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帳簿書類を電子保存する事業者が1年間で1万件も増えた!!

2011年10月31日

電子帳簿保存の承認を受けた事業者が、今年6月末までの1年間で1万件もありました。会計帳簿を電子化してオフィスの作業スペースを拡大させている事業者が急増していることがわかります。

 国税庁によると、今年6月末(平成22事務年度末)時点で、全国の税務署が帳簿書類を電子化して保存することを承認した事業者数は累計で123,145件になったとしています。とくに昨年1年間で10,062件(8.9%)も増加しました。
 増加件数の内訳を見てみると、法人税・消費税関係が8,338件(10.1%)、源泉所得税関係178件(1.2%)、所得税・消費税関係1,152件(10.5%)、その他の国税関係が394件(9.1%)も増えています。
 会計帳簿書類は、法律で7年間保存することが事業者に義務付けられています。そのため、会社の多くが帳簿書類を置いておくスペースを確保するために頭を悩ませています。そこで、政府は平成10年に帳簿書類を電子化して保存することを認める電子帳簿保存法をつくり、企業のペーパレス化を支援し始めました。
 ただし、その帳簿書類を電子化する場合、過去のデータを容易に書き換えることができることから、一定の要件を満たして税務署長の承認を得なければならない仕組みがとられています。その一定の要件とは、データを修正していることがひと目でわかるようにしていることや、税務調査の際に調査官が保存している帳簿書類を見ることができるようパソコンなどを常に用意していることなどです。

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電子政府利用促進週間が10月31日にスタート。税理士も40名が電子政府推進員に

2011年10月31日

政府が10月31日から11月6日までの1週間、平成23年度の「電子政府利用促進週間」を実施します。この間、公的手続きのオンライン申請の利用者を拡大するため、広報、普及啓発活動が展開されます。

 とくに今年度は、「新たなオンライン利用に関する計画」(平成23年8月IT戦略本部決定)が策定されたことから、国税の申告などをはじめとする重点手続を中心として、オンライン申請の利用の改善に向けた取組や行政情報の電子的提供の改善に向けた取組が積極的に展開されることになっています。
 また、今回注目されているのは、「電子政府推進員」の活動です。電子政府推進員とは、電子政府利用促進の核となる民間人のことで、地域や職場等で、オンラインの利用を促進するための普及・啓発活動や意見・要望の把握活動を行うことを目的として、平成17年(2005年)7月に政府が設けた制度です。国家公務員や地方公務員の身分ではなく、給与などを受けないボランティアとして総務省行政管理局長が2年間の任期で学識経験者やITコーディネータなどに委嘱しています。今年7月1日時点で、全国で252名が電子政府推進員として活動しています。
 その中の40名が税理士であることから、日本税理士会連合会も「オンライン申請に関するご相談やご意見等がありましたら、最寄りの地区の電子政府推進員をご活用願います」としています。
 なお、電子政府とは、行政内部や行政と国民・事業者との間で書類ベース、対面ベースで行われている業務をオンライン化し、情報ネットワークを通じて省庁横断的、国・地方一体的に情報を瞬時に共有・活用する新たな行政を実現するものです。

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日税連が東日本大震災の被災者を対象に無料税務相談を全国78ヵ所で開催

2011年10月24日

日本税理士会連合会が、全国15税理士会と財団法人日本税務研究センターとの共催で11月26日(土)・27日(日)の2日間、東日本大震災で被災した納税者などを対象とした無料税務相談を実施します。

