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申告書添付書類のデータ送信を可能にしてほしい―日税連が電子申告で要望

2014年07月28日

日本税理士会連合会(池田隼啓会長、日税連)が今年も電子申告の問題点や課題を実務家の視点から洗い出し、「電子申告に関する要望事項」として国税庁や一般社団法人地方税電子化協議会などに提出しました。

 今回取りまとめた平成26年度の電子申告に関する要望事項で、もっとも注目すべき点は、各論に入る前の前段「はじめに」に記述されている「今後更に利用件数を伸ばすためには、単なるシステム面の改善のみならず、番号制度による納税者の利便性の向上、税務行政の一層の効率化などを見据えて、(中略)例えば、(1)紙媒体から電子申告を原則とする新たな制度設計への取り組み、(2)e-Tax とeLTAX のシステムの統合、(3)PDF などイメージデータの添付、(4)電子申告システム自体に納税者の入力ミスなどを自動検証できる機能の付与等の実施が挙げられ、いずれも重要な課題である」としている文面です。
 日税連が改善要望を行い始めて8年目となる今年度に至っても、まだまだ乗り越えなければならない障壁がいくつもあることをこの文面から読み取ることができます。
 そうはいっても、一挙に課題を解決することは困難であることから、今年度もこれまでと同じように、国税の電子申告システムであるe-Taxについては「添付書類を電子データ化して送信できるようにすること」「システム変更の場合は早急に通知すること」など23項目、地方税の電子申告システムであるeLTAXについては「全市区町村のeLTAXの早期受付体制を構築すること」など18項目を取り上げています。

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相続税の課税強化で期待が寄せられる死亡保険金の非課税枠拡大

2014年07月28日

平成27年1月から相続税の基礎控除額が現在の4割カットされるなど相続税の課税強化が取り沙汰されています。そこで、いま注目を浴びているのが、このほど生命保険協会が政府に要望した死亡保険金の非課税枠の拡大です。

 生命保険協会の調べによると、東日本大震災において被災者の遺族の生活保障や生活再建のために死亡保険金が活用されていて、平成25年3月の時点で2万1027件に対して1599億円の死亡保険金が支払われているとしています。
 遺族に支払われた保険金の金額は大きいのですが、相続税の非課税枠が500万円であるため、資産家の遺族などが実際に手にする保険金額はかなり少なくなります。その理由について同協会では「相続財産の大半(約5割)は土地・家屋等の換金性の低い資産で占められているからだ」と説明します。
相続税は、原則として現金で一括して納めなければならないため、どうしても遺族年金や預貯金、そして死亡保険金をその相続税の支払いに充てざるを得ないわけです。
 土地や家屋は残された家族が継続して居住用として、または事業用として使うものです。そのため、実際に遺族の生活資金の柱となるのは遺族年金や現金預貯金、死亡保険金しかないわけです。
 そこで、同協会が平成27年度の税制改正要望の中に盛り込んだ「遺族の生活資金確保のため、相互扶助の原理に基づいて支払われる死亡保険金の相続税非課税限度額について、現行限度額(法定相続人数×500万円)に『配偶者分500万円+未成年の被扶養法定相続人数×500万円』を加算すること」とする要望に対して、マイホームを持つサラリーマンたちもその実現に強い関心を寄せています。

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国税庁が接待飲食費の50%損金算入でQ&A集を作成

2014年07月22日

これまで、原則として全額損金不算入だった交際費が、平成26年度税制改正で飲食費について半額が損金に算入できるようになりました。しかし、飲食費ならばすべてOKというわけではないことから、国税庁が詳細な取り扱いをQ&A方式でまとめました。

 平成26年度税制改正で、交際費について今年4月1日から2年間、取引先の接待のために支出した飲食費について、帳簿書類に飲食費であることなど所定の事項を記載することを条件として支出した金額の50%相当額を損金に算入することとされました。
 交際費については、これまで全額損金不算入が原則で、資本金1億円以下の中小法人についてのみ、年800万円以下(定額控除限度額)の金額の損金算入が認められていました。また、1人当たり5,000円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては交際費ではなく、会議費などで経費として落としても良いこととなっています。
 今回の改正により、大法人は接待飲食費の50%の損金算入が認められ、中小法人については、接待飲食費の50%の損金算入と、定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用する形になったわけです。
 問題は接待飲食費ならばすべて50%の損金算入が認められるのかということでした。これについて、このほど国税庁がまとめた交際費Q&A集では、「ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用」と「接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費」、さらに「飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用」については、飲食を目的としていないことから接待飲食費に該当しないと説明しています。

