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定期借地権設定時の前払い賃料に充当する補償金は前受金でOK―国税局

2013年06月24日

ある医療法人が介護老人福祉施設の開設にあたり、同施設の敷地に設定した定期借地権の前払い賃料について地方公共団体から受領した補助金を充当したわけですが、その補助金の税務処理について関東信越国税局が前受金として計上することを承認しました。

 関東信越国税局管内の医療法人が、介護老人福祉施設の開設にあたり、同施設の敷地に53年間の一般定期借地権を設定。契約締結時に87ヵ月分の賃料を一時金として地主に前納することにしましたが、その賃料一時金については、地方公共団体からの定期借地権利用による整備促進特別対策事業補助金で賄いました。
 問題は同補助金の税務処理でした。国税庁が通達で「法人が他の者から受ける経費補償金等については、将来の経費等に充てることを目的とするものであっても、その受領時に益金の額に算入する」と規定していることから、今回の賃料一時金に充当する補助金も、受領時において益金の額に算入するのではないかと考えられたからです。
 そこで、医療法人は関東信越国税局に対して「今回の補助金は、前払期間の途中で本契約が解除されたことにより終了した場合には、未経過前払期間の賃料に充てるための部分に相当する金額を返還しなければならないものであり、このように返還の可能性のある本件の一時金補助金に同通達の取扱いを適用することは相当ではないのではないか」との考えを示し、さらに、「補助金については、交付の目的は賃料一時金の充当ですから、受領時においていったん全額を前受金として負債に計上した上で、前払の期間の経過に応じて前受金を取り崩し、益金の額に算入することとして差し支えありませんか」と問い合わせました。
 この問い合わせに対して、このほど関東信越国税局が「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答したわけです。

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これからは納税証明書を取るために2つの本人確認書類が必要になる

2013年06月24日

納税者の個人情報を保護するために、納税証明書交付請求時の本人確認方法を国税庁が変更しました。

 これまで納税証明書の交付を受ける場合は、本人確認の方法として申請者の運転免許証やパスポート、健康保険証、住民基本台帳カードなどを税務署の窓口に提示するだけで問題なく納税証明書をとることができていました。
 7月1日からは本人確認書類の種類により、1枚の提示で足りるものと2枚の提示が必要なものに分かれることになりました。
 具体的には、本人確認書類についいては、1枚で足りるものは次のものです。
自動車運転免許証、写真付き住民基本台帳カード、旅券(パスポート)、海技免状、小型船舶操縦免許証、電気工事士免状、宅地建物取引主任者証、教習資格認定証、船員手帳、戦傷病者手帳、身体障害者手帳、療育手帳、在留カード又は特別永住者証明書、国又は地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真付き)。
 また、2枚の提示が必要なものは、次のものです。
 写真の貼付のない住民基本台帳カード、国民健康保険、健康保険、船員保険、又は介護保険の被保険者証、共済組合員証、国民年金手帳、国民年金、厚生年金保険又は船員保険の年金証書、共済年金又は恩給の証書、前記に掲げる書類を除く、国又は地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真なし)、学生証、法人が発行した身分証明書(顔写真付き)。
 さらに、郵送で請求された場合の納税証明書の送付先については、原則として本人又は法人の住所(納税地)以外には送付できないことになっています。

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法律の書き込みミスで国税庁が所得税の予定納税の通知書を修正

