大阪府と近畿運局大阪運輸支局とが、電子的に自動車税の納税情報を確認する仕組みを構築、今年10月13日から運用を始めます。これにより、大阪府民が車検を受ける際に自動車税の納税証明書(継続検査用)の提示を省略することができるようになります。
また、今回のシステムの構築により、現在、府税事務所に設置している「納税証明書自動発行機」は、今年9月18日に運用が終了します。そのため、大阪府では「9月24日から10月9日までの間に車検を受ける場合に必要な納税証明書は、9月18日までに請求いただきますよう、ご協力をお願いします」としています。
さらに大阪府では、次の点に注意するよう呼びかけています。
まず、自動車税に未納があると、これまでどおり車検を受けることはできないとしています。これは主に車検を代行する業者に注意を呼びかけているもので、所有者に自動車税の納付の有無を事前に確認したうえで代行を請け負うように指示したものです。
次に、運輸支局への納税情報の提供は納税後10日程度かかることから、納税後すぐに車検を受ける場合には、運輸支局で電子的に納税確認ができないとしています。そこで、大阪府では「これまでどおり府が発行する納税証明書を提示してください」としています。
なお、納税確認の電子化にあたって大阪府から大阪運輸支局へ提示する情報は、(1)自動車登録番号、(2)車台番号(16桁のうち下4桁に限る)、(3)自動車税の納税状況(完納又は未納かどうか)―、の3点です。住所、氏名、税額等の個人情報は提供されません。
また、運輸支局への納税情報の提供を希望しない人について大阪府では「所定の書面による申出により、情報の提供を中止し、電子確認ができないように対応します」としています。そして、情報提供の中止を申出された人で、その申出を取り消したい人も所定の書面を提出すれば運輸支局へ情報が提供され、電子確認ができるようになります。
平成27年度税制改正により、平成28年度から国外居住親族に係る所得税の扶養控除等を受けるにあたって所定の書類の提出・提示が義務づけられることを受け、このほど国税庁がその義務化に関するQ&Aを作成しました。同庁ホームページに掲載されています。
税法上、所得税の納税義務者が配偶者や扶養親族を有する場合、一定の要件を満たせば、扶養控除や配偶者控除、障害者控除、配偶者特別控除などの所得控除を適用することができます。じつは、これら扶養控除等は、国内にいる親や配偶者、子供などだけでなく、海外にいる子供たちについても適用できることになっているのです。
具体的には、国際結婚をした人で、外国人配偶者の祖国にいる親や子供たちについても扶養家族とした場合は扶養控除などが適用できるわけです。
ところが、こうした制度上の優遇を逆手に取り、日本で働く外国人が扶養親族の数を偽って申告するケースが相次いでいます。そこで、政府は平成27年度税制改正で扶養控除等の適用にあたり、「親族関係書類」や「送金関係書類」の原本あるいはそのコピーの提出・提示を義務づけました。
これを受け国税庁がこのほど全33問のQ&Aを作成。国税庁ホームページで公開しています。たとえば、Q2の「『親族関係書類』には、どのような書類が該当しますか」との質問では、「『親族関係書類』とは、次の@又はAのいずれかの書類で、国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます(その書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます。)。@戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し、A外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)」と回答しています。
政府が地方自治体間の財政力格差解消を名目として導入している地方法人特別税に変えて、東京から財源を奪う不合理な偏在是正措置を新たに創設する動きを見せていることから、9月15日、東京都がその動きをけん制する主張を発表しました。
東京都が発表したのは「共存共栄による日本全体の発展を目指して〜地方税財政に関する東京都の主張〜」と題したもので、政府が今年6月末に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太の方針)」の中で税源の偏在是正策を講ずることを示したことに異を唱えたものです。
東京都は「年末の税制改正で、東京から財源を奪う不合理な偏在是正措置がさらに拡大される可能性がある」と見ています。
具体的には、地方全体で毎年約10兆円という巨額の財源不足が生じているにもかかわらず「地方財源をいかに拡充するかという本質的な議論を棚上げしたまま、国は地方の財源不足の問題を都市と地方の財源の奪い合いという断片的な構図だけを捉えている」と根本的な誤りを指摘しています。
