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社会保険を強調して!−基礎年金への税投入で舛添厚労相が注文

2007年10月29日

経済財政諮問会議(議長=福田康夫首相)の民間議員が10月17日に開催された第23回会議で「基礎年金制度の基本的方向」を示し話題となっています。

同会議で民間議員は「年金制度の基本方向を論議するためのもの」と前置きし、「イ、国庫負担を1/2として、現行の保険料方式を維持する考え方」と、「ロ、国庫負担2/2(税方式)へ切り換える考え方」の2つの選択肢を示しました。

その選択肢の具体的な内容は、イの国庫負担を1/2として、現行の保険料方式を維持する考え方については、「現行の社会保険方式の基本を維持しながら、国庫負担を1/3から1/2へ引き上げることによって、年金財政の安定性が増すこととなる」、また、「しかし、現状のまま単に国庫負担を引き上げるだけでは、従来からの(1)未納の問題、(2)年金事務の信頼性・効率性の問題の解決にはつながらず、問題の先送りとなる。また、(3)世代内・世代間格差の改善も限定的である」としています。

一方、イの国庫負担2/2(全額税方式)へ切り換えることについては、「長年にわたって解決されなかった(1)『未納問題』の解決や負担の一元化が図られるほか、(2)基礎年金事務の簡素化が可能となる、また、(3)世代内・世代間格差の改善にも資する」としながらも、「しかし、年金制度は長年の積み重ねがあるため『白地に絵を描く』ようにはいかない。現実の実施となると、移行措置を含めて困難な課題がある(「給付制限」の問題、既に保険料を支払った者の『追加負担』問題企業負担分の扱い等)」ことを指摘しています。

こうした民間議員の示した方向に対し、同会議の席上、舛添要一厚生労働大臣は「今の基礎年金制度でも2分の1は税が払われているわけで、2分の1か2分の2かということになるけれども、むしろ社会ロ険であるということをもう少し強調したい。年金というのは社会的な連帯の制度だ。世代間の助け合いだということをもう少し強調したい。それから、25年の期間を短縮するのは、今までずっとこつこつと積み上げてきた人もいるので、そういう人とのバランスを考えるべきだ」という考えを示しました。

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相続直前に手放した上場株の評価で国税庁が見解

2007年10月29日

まもなく今年分の相続税の申告期限を迎える人が税務署の窓口に訪れ始めますが、株取引が盛んな時とあって、被相続人が所有していた投資株が相続税の申告でも問題になるケースがあるようです。

資産家の相続で、もっとも厄介なのが価格の変動する資産の評価です。特に市場の動きが激しい株式を相続した場合は、評価する時点などがよく問題となりますが、さきごろ、国税庁に「相続開始直前に上場株式を売却し、相続開始時点において引渡し及び代金決済が未了の場合の相続財産は上場株式となるのか」といった質問が寄せられました。

この質問に対して国税庁は「相続開始直前に売却され、相続開始時点において引渡し及び代金決済が未了の上場株式に係る相続税の課税財産は、当該株式の売買代金請求権であり、その評価は、財産評価基本通達204に定める貸付金債権の評価により評価することとなる。なお、当該売買に係る証券会社に対する未払手数料は、相続開始の際に存する被相続人の確実な債務と認められるため、債務控除の対象となる」と回答しています。

ちなみに、財産評価基本通達に定められている貸付金債権の評価については、「貸付金、売掛金、未収入金、預貯金以外の預け金、仮払金、その他これらに類するものの価額は、次に掲げる元本の価額と利息の価額との合計額によって評価する。(1)貸付金債権等の元本の価額は、その返済されるべき金額、(2)貸付金債権等に係る利息の価額は、課税時期現在の既経過利息として支払を受けるべき金額」とされています。

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ふるさと納税研究会の報告書に財務次官が不快感

2007年10月22日

総務省の「ふるさと納税研究会」( 座長: 島田晴雄 千葉商科大学学長)がふるさと納税についてまとめた報告書に対して、財務省の津田廣喜事務次官が10月18日の記者会見で不快感を示しました。

ふるさと納税については、地方と都市部との税収格差を是正する施策として考え出されたもので、当初は、都市部に住む人が住民税などの税金の一部を自分の出身地に納めることのできる仕組みが議論されていました。