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東京国税局が汚染した土壌の対策費用の取り扱いを明示

2014年07月22日

工場や研究所などの跡地を買った場合、有害な薬品が敷地に浸み込んでいて土壌を改良しなければならないケースはよくあることです。このほど、東京国税局がその汚染した土壌の改良にかけた費用の取り扱いを明らかにしました。

 今回の取り扱いは、メッキ工場を営む会社に所有する土地を貸していた人からの問い合わせに、東京国税局が答えたものです。そのメッキ工場は平成21年に破産したことから、今回の相談者は貸していた土地の上に建っている工場を平成23年に買い取りました。
 メッキ工場だったことから土壌調査を行ったところ、有害薬品による土壌汚染が確認されました。そこで、汚染土壌処理業者に土地の改良を委託したわけです。問題は、その土地の改良にかかった費用の税務処理でした。相談者は、土地の貸し付けで不動産所得を得ていることから、汚染した土壌の改良にかけた工事費などを経費として認めてもらえないものかと東京国税局に照会したわけです。
 具体的には、掘削区域の汚染土壌の掘削除去や良質土による埋戻し、アスファルト舗装といった工事費については「修繕費に該当し、それぞれの工事の完了した日の属する年分において必要経費の額に算入する」のが適切であり、また、掘削除去に伴う土間・地中槽コンクリートがれき類撤去や産業廃棄物処理、汚染土壌の処理処分及びその土壌の収集運搬費といった処理処分の委託に要する費用も工事費と同様に「修繕費に該当し、処理処分という役務提供を受けた年分において必要経費の額に算入する」と説明。浄化機器揚水処理プラントリース費や地下水揚水データ記録及び観測、地下水観測及び計量分析費用といった地下水浄化に要する費用は「債務が確定した年の必要経費に算入する」のが適切であるという見解を示しました。
 こうした見解について、このほど東京国税局が「照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えない」と容認したわけです。

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所得税の電子申告控除適用終了で回答に変化−e-Tax利用に関するアンケート結果

2014年07月14日

このほど、国税庁が平成25年度における国税の電子申告・納税システム(e-Tax)の利用に関するアンケートの実施結果をとりまとめました。昨年の確定申告で所得税の電子申告控除が終了したことで回答に大きな変化が現れています。

 国税庁が今年も、平成26年2月から5月にかけてe-Tax の利用に関するアンケートを実施し、5万4021件(昨年5万6321件)の回答を得ています。
 今回のアンケートで注目されているのは、昨年の確定申告で終了した所得税の電子申告控除の影響です。その電子申告控除とは、所得税の確定申告書の提出を納税者本人の電子署名及び電子証明書を付して、その年分の確定申告期限までに、e-Taxを利用して行うことが条件とされていて、平成19年分から24年分のいずれかの年分で1回だけ、所得税額から一定の税額控除が受けられるという制度です。税額控除額は、22年分までは最高5000円でしたが、23年分は4000円、24年分は3000円に引き下げられています。
 e-Taxの普及に大きく貢献した制度がなくなったことで、今回のアンケート結果に変化が見られたのは、やはり「e-Taxを利用しようと思った理由」に対する回答でした。昨年のアンケートでは1位が「税務署又は金融機関に行く必要がないから(4万4800件)」、2位「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出(送信)ができるから(3万7292件)」、3位「パソコン(インターネット)を有効活用したいから(2万5434件)」という結果でした。今年も1位「税務署に行く必要がないから(4万3678件)」、2位「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出ができるから(3万6676件)」、3位「パソコン(インターネット)を活用したいから32,709件」の順番は変わらなかったのですが、3位の「パソコン(インターネット)を活用したいから」の回答数が約7000件も増えています。
 また、4位に昨年8位だった「e-Taxで還付申告をした場合、還付処理が早いから」が2万5063件(昨年1万8739件)の回答があり急浮上。損得ではなく、パソコンの機能に着目してe-Taxを利用する人が増えたことがわかります。

