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熊本地震の被災者救援を装うニセ募金団体を国税庁がFAQでけん制

2016年04月25日

熊本地震の被災者救援を装って、ニセの街頭募金で私腹を肥やす団体が取り沙汰されています。しかも、その中には税制上の優遇が受けられることを公然とアピールしている団体もあると言われています。

 地震などの被災者救援のために、個人が義援金を国や地方公共団体に寄附した(特定寄付金)場合に適用できるのが所得税の寄附金控除(所得控除)です。制度の仕組みは、その年中に支出した特定寄附金の合計額から2千円を差し引いた金額を、所得金額から控除できるというものです。ただし、特定寄附金の合計額は所得金額の40%相当額が限度となっています。
 今回の熊本地震では、東日本大震災で味を占めたのか、かなりの数の被災者救援を装うニセ募金団体が暗躍しています。中には、公然と寄付金控除が適用できると偽って信用させる輩もいます。
 寄付金控除が適用できることを前面に押し出して募金活動を行うには、義援金が、「国等に対する寄附金」に該当することについて、事前に税務署の確認を受ける必要があります。そこで、国税庁では、正確な取扱いを周知するために「義援金に関する税務上の取扱いFAQ」を作成。ニセの街頭募金で私腹を肥やす団体の動きを、このFAQでけん制しています。
 具体的には「当団体は、関係する個人、法人から義援金を集め、これを取りまとめた上で、一括して地方公共団体に対して支払いたいのですが、その場合、当団体に寄附した個人、法人の税務上の取扱いはどのようになりますか」との質問に対して「その義援金が、最終的に地方公共団体に拠出されるものであれば、募金団体に対して義援金を支払った個人の方にあっては『特定寄附金』、法人にあっては『国等に対する寄附金』として取り扱われ、税制上の優遇措置の適用を受けることができます」としながらも、「なお、税務署においては、募金団体に対して支払う義援金が、最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであるかどうかの確認を行っています」として、ニセ募金団体を監視していることを示唆しています。

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熊本地震で被災した人について国税庁が「4月25日の振替納税を中止します」

2016年04月25日

このほど国税庁が、今回の熊本地震で被災した人に対する特例措置として、4月25日に行われる振替納税を中止することを明らかにしました。

 国税庁では、今回の熊本地震で数多くの被災者が出たことから、熊本県に納税地を有する納税者については国税に関する申告、申請、納付等の期限の延長を行うことにしました。同時に、熊本県以外の地域に納税地を有する納税者であっても、今回の地震で被害を受けた場合には、所轄の税務署長から承認を受けることにより、申告・納付等の期限を延長することができる措置を講じています。
 こうした延長措置を図ったことから、熊本県内に納税地を有する納税者については、今年4月25日に予定されている平成27年分所得税等の確定申告に係る振替納税の振替を一旦中止しました。国税庁では「新しい振替日については、今後、被災された方々の状況に十分配慮して検討する」としています。
 さらに、国税庁では、熊本県以外の地域に納税地を有する人で、納税の猶予を希望される場合は、今回の地震により災害その他やむを得ない理由で国税を一時に納付することが困難であれば、今年4月22日までに、所轄税務署又は金融機関へ連絡するよう通知していました。
 しかし、税務署や金融機関へ税金の振替を中止する連絡ができなくて、納税額の振替が行われてしまった後でも、国税庁では「災害その他やむを得ない理由により国税を一時に納付することが困難だったと認められるときには、納税猶予の制度を適用して、一旦その納税額を還付する」としています。
 国税庁では、振替納税に関する相談窓口として電話相談センターを利用するよう呼びかけており、「電話相談センターのご利用は所轄の税務署にお電話いただき、自動音声にしたがって番号『1』を選択してください。なお、個別的なご相談については、番号『2』を選択して、所轄の税務署へご相談ください」としています。

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国税庁が消費税の軽減税率制度に関する取扱通達を制定

2016年04月18日

国税庁が4月12日付で「消費税の軽減税率制度に関する取扱通達」を制定しました。通常、消費税法が改正された場合、消費税法基本通達の内容を変更して対応するものですが、国税庁が別途、新たに法令解釈通達を制定するのは異例のことです。