 無料税務相談を行なう会場は次の全国78ヵ所です。
・北海道税理士会はJR札幌駅東コンコースほか道内3ヵ所。
・東北税理士会はTIC東一センタービル(宮城県仙台市青葉区)ほか23ヵ所(宮城県1ヵ所、福島県10ヵ所、青森県2ヵ所、岩手県7ヵ所、秋田県1ヵ所、山形県2ヵ所)。
・関東信越税理士会は関東信越税理士会事務局と新潟県税理士会館。
・東京税理士会は東京国際フォーラム(東京都千代田区)ほか都内8ヵ所(東京税理士会納税者支援センターでは電話相談のみ実施)。
・東京地方税理士会はホテルキャメロットジャパン(神奈川県横浜市)ほか相模原市緑区役所と山梨県税理士会館。
・千葉県税理士会は浦安市役所ほか県内5ヵ所(千葉県税理士会会館で電話相談のみ実施)。
・名古屋税理士会はグランパレホテル(岐阜県岐阜市)と名古屋都市センター(愛知県名古屋市中区)。
・東海税理士会は東海税理士会静岡支部と津税理士会館。
・近畿税理士会は近畿税理士会館ほか京都府、奈良県、和歌山県、兵庫県、滋賀県で各1ヵ所。
・北陸税理士会は七尾サンライフプラザ(石川県七尾市)ほか5ヵ所(石川県1ヵ所、福井県2ヵ所、富山県2ヵ所)。
・中国税理士会と九州北部税理士会、沖縄税理士会はそれぞれ中国税理士会館、九州北部税理士会館、沖縄税理士会。
・四国税理士会はマルナカスーパーセンター徳島店(徳島県徳島市)ほか3ヵ所(愛媛県1ヵ所、香川県1ヵ所、高知支部は電話相談のみ実施)。
・南九州税理士会はホテルタイセイアネックス2号館(鹿児島県鹿児島市)ほか3ヵ所(熊本県、大分県、宮崎県で各1ヵ所)。
・(財)日本税務研究センターでは電話相談のみ実施。

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新設法人の免税点制度を悪用。会計検査院が消費税の益税問題をあばく

2011年10月24日

資本金1,000万円未満の新設法人に認められている設立2年以内の消費税の免税点制度が悪用されている実態を、会計検査院が内閣と国会に報告しました。

 現行の消費税制度では、資本金が1,000万円未満の新設法人については、設立2年以内の消費税の納税義務を免除しています。
 この新設法人の免税点制度の利用状況について、このほど会計検査院が調査したわけですが、平成18年中に設立された資本金1,000万円未満の新設法人(1,283法人)のうち343法人は、1社あたりの平均売上高が第1期事業年度で6,400万円、第2期事業年度では1億400万円でした。そして、343法人は新設法人の免税点制度を適用して消費税をまったく納めていなかったのです。
 また、消費税の課税事業者であった個人事業者が法人成りした場合でも、資本金が1,000万円未満ならば新設法人の免税点制度を適用できるわけですが、これについても会計検査院が調査しています。その結果、課税事業者であった個人事業者206人が、平成18年中に資本金1,000万円未満で法人成りしていたことから、その206人について法人成りの前後の収入を比較したところ、個人事業者の17年分の1人あたりの平均事業収入が6,300万円であるのに対して、法人の第2期事業年度の1社あたりの平均売上高は7,900万円と売上げがアップしていました。
 消費税の課税期間に係る基準期間の課税売上高が1,000万円以上の事業者は課税事業者とされているにもかかわらず、法人成りした事業者の多くが新設法人の免税点制度を適用して消費税を納めていなかったのです。
 さらに、会計検査院では今回の調査で、法人の設立や解散を繰り返すことで、新設法人の免税点制度を悪用して消費税を免れている事例があることも指摘。「財務省において、消費税の事業者免税点制度の在り方について引き続き、様々な視点から不断の検討を行っていくことが肝要」と忠告しています。

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日税連と金融公庫が中小企業支援で業務連携。スムーズな資金調達に道筋

2011年10月17日

10月14日、日本税理士会連合会(池田隼啓会長、日税連)が株式会社日本政策金融公庫(金融公庫)と「中小企業等支援に関する覚書」を締結しました。税理士会が、資金繰りに苦しむ中小企業の実態を金融公庫に伝えていく役割を担うことになります。

 民間の金融機関では、既存の融資を受けている中小企業について、返済を一定期間猶予するなど悪化する経済状況に対応した契約内容の変更に力を入れているため、新規の融資に対して消極的になっています。その影響で、多くの中小企業が資金繰りに苦しんでいます。
 そこで、日税連と金融公庫は、全国の中小企業等の資金調達や税務に関する問題解決を相互に連携して支援していくことを目的として「中小企業等支援に関する覚書」を締結しました。日税連が政府系金融機関と業務連携の覚書を締結するのは、初めてのことです。
 具体的な連携内容は、定期的に情報交換会を開催し、地域の動向について情報を提供し合うことにしています。また、税制と金融という相互の制度に関する説明資料などを互いの事務所や支店で中小企業に提供する予定です。

