日本年金機構が年金受給者に対して送付した「平成29年分公的年金等の源泉徴収票」の一部について、記載内容に誤りがあることが判明したと発表しました。国税庁も急きょホームページなどで、その記載誤りについて注意を喚起しています。
日本年金機構によると、年金受給者に送付した「平成29年分公的年金等の源泉徴収票の記載内容に、次のような誤りがあることが判明した」としています。
平成30年1月12日以降に「平成29年分公的年金等の源泉徴収票を年金受給者に送付したところ、一部の年金受給者の源泉徴収票について、記載された『控除対象配偶者』及び『控除対象扶養親族』の氏名(漢字氏名、フリガナ)に誤りがあることが判明した」としています。
ただし、源泉徴収票に記載された事項のうち、「支払金額、源泉徴収税額など、他の項目に誤りはない」とのことです。
こうした誤りが発生した原因については、「平成29年分公的年金等の源泉徴収票の作成に当たって、年金受給者から提出された平成29年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に基づき、委託契約業者が控除対象配偶者の氏名等のデータ入力処理を行いったが、その際に誤りが発生した」とのことです。
また、日本年金機構としても、委託契約業者の管理及び監督が不十分だったことを認めています。
一方、この日本年金機構の不祥事について国税庁では「源泉徴収票の記載内容に誤りがある方に対して、正しい源泉徴収票が1月末を目途に日本年金機構から再送付される予定です。正しい源泉徴収票が送付された後に、確定申告書を作成していただきますようお願いいたします。また、既に確定申告書を提出済みの方で、源泉徴収票の控除対象配偶者欄及び控除対象扶養親族欄の氏名に誤りがあり、是正が必要な場合については、税務署からご連絡させていただきます」としています。
東京都主税局が、商業地や小規模住宅用地などに課している固定資産税や都市計画税の現行の軽減措置を次のとおり継続すると発表しました。
固定資産税や都市計画税の現行の軽減措置は、次のようになっています。
@小規模住宅用地(面積200uまでの部分)について都市計画税を2分の1減額する。
A小規模非住宅用地(面積400u以下の土地のうち200uまでの部分)について固定資産税と都市計画税を2割減額する。
B商業地等(負担水準が65%を超える商業地等)について固定資産税と都市計画税の負担水準65%に相当する税額まで軽減する。
C住宅用地等(税額が前年度の1.1倍を超える住宅用地等)について固定資産税と都市計画税前年度1.1倍に相当する税額まで軽減する。
D耐震化のための建替え又は改修を行った住宅(昭和57年1月1日以前からら所在する家屋を建て替えた場合又は耐震改修した場合)について、
<建替え>
固定資産税と都市計画税を10割(3年度分)減額する。
<耐震改修>
固定資産税と都市計画税(1戸あたり120uの床面積相当分まで)を10割(1年度分)減額する。
なお、@からBについては、平成30年度においても継続するとしています。Cについては、平成32年度まで継続。そして、Dについては、今年度税制改正で適用期限が平成31年度末まで2年延長される予定です。
このほど国税庁が、平成28年4月に作成した「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)」を改定しました。軽減税率は正規の税率よりも2%低いだけですが、食料品の販売業者にとっては、売り上げに大きく影響するとあって、今回のQ&Aの改定についても強い関心が寄せられています。
この1月に改定されたQ&Aは「問5、通常、食品や飲料を譲渡する場合、容器や包装を使いますが、これら容器等の取扱いはどのようになりますか。」と「問8、『飲食に用いられる設備』(飲食設備)とは、どのようなものですか。」の2つです。
まず、問5についてですが、その回答欄で「飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(以下「包装材料等」といいます。)が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該包装材料等も含め軽減税率の適用対象となる『飲食料品の譲渡』に該当します(以下、省略)」とされていたものに、「(注)包装材料等の販売者が、飲料メーカーに販売する缶やペットボトル、また、スーパー等の小売店に販売するトレーは、容器そのものの販売ですので軽減税率は適用されません。」という一文が加えられました。
次に問8については、参考として「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」の中にある「フードコートでの飲食」と「公園のベンチでの飲食」を参照するように提示していましたが、このほど同個別事例編の設問が9つ追加されたために、これまで記載されていた両設問の設問番号が変更されているだけです。
平成29年分の所得税の確定申告期が間近に迫っていることから、国税庁が今回の確定申告における留意事項をアナウンスしています。とくに気をつけなければならないのは、医療費控除の取り扱いが大幅に変わっていることです。
国税庁の調べによると、所得税の医療費控除の適用者数は183万9千人(平成17年分)としています。この数は配偶者控除の適用者数(同年分176万3千人)を上回っているだけに、国税庁も制度改正による適用ミスに対して非常に神経を尖らせているわけです。
