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老人ホームで亡くなった親。要介護認定申請中ならば小規模宅地等の特例が使える?

2015年12月28日

老人ホームに入所していた親が要介護認定を受けずに亡くなってしまうと、所有していた自宅の敷地について小規模宅地等の特例が適用できません。しかし、国税庁では、要介護認定を申請している最中に亡くなった場合は、小規模宅地等の特例が適用できる場合があるとしています。

 平成27年1月から相続税の増税がスタートし、税理士らの間で節税の鍵は、「小規模宅地等の特例を上手く使うことにある」と言われています。その小規模宅地等の特例とは、自宅の敷地の相続税評価について、330uまでの部分が80%減額されるという非常にお得なものです。
 ただし、同特例を適用するには、被相続人が自宅に居住していることが原則とされています。身体に異常がなく、快適な老後を過ごすためだけに民間の老人ホームに入居している最中に死亡すると、当然、自宅に居住してはいないと判断され、小規模宅地等の特例は適用できません。例外として、自治体から要介護認定を受けていて、被相続人が特別養護老人ホーム等に入所していた場合は、同特例は適用可能とされています。
 ただ、一般に公開している国税庁の法令解釈通達によると「要介護認定等を受けていたかどうかは、その被相続人が、その被相続人の相続の開始の直前においてその要介護認定等を受けていたかにより判定する」とされていることから、これまでは、要介護認定を申請している最中は、同特例は適用できないと考えられてきました。
 ところが、国税庁では「介護保険法によると、市町村は要介護認定の申請のあった日から30日以内にその申請に対する処分を行わなければならないとされ、市町村が要介護認定等を行った場合には、その効力は、申請のあった日にさかのぼって生ずるものとされている」ことから、「要介護認定等の申請中に相続が開始した場合で、その被相続人の相続開始の日以後に要介護認定等があったときには、被相続人は相続の開始の直前において要介護認定等を受けていた者に該当するものとして差し支えない」としています。

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国税庁がe-Taxにマイナンバー制度に沿った自動制御システムを導入

2015年12月28日

国税庁が平成28年1月4日から国税の電子申告システム(e-Tax)を一段と使いやすくするとともに、マイナンバー制度に沿った自動制御システムを導入する予定です。

 マイナンバー制度に沿った自動制御システムとは、e-Taxのメッセージボックスに格納されている基本的な申告書等データなどをダウンロードした際に、記載されている個人番号(マイナンバー)が自動的に削除される機能のことです。
 平成28年1月1日よりスタートするマイナンバー制度では、番号法に規定されている利用範囲を超えて個人番号を含んだ個人情報を他者に提供してはならないとされています。
 例えば、融資の関係で金融機関に所得税の確定申告書の基本データを提出しなければならなくなったとします。そこで、e-Taxのメッセージボックスに格納されている申告書の基本データをダウンロードして金融機関に提出しようとすると、現時点ではマイナンバーが記載されている場合があり、個人番号の利用範囲である社会保障、税、災害対策分野以外の目的でそのデータを利用することになるわけです。
 そこで、国税庁ではe-Taxのシステムを更新し、番号法に抵触することを避けるためだけでなく、利用者がいちいち自分で個人番号を削除する手間を省くため、データのダウンロード時に個人番号及び電子署名が自動的に削除されるようにするわけです。
 一方、e-Taxを使いやすくするために、受付システム画面がリニューアルされます。e-Taxホームページ(トップ画面)内の「メッセージボックスの確認(受付システムへのログイン)」から利用できる受付システムのログイン画面とメインメニュー画面について、表示文言やボタン配置などが見直され、より見やすく利用しやすいデザインに変更されます。
 また、メッセージボックス一覧の表示に掛かる時間が短縮される点も見逃せません。受付システムの「メッセージボックス一覧」で大量のメッセージを表示する際に、いまのところ相当の時間を要する場合があります。それはe-Taxを利用する税理士や税理士法人にとってはストレスとなっていました。そこで、「メッセージボックス一覧」に表示するメッセージ件数を1,000件ごとでページを区切ることにより、画面の表示に掛かる時間を短縮させる改善を行うことにしています。

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消費税のリバースチャージ方式で国税庁が法人税関係通達を改正

2015年12月21日

このほど国税庁が法人税法解釈通達の「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」(平成元年3月1日付直法2−1)を改正し、リバースチャージ方式で支払った消費税について、法人税の計算上どのように処理するかを明らかにしました。

