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固定資産税が半額になる中小企業経営強化法。12月の申請者は適用難しくなる

2016年11月28日

これから中小企業等経営強化法を適用する事業者に対して、中小企業庁が「12月に入ってからの申請は、年内に(所管官庁からの)認定が得られない可能性がある」と注意を促しています。

 中小企業経営強化法を適用すると、生産性を高めるために新たに取得する機械装置の固定資産税(税率1.4%)が3年間、2分の1に軽減されます。その適用に当っては、「経営力向上計画」を作成し、事業所管大臣から認定を受ける必要があるわけですが、固定資産税自体が、毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産の所有者に対し課税される税金であることから、年末にかけて、経営力向上計画の申請が急増することが予測されています。
 そのため中小企業庁は、来年度から軽減措置を受ける場合、11月下旬をめどにできるだけ早く申請書類を提出するよう求めていたわけですが、ここへきて、申請が殺到する可能性があり、「12月に入ってからの申請は、年内に(所管官庁からの)認定が得られない可能性がある」と注意を呼びかけているわけです。
 なお、固定資産税が半額になるこの制度は、今年7月に施行された「中小企業等経営強化法」に基づきスタートしたものです。10月末時点で認定件数は3333件となっています。
 この制度を利用するには、原則として、資本金1億円以下の中小企業や個人事業主のうち、「10年以内に販売を開始し、かつ160万円以上の機械装置を購入すること」や「年平均1%以上の生産性向上が証明できること」といった要件を全て満たし、2018年度末までに購入しなければなりません。
 申請に当たり、設備投資やコスト管理などの取り組みを記載した「経営力向上計画」を作成することになっていますが、計画の作成は、商工会議所や地域金融機関などからサポートが受けられるので、意外と簡単です。

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オーナー企業の7割が「後継者不在」―、帝国データバンク調べ

2016年11月28日

平成27年からスタートした相続税の課税強化により、中小企業の事業承継が危ぶまれていますが、このほど、帝国データバンクが行った「全国オーナー企業分析」によると、オーナー企業のうち、7割が後継者不在という危機的な状況が明らかになっています。

 帝国データバンクでは、同社の信用調査報告書ファイル「CCR」と企業概要データーベース「COSMOS2」をもとに、代表者名と筆頭株主が確認できた約56万社から、代表者名と筆頭株主が一致した企業を“オーナー企業”として定義。業種別、年商規模別、後継者の有無別などの視点から分析を行っています。
 まず、オーナー企業を業種別に見てみると、「建設業」が10万2185社(構成比23.5%)で、全業種で最多でした。次いで「卸売業」(8万8254社、構成比20.3%)、「サービス業」(7万1618社、同16.5%)となっています。年商規模別に見てみると、「1億〜10億円未満」が25万9129社(構成比59.7%)と最多でした。次いで「1億円未満」が(12万5628社、構成比28.9%)となり、10億円未満の企業が全体の9割近くを占めました。
 地域別で見ると、「関東」が15万6110 社、構成比36.0%で最多でした。次いで、「近畿」(7万1156 社、構成比16.4%)、「中部」(6万2515 社、同14.4%)と続いています。
 そこで、肝心のオーナー企業について後継者の有無を見ると、全体の71.2%にあたる29 万2521 社が、現在、オーナー企業について後継者の有無を見ると、全体の71.2%にあたる29万2521社が、現在、後継者未定(未詳も含む)となっていることがわかりました。
 代表者の就任経緯別で見ると、オーナー企業のうちオーナーが「創業者」の企業は20万1926社、構成比49.2%。そのうち、後継者が「いない」と回答した企業は14万7763社(構成比50.5%)で後継者不在率は73.2%となりました。「同族継承」は11万4905社、構成比39.3%で、後継者不在率は67.9%でした。
 政府は相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)の拡充や民法の遺留分に関する特例、金融支援など支援策の追加など社会制度整備のバックアップを行ってきてはいるが、今回の調べで中小企業の事業承継は、オーナー自身の意識改革が「重要な鍵となろう」と帝国データバンクは結んでいます。

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国際的な脱税を把握。国税庁が外国税務当局から11万7千件の情報を得る

2016年11月21日

今年7月までの1年間(平成27事務年度)に国税庁が外国の税務当局との間で脱税者に関する情報交換を行った件数などを公表しました。それによると、100カ国(地域を含む)を超える租税条約締結国などから、国税庁は自動的に約11万7千件もの情報を得ています。