2013年06月17日

全国の税務署が、このほど事業者に送付した所得税の予定納税の通知書に一部修正個所があることを国税庁が公表しました。

 所得税の予定納税とは、その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上の人が、その年の所得税の一部をあらかじめ納付することを義務付けた制度です。したがって、今年3月29日に国会で成立した平成25年度税制改正関連法案で、今年4月1日施行となっている所得税関連の制度についても適用されるものがいくつかあります。
 その中で、問題となったのが、バリアフリー改修に係る投資減税について財務省の手違いで生じた法案の書き込み段階でのミスで、これにより今回の国税庁の修正となったわけです。そのミスとは、バリアフリー改修に係る投資減税(平成26年4月1日から平成29年12月31日の間に入居した場合の改修工事限度額を、200万円《減税可能額20万円》とするという制度)について、今年1月29日に閣議決定された平成25年度税制改正大綱では「平成25年1月1日から平成26年3月31日の間に入居した場合の改修工事限度額を、平成24年と同水準の150万円(減税可能額15万円)とする」とされていました。
 ところが、法案では150万円(減税可能額15万円)とする部分の経過措置が抜け落ちてしまい「平成25年1月1日から平成26年3月31日までの間の入居について、自己資金でバリアフリー改修工事をした場合の改修工事の限度額は200万円」という状態となっています。
 そこで、財務省は「平成25年1月1日から平成26年3月31日までの間の入居についても、自己資金でバリアフリー改修工事をした場合の改修工事の限度額は『200万円』」と条文の通りに実施することにしました。これを受け国税庁も今回の予定納税通知書で改修工事限度額が「150万円(最大控除限度額15万円)」としていたものを、平成25年1月1日から平成26年3月31日までの間の入居について改修工事の限度額を『200万円』と修正することにしたわけです。

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タックスヘイブンを利用した脱税摘発に日本の金融機関も協力させます―国税庁が声明

2013年06月17日

日本の金融庁と財務省及び国税庁がこのほど、米国の財務省と一緒に「国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明」を発表しました。

 米国の大手IT企業アップル社がタックスヘイブンに企業利益を移転して租税回避行為を行っているということが物議を醸していますが、このほど、日本の金融庁と財務省及び国税庁が、米国の財務省と一緒に「国際的な税務コンプライアンスの向上及びFATCA実施の円滑化のための米国財務省と日本当局の間の相互協力及び理解に関する声明」を発表。タックスヘイブンを利用した脱税摘発に二人三脚で取り組む姿勢を強調しました。
 FATCAとは、2010年3月18日に施行された米国の法律で、外国金融機関(FFI)およびその他金融仲介業者を対象として、米国市民や米国居住者によるオフショア(タックスヘイブン)口座を利用した米国の租税回避を防ぐことを目的としたものです。
 FATCAが米国企業や米国外の金融機関に求めている主なものは以下の3つです。
①米国企業が、米国外の金融機関に対して米国源泉の所得(利子・配当)や資産の売却金などを支払う際に30%の源泉徴収を行うこと ②米国外の金融機関が、IRSとFFI(Foreign Financial Institution)契約を結び、米国人口座の特定、IRSへの報告とそのための精査を行うこと。FFI契約を締結した米国外の金融機関(参加FFI)は、①の米国企業による30%の源泉徴収が免除される ③参加FFIが、非協力的口座(米国人口座かどうか判定するための情報提供などを拒否した口座)保有者やFFI契約を締結していない米国外金融機関(不参加FFI)に対して外国パススルー支払を行う際に30%の源泉徴収を行うこと。
 つまり、日本政府も自国の金融機関(FFI)に対して米国の内国歳入庁(IRS)と契約を結ばせ、FFIに開設されている米国口座等について報告などを行うようにしますと約束したわけです。

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富士宮市がホテル誘致で7年分の固定資産税相当額を補助

2013年06月10日

富士山の玄関口にある静岡県富士宮市が、民間のホテル事業者を誘致するため、このほど、7年分の固定資産税と都市計画税相当額を補助する制度を創設して話題を呼んでいます。