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国税庁が前年度の法人税の申告状況を公表。申告所得金額はピーク時の約6割

2011年10月17日

国税庁が、今年6月30日までの1年間(平成22事務年度)に事業年度を終えた企業の法人税の申告件数を取りまとめました。東日本大震災が発生したにもかかわらず、申告所得金額と申告税額がともに4年ぶりに増加傾向を示しています。

 国税庁によると、平成22事務年度における法人税の申告件数は276万2,000件で、申告所得金額は総額で36兆1,836億円でした。そして、それにともなう申告税額の総額は9兆3,856億円となっていて、前年度に比べると申告所得金額が2兆3,526億円(7.0%)増え、申告税額も6,560億円(7.5%)増えていて、4年ぶりに増加に転じています。
 ただし、申告所得金額のこれまでの推移を見てみると、過去最高をマークした平成18事務年度の57兆828億円と比べると37%も低い金額です。
 一方、法人税は赤字の場合発生しません。そこで、黒字申告割合を見てみると25.2%でした。これは前年度に比べて0.3ポイント減少していて、3年連続で過去最低となっています。つまり、一部の企業だけが儲かっているといえます。
 なお、東日本大震災の被害がもっとも大きかった岩手県、宮城県、福島県の3県の法人税の申告件数は、前年対比で91.0%でした。被災したにもかかわらず、多くの企業がまじめに法人税の申告をしていたわけです。また、会社のパソコンからインターネットを使って法人税の申告ができるe-Taxの利用件数は、平成22年度は150万9,000件で、前年度対比118.5%増加しています。

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各省庁が平成24年度税制改正要望。経産省は事業承継税制の適用要件緩和求める

2011年10月10日

各省庁から平成24年度税制改正要望が出揃いましたが、やはり注目されているのは経済産業省の税制改正要望です。自動車重量税と自動車取得税の全廃を求めるなど、またまた納税者にとってうれしい要求が目白押しとなっています。

 経済産業省が政府・与党に提出した平成24年度税制改正要望で、一番注目されているのが自動車重量税と自動車取得税の全廃です。
 自動車重量税とは、車検検査時と軽自動車の場合は保有届け時に課税される国税。例えば、車輌重量1t超から1.5t以下の自家用乗用車の場合、新車購入時には暫定的な上乗せ税を含むと総額4万5,000円が課税され、車検時には3万円(暫定的な上乗せ税を含む)が課税されることになっています。
 一方、自動車取得税は、取得価額が50万円を超える自動車の取得時に課税される地方税です。自動車を購入する際に支払った実際に金額ではなく、車種・グレード・仕様ごとに定められた基準額に、新車時からの経過年数に応じた残価率を乗じた金額が課される仕組みになっています。
 また、同省の税制改正要望の中で目新しいものというと、再生可能エネルギーの普及・拡大のための税制措置です。再生可能エネルギー発電設備の早期の導入促進を図るため、「グリーン投資減税」について再生可能エネルギー発電設備に限り、現行の特別償却(30%)を、初年度即時償却(取得価額の全額(100%))ができることを求めています。
 さらに、中小企業の多くが歓迎しているのが非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度の見直しです。同制度は別名「事業承継税制」と呼ばれているもので、後継者が相続により取得した自社株について80%の相続税が納税を猶予されるという制度です。これについて同省では、「相続税・贈与税の申告期限から5年間、雇用の8割以上を維持すること」という要件について、雇用は5割以上に引き下げることや、後継者の要件となっている「先代経営者の親族であること」という要件の撤廃を求めています。

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第3次補正予算が閣議決定。所得税は4%、法人税は10%を時限措置として増税

2011年10月10日

10月7日、平成23年度第3次補正予算及び復興財源の基本的方針が閣議決定されました。総額約12兆円の補正予算を計上するとともに、取り沙汰されていた増税メニューも盛り込まれています。