ところが、ふるさと納税のあり方を議論してきた「ふるさと納税研究会」が10月5日にまとめた研究結果の報告書によると、税を分割するのではなく、納税者の善意に対して税金面で優遇措置を講じている現行の寄付金税制を応用、進化させることで実現することができると制度のあり方を示しました。そして、「所得税と個人住民税双方を対象とする仕組みとすることが適当である」と国にも負担を求めたのです。

そのため、同報告書について、定例記者会見で質問された津田財務次官は「ふるさと納税の話というのは、やっぱりもともと地方公共団体の中での税収の偏りが非常に大きいというところからそもそも議論が始まったと思うんですね。従って、我々からは何度か申し上げておりますように、やはり地方税の中で水平的に調整がなされることが望ましい問題ではないかというふうに思っております」と不快感をあらわにしました。

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税務大学校が無料公開講座開催へ。目玉は新会社法の影響がわかる講義

2007年10月22日

国税庁・税務大学校が今年も11月13日から公開講座を開催します。新会社法の登場による新しい事業や投資の形態の変化、さらには、事業承継にとって重要なポイントとなる税務について著名な大学の教授が分かりやすく解説することになっています。

国税庁・税務大学校では、今年度も「税を考える週間」に合わせて、一般の方々を対象に公開講座を開催するとしています。今回の見どころは、一橋大学大学院の水野忠恒教授(税制調査会特別委員)による「最近の税制の展望−新しい事業・投資の形態−」をテーマとした講義といわれています。

新会社法の登場で日本経済は大きく変化していますが、水野節でその現状が分かりやすく解説される予定です。そのほか、国士舘大学の酒井克彦教授や税務大学校スタッフを講師とした、相続時精算課税、税制や税務行政に関する最新の基礎知識、歴史さらには国税の電子申告(e-Tax)など6講座が無料で受講できるのが魅力です。

開催日時は、平成19年11月13日(火曜日)から15日(木曜日)までの3日間で、毎日13時45分から16時50分にかけて講座が設けられています。1日のみの受講も可能です。開催場所は、税務大学校和光校舎(埼玉県和光市南2丁目3番7号)で、受講申込みは同大学校の庶務係までFAX(048−467−1951)を送るか、または、ホームページ上からメールで申し込むことになっています。申込期限は平成19年10月31日(水曜日)までです。なお、国税庁の実施するキャンペーン「税を考える週間」は、毎年11月11日から11月17日までとなっています。

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在米日本人会社員がストックオプションで得た譲渡所得の課税方式明らかに

2007年10月15日

アメリカ勤務となっている日本人会社員が、日本勤務時代に会社から与えられていたストックオプションの権利を行使し、取得した株式を譲渡した場合の所得税の計算方法を国税庁がPRしています。

米国の好景気に便乗して、ひと儲けしようと米国での営業活動に力を入れている日本企業が増えています。そのため、長期の米国勤務に従事する日本人会社員が少なくありませんが、彼らの中に、国内勤務時代に会社から与えられた税制適格ストックオプションの権利を米国で行使し、取得した株式で高額な譲渡所得を獲得する人が出てくることが予測されるようになりました。

税制適格ストックオプションとは、権利の行使期間がストックオプションの付与決議日から2年以上10年以下であることや、年間権利行使限度額が1,200万円であること、新株予約権が譲渡制限されていることなどの一定の条件が付されているものを意味します。

国税庁によると、米国勤務の日本人会社員が税制適格ストックオプションで得た譲渡所得に対する課税については、日米租税条約議定書に基づいて取り扱われるとしています。

具体的には、その株式の譲渡所得については、権利行使益に相当する部分の金額に、その付与から権利行使までの期間のうちに国内において行った勤務期間の占める割合を乗じて計算した金額に15%の税率で所得税の申告分離課税が適用されることになります。なお、権利行使益については、権利行使益相当額がその株式に係る譲渡益の額を上回る場合には、その譲渡益の額として計算しなければなりません。

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東京で第5回「徴収サミット」開催。過去最高の234団体が集う