今回の医療費控除の改正で、まず注意が必要なのは、医療費の領収書の提出・提示が不要になったことです。「医療費控除の明細書」を提出することで適用できるようになりました。健康保険組合などから「医療費のお知らせ」の交付を受けている人については、それを利用して医療費控除の明細書を作成しても構わないとされています。ただし、「医療費控除の明細書」を提出する場合、医療費の領収書については、自宅で5年間保存しなければなりません。
さらに、平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等(医師によって処方される医薬品から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用されたスイッチOTC医薬品)の購入費を支払った場合には、一定の金額の所得控除(セルフメディケーション税制)を受けることができるようになりました。
問題は、このセルフメディケーション税制は、通常の医療費控除との選択適用とされていることです。したがって、セルフメディケーション税制を適用する場合は、通常の医療費控除と併せて受けることはできないわけです。
また、これらのいずれかの適用を選択した後に、更正の請求や修正申告によってこの選択を変更することもできないので医療費の額が高額になる方を見極めたうえで選択適用すべきでしょう。
昨年12月26日に発生した三菱東京UFJニコスのシステム障害により、コンビニエンスストアでの税金の収納代行サービスを同社に委託している愛知県瀬戸市で、約1万件の住民税などを納めた記録が確認できなくなっていることが分かりました。
今年1月9日、三菱UFJニコスが「昨年12月26日に弊社NICOSカードのシステム関連機器の一部が故障し、カード事業や収納代行事業の提携先等への送信業務やカード会員からの入金確認業務、利用内容等の確認業務に支障が発生しています」と発表。1月13日には産経新聞が「住民税など9500件分確認できず―愛知・瀬戸」と報じました。
三菱東京UFJニコスによると「今年1月4日からシステムは概ね正常に稼働しておりますが、現在、慎重を期すべく時間を制限して運用しており、各業務の遅延解消までにはしばらくのお時間を頂戴しております」としていて、システム機器の交換は終えている模様です。
問題は、コンビニ収納代行サービスにおいて、収納事業者への利用データの提供が遅延している点です。産経新聞によると「税金の収納代行サービスを同社に委託している愛知県瀬戸市で、約9500件分の住民税などを納めた記録が確認できなくなっている」とのことです。
また「同社は障害による公共料金などの入金データへの影響は全国で最大57万件に上るとしており、同様の自治体がほかにもあるとみられる」とも報じていて、今後他の自治体の対応次第では、納税者に税金徴収の督促状が発送される恐れがあります。
今年も国税庁が「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想」の掲載をe-Tax専用サイトで始めしました。早くも1月22日と同月29日は▲マークがついていて、非常に混雑すると予測しています。
e-Tax・作成コーナーヘルプデスクは、e-Taxソフト・確定申告書等作成コーナーの利用者が事前準備や送信方法、エラー解消などの使い方に関して分からないことがある場合に、国税庁職員が電話で応対する専門窓口(税務相談等を除く)です。
所得税の確定申告が間近に迫ったこの時期、e-Tax・作成コーナーヘルプデスクが非常に混雑することから、国税庁は利用者へのサービスとして、昨年度の実績や電話受付状況を基に、毎年、混雑状況を予想してe-Tax専用サイトで紹介しています。
e-Tax・作成コーナーヘルプデスクの通常の受付時間は、平日の月曜日から金曜日までの午前 9時から午後5時までとされていることから、毎日、9時から3時間おきに次のような記号で混雑状況を伝えています。
◎ (ほとんどお待たせすることなく電話がつながることが予想されます)
○ (比較的電話がつながりやすいことが予想されます。ただし、多少お待ちいただく場合があります)
△ (混雑することが予想されます。つながるまでお時間がかかります)
▲ (非常に混雑することが予想されます。つながりやすい時間帯にお電話されることをお勧めします)
なお、平成30年1月15日から3月15日までのe-Tax・作成コーナーヘルプデスクの受付時間は、平日の月曜日から金曜日までの午前9時から午後8時(祝日を除く)とされていているので、午後6時からの3時間に関する混雑状況についても掲載する予定です。
国税庁では、月曜日は特に問い合わせが集中することから「『e-Tax・作成コーナーヘルプデスクへのお問い合わせTOP10』をリンク先に掲載しておりますので、お問い合わせ内容が掲載されていないかご確認ください」としています。
まもなく平成29年分の所得税の確定申告期間が始まることから、所得税の医療費控除を受ける場合に必要な手続が改正されていることを国税庁がアナウンスしています。
平成29年度の税制改正で、医療費控除の適用を受ける場合に必要な提出書類の簡略化が図られ、平成29年分の所得税の確定申告から適用されます。
具体的には、これまでの所得税の確定申告においては医療費の領収書を確定申告書に添付するか、または、確定申告書を提出する際に税務署の窓口等で提示することになっていました。
こうした手続きが、医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出するだけで良いことになりました。
同明細書の基本的なフォーマットは、国税庁がホームページ等で提供しています。
この改正により、医療費控除を適用する際に用いた領収書は確定申告期限等から5年間自宅等で保存することが義務づけられました。すなわち、確定申告期限等から5年間は、税務署から医療費の領収書の提出又は提示を求められる可能性があるわけです。
