デジタル化基盤導入枠は、令和3年度補正予算により追加された新しい公募枠です。 通常枠よりも補助率が高くなります。 現在、すべての公募枠の交付申請の受付がスタートしていますが、通常枠(A類型・B類型)とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は特に締め切りが早いので、ご注意ください。
通常枠(A類型・B類型)
A型 | B型 | |
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補助対象 | ITツール導入費(ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大1年分、導入関連費) | |
補助率 | 2分の1 | |
補助金額 | 30万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円以下 |
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
通常枠(ソフトウェア、オプション、役務)のITツールに、ハードウェアが加わっています。
ハードウェアは、「PC・タブレット等」(PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器)や「レジ・券売機」(POS レジ・モバイル POS レジ・券売機)が対象になります。
補助対象 | ITツール導入費(ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、ハードウェア購入費、導入関連費) | |||
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ソフトウェア等 | PC・タブレット等 | レジ・券売機 | ||
補助金額 | 5万円 | 50万円超 | 〜10万円 | 〜20万円 |
〜50万円 以下 |
〜350万円 以下 |
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補助率 | 4分の3 | 3分の2 | 2分の1 | 2分の1 |
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
同じ地域、サプライチェーンなど繋がりのある複数の事業者でDX化を目指す場合の申請枠です。
10以上の事業者で申請する必要があります。
補助対象 | 基盤導入経費 | 消費動向等分析経費 | その他経費 |
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補助金額 | 5万〜350万円@ | 50万円×参画事業者数A | (@+A)×10% |
上限額 | 3,000万円以下 | 200万円以下 | |
補助率 | デジタル化基盤導入類型と同じ | 3分の2 | 3分の2 |
※申請時はかならず事務局のホームページで最新の情報をご確認ください。
(参考)IT補助金2022:事業スケジュール
https://www.it-hojo.jp/schedule/
令和4年度税制改正において、法人版事業承継税制の特例措置による特例承継計画の提出期限が1年間延長されました。
その結果、提出期限は、令和6年3月31日までとなります。
中小企業の事業承継では、先代経営者から後継者に、会社の株式等(個人事業であれば事業用資産)の贈与や相続を伴うことがあります。
事業承継税制とは、このとき後継者に発生する贈与税や相続税の負担を猶予・免除するための税制です。
会社の株式等にかかる贈与税や相続税の納税を猶予・免除するための税制を「法人版事業承継税制」、個人事業にかかるものを「個人版事業承継税制」と呼んでいます。
法人版事業承継税制の特例措置とは
事業承継税制には、都道府県による「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(円滑化法)の認定を受けて実施する制度があります。
法人版事業承継税制では、平成30年度の税制改正によって、この認定制度による「特例措置」が新設されました。
「特例措置」によって法人版事業承継税制を適用すれば、円滑化法の認定を必要としない従来の「一般措置」よりも、有利な条件で税制を適用できます。
ただし、円滑化法の認定を受けるためには、円滑化法の認定申請時までに、「特例承継計画」を都道府県に提出する必要があります。
特例承継計画とは
「特例承継計画」とは、後継者や経営の具体的な見通しなどを記載したものです。
作成するのは認定を受ける会社ですが、認定経営革新等支援機関の指導と助言を受ける必要があります。
特例承継計画の様式は、中小企業庁のホームページに掲載されています。
(参考)中小企業庁:法人版事業承継税制(特例措置)の前提となる認定に関する申請手続関係書類
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_tokurei_yoshiki.htm
特例承継計画の提出期限が一年延長に
令和4年度税制改正により、法人版事業承継税制の「特例承継計画」の提出期限が、一年延長されました。
これによって、「特例承継計画」の都道府県への提出期限は、令和6年3月31日までとなります。
延長の理由は、自民党の「令和4年度税制改正の基本的考え方」によると、「今般の感染症の影響により計画策定に時間を要する場合もある」と示されています。
(出典)自民党:令和4年度税制改正大綱
https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html
ただし、「特例承継計画」の提出は、円滑化法の認定申請時までに行うこととされています。
円滑化法の認定申請は、贈与や相続の後でも可能ですが、贈与の場合は贈与を受けた年の翌年の1月15日まで、相続の場合は相続開始後8か月以内に申請を行う必要があるとされています。
そのため、令和6年3月31日の期限だけでなく、これらの期限も把握しておく必要があります。
注意:贈与・相続の期限は変わらず
法人版事業承継税制の「特例措置」の対象となる贈与や相続は、令和9年12月31日までのものしか対象にならず、この期限は延長されていません。
この点について、自民党の「令和4年度税制改正の基本的考え方」では、特例措置が「日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上が待ったなしの課題であるために事業承継を集中的に進めるための時限措置としていることを踏まえ」て、延長を行わなかったとしています。
(出典)自民党:令和4年度税制改正大綱
https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html
納税猶予や免除の適用には、税務申告が必要ですが、それぞれに適用要件が細かく設定されており、これを満たさなければ適用は受けられません。
また、納税猶予を受けている間、たとえば後継者がすぐに株式等を売却したり、会社の代表を辞任したりするなどすると、猶予されている税額+利子税を納税しなければならなくなります。
さらに、納税猶予を受けている間は、一定の書類を税務署や都道府県に提出し続けるなどの事務手続きも必要です。
このように、事業承継税制は、長期間対応しなければならない制度であり、その間に必要な手続きを失念したり、要件を満たさなくなる行動をとったりすると一大事です。
専門家のサポートが欠かせない制度ですので、お早めにご相談ください。