 富士宮市では、富士山が世界遺産に登録されることが決まったことから、国内外からの観光客の増加を見込んでいます。ところが、同市によると、市内には30軒ほどのホテルや旅館があり、2012年度は延べ約17万人が宿泊したとしています。
 しかし、富士山の世界遺産登録で宿泊客が増えた場合、現状の宿泊施設の数ではカバーできないばかりか、富裕層を受け入れる広い客室や宴会場、会議場を備えた高級ホテルは皆無です。そこで、同市では、観光基本計画や中心市街地まちづくり計画に「ホテル誘致」を盛り込み、その計画を具現化するために富士宮市独自の補助制度を創設しました。
 具体的には、同市内に国際観光ホテル整備法の登録を受けたホテルを対象として補助しようというものです。規模は、客室総数が120室以上あり、その2分の1以上が、シングルで18u以上、その他の客室は26u以上なければならず、宿泊者以外も利用できるレストランやある程度の面積を備えた会議や宴会のできる部屋を設置することを条件しています。
 この条件を満たすホテルを建設して営業する場合、7年分の固定資産税と都市計画税相当額を補助する(3施設程度を想定)というもので、補助金申請期間は、今年9月1日から5年間としています。

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「納税通知書を無くした」に適切な回答。東京都が固定資産税で「よくある質問」

2013年06月10日

固定資産税と都市計画税の第1期の納期が迫るなか、このほど東京都主税局が「固定資産税・都市計画税のよくあるご質問」を作りホームページなどで紹介しています。

 東京都では、平成25年度固定資産税及び都市計画税の納税通知書(23区内)を6月3日に発送しました。同納税通知書が届くころになると、各都税事務所に固定資産税に関する問い合わせが殺到することから、このほど、都主税局が「固定資産税・都市計画税のよくあるご質問」を作りました。
 納税通知書を発送するこの時期に必ず寄せられるのが「納税通知書がまだ来てないが、どうなっているのか」という質問です。これについて都税事務所では「まず考えられるのが、最近住所を移動した場合です」と言います。「この場合、納税通知書の送付先は、住民票の異動を行っても、自動的には変わりません。そのため、都税事務所へ届出をいただいていない方は、古い住所へ納税通知書が送付され、あて所不明で返戻されている可能性があります。その場合は、都税事務所で調査の上、転居先のご住所へ再送付いたします」と説明しています。
 さらに、「納税通知書を無くしたので再発行してほしい」という問い合わせも少なくないと言います。これについては「納税通知書の送達を受けた方は、都税事務所長より賦課処分されたという法的効果が発生します。納税通知書を再発行し送付すると、納税義務者の方に2回賦課処分を行ったことになるので、再発行はいたしかねます」と回答しています。

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タックスヘイブンを利用した脱税摘発に有効な情報を国税庁が豪から入手

2013年06月03日

オーストラリアが保有しているオフショア(いわゆるタックスヘイブン)に所在する事業体(法人・信託など)に関する大量の情報のうち、日本の納税者に関連する情報の提供を、先月、国税庁が受けたことを明らかにしました。

 タックスヘイブンとは、外国資本や外貨獲得のために意図的に税金を優遇(なかには無税に)して企業や大富豪の資産を誘致している国や地域のことです。日本の国税庁も、このタックスヘイブンに子会社を創って売り上げを貯め込む企業やタックスヘイブンにある銀行に金融資産を移転させて相続税の課税を回避するケースが少なくないため、タックスヘイブンに対してはかねてより監視の目を光らせています。
 今回、日本の国税庁がオーストラリアの国税庁から入手した情報は、タックスヘイブンを利用した脱税を把握するのにかなり有効な情報だといわれています。オーストラリアは、米国と英国の税務当局と協力して今年5月9日から10日にかけて、タックスヘイブンに所在する事業体に関する大量の情報を入手していて、その情報の中から日本の納税者に関連する情報の提供を受けたからです。
 国税庁では「今回、オーストラリアから提供を受けた情報については、既に分析を開始しており、国際的な課税逃れや、来年(平成26年)から提出が必要となる国外財産調書の提出義務者等の把握の端緒となるものと見込んでいる」と入手した情報の中身がかなり濃いものであることをほのめかしています。

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土地や株が動き始めた―今年3月の所得税の確定申告状況報告で表面化