 国税庁が制定する法令解釈通達は、国家行政組織法の「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる」(第14条第2項)との規定に基づいて、国税庁長官が全国の国税局長へ発出する内部職員向けの通達の一種。法令に書かれていない細かな税金の取扱いが示されていることから、実務に携わっている税理士などが重要視しているものです。
 今回、国税庁が公開した消費税の軽減税率制度に関する取扱通達は、消費税法基本通達とは別に制定されたことから、軽減税率制度に対して国税庁がいかに神経を尖らせているかが伺えます。定められた通達の具体的な内容を見てみると、例えば、食品の範囲については「人の飲用又は食用に供されるものをいうから、人の飲用又は食用以外の用途に供するものとして取引される『工業用原材料として取引される塩』や『観賞用・栽培用として取引される植物及びその種子』のようなものは、飲食が可能なものであっても食品に該当しない」としています。
 また、持ち帰りのための飲食料品の譲渡か否かの判定では「事業者が行う飲食料品の提供等に係る課税資産の譲渡等が、食事の提供に該当し標準税率の適用対象となるのか、又は持ち帰りのための容器に入れ、若しくは包装を施して行う飲食料品の譲渡に該当し軽減税率の適用対象となるのかは、当該飲食料品の提供等を行う時において、当該飲食料品について店内設備等を利用して飲食するのか又は持ち帰るのかを適宜の方法で相手方に意思確認するなどにより判定することとなる」などと規定されています。

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自動車税はパソコンやスマホからクレジットカードで簡単納付―大阪府

2016年04月18日

大阪府が自動車税の期限内納付を呼びかけています。現金が手元になくても、インターネットを使って簡単に手続きができるクレジットカードでの納税を積極的にアピールしています。

 大阪府は、今年の自動車税の納期限は5月31日火曜日です。大阪府でも、納税通知書を5月2日(月)に発送する予定で、納税者に対してすでにホームページなどで期限内納付を呼びかけています。
 自動車税の納付方法は、納税通知書に記載されている金融機関、郵便局、コンビニエンスストア、府税事務所などの各種窓口において現金で納付する方法のほか、クレジットカードでの納税や、インターネットバンキング及びATMを利用した「Pay-easy(ペイジー)」でも納めることができます。
 現金を持ち歩いたり、手元に現金を用意する必要がないことから大阪府では、特にクレジットカードでの自動車税の納税に力を入れているところです。クレジットカードで納税するときの手順は、まず、クレジット納付番号・クレジット確認番号が記載された納税通知書及び督促状とクレジットカードを準備し、パソコンや携帯電話から「大阪府自動車税お支払サイト」へアクセスすることで支払いを行うことになります。ただし、納税通知書に記載されている「納期限」または督促状に記載されている「延滞金を算出した期間の末日」を過ぎると手続ができなくなるため注意が必要です。
 さらに、クレジットカードで納付するときには、1件につき決済手数料324円(税込)が発生し、分割払いやリボ払いを選択した際には、別途各カード会社の定める手数料が発生する場合があることも知っておきたいものです。
 なお、納付日は同サイトでの支払手続が完了した日となりますが、指定代理納付者(トヨタファイナンス(株))が自動車税を立替払する仕組みとなっているため、指定代理納付者から府へ入金された日が納付確定日となります。したがって、納税証明書が発行可能となるのは支払手続完了日よりおおむね2週間後となることから、大阪府では「車検等に納税証明書が至急必要な場合は金融機関等で納税してください」としています。

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縦覧期間真っただ中。自宅と近所の固定資産税評価額の比較をしておこう

2016年04月11日

土地・家屋の所有者に必ず課税される固定資産税。その評価額の縦覧期間が真っただ中です。毎年のように、全国どこかの市区町村による課税ミスがマスコミで報道されているだけに、固定資産税を納税しなければならない人は、市区町村が決めた価格が適正かどうかをこの機会に確認しておきたいものです。

