所変更は、東京都主税局のホームページ上(
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/info/henkou.pdf
)でも行えます。
東京都主税局では「4月10日(木)までに、送付先住所の変更を届け出ていただければ、5月初旬に納税者の元へ平成20年度自動車税納税通知書を送付することができる」としています。
2月19日、衆議院の財務金融委員会で2008年度の税制改正関連法案の審議が始まりました。何といっても注目されているのは、道路特定財源の暫定税率の行方です。
政府・与党は、道路特定財源の暫定税率の向こう10年間維持を法案に盛り込んでいます。一方、野党の民主党は、暫定税率廃止について依然として方針を変えてはいません。衆議院と参議院で与野党の勢力が逆転しているねじれ国会の影響で、ここへきて、法案を年度内に通過させたい政府・財務省の思惑とは違った動きが出てきています。
自民党の主要な支持母体である石油連盟から、同法案の年度内成立ができない場合のことを予測して「手持ち品減税」を求める声が出始めました。ガソリンは製油所から出荷する段階で課税されるため、法案不成立により3月末で暫定税率が廃止されると、同一地域の給油所でも3月中に製油所を出た「高いガソリン」と4月以降の「安いガソリン」が混在することになります。現行の暫定税率が設けられた1979年の税率引き上げ時には、安い在庫と高い在庫の混在による混乱を避けるため、政府は安い在庫に税金をかける「手持ち品課税」を行った経緯があります。そこで、石油連盟は「逆に手持ち品減税もありではないか」というわけです。
財務省の津田廣喜事務次官は記者会見で、この道路特定財源の問題について「国民経済や国民生活が混乱しないでスムーズに行くように、年度内成立について是非お願いしたいと思っている。我々としては国会の場において、あるいはその外においトも、法案についてできるだけきちんとした説明をして、ご納得をいただけるように努力をしていきたい」と回答しています。
平成20年度税制改正関連法案に盛り込まれている「ふるさと納税」を積極的に活用しようと、このほど佐賀県が“納税者”に対してお品書きを示し話題となっています。
「ふるさと納税」は、いま開会中の通常国会に政府が提出している平成20年度税制改正関連法案に盛り込まれているもので、個人が支援したいと思う自治体に対して行った寄付金相当額が、住民票のある自治体の住民税などから控除される制度のことです。そもそも「ふるさとを大切にしたい」という気持ちをかたちに表すことを目的とした制度ですが、「税金は実際に公共サービスを受けている自治体に納める」という税の理念にそぐわないとして、昨年秋に大都市の首長らが導入に反対した制度でもあります。
しかし、政府自体がそのふるさと納税の導入を容認したことから、まだ法案段階ですが、その仕組みを大いに活用しようと地方の自治体が相次いで名乗りを上げています。その中で、このほど佐賀県が寄附をしてくれる“納税者”に対して、お品書きを示して話題を呼んでいます。そのお品書きは、納税するおカネの使い道を示したもので、納税者にメニューの中から何に使ってほしいかを選んでもらう仕組みになっています。
そのメニューには、名勝「九年庵の保全」やヨット世界選手権大会の会場となるヨットハーバーの整備、子どもたちへの本の贈りもの、高校生のスポーツ活動支援、県民協働のCSO(市民社会組織)の活動支援、知事におまかせコース―が書き込まれています。
社会保険庁が未払い年金を一括支給した際に、過大徴収した源泉所得税の還付問題で、舛添要一厚生労働大臣が「税法上の時効前の期間についても還付する」と発言したことから、国税庁と厚生労働省とが対応に追われています。
社会保険庁による源泉所得税の過大徴収とは、未払いとなっていた過去の年金を一括支給した際に、その支給金額総額を課税価格として所得税を源泉徴収していたというものです。そして、そのような課税処理をしたケースが昨年だけではなく過去にもあり、税金を過大徴収された人は4万人を超えると言われています。
原則として、年金を一括支給した場合、所得税の源泉徴収は各年ごとに税額計算をやり直して、支給総額から天引きしなければなりません。しかも、過大に徴収してしまった場合は、所得税の課税に5年間という時効があり、還付請求できる期間も5年とされているため、それ以上さかのぼって還付請求はできないことになっています。
したがって、平成14年以前に年金から多く徴収された源泉所得税は還付されないわけです。にもかかわらず、舛添厚労相は、記者からの質問に対して「5年間が時効だが、社保庁の責任だから国民が不利になるようなことは絶対に許さない」と発言しました。そのため、国民に誤解を招いてはまずいと判断した厚生労働省の江利川毅事務次官は「大臣は、ことの経緯から考えて何らかの対応をとりたいというお気持ちで言われたのだと思います」と火消しに走りました。
また、多くの人たちから税務署に問い合わせが殺到することが予測されたことから、今度は国税庁がホームページに「社会保険庁が発行した「公的年金等の源泉徴収票」の誤りへの対応について」と題するトピックスを掲載。平成14年以前のものまで還付することは、まだ決まっていないことをPRし始めました。
社会保険庁が年金未払い者に昨年、一括支給した際に源泉所得税を過大に徴収していた問題で、国税庁がこのほど日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)に納税者からの相談受入れなどで協力を要請しました。
