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国税庁がe-Taxソフト内の「秘密の質問と答え」のコーナーを一部改訂

2016年09月26日

国税の電子申告システム(e-Tax)を起動する際に入力しなければならない暗証番号を忘れたときに、「秘密の質問と答え」のコーナーを使えば暗証番号の再設定ができますが、このほど、国税庁がそのコーナーの質問項目を一部変更しました。「母親の旧姓」を問う項目の表現を変えています。

 自宅や会社のパソコンでe-Taxを起動するとき、ログイン画面で必ず暗証番号を入力しなければなりません。その暗証番号は、はじめてe-Taxソフトを利用する際に設定する納税用確認番号のことです。e-Taxソフトの初期設定を行うとき、「利用者ファイルの新規作成」画面の次に出てくる「利用者ファイルの保存」画面において、納税用確認番号(自身で決めた半角数字6桁)と納税用カナ氏名・名称(半角カタカナ・英数字で24文字以内)の登録を行いますが、その登録した納税用確認番号が暗証番号となります。
 国税の申告や納税は、日々あるわけではありません。そのため、登録した暗証番号を忘れてしまう人もいます。e-Taxでは、暗証番号を忘れたときには、納税用確認番号の再設定を行うことになっているわけですが、その際、「秘密の質問と答え」のコーナーに行き、いくつかの質問があり、その質問に対する答えと初期設定の際に登録した答えが合致することで、本人確認が行われる仕組みになっています。
 このほど、国税庁が「秘密の質問と答え」のコーナーにある質問項目の一部を変更しました。「母親の旧姓」を問う項目を「親の旧姓」を問うように変更しました。これは結婚により必ずしも女性が苗字を変更するとは限らないからです。
 国税庁では「既に『秘密の質問』として「母親の旧姓」を登録されている方については、再設定を行う必要はありません」としています。また「母親の旧姓を登録されている方については、『秘密の質問と答え』を入力する際『秘密の質問』は『親の旧姓』を選択してください」と案内しています。

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相続したのが庭先だけでも小規模宅地の計算特例適用可能―関東信越国税局が見解示す

2016年09月26日

関東信越国税局がこのほど、小規模宅地等の相続税の課税価格の計算特例について、新たな見解を示しました。死亡した被相続人が住んでいた家屋に相続人が住み続けるならば、たとえその家屋の敷地を相続しておらず、実際に相続したのが庭先部分の土地だけでも同特例を適用できるとしています。

 今回の見解は、関東信越国税局内の納税者からの質問に答える形で示されたものです。亡くなった親(被相続人)が住んでいた家屋の敷地は、家屋の部分と庭先部分の二筆から構成されていて、質問者(被相続人の実子)は庭先部分を相続し、家屋部分は質問者の子供(被相続人の養子)が相続により取得しました。なお、質問者は、相続後もその家屋に住み続けることにしています。
 小規模宅地等の特例とは、亡くなった被相続人や生活を共にする家族の事業用や居住用の宅地について、一定の要件を満たした場合にその宅地の評価額を80%減額してもらえるという制度です。 その一定の要件については、相続で取得した宅地は居住用ならば330uまでという面積の上限が決められています。また、被相続人が居住していた宅地等を相続により取得し、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地を所有し、かつ、その建物に居住していることという居住要件もあります。
 問題は、被相続人が住んでいた建物に質問者が住み続けるものの、実際に相続したのはその建物に付属している庭先の土地だけであるということでした。その庭先には家屋が存在しないため、小規模宅地等の相続税の課税価格の計算特例が適用できないのではと不安を抱いたわけです。
 そこで、質問者は関東信越国税局に対して「私が相続により取得する庭先部分の土地と私の子供が相続により取得する家屋部分の土地は、一体として『相続の開始直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で被相続人が所有していたものの敷地の用に供されていた宅地』である」などと説明。「庭先部分の土地も「特定居住用宅地等」として、小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例の対象になると考えられるのではないか」と文書で質問しました。これに対し同国税局が「照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答したわけです。

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東京都がeLTAXのPCdesk利用者に注意「プレ申告データは使用しないで」

2016年09月19日

東京都主税局がeLTAXのPCdesk利用者に注意を呼びかけています。「プレ申告データを用いて、9月20日以後に申告データを作成しようとしても、申告データの作成・送信ができない」としています。