2007年10月15日

全国234団体の地方税の滞納整理に携わる実務者が一堂に集う第5回全国会議「徴収サミット」を、東京都主税局が音頭とって10月19日に開催すると公表しました。

東京都主税局では、このほど第5回全国会議「徴収サミット」(全国地方税滞納整理部門責任者・実務者会議)を記念大会と位置づけ、過去最大規模の会議を開催することを公表しました。これに合わせて、東京都は新たに「徴収サミットオンライン」を開設したことを発表しています。

この徴収サミットは、各自治体の滞納整理における先進的な取組みや諸問題に関する事例を互いに発表し合い、各自治体の滞納整理手法のレベルアップと自治体間の連携強化を図ることを目的として開催されているものです。国から地方へ税源移譲が行われ、各自治体の地方税徴収部門の役割が一段と重要度を増しているときだけに、東京都の力の入れようは尋常ではありません。

東京都主税局によると、第5回全国会議は平成19年10月19日(金)午後1時から東京都庁第一本庁舎5階大会議場で開催するとしています。会議に参加するのは、全国の都道府県・政令指定都市など過去最大の234団体です。

会議では、兵庫県芦屋市が「過払金(不当利得)返還請求権の差押え」を実施したことや石川県小松市が選挙供託金の差押えについて発表します。また、東京都は、相続人不存在事案の解決に向けての取り組みを報告するなどプレゼンテーション形式による事例発表が主体となっています。

一方、東京都では、今回の徴収サミットに合わせて、「徴収サミットオンライン」を開設しました。同サイトは、地方税の滞納整理に関する情報の共有と地方公共団体間の連携強化のためのホームページです。サイトの中では、徴収ニュースや滞納整理の事例発表、質疑応答、交流広場などが設けられています。

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駅ナカ課税で早くもガード下の業者らが賃料値上げに不安感

2007年10月09日

東京都が、JR東日本に対して約22億円の固定資産税・都市計画税の追加課税を実施することを決めたことから、駅構内の飲食店や雑貨売り場の経営者が賃料の値上げを懸念し、商品への価格転嫁に頭を悩ませています。

東京都が10月1日にJR東日本に対して固定資産税と都市計画税の追加課税、いわゆる駅ナカ課税を決定しました。都では、駅ナカ課税について、「駅ナカ・ビジネスの隆盛という鉄軌道用地の状況の変化を踏まえ、東京都が固定資産税負担の公平の観点から問題提起したことを受け、国が今年3月、固定資産評価基準(総務大臣告示)を改正した」と前置きし、「その改正により、鉄軌道と商業等の用途が複合化した土地について、附近の商業地等との間における固定資産税の負担の均衡を確保するため、現況に見合う適切な評価方法が採用された」と説明しています。

これまでの評価方法は、鉄道用地については、沿線に接する土地の価格の3分の1で評価されていましたが、同評価基準の改正により実態にあった評価方式に変更されています。それを受け東京都においても、23区内の駅ナカに関する固定資産評価の見直しを進めてきました。そして、このほど平成19年分の固定資産税・都市計画税の追加課税を決定したわけです。評価額が見直されたのは、東京都23区内の82の駅構内についてです。高架(ガード)下の土地も含め追加課税予定額約22億円にのぼるとしています。追加課税の時期について都では、「10月10日、追加課税分に係る納税通知書を送付する」としています。

JR東日本が、この追加課税を受け入れることにしているため、駅ナカで営業している飲食店や雑貨屋などは、賃貸料の値上げにピリピリしているところです。もしも、賃貸料が値上げされるとどうしても商品の販売価格に転嫁せざるを得ず、物価が高騰しているときだけに、経営への大きな影響に不安を隠せない様子です。

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相続時精算課税の特例を解説した税務情報を国税庁が訂正

2007年10月09日

国税庁が、平成19年9月14日に公表した租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱通達の一部改正のあらまし(情報)の中でミスがあったことを認め、このほど訂正しました。

国税庁は、この10月末あたりから増える今年分の相続税の申告をスムーズに進めるために今年9月14日に税務情報として相続税法の特例関係に関する取扱通達の一部改正のあらまし(情報)を公表しました。ところが、その公表した中身にミスがあることが判明。国税庁が、このほど訂正しました。

