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仮想通貨で損失。国税庁「交換業者から支払われた補償金は雑所得」

2018年4月23日

仮想通貨交換業者大手のコインチェックから約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題で、いまなお損害賠償を求めて提訴する動きが相次いでいますが、このほど、国税庁が「仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合」の税務上の取扱いを公表しました。

 国税庁はホームページ上で同取扱いをQ&A方式で解説しています。
 具体的には、まず質問として「仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することができなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。この補償金の額は、預けていた仮想通貨の保有数量に対して、返還できなくなった時点での価額等を基に算出した1単位当たりの仮想通貨の価額を乗じた金額となっています。この補償金は、損害賠償金として非課税所得に該当しますか?」と疑問点を提示しています。
 これに対して「一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています」と一般論を説明。そのうえで「ご質問の課税関係については、顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘案して判断することになりますが、一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます」と支払われる補償金の内容を分析しています。
 そして、答えとして「したがって、ご質問の補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります。なお、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じることになりますので、その場合には、その損失を他の雑所得の金額と通算することができます」としています。

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平成30年分の路線価の公開予定日は7月2日。住宅地の全国平均10年ぶりに上昇!?

2018年4月23日

土地の相続税評価額算定の基礎となる路線価の平成30年分を、国税庁が今年7月2日に公開すると発表しました。相続税の課税強化の影響で、今年も路線価の動向に多くの資産家が強い関心を寄せています。

 平成 30年分の路線価図等は、今年7月2日月曜日午前10 時に公開される予定です。路線価とは、国税庁が土地に課税される相続税や贈与税の算定基準のことで、毎年、宅地に面する主要道路にその基準価格をつけていることから路線価と呼ばれています。
 路線価の策定にあたって国税庁は、土地基本法第16条の趣旨を踏まえて、総合土地政策推進要綱などに沿って、国土交通省が毎年発表している公示価格の80%程度を目途に定めていることから、今年3月に発表された公示価格から今回の路線価のおおよその動向を推測することができます。
 そこで、国土交通省が3月27日に発表した平成30年地価公示を見てみます。それによると、平成30年1月1日時点の全国の標準地約2万6000地点の価格について「住宅地は、雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続による需要の下支え効果もあり、利便性の高い地域を中心に地価の回復が進展している」とされています。一方、商業地も「外国人観光客の増加などによる店舗・ホテル需要の高まり、都市中心部における再開発等の進展による繁華性の向上など、不動産需要は旺盛であり、地価は総じて堅調に推移している」とのことです。
 具体的には、住宅地の全国平均は0.3%上昇で、10年ぶりに上昇しました。商業地は1.9%上昇し、全用途平均も0.7%上昇、ともに3年連続で上昇しています。

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経済産業省が商取引のキャッシュレス化で提言。税制の優遇措置設けて実現目指す

2018年4月16日

経済産業省がクレジットカードや電子マネーなど、現金以外の手段で商品やサービスを購入するキャッシュレス決済の割合を2025年までに4割にする提言をまとめました。決済端末を導入する店舗に対し税制面の優遇措置や、補助金の支給などを行うことにしています。

 海外のキャッシュレス決済の状況は、2015年の時点で韓国が89%、中国60%、米国45%でした。それに対し、日本は18%しか普及しておらず、現金で支払うのが一般的となっています。
 海外取引の増大や人口減少社会の到来で、現金決済に関連する人手などのコストは日本経済の発展の妨げとなっていることから、このほど、経済産業省が「キャッシュレス化」の推進に向けた提言をまとめました。
 同提言では、現在約20%にとどまっているクレジットカードや電子マネー、スマートフォンなどで商品の購入代金を支払う割合を、2025年までに40%まで高めて、将来的には80%にまで引き上げることを目標としています。これにより、企業の省力化につなげるほか、ビッグデータを活用した産業育成を進めたい考えです。
 とくに、企業の省力化では、釣り銭の用意や手作業による売り上げの集計など、現金決済に伴う費用が年8兆円に達しているとの試算もあることから、キャッシュレス決済を広めて店舗で現金を扱う手間を減らし、深刻化している人手不足に対応することにしています。
 経済産業省は、5月にも小売業界の代表や学識経験者などに参加を呼びかけて産学官の協議会を設けて、検討を始める予定です。すでに昨年政府が決定した経済成長戦略の中に「キャッシュレス化」が盛り込まれていることから、最終目標の80%の実現に向けて決済端末の導入補助や税制面での優遇措置などを検討していくことにしています。