そして、「人口一人当たり税収額」で東京都とその他の地方自治体との間に法人二税で約6.3倍、地方税全体で約2.6倍の「格差」があるとして「その財政力の格差是正の名のもとに、税源の不合理な偏在是正措置という、地方自治の危機とも言える制度の見直し(地方法人特別税や地方法人税の創設)が断行されてきた」とこれまでの経緯を説明。
しかも、平成27年度税制改正や今回の骨太の方針では、企業版ふるさと納税や地方拠点強化税制の創設、地方法人特別税廃止後に代替え措置を講じることを検討し始めるなど、東京を狙い撃ちした制度が相次いで創られていることを「不合理」としました。
こうした偏在是正措置について東京都は「限られた地方財源の奪い合いという「現状維持」の発想の域を出ず、地方が抱える巨額の財源不足の解決につながらないばかりか、地方の自主的・自立的な行財政運営をも阻害するものである」としたうえで「今改めて必要なことは、総体としての地方税財源の充実強化と、各地域の結びつきを深め共存共栄により日本全体の発展を目指す、『成長志向』の取組を一層強化していく」と主張しています。
この度、消費税の軽減税率制度について財務省が試案を提示したことを受け、日本税理士会連合会(日税連)の神津信一会長がコメントを発表しました。
自民、公明の与党両党は、2017年4月に消費税率を10%へ引き上げるとともに、低所得者の負担や痛税感を緩和するため、軽減税率制度の導入を検討しています。
このほど、その軽減税率に関する制度設計について、財務省の考えを提示するよう要請。そこで出て来たのが「日本型軽減税率制度」と銘打たれた試案です。
同試案では、2016年1月からスタートするマイナンバー制度で全国民に交付される「個人番号カード」を利用し、消費者が対象品目の購入時にレジでカードをかざすことにより、一旦10%の消費税は課されるものの、消費税2%分が「還付ポイント」として貯まり、後日ポイント相当額が個人口座に振り込まれるという仕組みを採用しています。
こうした消費税の還付制度案に対して、与党内からは、事業者の事務的負担や消費者側の利便性を考慮している点で肯定的な意見が聞かれる一方、「軽減税率制度と言えるのか」「システムとして機能するのか」などといった指摘もあり、特にマイナンバー制度の活用を前提とした内容に不安を覚える声が多く上がりました。
こうした財務省案について、このほど日税連の神津会長がコメントを発表。「単一税率の維持・インボイス制度導入の問題点等を考慮するなど、建議の趣旨に概ね沿ったもの」と一定の評価をしながらも、還付ポイント制度の導入などを「新たな検討課題」としたうえで、「与党税制協議会の動向を注視しつつ、税務の専門家集団として意見表明を行ってまいります」としています。
国税庁がマイナンバー制度上の法人番号付番機関として、法務局に登記されているすべての法人だけでなく未登記の法人や人格のない社団などにも10月22日から順次法人番号の通知を始めます。
マイナンバー制度とは、2016年度から政府が運用を開始するもので、すべての国民と法人に個別の管理番号をつけて、コンピュータを駆使して個人情報を把握し、社会保障や課税などの行政の執行に役立てていこうというものです。
このマイナンバー制度上、国税庁は法人番号の付番機関とされていることから、このほど法人番号の通知日と法人の基本3情報の公表日を発表しました。
まず、法人番号の通知については、法務局に登記されている設立登記法人だけでなく未登記の法人にも番号を通知するとしています。もちろん、国の機関や地方公共団体、人格のない社団などにも通知するとしています。設立登記法人については、今年10月22日から同11月25日の間に、都道府県単位で7回に分けて発送を予定していて、例えば、東京都の千代田区、中央区、港区については、10月22日に通知書を発送する予定です。その3区以外の東京都内20区については10月26日に通知書を発送することにしています。
一方、法人の基本3情報の公表についてですが、マイナンバー制度上、法人番号は広く一般に利用してもらうことを前提としていることから、10月5日にインターネット上に「国税庁法人番号公表サイト」が開設され、「商号又は名称」、「本店又は主たる事務所の所在地」「法人番号」の基本3情報が順次掲載、公表されることになっています。東京都23区内の設立登記法人の公表日を見てみると、千代田区、中央区、港区の3区内の法人の基本3情報の公表予定日は10月26日となっていて、この3区以外の区については、10月28日に法人の基本3情報が公表される予定です。
俗に「国民総背番号制」と呼ばれているマイナンバー制度が2016年度から運用が開始されることになっていますが、このほど国税庁が「番号制度導入に伴うe-Tax関係のQ&A」を作成し、e-Taxホームページに掲載しました。
国から通知される12ケタのマイナンバーは、国税の申告書などに記載しなければならないことになっていることから、国税の電子申告システム(e-Tax)を利用するときにも必要となるものです。そのため、e-Taxとマイナンバーに関する取り扱いについて、今後様々な質問が国税庁に寄せられる可能性が高いことから、国税庁が「番号制度導入に伴うe-Tax関係のQ&A」を作成、e-Taxホームページ内にある「よくある質問(Q&A)」のコーナーに付け加えました。
