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路線価閲覧開始は今年も7月1日。3大都市圏の地価大幅上昇の予測も

2014年04月28日

土地の相続税・贈与税の評価額算定に用いる路線価図の閲覧について、国税庁が平成26年分も7月1日(火)からスタートすることを明らかにしました。不動産業界では「東京、大阪、名古屋の3大都市圏の路線価が大幅に上昇するであろう」と予測しています。

 国税庁が毎年発表している「路線価」は、価額がおおむね同一と認められる宅地が面している道路に設定されるもので、宅地の相続税評価額算定の基礎となるものです。
 路線価の策定方法は、売買実例価額や国土交通省が毎年発表している公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格などを基にして国税局長がその路線ごとに設定することになっています。
 すなわち、国土交通省が今年3月に公表した今年1月1日時点の公示価格を見れば、今年の路線価がいくらになるかがほぼ予測できるわけです。国土交通省によると、今年の公示価格は「東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価が、2008年以来6年ぶりに上昇に転じ、全国平均の下落率も縮小した。特に3大都市圏では、住宅地の約2分の1の地点が上昇、商業地の約3分の2の地点が上昇した」としています。
 したがって、3大都市圏では路線価も上昇することが確実と言えるわけです。しかし、地域別に詳しく見ると「東京23区とその周辺、横浜、名古屋、大阪市などの上昇率は高いが、栃木、群馬、茨城県はほぼ全域で地価は下落した」としていて、大都市周辺の路線価の動きは流動的と言えるでしょう。

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消費税のみなし仕入れ率の改正で簡易課税制度適用を見直す動き強まる

2014年04月28日

質屋や保険代理店、不動産屋を営む小規模事業者の間で、消費税の簡易課税制度の適用を見直す動きが強まっています。今年3月に消費税法施行令等が一部改正され、みなし仕入れ率が引き下げられたためです。

 3月に行われた簡易課税制度のみなし仕入れ率の改正とは、第4種事業(みなし仕入れ率60%)に含められていた金融業と保険業が、抜き取られて第5種事業(みなし仕入れ率50%)に入れ替えられました。また、その第5種事業に含められていた不動産業が抜き取られて、新たに設けられた第6種事業(みなし仕入れ率40%)に入れられました。
 事業者が納める消費税の納税額は、売上げ時に預かった消費税から、仕入や経費を払う際に支払った消費税を差し引く仕入税額控除で算出するのが原則とされています。ただし、その原則課税を強いると中小企業の事務負担が重くなるため、売上げ時に預った消費税の総額を基に納税額を計算する簡易課税制度が設けられています。
 具体的には、原則課税は(課税売上高×5%)−(課税仕入高×5%)で消費税の納税額を計算しますが、簡易課税制度を選択すると(課税売上高×5%)−(課税売上高×5%×みなし仕入率)で計算するため課税仕入高を算出する必要がないわけです。
 しかし、みなし仕入れ率が低くなると納める消費税が増えることから、原則課税と比べてみてどちらが得かを検討する必要があります。今回の改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用しなければならないことから、いま簡易課税制度の適用者の間で原則課税との比較を検討する事業者が相次いでいるわけです。

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国税局電話相談センターの一部業務を民間に委託−国税庁が実施へ

2014年04月21日

国税庁が、国税局電話相談センターの業務の一部を民間事業者に委託することを明らかにしました。競争入札で落札した業者が、今年11月から業務を請け負うことになっています。

 電話相談センターは、各種税目の取り扱いだけでなく、税務署の業務全般について納税者からの質問に答えてくれるところで、全国の国税局と沖縄国税事務所に設置されている機関です。このうち、東京国税局電話相談センターと関東信越国税局電話相談センターの業務の一部が民間事業者に委託されることになりました。
 今回、国税庁が電話相談センターの業務を民間に委託することにしたのは、平成18年に誕生した「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」に従ったものです。注目されているのは、民間事業者に委託する業務の中身。国税庁では、「法定調書の提出先や提出期限」や「税務署の所在地や管轄区域」、「税務署の開庁日や開庁時間、相談の受付時間」、「所得税と個人事業者の消費税に関する確定申告の期間や申告会場、必要書類」などについてオペレータが回答する形態をとることにしています。
 この民間事業者による業務の実施期間は、今年11月4日から平成27年3月31日までと、平成27年11月2日から平成28年3月31日までの10カ月間です。また、業務を受託した事業者は、国税庁が示した「業務遂行に必要な税知識及び税務相談体制に関する知識を習得させるための研修」や「接遇・クレーム処理研修」などについて計画を策定して、それを事前に実施することが義務付けられています。