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「Fromプラネット」がセルフメディケーション税制を敬遠した人の思いを明かす

2018年4月16日

日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (本社:東京都港区、田上正勝社長)が、消費財にまつわるトピックスを発信している「Fromプラネット」の第83号で、セルフメディケーション税制に関する意識調査の結果を紹介しています。

 「セルフメディケーション税制」とは、市販薬のうち医療用から転用された医薬品(スイッチOTC成分を含む医薬品)の購入金額が年間1万2,000円(消費税込)を超えれば所得控除を受けられる制度。医療費控除の特例として2017年1月に施行し、今年初めての確定申告期間を迎えた制度です。
 Fromプラネットの情報ソースは、インターワイヤード(株)が4月9日に発表した「セルフメディケーション」に関する調査結果を基にしたもの。調査期間は2018年2月23日から3月9日で、有効回答はネットリサーチ「DIMSDRIVE」モニター3,621人とされています。
 この調査で、最も注目されたのがセルフメディケーション税制を利用してみたいかどうかを聞いた項目。「ぜひ控除を受けたい」と「控除を受けるのを検討してもよい」と答えた人の合計“控除を受けたい”は56.4%でした。逆に「あまり控除を受けたいと思わない」と「まったく控除を受けたいと思わない」と答えた人の合計“控除を受けたいと思わない”は 16.4%に止まっています。しかし、2016年12月のアンケートでは“控除を受けたい”は59.8%だったことから、一年前よりも低くなっています。
 これについてプラネット社は、「スイッチOTC医薬品」の購入金額を聞いた調査項目を取り上げて「そもそも『スイッチOTC医薬品を購入したかどうかわからない』という人が2割近くいましたが、控除の対象となる『スイッチOTC医薬品』のわかりにくさが申告を敬遠した第一の理由にあるようです」と指摘しています。

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法人番号公表サイトの利用者が不安感。「セキュリティ証明書に問題あり」との警告が!?

2018年4月9日

国税庁法人番号公表サイトにアクセスした人たちの間で、パソコンの画面に「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります。」などの警告が表示されるケースが取り沙汰されています。これは、国税庁が同サイトのセキュリティを強化したことに伴い発生している現象です。

 法人番号は、国税庁が1法人につき1つの番号(13桁)を指定しているもので、行政の効率化や国民の利便性の向上、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤としての役割を担うとともに、その法人番号だけでなく商号や本店の所在地などを公表することで民間による利活用を促進し、番号を活用した新たな価値の創出が期待されているものです。
 国税庁の法人番号公表サイトは、金融機関や卸売業を営む事業者などが、新規取引先などの所在確認をするために利用していますが、そういった利用者から「この4月に入り、サイトにアクセスするたびにパソコンの画面に『このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります。』といった警告が表示されるので不安を感じている」といった声が相次いでいます。
 これについて国税庁では、「国税庁法人番号公表サイトでは、セキュリティ強化を目的として、平成30年4月1日から、常時暗号化通信「TLS1.2」に対応させました」として、対応後のURLをhttps://www.houjin-bangou.nta.go.jpに変更しています。そして、「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります。」といった警告が表示されることについては、「ご利用のブラウザに政府認証基盤アプリケーション認証局2(Root)の自己証明書がインストールされていない場合に、そういった警告が表示されます」と説明。とくに「TLS1.2に対応していない端末又は、TLS1.2を有効に設定していない端末から公表サイトに接続した場合、閲覧が出来ない可能性があります」と注意を呼びかけています。

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法人番号公表サイト内のExcelファイルを開くと表示される「証明書のエラー」への対処法

2018年4月9日

国税庁法人番号公表サイト内のExcelファイルを開いたときに表示される「証明書のエラー」との警告について、このほど国税庁がその対処の仕方を告知しました。

 法人番号は、国税庁が1法人につき1つの番号(13桁)を指定しているもので、行政の効率化や国民の利便性の向上、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤としての役割を担うとともに、その法人番号だけでなく商号や本店の所在地などを公表することで民間による利活用を促して、番号を活用した新たな価値が創出されることが期待されているものです。
 ところが、このところ法人番号公表サイト内にあるExcelファイルを開いたときに、「証明書のエラー」という警告が表示されるケースが問題となっています。
 これについて国税庁では、「Microsoft Internet Explorerから国税庁法人番号公表サイトに掲載されているExcelファイルをダウンロードする際、『開く』を選択した場合に『Microsoft Excel セキュリティ警告』の『証明書のエラー』が表示される場合がある」と前置きしたうえで、パソコン画面上で「エラーが表示された場合は、『保存』もしくは『名前を付けて保存』を選択し、端末等にダウンロードの上、ご利用いただきますようお願いいたします」と説明しています。