2013年06月03日

今年3月に全国の税務署で行われた平成24年分の所得税の確定申告について、国税庁がその状況を取りまとめました。東日本大震災が日本経済に及ぼした影響がかなり癒えて、土地や株の売買が活気を帯び始めていることがわかります。

 国税庁によると、平成24年分所得税の確定申告書を提出した人は2,152万 5千人で、前年分よりも32万9千人(▲1.5%)減少し、4年連続の減少となっています。
 そして、確定申告書を提出した人のうち、申告納税額のある人は608万8千人で、前年分よりも1万6千人 (0.3%)増えました。前年分よりも増加に転じたのは7年ぶりのことです。さらに、金額面から見てみると、所得金額は34兆6,304億円で、前年よりも9,514億円(2.8%)増えて(6年ぶりの増加)、申告納税額も2兆4,019億円で、前年よりも927億円(4.0%)増加しています。
 これは、長年、公共事業をストップさせていた政府が、東日本大震災などの被災地の復旧に公的資金を使い始めたことが一番大きな要因といえます。
 お金が回り始めると投資も活発に行われるようになるものです。そこで、土地等の譲渡所得を申告者数を見てみると、申告した人は計42万9千人で、前年分よりも2万6千人(6.4%)増えています。このうち、所得金額のある人は26万人で、前年分よりも2万人(8.6%)増加していて、所得金額も3兆562億円で、前年分よりも2,660億円(9.5%)増えました。
 一方、株式等の譲渡所得を見てみると、申告者数は98万4千人で、前年分よりも1万5千人 (▲1.5%)減少しました。ただし、そのうちの有所得者数は22万9千人で、前年分よりも1万9千人(8.8%)増えています。所得金額も1兆4,306億円で、前年分よりも3,198億円(28.8%)増加しました。

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消費税の適正な転嫁法案が衆議院通過。専門家登用など付帯決議がつく

2013年05月27日

小売店の消費税分割引販売を規制する法律「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案」(消費税の適正な転嫁法案)がこのほど、衆議院で可決されました。

 消費税の適正な転嫁法案が、5月17日、衆議院経済産業委員会で修正議決後、本会議で可決され参議院に送付されました。修正案には、次の6項目の附帯決議が付されています。

  1. (1)消費税増税分を適正に価格に転嫁する環境を整えるため、関係事業者への定期的な大規模調査を行うとともに、立場の弱い事業者等のための相談窓口を全国に整備すること等により、転嫁の実態を正確に把握し、違反行為に対しては迅速かつ効果的に取り締まること。
  2. (2)転嫁状況の検査等消費税の転嫁対策を実効あるものにするために体制の一層の強化を図る必要があることから、公正取引委員会及び中小企業庁においても、高度な専門知識を有する者の登用を積極的に進めることとし、質量ともに充実した体制を長期にわたって確保するため所要の定員増を図るとともに、関係省庁間の緊密な連携体制を確立すること。
  3. (3)本法第8条の表示の規制については、公正かつ自由な競争、事業者の創意の発揮等の事業活動を阻害することなく、かつ本条の一義的趣旨が消費者に消費税が転嫁されていないような誤認を生じさせることの防止であることに鑑み、「消費税」や「増税」等の表現が用いられるなど消費税率引上げとの関連が客観的に明らかであり、かつ当該表示が消費者の負担がない又は軽減されていると一般消費者に誤認される恐れがあると認められる者に限り禁止することとし、関係者に無用の混乱を招くことのないよう、具体的かつ分かりやすいガイドラインを可及的速やかに策定・公表すること。
  4. (4)消費税の価格転嫁を円滑かつ適正に実施するとともに事業者の事務負担を軽減するため、価格表示方法のあり方については、外税方式の採用も含め様々な意見があることを踏まえ、事業者の取組実態及び消費者の利便を総合的に勘案しつつ、引き続き、そのあり方を検討すること。
  5. (5)事業者が消費税を価格に適正に転嫁すべきという、本法の趣旨及び内容を事業者に周知徹底するとともに、消費者に対しても社会保障の安定財源の確保という今次の消費税率引上げの趣旨、転嫁を通じて消費者に負担を求めるという消費税の性格及び価格表示の特例の内容等について、国が丁寧な広報活動を行い、国民の認識と理解を深めるよう努めること。
  6. (6)消費税増税による影響が広く国民経済に及ぶ懸念があることに鑑み、税率引上げ前後の経済状況を注視しつつ、消費の落込み等に起因する中小事業者の経営悪化に対しては、必要かつ十分な経営支援を講じるとともに、景気への影響を極力緩和する観点から、最も影響が懸念される住宅の取得等について、平成25年度税制改正で講じた住宅ローン減税等の実施と併せ適切な給付措置を早急に講じるほか、低所得者に配慮する観点から、消費税率8%への引上げ時における簡素な給付措置の導入を早急に具体化すること。