 土地・家屋の固定資産の評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて算出されるもので、市町村長(東京都23区内は都知事)がその価格等を決定することになっています。
 そして、決定した価格は固定資産課税台帳に登録されます。固定資産税の縦覧制度は、土地・家屋の固定資産税を納税している人たちに、固定資産課税台帳に登録された価格について、他の土地・家屋と比較などをして適正かどうかを確認してもらおうという制度です。
 納税者が閲覧できるのは「土地価格等縦覧帳簿」および「家屋価格等縦覧帳簿」で、所有する不動産が所在する地域の市役所や町村役場の税務課窓口、市税事務所などで見ることができます。ただし、東京23区については都税事務所だけとなっています。
 縦覧期間は、ほとんどの市町村が4月1日から4月30日までの1カ月間としていますが、一部の市町村では5月末日までの2カ月間としているほか、東京都23区は6月30日までの3カ月間を設けています。縦覧ができる人は、土地・家屋の固定資産税の納税者と、その納税者から委任された人に限られていて、縦覧の際には、納税通知書や本人確認のために運転免許証、健康保険証などの提示が求められます。また、印鑑や委任状などを必要とする場合も少なくありません。
 仮に、縦覧帳簿に記載されている価格に不服がある場合は、固定資産税の納税通知書を受け取った日から60日以内(東京都23区は3カ月以内)に固定資産評価審査委員会に対して、文書(審査申出書)で審査の申出をすることになります。なお、審査の申出ができるのは、固定資産課税台帳に登録された価格に限られています。税額や課税標準額に関する不服は、審査の申出の対象となっていません。その価格以外のことは、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となっていて、市町村長や都知事に直接審査請求することになっています。

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従業員からマイナンバーを聞くときの本人確認の仕方で具体例―国税庁

2016年04月11日

このほど国税庁は、納税者から寄せられたパブリックコメントなどを参考に、民間事業者に向けた個人番号取得時の本人確認の方法について具体例を公開しました。

 今年からスタートしたマイナンバー制度により、民間事業者は、源泉徴収票や支払調書、健康保険や厚生年金等の被保険者資格取得届などを作成する場合には、従業員や顧客、報酬の支払先の個人番号・法人番号を記載しなければならないことになりました。
 そして、従業員などから個人番号を取得する際には、本人に利用目的を明示するとともに、他人へのなりすましを防止するために本人確認を厳格に行う必要があります。そこで、政府は、正しい個人番号であること(番号確認)と、提供者が番号の正しい持ち主であること(身元確認)の両方の確認を行うよう指導しています。しかし、想定される個人番号の提供を受ける場面は様々です。そこで、このほど国税庁は、その場面に応じた本人確認方法の具体例を公開しました。
 例えば、事業者が顧客から対面で個人番号の提供を受けるときは、個人番号カードを持っていれば、表面で身元確認、裏面で番号確認を行うことができますが、個人番号カードを持っていないときは、通知カードや個人番号が記載された住民票などの番号確認書類に併せて、運転免許証やパスポートといった身元確認書類の提示が必要になるとしています。
 また、従業員が給与所得の扶養控除等(異動)申告書を提出するときは、扶養親族の個人番号についても本人確認が必要になりますが、扶養親族の本人確認はその従業員により行うことができ、従業員の身元確認についても、雇用関係にあることから事業者は本人に相違ないことが明らかに判断できるため、通知カード等の提示により、従業員の番号確認のみ行えばよいとされています。
 さらに、メールにより個人番号の提供を受けるときは、個人番号カードの両面か番号確認書類と身元確認書類をイメージデータで送信してもらうようにする一方、書面で個人番号の提供を受けるときは、通知カード等の写しを貼付して返送してもらうことで、本人確認を行うとしています。
 その他、社員証のICチップを利用して身元確認を行う方法、インターネットや社内ネットワークを利用した本人確認方法などを紹介しています。

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一団の土地の上に建てられた建物ならば複数でも特定資産の買換え特例適用できる

2016年04月04日

「既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例」を適用するとき、必ずしも譲渡した土地の上に建てられた建物への買い換えでなくても、一団の土地の上の建物ならば適用できるという見解を東京国税局が明らかにしました。