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与党税制協議会が消費税の軽減税率導入で日税連などにヒアリング

2014年07月14日

7月8日、与党税制協議会が消費税の軽減税率制度の導入について、日本税理士会連合会(日税連)と日本税理士政治連盟に対してヒアリングを行いました。日税連からは、単一税率を維持することを強く要請された模様です。

 日税連によると、軽減税率を導入すると「税収が減少し標準税率の引上げや社会保障給付の抑制が必要になること」や、「低所得者対策の効果が限定的で高所得者にも恩恵が及ぶこと」、「対象品目の合理的な設定が困難であること」、「適用範囲を巡る訴訟が増加する可能性があること」、「インボイスが必要となり納税義務者の事務負担が増大する」、「簡易課税の事業区分等が複雑になる」といった問題点を指摘したとしています。
 そして、税率アップで低所得者の税負担感が増す逆進性の緩和策として、日税連は「番号制度を用いた給付付き税額控除によるべき」としました。そして、「納税者番号制度導入までは簡素な給付措置を検討すべき」と説明したとしています。
 また、区分経理の方式については「単一税率を前提に現行の請求書等保存(帳簿)方式の維持」を主張。仮に、軽減税率を導入して、帳簿方式により区分経理することになると「事業者の事務負担や適正申告の観点から問題があり、また、インボイス方式は事務負担を増大させ実務上の混乱を生じさせる」とし、軽減税率の導入に強く反対した模様です。

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全国的に下落傾向示しながらも三大都市で地価上昇−26年分の路線価

2014年07月07日

7月1日、国税庁が土地の相続税算定の基礎となる平成26年分の路線価を発表しました。それによると、全国的に下落傾向を示しているため、東京、大阪、愛知の三大都市の上昇が非常に目立つ格好になっています。

 国税庁が発表した26年分の路線価(今年1月1日時点)を見てみると、全国約34万地点の標準宅地は前年比で平均0.7%マイナスと6年連続で下落したものの、下げ幅は前年より1.1ポイント縮小しています。逆に、前年を上回ったのは8都府県で、東京都が1.8%上昇、大阪府は0.3%上昇で6年ぶりに上昇しました。
 また、愛知県も1.2%上昇。さらに、首都圏の神奈川県(0.8%上昇)、千葉県(0.1%上昇)、埼玉県(0.1%上昇)が上昇しています。残る2県は、東日本大震災被災地の福島県(0.8%上昇)と宮城県(2.4%上昇)で、ともに2年連続で上昇しました。
 今回の路線価について一般社団法人不動産協会の木村惠司理事長(三菱地所(株)会長)は「地価の回復は、我が国経済が力強さを取り戻しつつあることを反映したものであると評価している。今後は、こうした回復の動きをより確実なものとし、資産デフレからの脱却と持続的な経済成長につなげるために、大都市の国際競争力の向上や良好な住宅ストックの形成など、内需主導による成長戦略の加速化を期待したい」とコメントしています。

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日税連が「改訂版・税務代理権限証書を積極的に活用してください」

2014年07月07日

日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)が会員税理士と納税者に対して、税務代理権限証書の改訂版の積極的な活用を呼びかけています。

 今年3月に国会で成立した平成26年度税制改正で、国税通則法及び税理士法の一部が改正され、「税務代理権限証書に、税務調査の事前通知について税務代理人に対して行われることについて同意する旨の記載があるときには、納税者への事前通知は、当該税務代理人に対して行えば足りる」とされました。
 税務代理権限証書は、税理士が関与している納税者に対して税務代理人であることを証明した書類です。法人税などの申告書と一緒に税務署に提出する書類ですが、これまでは、この税務代理権限証書を提出していても、税務署が実地調査に入るときに事前に電話で通知するのは、納税者と関与している税理士の双方に対して行うとされていました。
 しかし、この事前通知について、7月1日から税務代理権限証書に税務代理人に行うことに同意する旨の記載がある場合は、税務署から納税者に直接電話がかかってくることがなくなり、顧問税理士にだけ事前通知が行われることになったのです。これにより突然の税務署対応を納税者がしなくて済むようになることから、日税連では7月1日に改訂した税務代理権限証書の活用を広くPRしているわけです。

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