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政府税調の証券優遇税制廃止検討で業界にどよめき

2006年11月27日

このほど、政府税制調査会(首相の諮問機関、本間正明会長)が11月22日に首相官邸で総会を開き、証券投資の優遇税制を原則として廃止する方向で検討することを決めました。そのため、証券業界では大騒ぎとなっています。

証券投資の優遇税制とは、上場株式などの譲渡益、配当や株式投資信託の分配金に対する税率について、本来20%のものを10%に下げているものです。これが、株式譲渡益は19年12月末、配当などは20年3月末に期限を迎えるので、政府税調はその期限を守ることを確認したと見られます。これに驚いたのが日本証券業協会ですが、同協会では安東俊夫会長の「1 0 % の軽減措置の継続を強く要望していく」とする姿勢を変えていません。

それを要望する理由は、「我が国の個人金融資産は約1,500 兆円で、その11 % が株式及び株式投信の比率であり、これを欧米と比較すると、アメリカでは28 % 、ドイツでは19% ということで、日本では個人金融資産がリスクマネーとして、経済・産業活動に供給・活用されている割合が低すぎる」ということ。そして「米国、ドイツ等の先進諸国は例外なく優遇税制が実施されており、米国では制度の延長を既に発表している。アジアにおいても、例えば韓国、中国、シンガポールは、キャピタルゲイン、インカムゲインとも非課税という措置が採られている。欧米先進諸国やアジアの諸国と比較しても、日本は極めてこの部分については遅れていると言わざるを得ない」からです。また、「日本の場合、60 歳以上の株の保有が約7割といわれているが、団塊の世代の問題も含めて高齢化社会が加速していく中で、社会保障の補完的な位置付けとして、この部分にスポットを当てていく必要がある」という考えを示しています。

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e‐Taxの利用開始届出が前年同期の2.6倍に

2006年11月27日

国税庁のe‐Tax(電子申告システム)の利用開始届出が急増しています。今年11月10日現在で個人と法人あわせて277,030件(前年同期106,610件)と前年の2.6倍に達しています。

国税庁のe‐Taxは、会社や自宅にあるパソコンからインターネットを通じて国税の電子申告・申請、納付までできる便利なシステムです。運用が開始したのは平成16年2月からですが、わずか2年8ヶ月で実際の利用者も個人と法人あわせて累計で531,049件となっています。

実際の年度別利用者を税目別に見てみると、平成18年10月31日時点では、法人の消費税が最も多く43,463件(前年同期19,582件)です。次いで多いのが法人税で41,853件(同20,259件)。
3番目は酒税の3,534件(同246件)でした。なお、一定の税目別で判断できない源泉所得税については、25,205件(同8,053件)と前年よりも3倍に膨れ上がっています。また、消費税の課税事業者が急増したせいか各種申請・届出については、65,782件(同2,351件)とこれまた28倍に増えました。一方、電子納税を見てみると今年10月31日現在で35,902件(同11,445件)とこちらも約3倍となっています。

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個人事業者が見落とす所得「還付加算金」

2006年11月20日

税金の還付金に加算される還付加算金には、原則として所得税が課税されますが、個人事業者などは見落としがちな所得といえます。

12月も近くなると個人事業者たちは、今年1年間の決算を意識し始めます。そして、所得税の計算も念頭に入れて再チェックを行うものですが、注意しなければならないのは、税金の還付金にプラスして支払われた還付加算金にも所得税が課税されるということです。
今年3月に行った所得税の確定申告で税金を多く納めてしまい、戻ってきた還付金に加算された還付加算金も立派な所得となるのです。

さらに、めったにはありませんが、昨年の還付加算金について、税務署の計算ミスで不足が生じ、今年に入ってその不足分が支払われた場合には、非常に面倒なことになります。国税当局では「不足分については、改めて支払決定が行われることから、当初の還付加算金の支払を受けた日(年分)にかかわらず、不足分に係る支払を受けた日の属する年分の雑所得の総収入金額に算入することになる」としています。つまり、還付加算金が申告漏れの対象になるケースが考えられるわけです。

