名古屋市の河村たかし市長の看板政策「市民税5%減税」が、一部取り止められることになりました。企業などを対象とする法人市民税の減税を2019年度から廃止する条例案が、3月19日の市議会本会議において全会一致で可決、成立しました。
法人市民税の減税を廃止する理由について河村市長は「国の法人実効税率が段階的に引き下げられ、市の政策は一定の役割を果たした」と説明しています。名古屋市では、法人市民税の減税廃止に伴う税収増を約34億円と見込んでいて、その半分は「子どもと親の総合支援」など、河村市長が新たに掲げている重点政策の推進に充てる予定です。
残りは、市や社会福祉法人などに年間5,000円以上を寄付した企業について、法人市民税を減免する財源に充当します。これを可能にする措置として、2019年4月から2年間限定の特例税制を創設することにしています。
「市民税5%減税」は、河村氏が2009年に市長選に初当選を果たした際の目玉政策。減税に反対する市議会を政令市初のリコール成立で解散に追い込み、条例を恒久化させたことでも知られています。
滋賀県が今年7月からスマートフォンやタブレットにダウンロードした決済アプリで、自動車税や不動産取得税などの県税を納付できるようにすると発表しました。都道府県レベルでは初めての取り組みです。
滋賀県では、「スマートフォンやタブレット端末を使って、県税の納付書に印刷されている『コンビニ収納用バーコード』をカメラ機能で読み取り、事前に登録した預金口座から即時に支払いができるスマートフォン決済アプリ『PayB(ペイビー)』を使って県税金を納付する」と仕組みを説明。これにより、銀行やコンビニなどへ出向いて税金を支払うという手間が省け、「いつでも・どこでも・簡単に税金を納付することができるようになる」としています。
ペイビーの利用開始時期は今年7月を予定していて、納付書にコンビニ収納用バーコードが印刷されている県税ならば利用することが可能です。いまのところペイビーの利用可能な金融機関は、みずほ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、じぶん銀行、鹿児島銀行、十六銀行、南都銀行、肥後銀行、百五銀行、宮崎銀行、武蔵野銀行、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行、滋賀銀行、ジャパンネット銀行、伊予銀行、大垣共立銀行、広島銀行、山形銀行、イオン銀行、大分銀行。
アプリの利用料は無料ですが、通信にかかるパケット代は利用者の負担となります。
3月9日、衆議院本会議で国際観光旅客税法案が賛成多数で可決され、参議院へ送られました。同法案は、海外旅行などで出国する際に一人につき1,000円の国税を課税しようというものです。
同法案は、2月2日に平成30年度税制改正法案とともに国会に上程され、2月13日衆議院財務金融委員会に付託。23日から審議が行われ、3月2日の委員会において賛成多数で可決されていました。
具体的には、訪日外国人旅行者や国民が出国する際、1人1,000円を徴収しようというもので、2019年1月7日の施行を目指しています。税目は所得税や法人税などと同じ恒久的な国税で、新税創設は1992年の地価税以来、27年ぶりとなります。
政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年の訪日外国旅行者数を4千万人とする目標を掲げているものの、出入国の円滑化や地域の観光インフラの整備など、訪日客受け入れには多くの課題が指摘されていて、対応するための財源不足で頭を悩ませていました。そこで、同税を創設して使途を「環境整備」「情報発信強化」「体験型観光」の3分野に充てることにしたわけです。
海外の例を見てみると、アメリカが「ESTA」と呼ばれるオンライン渡航認証システムの申請手数料として、外国人旅行者から14ドル(約1,500円)を徴収しています。また、韓国では出国納付金として国内外問わず航空旅客から1万ウォン(約1,000円)を徴収。イギリスやフランスなども航空旅客税などを徴収しています。こうした事例を基に同税の創設検討会は、税額を「1,000円を超えない範囲」と提言していました。
ただ、野党の中には、「与党の選挙公約にもなく、政府税制調査会における議論もなかった。国民の信任が得られていない」などと反発する向きもあります。
さきごろ、アサヒグループホールディングスが運営する情報サイト「青山ハッピー研究所」が、消費者の節約に関する意識調査の結果を発表しました。それによると、15.7%が「来年に予定されている消費税アップに備えて」節約していると答えています。
「青山ハッピー研究所」が行った今回の消費者の節約に関する意識調査は、インターネットで回答を募集し、20代以上の男女2432人から回答を得たものです。
まず、現在、節約を意識して生活しているかを聞いたところ、「強く意識している」は32.5%、「まあまあ意識している」は59.2%。「強く」と「まあまあ」と合わせて91.7%が節約を意識していました。
「強く意識している」について過去の調査と比較すると、最も高かった2015年からは35.0%、34.1%、32.5%と3年連続で減少しています。
次に、節約している内容を見てみると、1位は「節電」(71.7%)でした。2位以下は「節水している」(53.7%)、「食費を抑えている(なるべく安いものを探す)」(52.4%)、「ファッション・衣類を買い控えている」(50.5%)、「外食費・飲み代を抑えている」(47.9%)、「旅行じ・レジャーを控えている」(47.9%)となっています。
節約を意識している理由では、「老後の生活不安のため」(48.3%)が最も多く、続いて「長引く経済不況のため」(27.9%)、「無駄を排除した『シンプルな生活』を目指しているため」(25.3%)、「給与が減少したため」(18.6%)でした。中でも注目されたのは、2019年10月から食料品や新聞などを除き消費税率が10%にアップすることを受け、15.7%が「来年に予定されている消費税アップに備えて」を節約理由に選んでいたことです。
平成29年12月15日の最高裁の判決を受け、このほど、国税庁が競馬の馬券購入費に関する所得税法取扱基本通達の改正を示唆。ハズレ馬券の購入費も必要経費に該当する場合があるとする取り扱いを整備して広く納税者に意見を求めています。
これまで、競馬の馬券購入費について国税庁は「競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当しない」という取り扱いを定めていました。
ところが、平成29年12月15日に最高裁が「馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する」という判決を下したことから、このほど、国税庁が所得税法取扱基本通達を改正。「馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する」としました。
このようにして購入した馬券の購入費については、ハズレ馬券の購入費も含めて必要経費に該当することになるとしたわけです。今回の取扱いの整備について、国税庁では4月2日までパブリックコメントを募集しています。
平成30年4月1日以降、国税庁が運営している法人番号公表サイトを使用すると「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります」といった警告がパソコン画面上に表示される場合があることを国税庁が発表しました。
法人番号は、平成25年5月24日に成立した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき、1法人につき1つ指定された13桁の番号のことです。国税庁がインターネット上にサイト「法人番号公表サイト」を立ち上げて、その番号とともに法人の商号や名称、本店や主たる事務所の所在地を公表しています。マイナンバーとは違い法人番号は、行政事務を効率化して国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤としての役割を担っているものです。
この法人番号公表サイトについて、このほど国税庁が今年4月1日以降、利用者側のパソコン画面に「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります」などといった警告が表示される場合があると発表しました。これは、国税庁が同サイトのセキュリティの強化を目的として、平成30年4月1日から、常時暗号化通信「TLS1.2」に対応することを予定しているからです。
とくに、同サイト利用者側のパソコンにおいて、ブラウザ(データを閲覧するためのアプリケーション)に政府認証基盤アプリケーション認証局2(Root)の自己証明書がインストールされていない場合にそういった警告が表示されます。また、国税庁では「TLS1.2に対応していないパソコンやTLS1.2を有効に設定していないパソコンで同サイトにアクセスした場合、閲覧ができない可能性がある」としています。