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総務省傘下の資産評価システム研究センターが「固定資産税のしおり」作成

2013年05月27日

一般財団法人資産評価システム研究センターが、このほど総務省自治税務局監修の「2013年度固定資産税のしおり」を作成しました。Q&A方式などで固定資産税を分かりやすく解説しています。

 固定資産税は、地方税の中で福祉、救急、ゴミ収集等基礎的な行政サービスを提供する市町村の財政を支える基幹税目として、重要な役割を果たしている税金です。
 この税金は、主に土地を不動産を所有している人ならば誰もが知っているものですが、どのような規模で、どのような形で課税されているかは、意外と知られていません。同しおりには、納税義務者は、原則、固定資産の所有者で、例えば、「土地所有者」(登記簿または土地補充課税台帳に所有者として登記または登録されている人)、「家屋所有者」(登記簿または家屋補充課税台帳に所有者として登記または登録されている人)、「償却資産所有者」(償却資産課税台帳に所有者として登録されている人)となるといったことが記述されています。
 また、固定資産税の収入状況(2011年度)については、「家屋」が44%、「土地」が39%、「償却資産」が18%を占めるなども説明されています。
 さらに、Q&Aで細かな内容が解説されているわけですが、例えば例えば、「2013年1月20日に取り壊した家屋についても、2013年度の固定資産税の課税対象となっている理由は」との問いかけに、「固定資産税は、毎年1月1日現在に所在している固定資産税を課税対象とし、その年の4月から始める年度分について課税される。したがって、2013年1月20日に取り壊した家屋も、1月1日は存在していたことから、2013年度の固定資産税の課税対象となる」などといった形で回答が記載されています。

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大阪府が法人府民税の超過課税3年間延長についてアナウンス

2013年05月20日

大阪府が法人府民税と法人事業税の超過課税を3年間延長していることをアナウンスしています。延長する理由について大阪府は「依然として厳しい財政状況が続いているため」などと説明しています。

 大阪府では、今年3月に大阪府税条例の一部を改正し、法人府民税均等割の超過課税の適用期間を平成28年3月31日までの間に開始する事業年度分まで3年間延長しています。これについて府民に対してアナウンスしているわけですが、併せて、法人府民税法人税割と法人事業税について、すでに平成23年3月に大阪府税条例の一部を改正し、3年間(平成26年3月まで)延長していることも周知を図っています。
 地方税については、原則として地方税法と地方公共団体の条例によって課税されることになっています。法人府民税と法人事業税のいわゆる法人二税については、超過課税が認められていて、中でも法人の道府県民税の均等割は制限税率が設けられていません。したがって、条例で税率を改正することができるようになっています。
 今回の大阪府の法人府民税の均等割に関する超過課税は平成13年4月から適用しているもので、例えば、資本金1千万円超1億円以下の会社の場合、年税額は75,000円(京都府では同資本金の範囲で5万円)となっています。また、資本金等の額が1億円超10億円以下の会社などは、26万円(京都府では同資本金の範囲で13万円)の年税額を納めなければならない形になっています。
 こうした超過課税の延長について、大阪府では「依然として厳しい財政状況のもとで、引き続き、がんばる中小企業を支えるためのセーフティネットの確保、大阪経済の成長に向けた新たな産業の振興などの施策を実施しなければならないためご理解いただきたい」としています。