 土地所有者からディベロッパーが土地を買い上げ、その購入した土地の上に建てたアパートなどの建物の一部(区分所有権)を分け与えることで、土地購入代金を支払わずに済ませ、残った区分所有権を売ったり、賃貸に回したりして運用するという手法がよく使われます。
この場合、土地所有者はアパートの敷地をディベロッパーに売っていることから、敷地の売却代金相当額に譲渡所得税が課せられるわけですが、実際には、売却代金が支払われていないため、土地所有者は「既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例」を使って、不合理な所得課税を受けないようにするものです。
 同特例を適用するには「譲渡資産は既成市街地等一定の地域内にある土地等や建物などで、それらの土地等の上に地上3階以上の中高層耐火共同住宅の建築をする事業の用に供するために譲渡をされるもの」であることや、「買い換え資産がその中高層耐火共同住宅の建設事業の施工によりその土地等の上に建築された地上3階以上の中高層の耐火共同住宅」であることといった要件を満たす必要があります。この要件を満たせば、「譲渡による収入金額は、買換資産の価額以下である場合にはその資産の譲渡はなかったものとみなされ、譲渡資産の収入が買換資産の価額を超える場合には、その超える金額の譲渡があったものとして所得税の計算がおこなわれる」わけです。
 今回、東京国税局が示した見解は、ディベロッパー(開発業者)からの質問に答える形で明らかにされたもので、開発業者は「都市計画法の用途地域が商業地域と準工業地域にまたがる地域に所在する一区画内に相互に隣接して土地を所有する地権者甲、乙及び丙から土地を買い取り、地上3階以上の中高層の耐火共同住宅を建築する事業を計画している。ところが、商業地域と準工業地域とでは適用される容積率が異なる(商業地域500%、準工業地域300%)ことから、商業地域に所在する土地上にA建物を、準工業地域に所在する土地上にB建物をそれぞれ建築する計画で、甲らは、そのAとBの建物の一部を取得することになっているが、必ずしも、自らが譲渡した土地の上に建築された建物の一部を取得するとは限らない。そのため、このようなケースで建物を甲等が取得する場合、同買い換え特例は適用できないのではないか」と東京国税局に問い合わせていました。
 その問い合わせの中で開発業者が示した「甲等から譲渡される土地は、一区画内で相互に隣接して物理的に一体となっている土地であることから、一団の土地を形成しているととらえることが適当であると考えられる。そして、A建物とB建物は、一の事業により甲等が譲渡した土地を含む一団の土地の上に建築されることとなるので、いずれも『譲渡された土地の上に建築された』建物に該当すると考えられ、土地を譲渡した甲等がA建物とB建物のいずれの部分を取得しても、本件特例の買換資産の取得に該当する」との考えを容認する形で、東京国税局は回答しています。

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4月から法人税の申告書に添付する書類がe-Taxで送信できるようになった

2016年04月04日

国税庁がこの4月から、国税の申告書や申請書などに添付しなければならない書類についてもイメージデータで国税の電子申告システム(e-Tax)を使って税務署へ送信できるようにしました。

 国税庁では、平成26年9月に決定したオンライン手続の利便性向上に向けた「財務省改善取組計画」に基づき、e-Taxを改良し続けています。今回の添付書類のイメージデータによる提出も、その一環として導入されたものです。
 出資関係図や収用証明書といった確定申告書や各種申請書に添付しなければならない書類は、これまで別途郵送等で提出しなければなりませんでした。添付書類がイメージデータで提出(送信)できるようになったことで、納税者の事務負担は大きく軽減されました。
 送信可能なイメージデータとは、アドビ システムズ社が開発した文書表示用のファイル形式「PDF形式」のことです。スキャナで直接書類を読み取ったものや、パソコンで作成した文書データなどをソフトウエアでPDF形式に変換してそれを送信するわけです。イメージデータの送信方法としては、申告・申請等データと同時に送信する方法と申告・申請等データの送信後に追加で送信する方法があるわけですが、両者を併用した場合でも、e-Taxでは最大11回の送信で176ファイル、16.5MBまで送信できるようになっています。
 イメージデータの解像度が低い場合や、パスワードが設定されているなどの理由により、その内容が確認できない場合は、税務署から再送信や書面による提出を求められることがあります。また、法令の規定により原本の提出が必要とされている第三者作成の添付書類については、一定期間保存しておく必要があります。
 なお、4月1日から送信できるようになったイメージデータは、法人税、消費税(法人)及び酒税の申告と源泉所得税、法人税、消費税(法人)、酒税及び法定調書などに係る届出に添付する書類とされています。そして、所得税及び贈与税の申告と所得税、消費税(個人)、贈与税及び相続税などに係る添付書類については、平成29年1月4日から送信できるようになる予定です。
 また、e-Tax上で電子データが作成できるもの(法人税申告の財務諸表及び勘定科目内訳明細書、所得税申告の青色申告決算書など)や、記載内容を入力して送信することにより添付を省略できるもの(医療費の領収書や給与所得の源泉徴収票など)、申告書、申請・届出書はイメージデータによる提出の対象にはなっていません。

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