 eLTAXは、自宅や会社のパソコンでインターネットを通じて地方税の申告が行える電子申告システムです。このeLTAXには、申告データなどを効率よく作成することができる無償のeLTAX対応ソフトウェア「PCdesk」が備わっていて、多くの納税者が利用しています。
 ところが、このほど東京都主税局がPCdesk利用者に対し、「9月20日より前に送付されたプレ申告データを用いて、9月20日以後に申告データを作成しようとしても、申告データの作成・送信ができないという事象が発生する」と警告しています。また、「9月20日より前に送信されたプレ申告データを用いて、9月20日より前に申告データを作成し、9月20日以後に当該申告データを送信した場合、地方税ポータルセンタでエラーと認識された上で、地方公共団体に送信されるという事象が発生する」と説明。プレ申告データの使用にマッタを掛けました。
 プレ申告データとは、納税者の名前など申告データの一部の項目が東京都主税局によって、あらかじめ設定されている申告データのこと。東京都主税局では「プレ申告データを使用して申告データを作成できない場合は、申告データを新たに作成し、送信する必要があります。そのため、プレ申告データを用いての申告は避けていただき、新規に申告データを作成していただきますようお願いいたします」とPCdesk利用者に呼びかけています。
 なお、平成28年度税制改正に関する電子申告等システムの対応については、平成28年9月20日のバージョンアップにより一部の様式が改訂される予定です。

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日商が来年度の税制改正要望。「円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本的な見直しを」

2016年09月19日

このほど、日本商工会議所(三村明夫会頭、日商)が、「平成29年度税制改正に関する意見」を取りまとめました。注目されているのは「円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本的な見直し」を求めている点です。

 日商は同意見書で、中小企業が雇用を通じて地域経済や財政に大きく貢献している実態や、大企業とは異なる中小企業の特性を示したうえで、中小企業が、その多様性を生かし、活発に活動できる環境整備として、中小企業の特性に着目した税制の実現が必要であると主張しました。
 今回の税制改正要望の中で注目されているのは、「円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本的な見直し」です。
 はじめに「わが国経済の持続的成長のためには、中小企業が成長し、事業を円滑に継続することが不可欠」としたうえで、経営基盤を損なうことなく、円滑な事業承継を実現するため、現行の取引相場のない株式の相続税評価について、「会社の清算価値ではなく、ゴーイングコンサーンを前提とした評価方法に見直すべき」としています。
 そして、取引相場のない株式の評価方法における当面の改善点として、類似業種比準価額方式の見直しなどを要望。また、事業承継税制について、納税猶予割合を100%へ引上げることや、雇用維持要件の緩和などを要請しました。
 さらに、自民党税制調査会が現在審議している配偶者控除等の見直しについても触れています。多くの子育て層が含まれる低所得世帯の負担軽減のため、「基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除を一本化し、税額控除制度に移行すべき」と提言しています。

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上場株式とデリバティブ取引の損益通算制度の導入に投資家の92.8%が賛成

2016年09月12日

「上場株式等」と「デリバティブ取引等(先物・オプション取引、FX、商品先物等)」との損益通算を認めることに個人投資家の92.8%が賛成していることがわかりました。大和証券やSBI証券など24社の合同アンケート調査で明らかになったものです。

 平成28年8月に金融庁が公表した平成29年度税制改正要望に、「金融所得課税一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」として、「上場株式等」と「デリバティブ取引等(先物・オプション取引、 FX、 商品先物等)」との損益通算を認めることが盛り込まれています。 この税制改正要望について、証券、FX、銀行およびプロバイダーの合計24の企業が、今年8月1日から8月31日にかけてインターネットを使って個人投資家にアンケートを実施し、33,067名より回答を得ました。
 それによると、『「上場株式等(国内上場株式、外国上場株式、公募株式投資信託等)」と「デリバティブ取引等(先物・オプション取引、FX、商品先物等)」との損益通算が認められることについて、賛成しますか?』という質問に対して、92.8%が「賛成」と回答し、圧倒的多数の個人投資家が支持する結果となっています。
 損益通算なので、税収減につながる措置であることから財務省などがこの結果をどう受け止めるかが気になるところです。
 また、同アンケートでは『今後の取引意向等についてお伺いします。上場株式等とデリバティブ取引等の損益通算が可能となった場合、ご自身の投資行動に変化はあると思いますか』という質問がありました。これについて50.3%は、「これまでより上場株式等やデリバティブの取引量を増やす」、「これまで投資していなかった新たな投資商品に投資する」、 「ヘッジ取引などでの活用を検討する」などと回答。投信資料館(石川由美子代表)などは「本税制改正が家計の資産形成の支援・促進に有効であることが分かった」としています。

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扶養控除等申告書の提出時の本人確認で国税庁が新見解

2016年09月12日

今年1月からマイナンバーの利用がスタートしていますが、このほど、国税庁が「あらかじめ従業員の氏名や住所等を印字した扶養控除等申告書で従業員らに申告させた場合には、本人確認のうち身元確認は完了したものと考えてよい」とする見解を示しました。

