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国債利払いが平成32年度には消費税率8%の歳入相当になる―日本総研が試算

2011年09月26日

(株)三井住友フィナンシャルグループのシンクタンク(株)日本総合研究所が「わが国の国債発行と財政運営の先行きをどうみるか」と題するレポートを発表しました。それによると国債利払いは、平成32年度に消費税率8%分の歳入相当に達するとしています。

 同レポートは、財務省が公表した『国債整理基金の資金繰り状況等に関する仮定計算』を基に、10年国債の金利を変化させた場合の今後の利払費を試算したものです。
 同仮定計算では、国債の利払費は今後、増加ペースを強め、3年後の平成26年度には14〜15兆円(22年度対比で2倍弱)、6年後の29年度には17〜20兆円(同2.2〜2.6倍)に到達するとしています。
 そこで、これを基に同研究所は、10年債金利を変化させた場合の今後の利払費の見通しを立てました。まず、財務省による『仮定計算』について、平成27年度以降、次の前提で歳出・歳入を概算し、次に「差額」を算出しています。
(1)基礎的財政収支の対象経費のうち、「社会保障費」は年率+3%の伸びを維持
(2)「地方交付税等」および「その他」は、平成26年度と同額(前年比±0%)を維持
(3)税収弾性値は1.1とみなし、税収の伸びは+1.65%、+3.3%
(4)国債費は、『仮定計算』における「定率・差減額繰入等」と「利払費」の合計値をそのまま用いた
 計算の結果、平成32年度時点での「差額」が、約18兆円〜21兆円拡大するという数値が出ました。同研究所では「これは、平成32年度時点で、18〜21兆円規模の増税(消費税増税であれば、約7〜8%ポイントの引き上げに相当)、もしくは歳出削減(社会保障支出半減か、地方交付税全廃レベルに相当)が行われていることに相当する」としています。

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タックス☆スペースUENOの来場者が1万人を突破

2011年09月26日

9月20日、東京上野税務署(台東区)内にある全国唯一の税金学習施設「タックス☆スペースUENO」の来場者が、累計で1万人を突破しました。

 タックス☆スペースUENOの1万人目を超える来場者となったのは、台東区立忍岡中と世田谷区立芦花中の2年生8人です。当日、藤岡龍男署長が認定書や記念品を彼らに贈呈しました。
 同施設は、平成15年6月にオープン。東京国税局管内の児童・生徒をはじめ、全国の修学旅行中の生徒や大学生、社会人など多くの人が来場し、「税の学習」や「税務署見学」を行ってきています。
 未来の納税者である小・中学校の児童・生徒たちに租税の意義や役割を正しく理解してもらい、社会の構成員として社会のあり方を主体的に考えてもらおうという主旨で同施設は設置されました。来場者には、様々なカリキュラムが用意されているわけですが、社会人については、租税教室のみ行われていて、体験学習や税務署見学などは実施されていません。利用人数は、少人数から1クラス単位(40名程度)まで可能で、利用時間は、平日(月曜日から金曜日)の午前9時から午後5時までとなっています。問い合わせは、電話03-3821-9001(代表、内線361または362)で受け付けています。

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地震保険加入者が全住宅所有者数の25%を超える―国税庁の民間給与調査

2011年09月19日

国税庁が、平成22年分の民間給与実態統計調査の結果を公表しました。その結果からは、地震保険の加入者数が住宅を所有している全世帯の25%に達したことが分かります。

 今回の民間給与実態統計調査によると、平成22年12月31日現在の給与所得者数は、5,415万人(対前年比0.5%増、27万人の増加)となりました。また、平成22年中に民間の事業所が支払った給与の総額は194兆3,722億円(同1.0%増、1兆8,980億円の増加)で、源泉徴収した所得税額は7兆5,009億円(同0.9%減、697億円の減少)でした。
 一方、民間の事業所に1年を通じて勤務した給与所得者数は、4,552万人(対前年比1.0%増、46万人の増加)でした。これを男女別に見てみると、男性が2,729万人(同0.3%増、9万人の増加)で、女性は1,823万人(同2.1%増、37万人の増加)といった具合です。
 平均給与は、412万円(対前年比1.5%増、6万1千円の増加)で、男性が507万円、女性は269万円となっています。平均給与の内訳は、平均給料・手当が354万円(同1.2%増、4万2千円の増加。男性434万円、女性235万円)で、平均賞与は58万円(同3.6%増、2万円の増加。男性74万円、女性34万円)でした。
 注目したいのは地震保険料控除の適用者数です。東日本大震災の影響で地震保険の加入者数がクローズアップされていますが、今回の調査結果では、同保険料控除の適用人員は648万9千人(前年分625万8千人)でした。総務省統計局の平成20年住宅・土地統計調査で持ち家に居住しているのは2,582万世帯ですから、地震保険加入者がようやく住宅所有者の25%を超えたことになります。