 租税条約等に基づく情報交換には、「要請に基づく情報交換」と「自発的情報交換」、「自動的情報交換」の3つのパターンがあります。
 まず、「要請に基づく情報交換」は、条約等の締結相手国・地域の税務当局に必要な情報の収集・提供を要請するというもので、平成27事務年度に国税庁から外国税務当局に要請した件数は366件でした。これらを地域別に見てみると、アジア・大洋州の国・地域向けの要請が291件と全体の約8割を占めていました。
 逆に、平成27事務年度に外国税務当局から国税庁に寄せられた要請件数は158件でした。
 次に、「自発的情報交換」とは、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で、外国税務当局にとって有益と認められる情報を自発的に提供するものです。平成27事務年度に国税庁から外国税務当局に提供した「自発的情報交換」の件数は186件でした。逆に、外国税務当局から国税庁に提供された「自発的情報交換」の件数は33件となっています。
 3つ目の「自動的情報交換」は、法定調書から把握した非居住者への支払など (利子、配当、不動産賃借料、無形資産の使用料給与・報酬、報酬、株式の譲受対価等)に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。平成27年事務年度に国税庁から外国税務当局に提供した「自動的情報交換」の件数は、約18万8千件でした。逆に、外国税務当局から国税庁に提供された「自動的情報交換」の件数は、約11万7千件となっています。

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外国の金融機関に口座を設ける際にマイナンバーを教える必要がある―国税庁が見解

2016年11月21日

2015年のマイナンバー法の改正により、2018年から預貯金口座へのマイナンバーの適用が始まりますが、このほど、国税庁が「番号制度概要に関するFAQ」を更新し、外国の金融機関に口座を開設する際にもマイナンバーを提供する必要があることを明らかにしました。

 「番号制度概要に関するFAQ」に新たに掲載された質問は「外国の金融機関に口座を開設する際に、納税者番号としてマイナンバーの提供を求められたのですが、問題ないですか?」というものです。
 これに対して国税庁は「国際的租税回避の防止を目的として、銀行等の口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際的な統一基準(以下、共通報告基準)がOECDにおいて策定されているところであり、交換の対象となる情報にはマイナンバーも含まれています。そのため、共通報告基準に参加する国・地域に所在する金融機関から所在地国・地域の法令に基づき、税務当局への報告を行うためにマイナンバーの提供を求められることがあります。この場合には、当該外国金融機関にマイナンバーを提供することは問題ありません」と回答しています。
 また、もうひとつ掲載された質問も「国内の居住者が外国の金融機関に対してマイナンバーを提供することの根拠を教えてください」と前記の質問に関連したものでした。
 これに対して国税庁は「各国・地域との間における共通報告基準に基づく自動的情報交換のため、日本と租税条約等を締結している国・地域の金融機関から各国の法令を根拠としてマイナンバーの記載を求められるケースは、番号法第19条第3号に規定された場合に該当することから、このケースにおいては、自己宣誓書(Self-Certification)等の書類にマイナンバーを記載することは問題ありません」と回答しています。

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平成28年分所得税等の確定申告に関する振替納税の振替日決まる

2016年11月14日

全国の税務署では、いま、来年3月の所得税の確定申告へ向け納税者の受け入れ準備を進めているところですが、このほど、国税庁が平成28年分の申告所得税及び復興特別所得税の振替納税の振替日を発表しました。

 国税は、申告した税額について納税者自身が納付期限までに納付することが法律で義務付けられています。ただし、その国税の納付方法については、@現金に納付書を添えて納付する方法、A指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法、Bダイレクト納付又はインターネットバンキング等を利用して電子納税する方法、C延納・物納(相続税・贈与税)といくつかのパターンがあります。
 今回国税庁が発表したのは、Aの振替納税の振替日(銀行口座から引き落とされる日)です。具体的には次のようになっています。
・所得税及び復興特別所得税の確定申告(法定納期限=平成29年3月15日(水))の振替日は平成29年4月20日(木)
・所得税及び復興特別所得税の予定納税第1期(法定納期限=平成28年8月1日(月))の振替日は平成28年8月1日(月)
・所得税及び復興特別所得税の予定納税第2期(法定納期限=平成28年11月30日(水))の振替日は平成28年11月30日(水)
・贈与税の確定申告延納(法定納期限=平成29年5月31日(水))の振替日は平成29年5月31日(水)
 さらに、個人事業者の消費税の確定申告(法定納期限=平成29年3月31日(金))の振替日は平成29年4月25日(火)とされています。

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海外に資産を移す課税回避行為の把握に注力―昨年度の相続税調査

2016年11月14日

このほど、国税庁が今年6月までの1年間(平成27事務年度)に全国の国税局・税務署が実施した相続税調査の概要を公表しました。それによると、海外に資産を移して、相続税を回避する行為の把握に国税当局が力を入れていることが如実にわかります。

