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中堅企業も対象に!最大600万円が支給される家賃支援給付金とは

新型コロナウイルス感染症による企業の売上減少などをカバーするため、さまざまな支援金や補助金が打ち出されています。
今回ご紹介する「家賃支援給付金」は、持続化給付金と同様に、中小企業者や個人はもちろん、資本金10億円未満の中堅企業や、会社以外の法人(医療法人、一般社団法人、NPO法人など)も対象になります。
要件を満たせば、持続化給付金よりも多い給付金(最大600万円)が一括支給で受けられますので、忘れずにチェックしましょう。

■家賃支援給付金の趣旨

家賃支援給付金は、5月の緊急事態宣言の延長等によって、売上が減少した企業の財政を家賃の補助で下支えするというものです。
したがって建物や土地の「賃料」を毎月支払っている企業が対象になります。
テナント事業者などが典型ですが、それ以外にも、駐車場や資材置き場などとして事業に使用する土地の賃料がある事業者も対象です。

【申請期限】
2020年7月14日〜2021年1月15日までとなります。
申請は、家賃支援給付金ポータルサイトから行います。
(参照)経済産業省ホームページ
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html

■家賃支援給付金の対象者

【主な要件】
家賃支援給付金を受けるには、原則として次の要件を満たす必要があります。
○2019年12月31日以前から事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があること
○2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、以下のいずれかにあてはまること
・いずれか1か月の売上が前年の同じ月と比較して50%以上減っている
・連続する3か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている

○他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益(物を直接に利活用して利益・利便を得ること)をしていることの対価として、賃料の支払いをおこなっていること
(以下、法人のみ)
○4月1日時点で、次のいずれかにあてはまる法人であること
ただし、組合もしくはその連合会または一般社団法人については、その直接または間接の構成員たる事業者の3分の2以上が個人または次のいずれかにあてはまることが必要です。
・資本金の額または出資の総額が、10億円未満であること
・資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下

【いずれか1か月の売上が前年同月比50%以上減の計算】
<計算方法>
2020年の任意の月の売上 ≦ 2019年の同じ月の売上×0.5

【例】
・2019年5月の売上高 196万円
・2020年5月の売上高 94万円

94万円(2020年)≦ 98万円(2019年:196万円×0.5)

よってこの場合は、要件に該当します。

【連続する3か月の売上合計が前年同期30%以上減の計算】
<計算方法>
2020年の連続3か月の売上合計 ≦ 2019年の同期間の売上合計×0.7
【例】
・2019年5・6・7月の売上高 80万円・90万円・100万円(合計270万円)
・2020年5・6・7月の売上高 50万円・60万円・70万円(合計180万円)

180万円(2020年)≦ 189万円(2019年:270万円×0.7)

よってこの場合は、要件に該当します。

【2019 年5月〜12月に設立した場合】
新規設立・新規開業によって、2020年の5月〜12月の売上と前年同月の売上を比較することができない場合は、設立日から2019年12月31日までの平均売上とすることができます。

■家賃支援給付金の受給額

【受給額の計算方法】
家賃支援給付金は、毎月の賃料から算定した給付額(月額)の6倍です。
給付額(月額)の算定方法は、法人と個人で異なります。
<法人>
・月額75万円以下 支払賃料の3分の2
・月額75万円超  50万円+75万円の超過分×3分の1
・上限は100万円・・・(6倍なので)最大600万円

【例】
月額賃料120万円を支払っている場合
50万円+(120万円−75万円)×3分の1=65万円
65万円×6=390万円

<個人事業主>
月額37.5万円以下 支払賃料の3分の2
月額37.5万円超  25万円+37.5万円の超過分×3分の1
・上限は50万円・・・(6倍なので)最大300万円

【例】
月額賃料120万円を支払っている場合
25万円+(120万円−37.5万円)×3分の1=52.5万円
52.5万円×6=315万円

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社会保険の適用対象が拡大します(令和4年10月)

「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が、令和2年6月5日に公布されました。
改正の趣旨は、より多様な形で働く人が増える社会情勢の変化に伴い、高齢期の財政基盤の充実を図ることです。
改正内容のうち、従業員を雇用する会社にとって重要となるのは、社会保険の適用拡大です。
施行日は令和4年10月1日ですが、段階的に改正される部分もあります。

■被用者保険の適用拡大とは

現在、パートタイマーやアルバイトといった短期労働者のうち、社会保険に加入する人は限られています。
1週間の所定労働時間・1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上であれば社会保険が適用されますが、それ以外は、以下の5つの要件(現行)をすべて満たしている場合でない限り、適用の対象になりません。
・事業所の被保険者が常時500人超(※)
・雇用期間が1年以上見込まれる
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金月額が8.8万円以上
・学生でない
改正後は、太字の要件が下記のとおり緩和されます。
(※)常時500人以下の事業所であっても労使の合意があれば、現行ルールでも社会保険に加入できます。

現行改正後
・事業所の被保険者が常時500人超
雇用期間が1年以上見込まれる
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金月額が8.8万円以上
・学生でない
【令和4年10月〜】
・事業所の被保険者が常時100人超
雇用期間の要件は撤廃。(フルタイム等と同様の2ヶ月超の要件が適用される)

【令和6年10月〜】
・事業所の被保険者が常時50人超
他の3要件はそのままとなります。

事業所の被保険者数とは
現行は、「事業所の被保険者が常時500人超」ですが、これが段階的に「100人超」(令和4年10月〜)→「50人超」(令和6年10月〜)に引き下げられます。
事業所の被保険者数は、適用拡大前の被保険者の人数をカウントします。

<カウント対象>
・フルタイムの労働者
・週の労働時間等が4分の3以上のパートやアルバイト等

被保険者数は、月ごとにカウントし、直近12ヶ月のうち6ヶ月で基準を上回ると適用対象になります。

雇用期間の要件は撤廃
現行では、雇用期間が1年未満の契約であれば、社会保険対象外の要件の1つを満たしますが、改正後はこれが撤廃されます。(令和4年10月〜)
撤廃された後は、フルタイム等の加入条件と同様の「2ヶ月超」が適用要件の1つになります。

■従業員への説明を

改正後、新たに対象となりそうな従業員には、社会保険適用後のことをよく説明する必要があります。
社会保険に加入すれば当然、事業所と折半で保険料を負担することになりますので、それまで国民健康保険・国民年金に加入していた人は、給与の手取りが減ります。
社会保険のしくみをよく理解していなければ、不安に感じるでしょう。
説明のポイントとしては、現在加入している国民健康保険や国民年金との違いです。
まず、国民健康保険と会社の健康保険の大きな違いの1つに、傷病手当金の支給があります。
被保険者がケガや病気で働けなくなって仕事を休み、給与が支給されない場合の保障ですが、国民健康保険にはありません。(現在は新型コロナウイルス感染症の関係で支給される場合があります)
また、厚生年金に一定期間加入すれば、将来、老齢厚生年金が受け取れます。
さらに国民年金は一律で月額1万6,000円ほどの負担となりますが、厚生年金保険料は標準報酬月額に合わせて労使折半となります。
標準報酬月額によりますが、負担額が下がるケースの方が多いでしょう。
このあたりを伝えれば、理解してもらいやすいのではないでしょうか。

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