 日本国内の会社がインターネットを使って国外企業から電子書籍や音楽、広告のネット経由での配信サービス、クラウドサービスの提供(電子通信利用役務の提供)を受けた場合、これまでは「役務の提供を行う者の住所」を基にして消費税が課税されていました。
 その判定基準について、平成27年度税制改正で平成27年10月から「役務の提供を受ける者の住所」を基に消費税を課税することとされました。すなわち、役務の提供を行った(お金をもらう)者が消費税の納税義務を負うことになっているものを、役務の提供を受けた(お金を払う)者が消費税の納税義務を負うことにしたのです。これをリバースチャージ方式と言います。
 ただし、このリバースチャージ方式を適用しなければならないのは、「当分の間、原則課税で課税売上割合が95%未満の事業者や簡易課税を適用していない事業者に限る」とされています。したがって、原則課税を適用している課税売上割合が95%未満の国内法人が対応しなければならないとあって、支払った消費税相当額を法人税の計算上どのように処理するかが問題となっていたわけです。
 そこで、このほど国税庁が通達を改正し「特定課税仕入れ(電子通信利用役務の提供)に該当する取引については、取引時において消費税等の額に相当する金銭の受払いがないことから、その取引の都度行う経理処理において当該特定課税仕入れの取引の対価の額と区分すべき消費税等の額はない」としました。ただし、「法人が特定課税仕入れの取引の対価の額に消費税等が課せられるものとした場合の消費税等の額に相当する額を、例えば、仮受金及び仮払金等としてそれぞれ計上するなど仮勘定を用いて経理処理することとしても差し支えない」としています。

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e-Taxソフトで作成を中断していたデータが来年1月4日以後使えなくなる

2015年12月21日

平成28年1月4日より前に作成し保存していた法定調書の作成中の申告・申請データが、同日以後、作成再開画面で読み込んで作成を再開することができないことが明らかになりました。国税庁がe-Taxソフト(WEB版)について、同年同日にシステム更新を行うからです。

 民間企業の多くが「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」などを現在作成中ですが、平成28年1月4日より前に作成し保存した法定調書の作成中の申告・申請データが、同日以後、作成再開画面で読み込んで作成を再開することができないことを国税庁がアナウンスしています。
 国税庁の電子申告システム(e-Tax)では、法定調書の申告・申請データの作成途中で入力作業を中断することができます。作成画面の下部にある「保存」ボタンによりその入力途中のデータを一時的に保存することができるわけです。
 そして、この一時保存したデータは、作成していたパソコン内に保存された後、「申告・申請」メニューの「作成再開」をクリックすることで、そのデータを呼び出すことでき、中断した作業を再開することができます。
 ところが、平成28年1月4日以後、その中断していた作業を引き続き行えなくなることが明らかになりました。国税庁がe-Taxソフト(WEB版)について、1月4日にシステム更新を行うからです。システム更新が行われた後は、拡張子が「.wxtx」の作成中のデータを読み込めない形になっています。
 国税庁では「平成28年1月4日以後にe-Taxソフト(WEB版)で法定調書の提出を予定されている方は、同日以後、申告・申請データを作成いただきますようお願いいたします」と注意を促しています。
 e-Taxを利用して作成する法定調書について、システム更新日より前に提出を予定している場合には影響はありませんが、システム更新日より後に提出を予定している場合には、前もって申告・申請データを作成していても、はじめから作り直すことになるわけです。

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消費税の税率10%への引き上げが住宅取得に与える影響を分析―ニッセイ基礎研究所

2015年12月14日

日本生命保険相互会社のシンクタンク「ニッセイ基礎研究所」がこのほど、2017年4月から消費税率が10%に引き上げられた場合、国民の住宅取得にどのような影響を及ぼすかを分析しました。それによると年収の低い低年齢層の住宅取得に大きな影響を与えることになるとしています。

 分析にあたり、同研究所はまず8%に引き上げが行われた2014年と、その前年に同研究所が実施した「戸建注文住宅の顧客実態調査」を検証しています。
 その検証から、「2013、2014年は、取得費の増加と消費税率引き上げの2つが住宅取得に大きく影響を与え、特に自己資金が乏しく、取得資金の多くを借入金に頼る低年齢層に、住宅取得を手控えさせた可能性がある」という結果が把握されました。
 また、消費税率の引き上げは「低年齢層に駆け込み取得を促すと同時に、資金計画に圧迫感を与え、住宅の質を低下させた」ともしています。そして、その消費税率引き上げによる負担増に対しては、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金が、「比較的収入が低い低年齢層に、より効果が高かった」という結果を得ました。
 同研究所はその結果から、10%への消費税率引上げ時の影響を分析したところ、「特に、年収の低い低年齢層の住宅取得に、大きな影響を与えると予想され、取得費の増加がこのまま続けば、取得資金負担がさらに高まって、取得を手控える層も増える可能性が高くなり、住宅の質のさらなる低下も懸念される」という結論を導き出しました。
 そこで、ニッセイ基礎研究所は「現在、飲食料品への軽減税率導入に向けた協議が与党間で行われているが、住宅取得に関しても、年収の低い低年齢層に対する最も効果的な負担軽減策の検討、導入が必要であろう」と提言しています。

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マイナンバー制の「法人番号」が共通の企業コードとして活用可能に

2015年12月14日

このほど、国税庁が国際標準規格に基づく企業コードの発番機関として国税庁自体を登録したことを明らかにしました。これにより、マイナンバー制度上の法人番号の活用の幅がより一層広がることとなります。