具体的には「社会保障・税番号制度関係」と題して、「社会保障・税番号制度が導入されることにより、e-Taxに関連する手続に変更点はありますか」や「『住民基本台帳カード』に格納された電子証明書を読み込む際に使用しているICカードリーダライタは、『個人番号カード』でも引き続き使用できますか」といった質問を4つ掲載。その質問の文章の上にカーソルを持って行ってクリックすれば、回答が出てくる仕組みになっています。
例えば、「社会保障・税番号制度が導入されることにより、e-Taxに関連する手続に変更点はありますか」という質問の回答は「現在、個人の方がe-Taxで申告手続等を行う際に必要な公的個人認証サービスに基づく電子証明書は、『住民基本台帳カード』に格納されていますが、社会保障・税番号制度導入に伴い、平成28年1月以降に交付が開始される『個人番号カード』に格納されますので、e-Taxを利用して申告手続等を行う際には、原則として、『住民基本台帳カード』に代えて、『個人番号カード』を使用することとなります」と記載されています。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が、9月25日から12月9日にかけて全都道府県において全50回にわたり「経営者保証ガイドラインセミナー」を開催します。中小企業が銀行から融資を受ける際、経営者の個人保証をせずに済むケースなどについてわかりやすく説明を行うとしています。
中小企業が銀行から融資を受けるときに行う経営者の個人保証については、事業計画を軽視する傾向を助長し、経営者の自殺を招く要因となるなど保証契約時・履行時において多くの課題が存在しています。
そこで、平成25年に中小企業庁と金融庁が設置した「中小企業における個人保証等の在り方研究会」が「その課題解決策の方向性を具体的に示したガイドラインの策定が適当である」と報告。日本再興戦略においてもそのガイドラインの策定が明記されました。
これを受け、日本商工会議所と全国銀行協会が「経営者保証に関するガイドライン研究会」を設置し、同年12月に現行の「経営者保証ガイドライン」を策定しました。
同ガイドラインには、経営者保証をせずに銀行から融資を受ける場合やすでに個人保証をしている経営者が保証債務の減免を受ける場合などについて、具体的な方法が示されています。とくに、経営者保証をせずに融資を受ける場合、法人の資産・経理と経営者の資産・家計を適切に分離することを求めていて、それを証明する手段として「税理士や公認会計士などの外部の専門家に検証してもらい、その検証結果を債権者に開示することが望ましい」としています。
こうした経営者保証ガイドラインについて、(独法)中小企業基盤整備機構が9月25日から12月9日にかけて全国の都道府県でその活用法をわかりやすく説明するセミナーを開催します。同セミナーの開催日時・会場についてはhttp://gl2015.smrj.go.jp/regist/cmp_place.phpを参照してください。
また、同セミナーの参加申込みについては、申込用紙(http://gl2015.smrj.go.jp/pdf/fax.pdf)に必要事項を記入し、FAXで申し込むことになっています。
このほど、国税庁が相続税の申告のためのチェックシート(平成27年分以降用)を同庁のホームページにアップしました。同チェックシートは、これまで東京国税局が同国税局のホームページで毎年相続税の申告対象者に提供してきたものをベースにして作られたものです。
相続税の申告のためのチェックシートは、自分が相続税の申告を行う必要があるかどうかを見極めるためのものではなく、すでに相続税の申告対象となっている人が実際に申告書を作成するときに誤りやすい事項についてチェックポイントをまとめたものです。
例えば、相続財産について検討すべきものとして、不動産を取り上げて「他の市区町村に所在する不動産はありませんか」と検討内容を提示していて、それについては固定資産税評価証明書や登記事項証明書等を取り寄せて確認するよう求めています。そして、確認を終えたら必ずチェックを入れるようにし、全項目を確認し終えたら、作成した申告書と一緒に税務署に提出することになっています。
今回国税庁がホームページにアップしたチェックシートは、平成27年分以降に相続税の申告を行う人を対象にしたもので、今年中に相続により財産を取得した人たちから利用するものです。昨年分までのものについては、東京国税局のホームページ(https://www.nta.go.jp/tokyo/topics/check/check.htm)に掲載されています。
東京国税局だけが公表していた相続税の申告のためのチェックシートを、国税庁がわざわざ手直しして同庁のホームページに掲載したことについて、多くの税理士が「今年から相続税の課税対象者が全国規模でかなり増えることを国税庁が想定しているからだ」と説明しています。