 マイナンバー(社会保障・税番号)は国民一人ひとりがもつ12桁の番号のことです。国の行政機関や地方公共団体などでは、住民票コードや基礎年金番号、医療保険被保険者番号など、それぞれの番号で個人の情報を管理しているため、機関をまたいだ情報のやり取りが必要な場合、氏名、住所などでの個人の特定にかなりの時間と労力を費やしていました。
 この時間と労力を解消するために、政府では社会保障、税、災害対策の3分野について、分野横断的な共通の番号を導入することで、個人の特定を確実かつ迅速に行うことを可能にしたわけです。
 マイナンバーのことを定めた番号法では、会社が従業員に提出させている扶養控除等申告書についても、従業員本人や控除対象配偶者、控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)を記載してもらう必要があるとしています。そして、本人からマイナンバー(個人番号)の提供を受けるときに本人確認を行わなければならないと定めています。
 扶養控除等申告書は毎年年末調整の時期に従業員らに提出を求めていることから、毎回本人確認を行うとなると企業の事務量は膨大なものになります。そこで、国税庁は「あらかじめ従業員の氏名や住所等を印字した扶養控除等申告書を交付しておき、従業員がその扶養控除等申告書を用いて扶養控除等の申告をした場合には、本人確認のうち身元確認は完了したものとして考えてよい」という見解を示したわけです。この見解は、番号法にある「本人確認のうち身元確認については、雇用契約成立時等に番号法や税法で定めるものと同程度の本人確認を行っている従業員であって、その従業員が明らかに本人であると対面で確認することができる場合には、確認書類の提示を受ける必要がない」との規定に基づいたものです。
なお、この見解について国税庁は、源泉所得税関係に関するFAQの中で紹介しています。

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保育に係る費用の所得税額控除制度の導入などを要求―各省庁の税制改正要望出揃う

2016年09月05日

政府がこのほど、2017年度の税制改正に向けた各中央省庁の要望を取りまとめました。少子高齢化に伴う人材不足を補うため、ICT(情報通信技術)などを活用して企業の生産性を高めることや、訪日外国人の消費を増やすために税のインセンティブを設けることなどが要望されています。

 人口が減少傾向にあるなかで経済を成長させるには、限られた人手でよりたくさんの稼ぎを生み出せるように生産性を高める必要があります。そこで、経済産業省はそのための研究開発にお金を使う企業の税負担を軽くする「研究開発税制」の拡充を打ち出しています。
 同税制はこれまで、自動車や素材産業のような製造業を主な対象としてきました。経産省はこれにICTを駆使するサービス産業の研究開発も加えることを要望。飲食店やスーパーで働く人が効率的に動けるように、ビッグデータを使って分析するといった研究を想定しています。
 政府は今回の税制改正で、日本を訪れる外国人に国内でもっとお金を使ってもらうようにする仕組みづくりを検討することにしています。
 そこで、国税庁と観光庁は、訪日客が酒蔵やワイナリーで日本酒やワインを購入した際にかかる酒税を免税にするよう要望しました。酒蔵などは質の高い原料や水が手に入る地方に多いことから、訪日客が日本のお酒を買いやすいようにすることで、地方の活性化や知名度の向上につなげたい考えです。
 働き手を増やすための「働き方改革」を促す要望も大きな柱です。共働き世帯を対象とする減税措置のほか、政府・与党は専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除の見直しも検討する方針をすでに打ち出しています。
 一方、厚生労働省と内閣府は2017年度の税制改正で、ベビーシッターを雇うなどして育児と仕事を両立させている世帯の税負担を軽くする制度の導入を求めています。ベビーシッターのほか、認可外保育所などにかかる費用の一定割合を税額から差し引く仕組みを導入することで、女性の活躍を推進する政府の成長戦略を税制面から後押しする考えです。

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全国市長会が税制改正要望。ゴルフ場利用税などの堅持を求める

2016年09月05日

全国市長会(会長=森民夫・長岡市長)の都市税制調査委員会(委員長=橋・高岡市長)が8月29日、自由民主党の石田真敏・税制調査会幹事に「平成29年度都市税制改正に関する意見」を手渡し、社会保障の充実のために必要な財源の確保などを要請しました。

 全国市長会は全国の市長(813団体=790市、特別区23区)で組織している団体です。地方自治の興隆繁栄に寄与することを目的としていて、都市税制改正に関する意見は毎年この時期に取りまとめて全国会議員や総務省等に配付するとともに、税制改正に係る要望活動に使用しています。
 平成29年度税制改正に向けた今回の意見書には、次のような要望が盛り込まれています。
 @消費税率10%への引上げが2年半再延期されたが、基礎自治体では、既に子育て等をはじめとする社会保障の充実のための施策に取り組んでおり、これら施策の推進に支障が生じないよう必要な財源を確保すること。
 A固定資産税は市町村財政を支える基幹税であることから、引き続きその安定的確保を図るとともに、平成28年度に創設された償却資産に対する時限的な特例措置については、今回限りのものとし、期間の延長は断じて行わないこと。
 B軽自動車税のグリーン化特例(軽課)や自動車重量税に係るエコカー減税の延長に当たっては、都市自治体の財政運営に支障が生じないようにすること。
 Cゴルフ場利用税については、その税収の7割がゴルフ場所在市町村に交付される貴重な財源であることから現行制度を堅持すること。

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