経済産業省や国税庁が、事業承継税制を適用している事業者や4月1日以降に事業承継税制の適用を考えている事業者に対し、認定申請や適用後5年間の報告書等の提出窓口が経済産業省から都道府県に変わることを告知しています。
1月31日に、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行期日を定める政令」及び「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、それにより、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」において、これまで経済産業大臣が行っていた中小事業者の事業承継税制などの適用認定を、平成29年4月1日から都道府県知事が行うことになりました。
事業承継税制とは、中小企業者が経済産業大臣の認定を受けることによって、事業を継承する者が引き継ぐ非上場株式に係る相続税や贈与税が80%(贈与税は100%)納税が猶予されるという制度です。
この経済産業大臣が行なっている同制度の適用認定が、4月1日から都道府県知事が行なうようになり、適用後5年間の報告書の提出窓口も経済産業省から都道府県に変わるわけです。
ちなみに、事業承継税制について経済産業大臣の認定が受けられない会社は、「上場会社」「経営承継円滑化法上の中小企業者に該当しない会社(医療法人等)」「風俗関連事業を行なう会社」「実質的な子会社(同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の50%超保有)が上の3つの要件のいずれかに該当する会社」「総収入金額がゼロの会社」「常時使用する従業員がゼロの会社」「相続開始日以降5ヶ月経過する日の常時使用する従業員の数が相続開始日のそれと比べて8割未満の会社」とされています。
大阪府が自動車税の課税ミスを防止するため「自動車の名義変更や廃車などの手続き」を早めに行うよう呼びかけています。
原則として、自動車を売却したり、廃車した場合や転居等で住所を変更した際には、運輸支局において登録変更の手続きをしなければなりません。仮に、これらの手続きを怠ると、手放したはずの車に自動車税が課税されたり、逆に、納税通知書が届かないといったトラブルが発生します。
毎年、年度末にあたる3月は自動車の名義変更や廃車などの手続きが1年の中で最も集中するといわれています。とくに、3月の下旬は窓口が極端に混雑し手続きの完了までに時間がかかるような状況になります。
そのため、大阪府では「自動車の登録手続きなどについては、窓口が比較的空いている3月中旬までにお済ませください」と府民に呼びかけています。
年度末なので繁忙期に入ることも考えられるため、大阪府では「すぐに住所変更の登録手続きができない場合は、府のホームページにある“府税あらかると”よりインターネットでお手続きいただくか、または自動車税住所変更届出書等を大阪自動車税事務所に郵送で提出していただくことにより、納税通知書等の送付先の変更ができます」としています。なお、自動車検査証の住所については、運輸支局の窓口で住所変更手続きを行う意外に方法はありません。
定期借地権を設定したときに地主が賃借人から預かった保証金に対する経済的利益の課税について、このほど、国土交通省が平成28年分の適正な利率を公表しました。
定期借地権の設定に伴って地主が賃借人から預かる保証金は、返還請求があるまで必ずしも銀行口座に保管しておく必要はなく、金融商品で運用したり、事業用資産の購入にあてたりしても良いことになっています。
問題は無利息で預かっているため、運用利益に対して課税する必要があるということです。銀行口座に保管している場合や公社債などで運用している場合は、利子等に所得税が自動的に課税されるので問題はないのですが、事業所得や不動産所得を生むための資金として活用したり、自宅の改修など私的なことに使った場合は、その経済的利益に対する所得課税が困難です。
そこで、政府は保証金に適正な利率を乗じた金額を経済的利益の額と定めて、それに所得税を課税することにしたのです。適正な利率は、10年長期国債の平均利率を準用することになっているわけですが、国土交通省は国税庁などと協議し、平成28年分の適正な利率を次のように決めています。