 国税庁によると、平成27事務年度の相続税調査は、実地調査の件数が1万1,935件(前事務年度12,406件)で、このうち申告漏れ等の非違があった件数は9,761件(同10,151件)でした。非違割合は81.8%(同81.8%)と前年度と同じでした。
 申告漏れ課税価格は3,004億円(同3,296億円)で、実地調査1件当たりも2,517万円(同2,657万円)と少々減少しています。
 追徴税額(加算税を含む)も583億円(同670億円)で、実地調査1件当たりも489万円(同540万円)に減っています。
 しかし、重加算税の賦課件数については1,250件(同1,258件)でしたが、賦課割合が12.8%(同12.4%)とやや増えました。
 今回の相続税調査で注目されているのは、やはり海外に資産を移す課税回避行為の把握に力を入れて調査を行っているところです。海外資産関連事案に係る実地調査件数が昨年事務年度は847件だったものが、今年度は859件(前年度比101.4%)と増えています。そして、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数も昨年度は112件だったものが、今年度は117件(前年度比104.5%)となっています。
 国税庁では「資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案など、海外資産関連事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施します」としています。

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振替納税の利用者はご注意を。来年から領収証は郵送されなくなります

2016年11月07日

国税の納付を銀行口座からの引き落としにしている納税者に国税庁が注意を呼びかけています。来年1月以降、金融機関から領収証が自宅に届かなくなるとしています。

 国税を銀行口座からの引き落としにする納付方法は振替納税と呼ばれています。自動的に口座から国税が引き落とされるため、納税者の手元には領収書が残りません。そこで、国税庁では納税者サービスの一環として、納税者が税務署に申請した「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」に基づき、納税者の指定する金融機関の預貯金口座から国税の口座振替が行われた場合、その金融機関に対して日本銀行代理店の領収印が押印された用紙に被覆用シールを貼付し郵便ハガキの形で納税者に領収証を郵送してもらっています。
 この領収書の発行に関する金融機関に払うお金や郵送料などが、会計検査院からムダな経費だと指摘されたのです。その指摘を公表した平成26年度決算検査報告によると、基本契約に基づく口座振替納付1件ごとの手数料に係る単価は、平成24、25年度は63円で、そのうち金融機関が納税者の預貯金口座から日本銀行代理店の口座に振り替える事務経費相当額が10円、これに対し領収証書を納税者に送付する費用が50円かかっているとされました。
 そして、会計検査院は「口座振替納付の都度、領収証書の送付を行わないこととすると、口座振替納付に係る経費のうち郵送料相当額及びこれに係る消費税相当額24年度3億2249万余円、25年度3億2328万余円、計6億4578万余円、領収証書の書式が印刷された用紙の製造請負費用24年度2626万余円、25年度2682万余円、計5309万余円、被覆用シールの製造請負費用24年度241万余円、合計7億0128万余円節減できたと認められた」と指摘したのです。
 この指摘を受け、国税庁では振替納税による領収証の発行の廃止を決定。平成29年1月以降、領収証書の送付に代えて、次のような対応をすることにしています。 @ 振替納税をご利用いただいている方で申告所得税及び復興特別所得税又は消費税及び地方消費税の申告書をe-Taxにより申告していただいている方は、e-Taxホームページ等の「振替納税結果」メニューから振替納税結果が確認できるようになる。
A 振替納税をご利用いただいている方で書面による証明が必要な方には、税務署にて口座振替がなされた旨の証明を行う。

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昨年1年間に3兆円超の財産が国外に流出した―国税庁調べ

2016年11月07日

軽課税国に財産を移して、相続税などの課税を回避する動きが取り沙汰されていますが、このほど、その実態を国税庁が公表しました。今年6月末時点で国外に移された総財産額は3兆1,643億円にのぼるとしています。

 国外財産を保有する人にその保有する国外財産について申告をしてもらう仕組みとして、国外財産調書の提出制度がスタートしたのは、平成26年1月です。
 国外財産調書の提出制度とは、その年の12月31日において国外財産の合計額が5,000万円を超える財産を所有する居住者について、翌年3月15日までに国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、税務署長に提出しなければならないとされているものです。
 このほど、国税庁が今年6月末までに提出された国外財産調書を集計し、公表しました。
 それによると、国外財産調書の総提出件数は8,893件で、国税局別にみると一番多かったのが東京局の5,792件(構成比65.1%)でした。2番目は大阪局の1,223件(同13.8%)、3番目が名古屋局の673件(同7.6%)となっています。
 また、申告のあった国外財産の総財産額は3兆1,643億円でした。これについても東京局が一番多くて2兆3,274億円(同73.6%)となっています。2番目の大阪局が3,927億円(同12.4%)、3番目の名古屋局は1,793億円(同5.7%)でした。
 この財産の総額について、財産の種類別に見てみると一番多かったのが有価証券で1兆5,327億円(同48.4%)でした。2番目が預貯金の6,090億円(同19.2%)で、3番目は建物の3,250億円(同10.3%)となっています。

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