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総務省が行政不服審査法改正案を公表。半世紀ぶりの抜本的見直しへ

2013年05月20日

税務署の課税処分に疑問がある場合に国税不服審判所などに審査請求が行える仕組みを支えている行政不服審査法の改正案の内容を、このほど総務省が明らかにしました。

 行政不服審査法は、昭和37年に制定されて以来約50年間抜本的な改正が1度も行われていません。そのため、経済取引の変化やこれまで行われた行政改革などに対応できていない部分が少なくないと言われています。
 そこで、総務省では同法を改正し、不服申立て制度を見直すことにしたわけです。今回の見直し案をパブリックコメントとして公表し、5月31日まで広く意見を募集。寄せられた意見を参考に法案の修正を図ったうえで、来年の通常国会に提出する予定です。
 じつは、今回の行政不服審査法の改正案は、平成20年4月に国会に提出された同法関連改正3法案をベースにしたものです。3法案は、翌21年の衆院解散によって、審議未了・廃案となったため、このほど総務省では一部手直しをして法案化しました。
 今回の同法改正案で一番注目されているのは、不服審判所などへの審査請求と裁判所への提訴を自由選択制にした点です。現行制度では、行政処分に不服があった場合、処分を行った行政庁に対する異議申立てを経て、審判所などに審査請求を行い、その審判所の裁決が下された後でなければ訴訟を起こせない仕組み(不服申立て前置)になっていますが、この仕組みを見直して、異議申し立てを「再調査請求」に名称変更したうえで、審査請求と訴訟との自由選択制にしています。
 今回の同法改正案が国会で成立すると、国税通則法に規定されている国税の不服申立て制度も見直されることになっています。

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孫への教育資金贈与非課税制度を45%の祖父母が利用意向示す―電通が調査

2013年05月13日

大手広告代理店の株式会社電通が、平成25年度税制改正で創設された「孫への教育資金贈与非課税制度」について行ったアンケート調査の結果を公表しました。それによると、45%の祖父母が贈与の意向を示しています。

 「孫への教育資金贈与非課税制度」は今年4月にスタートした制度で、平成27年12月31日までの間に30歳未満の子や孫に祖父母が教育資金として1500万円までを贈与した場合は、贈与税がかからないという制度です。
 孫育てを楽しみながら活動を広げていくアクティブなシニア男性を電通では「育G(イクジイ)」と名付けて応援していて、その育Gプロジェクトが、小学生以下の孫のいる祖父母2,000名に、同制度に対する認知や孫への贈与意向などに関する調査を行いました。
 その調査結果によると、まず、「孫への教育資金贈与非課税制度」に対する祖父母の認知度は86%でした。そして、同制度を「よいと思う」または「まあ良いと思う」と答えた祖父母は52%で、それを祖父母別に見てみると、祖父は57.3%、祖母46.1%と、同制度に対する評価は祖父の方が祖母よりも高く、祖父では6割近くが肯定的な評価でした。
 次に、孫への贈与の意向を尋ねたところ「贈与したい」は6.6%、「贈与を検討してみたい」が37.9%で、約45%の祖父母が贈与の意向を示しています。贈与希望額は約482万円で、祖父の平均年収とほぼ同規模でした。
 なお、贈与意向のある祖父母がサポートしたい孫の教育費は、「大学」51%、「高校」32%、「スポーツ・芸術などの特殊な教育」18%などとなっています。

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マイナンバー法案が衆議院を通過。今国会中に成立へ

2013年05月13日

5月9日、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」いわゆるマイナンバー法案が衆院本会議で、与党や民主党などの賛成多数で可決されました。同日中に参院に送付され、今国会中に成立する見通しです。