 今回閣議決定された平成23年度第3次補正予算及び復興財源の基本的方針の中にある増税メニューは、「今後10年間を基本としつつ、財源確保額については、2兆円程度を想定し、時限的な税制措置を講じる」と抽象的な表現に止められています。
 これは、民主党がまとめた税制措置について、今後与野党との協議を経て取り決めることになっているからです。そこで、その民主党のまとめた税制措置を見てみると、所得税と法人税、たばこ税について時限的な措置として増税を行う内容となっています。
 具体的には、所得税については所得税付加税として平成25年1月から10年間、年4%の税率で課税するとともに、個人住民税の均等割りについては平成26年6月から5年間、年500円引き上げるとされています。法人税については、平成24年4月から3年間、10%の税率で法人付加税が設けられます。さらに、たばこ税ですが、国税についてはたばこ臨時特別税(1円/本)とし、地方たばこ税(1円/本)と合わせて平成24年10月から10年間(地方たばこ税は5年間)1本あたり計2円の増税を予定しています。

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国税庁が民間企業の勤務経験者などを対象とした中途採用試験を実施

2011年10月03日

国家公務員としては珍しい、いわゆる中途採用を国税庁が実施します。社会人経験7年以上の有能な人材約40名を東京国税局と関東信越国税局の職員として募集することにしています。

 今回、国税庁が職員として募集するのは、大学卒業後、民間企業や官公庁などに従事した職務経験の年数が、今年10月1日現在で通算して7年以上の人です。転職経験のある人については、勤務した期間が6ヵ月以上のものを通算年数に含めることになっています。
 採用者数は東京国税局の職員が約30名、関東信越国税局が約10名です。求める人材について国税庁では「国税庁の業務を含む公務全般に対する強い関心と全体の奉仕者としての熱意を有する人材で、特に次の職務経験等を有する者を積極的に評価します」として、「法人等の財務又は経理に関する職務」や「金融機関等における貸付け等に関する職務」、「税理士・公認会計士等の業務の補助の職務」、「日商簿記2級以上の資格を持つ人や税理士試験における税法(国税)に属する科目のうち1科目以上の合格者」などを掲げています。応募受付期間は、10月13日11時から10月28日14時までで、インターネットによるエントリーのみで受け付ける予定。郵送等による申込はしないので注意が必要です。
 こうした国家公務員の中途採用は、政府が平成18年度から実施しているもので、人事院が各府省の民間人材の採用の募集や能力実証の一部を担う「経験者採用システム」として一括運用しているものです。平成24年度からは、これが本格的な採用試験として位置付けられ、民間企業において有能な勤務経験を有する人を係長以上のポストで採用することになっています。

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横浜市の企業立地等助成金に対して東京国税局が「法人税課税しません」

2011年10月03日

横浜市が平成21年度から実施している「企業立地等助成金」について、このほど東京国税局が法人税の課税を行わないことを横浜市に対して通知しました。

 横浜市では、平成21年4月から平成24年3月31日まで「企業立地等助成金」の受付を行っています。企業立地等助成金とは、横浜駅周辺やみなとみらい21地域などに民間企業の本社を誘致し、市民雇用の増大や市内企業の事業機会の拡大を図ることを目的として横浜市が実施している助成制度です。
 誘致する民間企業は、同市が指定した地域内に事業所を賃借して本社等を設置することや、本社の従業者数が100人以上の規模になること、経常利益を一定額以上(1億円以上)計上していることなどの要件を満たしている法人です。横浜市では、企業立地等助成金について、企業立地促進条例を制定しているものの、「道府県民税及び市町村民税の減免」という意味合いで助成金を支払っていることをその条例の条文などで表示していないため、補助金などに法人税を課税しないことを定めている国税庁の取扱い通達(法人税基本通達9−5−4)に該当するかどうかを東京国税局に問い合わせていました。
 その問い合わせで横浜市は、企業立地等助成金の算定について「助成金交付を受けようとする法人の交付申請時を含む事業年度の直前事業年度に係る市民税法人税割額の納付額に相当する金額を用いることにしている」と説明。具体的には、新たに設置した本社の従業員数が全社員に占める割合を市民税法人税割額に乗じたものを助成金算定基準額として、その基準額の約半額を助成することになっていることを解説していました。
 この問い合わせに対して、このほど東京国税局は「照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません」と回答しました。

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