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定年延長を実施した会社が旧定年で支給した一時金について国税局が退職所得と判断

2018年4月2日

定年の年齢を延長した会社が、その延長前の定年に達した従業員に支払った一時金の所得区分について、このほど高松国税局が退職所得として取り扱って差し支えないとする見解を示し注目を集めています。

 少子化に伴い新卒者の採用が難しくなってきていることから、ベテラン社員の定年を延長して働ける高年齢者を確保する企業が増えています。今回、高松国税局に対して文書で税務相談を持ち掛けていた会社も同様に就業規則を改正し、平成30年4月1日より従業員の定年を60歳から65歳に延長することを決定していました。
 そして、その定年延長前(平成30年3月31日以前)に入社した従業員に対しては、延長前の定年である満60歳の月末に達したときに退職一時金を支給することにしました。ところが、その一時金が税務上の退職所得(所得税基本通達30-2(5)《引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの》)に該当するかどうかが問題となったのです。そこで、同社は管轄する高松国税局に対し、事前に文書で相談をすることにしました。
 その文書で同社は「定年延長前に入社した従業員に対して、旧定年のときに本件退職一時金を支給することとしたのは、当該従業員は、旧定年のときに本件退職一時金が支給されることを前提に生活設計をしており、定年延長に伴い本件退職一時金の支給が65歳になると不都合が生じるため、定年を延長する場合においても旧定年のときに本件退職一時金を支給するように要求していること、また、定年延長に伴い改正された退職金規程の改正前及び改正後においても本件退職一時金の金額は変わらないことは、本件退職一時金の支給が65歳に延長された場合には従業員にとって不利益な変更となるため、このような不都合及び不利益は、雇用主として配慮する必要があるので、定年延長前に入社した従業員に対し、旧定年のときに本件退職一時金を支給することについて『相当な理由』があると認められる」と説明。
 したがって、「所得税基本通達30-2(5)に定める給与に該当し、退職所得として取り扱うのが相当である」との考えを示していました。これに対し高松国税局は「照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えない」と回答しています。

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国税庁の会社標本調査で利益計上法人数が6年連続で増加したことが判明

2018年4月2日

このほど、平成28年度分「会社標本調査」の結果を国税庁が公表しました。それによると、利益計上法人数が97万698 社(前年度比プラス3万1121 社、同プラス3.3%)にのぼり、6年連続で増加したことが分かりました。

 平成28年度分の会社標本調査の標本法人数は166万5657社で、法人税の確定申告書などから得た標本値に、標本抽出率の逆数を乗じて全体の法人企業の総数、資本金、営業収入金額などを推計したものです。
 それによると、まず法人数全体(連結子会社を含む)の数は267万2033社で、前年度比プラス3万185 社(プラス1.1%)も増加しました。そのうち、利益計上法人数は97万698社(前年度比プラス3万1121社、同プラス3.3%)で、6年連続で増加しています。
 一方、欠損法人数は168万9427 社(前年度比マイナス1432 社、同マイナス0.1%)で、こちらは7年連続で減少しました。全法人に占める欠損法人の割合は63.5%(前年度比マイナス0.8ポイント)で、これも7年連続で減少しています。
 注目の繰越欠損金の当期控除額は7兆5951億円(前年度比マイナス6098億円、同マイナス7.4%)で、3年連続の減少となりました。しかし、繰越欠損金の翌期繰越額は68兆4167億円(前年度比プラス3兆436億円、同プラス4.7%)で、2年連続の増加となっています。
 特長としては、交際費等の支出額が3兆6270億円(前年度比プラス1432億円、同プラス4.1%)で、5年連続で増加したことです。平成25年度と26年度の税制改正で、資本金1億円以下の中小企業が支出する交際費の損金算入額が拡大されたことが大きな要因になっています。

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