具体的には、特定の贈与者から特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例について、特定同族株式等の贈与があった年中に特定贈与者又は特定受贈者が死亡した場合を説明した文中の・と・に記載誤りがありました。
当初は「・選択期間内に当該特定同族株式等に係る特定同族法人が解散した場合には、その解散の日、・選択期間内に当該特定同族株式等に係る特定同族法人について会社更生法の規定による更生手続の決定があった場合には、その決定日をいう」としていましたが、この文章を「・選択期間内に当該特定同族株式等に係る特定同族法人が解散した場合には、その解散の日の翌日、・選択期間内に当該特定同族株式等に係る特定同族法人について会社更生法の規定による更生手続の決定があった場合には、その決定日の翌日をいう」として下線の部分を付け加えています。

特定同族株式等の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例とは、20歳以上の子供が60歳以上の親から一定の要件を満たす特定同族株式等の贈与を受けた場合に、その特定同族株式等について3,000万円の特別控除額が受けられるというものです。

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ウインドウズビスタでもe-Taxが利用可能になった

2007年10月01日

国税庁の電子申告システム(e-Tax)に必要なe-Taxソフト及び開始(変更等)届出書作成・提出コーナーが、Microsoft Windows Vista及びMicrosoft Internet Explorer 7でも9月18日から使えるようになりました。

e-Taxは、自宅や会社にあるパソコンを使って、インターネットを通じて国税の申告ができる便利なものです。そのパソコンの推奨環境として、Microsoft Windows Vista及びMicrosoft Internet Explorer 7について国税庁は、これまで動作確認中としていました。その確認作業がようやく終わったわけです。

ただし、Microsoft Windows Vista及びMicrosoft Internet Explorer 7でe-Taxを利用する場合は、まずはe-Taxソフトについて、バージョンアップした後に利用する必要があります。そして、国税庁では「Microsoft Windows Vistaではセキュリティ機能が強化されていることから、e-Tax関係のURLを信頼済みサイトに登録しないと正しく動作しない場合がある」としています。

信頼済みサイトへの登録手順については、まずInternet Explorerを立ち上げて、ブラウザ上部のメニュー内の「ツール」をクリックし、次に「ツール」メニューが開いたら、「インターネットオプション」をクリックします。すると「インターネットオプション」画面が開くので、画面上部の「セキュリティ」タブをクリックして、「セキュリティ」タブ内の「信頼済みサイト」をクリックするといった作業を行います。

さらに、Microsoft Windows Vistaで拡張された文字には、e-Taxソフトが対応していません。利用可能な文字をe-Taxホームページで確認する必要があります。

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働く女性が昨年より20万人増えた―国税庁の民間給与の実態調査

2007年10月01日

国税庁が平成18年分の民間給与実態統計調査の結果を公表しました。それによると、女性の年間給与所得のひとりあたりの平均金額が前年よりも1.8万円減少しています。

民間給与の実態統計調査は、国税庁が昭和24年からスタートさせているもので、今回公表した調査結果も平成18年12月31日現在の給与所得者を対象としています。

それによると、給与所得者数は、5,340万人(対前年比0.7%増、35万人の増加)となっています。また、平成18年中に民間企業が支払った給与の総額は200兆346億円(同0.8%減、1兆5,456億円の減少)で、源泉徴収された所得税額は9兆9,321億円(同9.9%増、8,957億円の増加)にのぼりました。

1年を通じて勤務した給与所得者は、4,485万人(対前年比0.2%減、9万人の減少)で、その平均給与は435万円(同0.4%減、2万円の減少)となっています。そして、それを男女別に見てみると、給与所得者数は男性が2,745万人(同1.0%減、29万人の減少)で、女性は1,739万人(同1.1%増、20万人の増加)でした。ひとりあたりの平均給与は男性が539万円(同0.1%増、3千円の増加)で、女性271万円(同0.7%減、1.8万円の減少)となっています。働く女性が20万人も増えたため、ひとりあたりの所得の目減りが目立ちます。

一方、給与所得者のうち、年末調整を行った人は4,131万人でした。このうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた人は1,681万人で、扶養人員のある人ひとりあたりの平均扶養人員数は2.08人となっていて、少子化の状況をここでも垣間見ることができます。

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