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法定資料を光ディスクで提出−国税庁が承認取り消す場合の規定を新設

2014年04月21日

法定資料を光ディスクや磁気ディスクに保存して税務署へ提出する場合の取り扱いを、国税庁が一部改正しました。本店一括提出の承認を取り消す取り扱いを新たに通達に盛り込みました。

 所得税の源泉徴収票などの法定資料は、一定の要件を満たせば、紙ではなく電磁的記録媒体に保存して提出できることになっています。しかも、税務署長の承認が得られれば、本店で一括して提出することも可能です。
 ところが、最近税務署に電磁記録媒体で提出される法定資料の中に、正しいデータが記録されているのかどうか分からないものが増えていると言われています。そこで、国税庁では、「法定資料を光ディスク及び磁気ディスクにより提出する場合の標準規格等の制定について」と題する取扱い通達を一部改正して、「本店等一括提出に係る税務署長の承認」を取り消す場合の取り扱いを新たに定めました。
 具体的には「(前文省略)税務署長の承認については、合理的な理由なく短期間に提出先税務署長の変更を繰り返すなどの事実や、承認するとした場合において適正に法定資料を提出できるかどうか等を総合勘案し、法定資料の提出義務の適正な履行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、承認しないこととする」としています。

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いきなり税務署がやってくることがなくなった―税理士への事前通知始まる

2014年04月14日

税務署の任意調査がいきなり行われることが、今後なくなります。今年3月20日に国会で成立した平成26年度税制改正関連法で、「税務署は実地調査を行う場合は事前に税理士に通知しなければならない」と定められたからです。

 国税通則法の改正を含む「所得税法等の一部を改正する法律」が、3月20日に成立しました。税務署の実地(任意)調査について、これまでは事前に納税者と税務代理人の双方に対して通知しなければならないとされていましたが、今回の国税通則法の改正により、今年7月1日以後に行う事前通知については、税務代理権限証書に、納税者の同意が記載されている場合には、税理士に対してすれば足りると規定されました。
 注意したいのは、今回の事前通知の改正はあくまでも、税務代理権限を与えた税理士がいることを証明した証書(税務代理権限証書)を税務署に提出している場合で、しかも、提出した税務代理権限証書に、事前通知がその税理士に対して行われることについて同意する旨の記載があるときに、税務調査の事前通知が税理士に対して行われると規定されている点です。
 さらに、今回の改正については、今年7月1日以後に行われる事前通知から適用されることになっています。したがって、6月30日以前の申告内容について税務署が実地調査を行う場合は、納税者にも事前通知が行われることになります。6月30日以前の申告内容に対する調査についても「事前通知に関する同意」を記載した税務代理権限証書を提出しておくことが重要だと言えるでしょう。

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国税庁長官の権限を一部廃止。通達と異なる裁決は国税審議会が判断

2014年04月14日

平成26年度税制改正関連法が4月1日にスタートしましたが、今回は税務署の課税処分に不服がある場合に審査請求を認めている不服申立制度も改正されています。国税庁長官の権限が一部廃止されています。