社会保険庁の源泉所得税の過大徴収問題とは、年金未払い者に昨年一括支給した際に支給総額を課税価格として源泉所得税を徴収していたというものです。所得税の源泉徴収は、原則として各年ごとに課税価額を計算し徴収しなければならないことになっています。しかも、社会保険庁は昨年だけでなく、過去にも年金を一括支給した人について支給総額を課税価格として源泉所得税を課税していました。
そこで、国税庁は多くの年金生活者から今回の問題について相談が殺到すると予測、日税連に協力を要請しました。その要請の内容は「年金受給者から源泉徴収票が間違っているのではないかとの相談等があった場合には、社会保険庁(社会保険事務所)で確認していただき、誤りがあれば各年分の正しい公的年金等の源泉徴収票を再発行してもらった上で、平成19年分確定申告の手続を行うとともに、必要に応じて平成18年以前分の修正申告又は更正の請求を行うことを説明していただきますようお願いいたします」などとしています。
平成20年度税制改正の目玉となっている「事業承継税制」の根拠法となる「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が、2月5日に閣議決定されました。同法律案は、中小企業の事業承継をスムーズに進めることを目的としているものです。
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」(事業承継円滑化法案)は、事業承継税制の拡充や民法上の遺留分制度による制約への対応を始めとする中小企業の事業承継をスムーズに進めるための総合的な支援策の基礎となるものが盛り込まれたものです。今回の閣議決定を受け、現在開会中の通常国会に間もなく提出されます。
同法律案の施行予定日は、平成20年10月1日とされていて、もし、国会での審議の結果により、その施行日が遅くなった場合のことを想定して、民法の特例と相続税の課税に関する措置については、同法の施行日より遡及適用となることが規定されています。
相続税の課税に関する措置とは、経済産業大臣の認定を受けた非上場中小企業の株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税を納税猶予するというものです。要件としては、雇用確保や5年間事業を継続することなどが平成20年度税制改正関連法案に盛り込まれています。
一方、民法の特例については、一定の要件を満たす後継者が、遺留分権利者全員との合意及び経済産業大臣の確認や家庭裁判所の許可といった手続きを経ることを前提に、(1)生前贈与株式を遺留分の対象から除外して、相続に伴う株式分散を未然に防止する(2)生前贈与株式の評価額を予め固定して、後継者の貢献による株式価値上昇分が遺留分減殺請求の対象外とする―という措置が講じられます。そのほか、株式や事業用資産の取得資金、信用力の低下時の運転資金など幅広い資金ニーズに対応した措置も用意されています。
定期借地権の設定による保証金の経済的利益の課税に係る平成19年分の適正な利率が発表されました。平成19年分の平均利率は1.7%です。
国税庁と国土交通省は協議により、定期借地権の設定による保証金の経済的利益の課税に係る平成19年分の適正な利率をこのほど決定し、国土交通省は早速、不動産関連の団体に対してその平均利率を周知し始めました。
国土交通省が周知している内容は「定期借地権の設定に伴って賃貸人が賃借人から預託を受ける保証金(賃借人がその返還請求権を有するものをいい、その名称のいかんを問わない)の経済的利益の所得税の課税に係る平成19年分の適正な利率については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げるとおりとする。
1、当該保証金が各種所得の基因となる業務に係る資金として運用されている場合又は当該業務の用に供する資産の取得資金に充てられている場合、両建の経理の場合の適正な利率は、平均的な長期借入利率によるべきであるが、1.7%としても差し支えない。2、この1の場合以外で、かつ、当該保証金が、預貯金、公社債、指定金銭信託、貸付信託等の金融資産に運用されている場合以外のときは、利息に相当する金額を計算する場合の適正な利率は、各年中の10年長期国債の平均利率によることとしており、平成19年分については、1.7%となる」としているものです。
国税庁が所得税の納税証明書の交付請求書の様式を一部改正しました。これまでは、証明書の種類「その2」は、所得金額のみを証明するものでしたが、今回の改正で所得の種類別に証明してくれる形に変わりました。
国税庁が法令を解釈した通達の「納税証明に係る交付請求書及び証明書様式の制定について」の一部改正を行いました。国税庁が申告所得税について発行してくれる納税証明書には、「納付すべき税額や納付済額、未納税額を証明したもの」(その1)と「所得金額を証明したもの」(その2)、「未納税額がないことなどを証明したもの」(その3)、「滞納処分を受けたことがないことを証明したもの」(その4)があります。同通達には、これらの証明書を交付請求する書面の様式が定められているわけですが、今回の改正では「その2」の様式が一部改正されました。
納税証明書「その2」は、これまで所得金額のみ証明していましたが、今回の改正で所得種類別の証明を可能としています。
具体的には、納税証明書交付請求書の中にある「証明書の種類」の欄の「その2」に、これまでは「証明を受けようとする事項」については「所得金額」とだけ記載されていました。今回の改正により、その記載が「所得金額、※申告所得税の証明の場合、所得種類別の証明も可能です。□には証明を受けようとする事項にレ印を記入してください」とされ、さらに「□総所得金額の証明、□事業所得金額の証明、□上記以外の所得金額の証明」という選択肢が盛り込まれました。