@ 当該保証金が各種所得の基因となる業務に係る資金として運用されている場合又は当該業務の用に供する資産の取得資金に充てられている場合は「両建の経理の場合の適正な利率は、平均的な長期借入利率によるべきであるが、0.05%としても差し支えない」
A @の場合以外で、かつ、当該保証金が、預貯金、公社債、指定金銭信託、貸付信託等の金融資産に運用されている場合以外のときは「利息に相当する金額を計算する場合の適正な利率は、平成28年中の定期預金の平均年利率(預入期間10年・1千万円以上)によることとし、平成28年分については、0.05%となる」。
国税庁の法人番号公表サイトに対して、一部の会社の経営者らが「弊社の社名はPRする必要がないので、公表してほしくない」と「商号又は名称」「本店又は主たる事務所野所在地」、「法人番号」の基本3情報の公表に難色を示しています。
平成25年5月24日に国会で成立した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき、国税庁が法人番号公表サイトを立ち上げ、「国内の全法人の商号又は名称」と「本店又は主たる事務所の所在地」、「法人番号」の基本3情報公表しています。
これに対して、一部の会社経営者から「うちは基本3情報の公表に対してあまりうれしく思ってはいない」という声が漏れ伝わっています。取引先の固定している会社や節税を目的として設立された会社、同族会社の本体とは別に設けているファミリー会社などは、あまり世間に知られたくないわけで、なかには「営業目的で情報を集めている会社も同サイトを利用しているようだ」と懸念を抱く会社も少なくありません。
ここへきて、国税庁に対して「『公表の同意を撤回する旨の届出書』を提出すれば、法人番号公表サイトで基本3情報を公表しないことができますか」といった質問まで寄せられています。そこで、国税庁では、「法人番号に関するFAQ」を更新し、「公表の同意を撤回する旨の届出書」について説明しています。
具体的には「『公表の同意を撤回する旨の届出書』は、『法人番号等の公表同意書』を提出した人格のない社団等が公表同意を撤回する場合に使用する届出書であり、設立登記法人が提出することはできません」という解説を掲載して、法人の基本3情報の公表に理解を求めています。
大阪府がこのほど、平成29年度に使用する自動車税納税通知書等の送付用封筒に広告を掲載する企業を決定しました。同封筒は大阪府に納める自動車税の納税者約178万件に送付されるとあって、PR効果は絶大なものがあります。
今回、広告を掲載するのは、東京都港区に本社のある株式会社アド・ベストです。同社は、創業以来どこの媒体社にも属していない独立した広告代理店で、クライアント企業に役立つマーケティング支援を展開している会社です。
自動車税納税通知書の送付用封筒に広告を掲載することについて大阪府は「広告事業そのものは府の新たな財源を確保することを目的としています。それによって府民サービスの向上と地域経済の活性化に役立てるとともに、広告主に地域貢献の機会を提供するという目的もあります」と説明しています。
大阪府では、今回の広告主を平成28年12月22日から平成29年1月31日にかけて募集を行い、別途広告掲載審査委員会を設けて審査を行いました。その審査では、広告掲載希望者の中から最高の価格(府が示した予定価格は160万円以上)を提示した企業・団体のうち、申込書に記載された広告内容が広告掲載要綱に則っているかどうかなどを調査したうえで広告主が決定されています。
企業広告が掲載される自動車税納税通知書送付用封筒の当初発送は、平成29年5月上旬を予定(再送分は平成29年10月上旬)していて、自動車税督促状送付用封筒については平成29年7月中を予定しています。発送件数は各封筒合計で約178万2,000件とされています。
今年1月27日から2月1日午前にかけて、地方税ポータルシステム(eLTAX)に繋がりにくい状況が発生したことを受け、一般社団法人地方税電子化協議会がこのほど、再発防止対策を行いました。
eLTAXは、一般社団法人地方税電子化協議会が管理・運営しているもので、納税者が自宅や会社のパソコンを使ってインターネットを通じて地方税の手続きを電子的に行うシステムのことです。