 マイナンバー法案は、前民主党政権下で国会に提出され、昨年の衆院解散の影響でいったん廃案になりました。しかし、政府が関連法案を今年3月に再度国会に提出し、衆議院で審議されていました。
 同法案では、国民一人ひとりに番号をふり、年金や健康保険など社会保障給付と納税を1つの番号で管理しようという制度です。国民にとっては、給付の申請や税の確定申告などの手続きが簡単になるメリットがあり、行政機関にとっては、業務のコストを減らし、税や社会保障料の徴収、給付をより適正に執行できるようになるという効果があります。
 政府では、2015年中に住民票を基にした番号を国民に通知し、2016年から実際にその番号を通じて年金や納税の照会ができるようにしたい考えです。利用範囲については、2017年以降に国税庁や日本年金機構など国の機関同士の連携に広げ、その後、地方税などを扱う自治体に拡大する計画を立てています。
 ただ、番号の利用には個人情報の漏洩や第三者による悪用などプライバシーの保護に懸念があることから、政府は行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設け、情報管理を徹底する方針を打ち出しています。

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商業、サービス業の設備投資をバックアップする税制を中小企業庁がPR

2013年05月07日

中小企業庁が、平成25年度税制改正で創設された商業、サービス業の設備投資をバックアップする税制をPRし始めました。

 中小企業庁がPRしているのは、今年4月からスタートした商業、サービス業、農林水産業を営む中小企業者の経営改善に向けた設備投資を促進するための税制措置です。具体的には、青色申告書を提出する中小企業が、商工会議所などから経営改善に関する指導や助言を受けて、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に、その指導及び助言に従って器具備品、建物附属設備を取得して事業に活用した場合、その取得価額の30%の特別償却か、または、その取得価額の7%の税額控除を選択適用できるという制度です。
 この制度の対象となる設備機器について、中小企業庁では、「新しい商品を販売するため、陳列棚を入れる」とか、「レジスターを入れ替える」、「古くなった看板などお店の外装をきれいにする」といったケースを紹介しています。注意しなければならないのは、同制度の対象となる設備は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第1の「建物附属設備」で60万円以上のもの及び「器具及び備品」で30万円以上のものでなければならないという点です。また、中古品は対象外とされています。
 さらに、商工会議所や商店街振興組合などから経営改善に関する指導や助言を受けていなければならず、しかも、その指導や助言を受けたことを明らかにする書類(取得する設備の記載等がされているもの)の写しを申告書に添付する必要があります。

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国税庁がインターネット公売開催。205万円のベンツや900万円の刀に注目

2013年05月07日

国税庁が、この5月にインターネット公売を実施します。今回の公売では、外車や刀、指輪などに注目が集まっています。

 インターネット公売は、滞納となった税金を徴収するために差押財産を強制的に売却する公売の一種で、買受申込みなどの手続について、インターネットを利用して行うものです。なお、平成25年度のインターネット公売の窓口となるオークションサイトは、一般競争入札で決定されたヤフー(株)の「官公庁オークション」とされています。
 公売にかける財産については、4月23日現在で不動産が52物件で、骨とう品や貴金属、自動車などの動産が258物件、合計310物件が出品される予定です。今回は、見積価格205万1,000円の平成20年式メルセデス・ベンツCLS63(走行距離43660q、4ドア、ホワイト)や見積価格900万円の刀(作者:出羽大掾藤原国路)、見積価格135万円エメラルドの指輪などに注目が集まっています。
 今回の公売の日程については、平成25年5月10日13時から5月20日17時までが公売参加申込受付期間となっていて、参加者は平成25年5月30日13時から6月3日13時までに買受申込みをすることになっています。     
 そして、最高価申込者の決定日は、平成25年6月5日10時とされていて、買受代金の納付期限は平成25年6月17日14時とされています。
 ヤフーが自社サイトに「官公庁オークション」(http://koubai.auctions.yahoo.co.jp/)を公開するのは、5月10日13時です。

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