 納税者の権利救済機関として全国に国税不服審判所があるわけですが、これまで、国税不服審判所長は国税庁の通達に反する裁決を行うときや国税に関する今後の法令解釈にとって重大な先例となる裁決を行う場合には、あらかじめ国税庁長官の意見を聞かなければならない、と国税通則法(第99条)に規定されています。
 そして、同規定では、国税庁長官は国税不服審判所長の考えと違う意見を言う場合は、国税審議会の議決に基づいて、その意見を述べることができることになっているわけですが、この異なる意見を述べるケースが今回の税制改正で「廃止」されたわけです。
 改正後は、「国税審判所長が異なる法令解釈による裁決又は重要な先例となる裁決をするときはその意見を国税庁長官に通知したうえで、国税不服審判所長の意見が審査請求人の主張を認容し、かつ国税庁長官が意見を相当と認める場合を除き、国税庁長官は国税不服審判所長と共同して意見を国税審議会に諮問し、国税審議会が議決する。その議決に基づき、国税不服審判所長は裁決する」とされました。
 すなわち、国税不服申立制度の公正性を高める趣旨から、国税庁長官の指示により開かれていた国税審議会について、主体性を重んじる方向で改正が行われたわけです。なお、国税審議会とは、財務省設置法第21条に基づき設置されている国税庁が管轄する組織で、学識経験者が委員となり、その定数は20人以内、任期は2年とされています。

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国税庁が上場新株予約権の相続税評価算定方法などの取扱いを新たに整備

2014年04月07日

国税庁が相続税を課税する資産の評価額の算定方法を定めている「財産評価基本通達」を、一部改正することが明らかにしました。現在、その改正内容について、パブリックコメントを募集しています。

 今回、国税庁が行う同通達の改正内容は、証券取引所に上場する株式に関するもので、ひとつは「上場新株予約権の評価(新設)」です。それにより「ストックオプションの定義から上場新株予約権に該当するものを除外する」とし、さらに、「権利落や配当落に相当する上場株式」や「受益証券発行信託の受益証券の評価方法」、「公開途上にある株式の定義及び株式の公開価格の定義」など5つの取扱いを整備する予定です。
 注目されているのは「上場新株予約権の評価」で、これについて国税庁では「既存の株主全員に対して新株予約権無償割当てを行い、その新株予約権自体が金融商品取引所に上場される事例が増加していることから新たにその評価方法を定めた」としています。
 具体的には、新株予約権を(1)金融商品取引所に上場されているものと、(2)上場廃止後権利行使期間内にあるもの(上場新株予約権)とに分けて、別々に評価することにしています。(1)の期間内にあるものについては「金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格と上場期間中の毎日の最終価格の平均額のいずれか低い金額」とされました。ただし、「負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した場合には、金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格」で評価するとしています。
 一方、(2)については、「課税時期におけるその目的たる株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、新株予約権1個の行使により取得できる株式数を乗じて計算した金額」とされています。なお、権利行使期間内に権利行使されなかった新株予約権について発行法人が取得する旨の条項が付されている場合には「(2)で評価した金額と取得条項に基づく取得価格のいずれか低い金額」で評価するとしています。

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東京国税局が見解。「成年被後見人は相続税の障害者控除の対象となる特別障害者」

2014年04月07日

このほど、東京国税局が納税者からの質問に対して「成年後見制度における成年被後見人も相続税の課税計算上、障害者控除の対象となる特別障害者である」という回答を文書で伝えていたことが明らかになりました。

 成年被後見人とは、家庭裁判所において「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」として後見開始の審判を受けた人のことです。この成年被後見人について、じつは名古屋国税局が「所得税法上、障害者控除の対象となる特別障害者に該当する」という回答を文書で伝えています(平成24年8月31日付けの事例)。
 ところが、今回東京国税局に質問状を出した納税者は、相続税の申告にあたり相続人の中に成年被後見人がいて、その成年被後見人が相続税の計算上の障害者控除の対象なのかどうかが明らかにされていないことに気づきました。
 相続税法では、「相続又は遺贈により財産を取得した者が、国内に住所を有する者で相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)に該当し、かつ、障害者である場合には、6万円(特別障害者である場合には12万円)にその相続開始時からその者が85歳に達するまでの年数を乗じて算出した金額を、その者の相続税額から控除する」とされています。問題は、その障害者の中に成年被後見人も含まれるのかどうかということでした。
 「成年被後見人は、所得税法上の特別障害者に該当すると同時に相続税法上の特別障害者にも該当することになり、障害者控除の対象とする範囲は所得税と相続税とで同一であると考えられる」とした納税者の見解を、このほど東京国税局が容認したわけです。

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