 法人番号とは、国の機関や地方公共団体、さらには民間企業などの設立登記をしている法人等に対して国税庁が指定した13桁の番号のことです。平成27年10月より1法人につき1番号が通知されています。
 この法人番号は個人番号(マイナンバー)とは異なり利用範囲の規定がなく、国税庁の法人番号公表サイトで公表されているため、官民を問わず様々な用途で活用することができます。つまり、社会的なインフラとしての役割が期待されている番号なのです。
 経団連が2009年に実施した調査によると「現在、国の各行政機関が発出している企業コードは13種類以上あり、それぞれが別々の体系になっているため、企業が行政機関に申請を行う際の添付書類コストは、少なくとも年間約706億円にも上ると試算される」という結果が出ています。
 そこで、国税庁では「法人番号を共通の企業コードとすることにより、それらの企業負担が大幅に軽減され、法人情報の登録・更新・確認・検索といった作業や取引情報の集約・名寄せ作業の効率化、行政手続における届出・申請等のワンストップ化などが実現する」と判断。このほど、国税庁は「国連が定める規則及び国際標準規格に基づき組織(企業)コードを発番する機関(以下「発番機関」といいます。)として国税庁を登録した」としています。
 今回、国税庁が国際標準規格に登録したことにより国税庁に発番機関コードが国連から付与されています。その組織コードと法人番号を組み合わせることで、国際的にも企業コードの唯一無二性が担保され、国際的な電子商取引や電子タグでの利用など、法人番号の活用の幅がさらに広がることになったわけです。

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住宅売買で買主が負担した未経過固定資産税は売り主が受け取る売却代金に加算を

2015年12月07日

国税当局が年の半ばで住宅を売却した人たちに対し、固定資産税と都市計画税の精算金の取り扱いに注意を呼びかけています。売却した日から今年年末までの期間分の固定資産税等を買主が負担した場合、その負担額は売り主側の譲渡所得の計算上、収入金額として申告しなければならないからです。

 固定資産税と都市計画税は、毎年、1月1日の時点(賦課期日)において土地や家屋を所有している人に課税される地方税です。しかし、固定資産税等の納付については、1年分を4回に分けて市町村に払うのが一般的になっていることから、年の半ばで土地や家屋を売却した場合、不動産取引の習わしとして固定資産税等を日割り計算して売却した日からその年の年末までの期間分については、新たに所有者となった人が負担する形をとっています。
 例えば、平成27年4月30日に、買主であるAさんに住宅を売り渡したとします。仮にその住宅の固定資産税が年間9万円で、都市計画税が6万円だったとすると、賦課期日が平成27年1月1日だから、売主の所有期間は1月1日から4月30日までの120日ということなり、9万円+6万円=15万円のうち、120/365日を負担することになります。したがって、15万円×120/365日=49,320円となり、買主は、残りの100,680円を負担することになるわけです。
 この習わしについて、国税当局では「新たに所有者となった人が負担した固定資産税等については、賦課期日に所有者だった人が受け取った住宅の売却代金に含めて譲渡所得の計算をする必要がある」と指摘しています。固定資産税等の分割納付は、あくまでも納税者の負担を和らげるための特例措置であって、税金は現金一括納付が原則だからです。つまり、中古住宅を購入した人は、その年の固定資産税等について支払う義務はないわけです。

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消費税の経理方式「インボイス制度」の設計で与党両党が大筋で合意

2015年12月07日

12月3日、消費税の軽減税率導入後に事業者に義務づける経理方式について、納税額を正確に計算するために実施する「インボイス制度」の設計で自民、公明の与党両党が大筋で合意しました。

自民、公明の与党両党は、2017年4月からの消費税増税に合わせて、低所得者の負担や痛税感を緩和するために軽減税率を導入することをすでに決定していて、現在、軽減税率導入後の経理方式について議論しているところです。
消費税の納付税額は、事業者が売上時に預かった消費税額(売上税額)から、仕入時に支払った消費税額(仕入税額)を差し引いて算出することになっています。そして、それを裏付けるために、請求書や納品書の保存を事業者に義務づけています。
しかし、軽減税率を導入すると税率が複数になるため、税率別に経理する必要が出てきます。そこで、その請求書等を「インボイス」と呼ばれる消費税率などを記した新たな請求書に切り替え、納税額を正確に把握する必要があるわけです。
このほど、そのインボイス制度の設計について、与党両党が大筋で合意しました。その内容は、まず、インボイスを「適格請求書」と名付け、従来の請求書の内容に加え適用税率ごとの取引額と税額を記入するほか、課税事業者の登録番号を明示して発行することを義務づけることにしました。
そして、納税額を算出する際の売上税額や仕入税額の計算方法については、適格請求書に記載された税率ごとの消費税額を合計する「積み上げ計算」か、税率ごとの取引総額を算出してから消費税額を計算する「割り戻し計算」のいずれかを選択できるとしています。
さらに、仕入税額を多めに偽って意図的に納税額を小さくしたり、益税を生じさせたりすることのないよう、偽造などの不正発行には罰則を設けることにしました。
なお、この「インボイス制度」の実施時期については、事業者への周知・徹底などに要する期間を精査した上で来年度の与党税制改正大綱に盛り込むとし、軽減税率導入から当面の間は、経過措置として現在の請求書等を応用した「簡素な経理方式」を採用するとしています。

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