一方、書類の簡素化を目指していることから、医療保険者が発行するもので次の@からEまでに掲げる6項目の記載がある「医療費通知」を確定申告書に添付すれば、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要とされています。
@ 被保険者等の氏名、A療養を受けた年月、B療養を受けた者、C療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称、D被保険者等が支払った医療費の額、E保険者等の名称
国税庁がe-Tax(国税の電子申告システム)の利用者に対して「平成29年分の確定申告に関するお知らせ」をメッセージボックスに格納する時期を通知しました。
e-Taxには、国税庁からの受信通知や納付完了のお知らせ、申告期間のお知らせ等の情報が格納される利用者専用のメッセージボックスが設置されています。このメッセージボックスは、あくまでも利用者がe-Taxを立ち上げて能動的にそのボックスの中身を見に行かなければ、どのような通知が国税庁から届いているのか把握することはできません。
とくに申告期限などは見逃すと大きな損失が発生する危険性があるため、国税庁も遂次メッセージボックスの中身の確認を怠らないよう利用者に呼び掛けています。
今回は、e-Taxの利用者に対して確定申告期間のお知らせの格納時期等について、次のようにアナウンスしています。
【個人の方の場合】
平成29年分確定申告に関するお知らせについては、平成30年1月18日(木)から平成30年1月22日(月)の間に順次メッセージボックスへ格納する予定です。
【法人の場合】
前事業年度又は前課税期間において、e-Taxにより確定申告を行った法人に対して、決算月の翌月中旬に確定申告に関するお知らせ、申告期限月の上旬に法人税の予定申告及び消費税の中間申告に関するお知らせをそれぞれ格納しています。
なお、e-Taxにメールアドレスを登録しておけば、申告に関するお知らせをメッセージボックスに格納した時に、その旨のメッセージが登録しておいたメールアドレスあてに通知されるので便利です。
平成29年12月26日、国税庁が独立行政法人国立印刷局(印刷局)から「偽造収入印紙が発見された」との報告があったことを公表しました。
収入印紙とは、政府が発行する証票で、手数料や税金、罰金などの納付のために使用するもので、国税では主に印紙税を納付するときに使われています。
印刷局によると、偽造収入印紙が発見されたのは、交換請求目的で郵便局に不審な券面額200円の収入印紙(約250枚)が持ち込まれたのが事の発端でした。その後の日本郵便(株)の調査で、他の複数の郵便局においても不審な券面額200円の収入印紙(合計約500枚)が発見されたとしています。
それらの収入印紙を印刷局が鑑定した結果、偽造収入印紙であることが判明しました。
その偽造収入印紙の特徴は次のとおりです。
@ 造品は、左上の模様の濃淡形状が真正なものとは異なっている(「ぼかし」がない)。
A偽造品は、下部にある「葉」の輪郭が真正なものとは異なっている(「ぼかし」がない)。
B偽造品は、券面額200円の文字の位置が真正なものとは異なっている(余白上部と接していない)。
こうした印刷局からの報告を受け、国税庁では「今回発見された偽造収入印紙と同じような特徴を有する不審な収入印紙を見つけた際は、お近くの警察署までお知らせください」としています。
公益財団法人日本財団が実施している振り込め詐欺被害者の子供たちを支援する奨学金制度について、貸与制から給付制に切り替えるにあたり、既存貸与者などの債務を免除したりした場合に発生する経済的利益に対して、このほど東京国税局が非課税とする見解を示しました。
今回、日本財団が貸与制から給付制に切り替える奨学金制度は、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法)に基づく犯罪被害者等の支援事業の担い手として選定された、犯罪被害者等の子供に対する奨学金事業のことです。
この奨学金制度について日本財団では、これまで貸与制だったものを平成29年4月1日から、奨学金の月額を減額した上で、給付制に移行。その際、既に奨学金の貸与を受けて、奨学金に係る債務を有する奨学生及び卒業生等の債務について、給付制下における給付額を上限として返済を免除することにしました。
また、奨学金の減額による奨学生の学生生活への影響を考慮し、給付する奨学金の月額がこれまでの貸与額と同額となるように、日本財団では独自のサポート制度として、貸与額と給付額の差額に相当する金銭を給付制移行後の奨学生に対し毎月給付する「学業支援金」制度を設立しています。
さらに、給付制への移行前後における奨学生間の公平性を考慮し、日本財団では独自のサポート制度として、既存貸与者が、債務免除が行われた後においてもなお奨学金に係る債務を有する場合には、その債務相当額の金銭を既存貸与者に対して給付する「残債分給付金」制度も設立しました。
ここで、問題となったのが貸与制から給付制に移行する際に免除した貸付金の返済額と「学業支援金」や「残債分給付金」が奨学生と卒業生に対する経済的利益として所得税が課税されるのではないか、ということでした。
日本財団では、所得税法第9条《非課税所得》第1項第15号に「学資に充てるため給付される金品は、給与その他対価の性質を有する一定のものを除き、非課税と規定している」ことなどを理由に「いずれも非課税となる学資金に該当する」との見解を東京国税局に示したところ、それに対して東京国税局から「貴財団が説明する事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」との回答がありました。