そのeLTAXが、今年1月27日(金)から2月1日(水)午前にかけて、アクセス集中とシステム障害により、納税者が電子申告を行おうとしても繋がりにくい状況が発生しました。すでに、2月1日(水)午後から状況は改善され、現在は正常にサービスが受けられる状態になっているわけですが、同協議会では、今回の電子申告等が繋がりにくい状況が発生した原因について調査を実施、このほど再発防止対策を講じました。
原因のひとつは、予想を超えたアクセスがeLTAXに集中したことにより、予め通信機器に設定していた負荷上限(しきい値)を超えたことが原因であると判明。1月30日(月)までにしきい値を引き上げてアクセスの許容量を拡大しています。
一方、システムを構成している一部の通信機器において、再起動が繰り返された問題については、通信経路等の影響が原因であると判明しました。そこで、通信経路に係る設定を変更することにより機器間の疎通を確保し、再起動が起こらないように修正しています。
1月27日から2月1日にかけて、地方税ポータルシステム(eLTAX)がつながりにくい状況が続いていたことを一般社団法人地方税電子化協議会が明らかにしました。
eLTAXとは、地方税に関する届け出などの手続きを、インターネットを利用して電子的に行えるシステムのことです。一般社団法人地方税電子化協議会が運営しているわけですが、このeLTAXが1月27日(金)から2月1日(水)午前にかけて、繋がりにくい状況が生じていたことを同協議会がこのほど明らかにしました。
この間、事業者が所有する固定資産税が課税される償却資産の申告期限が1月31日でした。また、給与支払報告書・公的年金等支払報告書の提出期限も1月31日でした。
両報告書については、今年1月からeLTAXを利用して、市町村に提出する給与や公的年金等の支払報告書の電子申告用のデータを作成する際、税務署に提出が必要な源泉徴収票の電子申告(e-Tax)用のデータも同時に作成することができるようになり、同時に作成したデータは、eLTAXに一括して送信することで支払報告書は各市町村に、源泉徴収票についてはe-Taxで事業者の方の所轄税務署にそれぞれ提出されるようになっています。
今回のeLTAXへの接続障害について同協議会は「原因は、予想を超えたアクセスがeLTAXに集中したことにより、予めeLTAXに設定されている負荷上限(しきい値)を超えたためと考えられる」としています。
また、今回の事態を受け、総務省では「eLTAXの利用者がやむを得ず申告等を期限までに行えなかった場合もあることから、利用者や納税者の方々に不利益が生じることがないよう、各地方公共団体に対して、地方税に係る申告の期限の延長等について適切な対応を行うよう要請する通知を発出しました。併せて、総務省が調査を行ったところ、2月3日(金)現在で、全ての都道府県、政令指定都市及び県庁所在市において、申告の期限の延長等の対応がなされていることを確認しております」としています。
パソコンのオペレーティングシステム(OS)でマイクロソフト社のWindows Vistaが今年4月11日でサポートが終了となることから、一般社団法人地方税電子化協議会がeLTAXに係るシステムも、同日をもって動作保証の対象外とすることを発表しました。
マイクロソフト社はWindows Vistaだけでなく、インターネット上の情報を見るためのソフトInternet Explorer9(IE)についても、同社のサポートを平成29年4月11日で終了することにしています。
日本国内で普及しているパソコンのOSのシェアはWindowsが90%を占めています。それだけに、地方税の各種届出などについてインターネットを介して電子的に行える地方税ポータルシステム(eLTAX)を運営する一般社団法人地方税電子化協議会は、OSの動作保証については慎重を期しています。したがって、このほど同協議会は「eLTAXに係るシステムにおいても、4月11日をもってWindows Vistaは動作保証の対象外となります」としたわけです。
マイクロソフト社が2014年4月9日にWindowsXPのサポートを終了した際も世の中は大きな騒ぎとなり、一般社団法人地方税電子化協議会だけでなく国税の電子申告システム(e-Tax)を運営する国税庁も対応に追われました。WindowsVistaはXPほど売れなかったとはいえ、中古市場では人気のあるOSです。国税庁も近々WindowsVistaのサポート終了への対応を発表するものと見られています。