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火災予防運動まっただなかでリース警報装置の償却が話題に

2006年11月20日

11月9日の「119番の日」をかわきりに、秋の火災予防運動が全国一斉に始まり、各地で避難訓練などが行われていますが、火災で活躍する火災報知機などの償却で戸惑うケースがクローズアップされています。


機械や設備、飲食物の製造工場などでは、アラーム警報装置を取り付けて製造工程の安全や製造個数などを管理しているところが多くあります。そのアラーム警報装置は、外部の警備会社と警備契約を結んで設置するケースが最近増えていて、その装置の設置費用については契約期間に基づいて繰延資産として償却されています。問題は、警備会社サイドが国税局長の承認を得てそのアラーム警報装置の耐用年数について短縮して償却しているケースです。アラーム装置の耐用年数は原則として8年ですが、例えばその70%(5年)で償却することが認められている場合、警備会社と警備契約を結んでアラーム警報装置の設置費用を払った会社サイドでもその5年で償却することができるのかどうか戸惑うものです。

こうした疑問に対して国税当局は「その繰延資産の償却期間は、アラーム警報装置を賃借することに伴って支出する費用であることから、当該装置の耐用年数の70%に相当する年数によることとなる」としています。

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税金の還付金偽った新種の振り込み詐欺が東京局管内で横行

2006年11月17日

国税局を語った新種の振り込み詐欺が東京国税局管内を中心に横行しています。同国税局にはすでに1千件近くの問い合わせが来ていて、すでに、被害者も出てしまいました。

ATM(現金自動預払機)を使い慣れない高齢者などに携帯電話で「税金の還付金の受け取り」の手順と偽って指示を与えながら、実際には詐欺の実行犯にお金を振り込ませる―、こうした手口に千葉県内の女性がひっかかり、数十万円を振り込んでしまいました。 
そもそも、被害にあった女性は、国税局を偽って税金を返すとした文書が届いたので、それにだまされたのでした。同国税局が公表している、同様の偽装文書は「納税過払金9万8540円を返金する」と書かれ、書面の連絡先に問い合わせると「還付用口座を確認したい」などと指示したものです。それを受け取った人が、コンビニエンスストアに出向いたところで、携帯電話で巧みにATMの操作を誘導されるとしています。

こうした偽装文書を使い、金融機関のATMの操作を指示される詐欺被害は、東京国税局の千葉県内で主に発生している模様です。同国税局は「還付金の手続きでATMの操作を求めることはない」として、新たな手口に注意を呼びかけています。

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財務大臣の「留保金課税廃止」に事務次官あたふた

2006年11月17日

11月6日に尾身幸次財務相が大阪市内で行った記者会見で、同族会社の留保金課税の廃止を含めた考えを表明したことから、財務相の藤井秀人事務次官が慌てて弁明する一幕がありました。

尾身財務相は同日の記者会見で、法人税とは別に課せられている同族会社に対する内部留保金への課税について、「ベンチャー企業の資本充実の足を引っ張っている制度」と指摘し、2007年度税制改正で撤廃を検討すべきだとの考えを示しました。

この指摘に驚いたのが財務省の事務方のトップの藤井事務次官です。同日開かれた会見で記者から「財務省として、大臣が指摘した同族会社留保金課税の撤廃と言うことについてはどういうふうに考えているのか」との質問を受け、藤井次官は「留保金課税制度は、どう言ったらいいのでしょうか、個人形態と法人形態の税務負担差を税率面から是正するための措置ということで措置されているわけですけれども、中小企業の内部留保の充実に対する阻害要因になっているのではないかということだと思います。そういう指摘と言いますか、あるいは財務大臣もこの辺りを含めて検討していく話であろうということだと思いますけれども、いずれにいたしましても財政の言わば歳入面で、健全化にそれがどのような影響を与えるのかとか、あるいは制度そのものの今言いましたような検討ということ、両面から色々とこれから検討していく話であろうというように思っております」と歯切れの悪い回答をしました。

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