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自動車ユーザーの97%が「自動車税は重い」―JAFがアンケート調査

2011年09月19日

自動車ユーザーの97%に「重税感」―、一般社団法人日本自動車連盟(JAF、田中節夫会長)が、今年7月21日から同8月31日(水)にかけて実施した「自動車税制に関するアンケート調査」の結果を公表しまた。

 同アンケート調査は、自動車ユーザーが現行の自動車税制について、どのように考えているかを把握するためにJAFがホームページ上で行ったもので、18歳以上の自動車保有者8266人が回答しています。
 集計の結果、回答者の97%が自動車にかかる税金を負担と感じていました。
国の財政が厳しいという理由から本来の約2倍もの税率(旧暫定税率)が「当分の間」として維持されていることについても、回答者の89%が反対を表明。しかも、道路特定財源の一般財源化により課税根拠を喪失した自動車重量税は、回答者の87%が「廃止すべき」としています。
 さらに、9割近い回答者が二重課税やTax on Taxなど、不合理な税体系の是正を望んでいます。
 一方、現行の自動車税制は、給与水準の低い地方ほど大きな負担を強いる形となっていますが、それを国の財政状況が厳しいとして維持している政府に対して、回答者の85%が「自動車関係諸税を軽減し、必要な財源はその趣旨に応じて別途検討すべき」だと考えていることも分かりました。

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税制改革の指揮者に五十嵐氏が再任。果たして財源問題解決できるのか?

2011年09月12日

衆参両院の本会議で第95代首相に野田佳彦氏が指名されましたが、このほど、今後の税制改革を担う税制担当の財務省副大臣に五十嵐文彦氏が再任されました。

 970兆円を超える国の借金返済と、およそ13兆円に上るといわれる東日本大震災の復興財源を捻出しなければならない実質的な指揮者に五十嵐文彦氏が就任しました。五十嵐氏は、これまでも財務副大臣として、また、政府税制調査会の企画委主査として財務省主税局内の考えや政府税調委員の意見を調整し、昨年12月には平成23年度税制改正大綱をまとめあげ、今年6月に固まった社会保障と税の一体改革案では、政府と与党との間に立って詰めの作業を行ったことで知られる人物です。今回も五十嵐氏は引き続き政府税制調査会の企画委主査を務めることになっています。
 果たして、日本政府が抱える重要課題のひとつである財源問題が解決できるのか、今後の財務省内や政府税制調査会での采配が注目されるところですが、副大臣の再任に当たり財務省内で行われた定例記者会見で五十嵐氏は「税担当にまたなりましたけれども、大変きつい職場で、低福祉・高負担の職場だなと。おめでとうと言われたけど、刑期の延長をされた受刑者みたいな気分でございますが、1年しっかり頑張っていきたいと思っております」と発言しています。

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今年度第1回目のインターネット公売始まる。宝石や小型船舶、外車に掘り出し物

2011年09月12日

国税庁が、平成23年度第1回インターネット公売をスタートさせました。今回は自動車や宝石などで珍しいものが出品されています。

 今回のインターネット公売を実施するのは、11国税局と30税務署です。そもそも公売は、国税の滞納者から差し押えた財産を強制的に売却する制度で、インターネット公売は、買受申込みなどの公売手続の一部について、インターネットを利用して行われることからそのように呼ばれるようになりました。
 国税庁が平成23年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定した楽天オークション株式会社が運営するオークションサイト(「官公庁オークション」)を利用して行われます。
 今回のインターネット公売で注目されているのは、金沢国税局が出品している見積価格31万円のカットサファイア、ダイヤモンド付リング(鑑別書付、ケース及び箱付)です。サファイアは2.47カラットで、周囲にあしらわれたダイヤモンドは0.511カラット、総重量6.97グラムの指輪で、リングサイズは13号です。また、沖縄国税事務所が出品している見積価格400万円の小型船舶(旅客船)も話題となっています。船名は旅客船イナーナで、総トン数16トン。登録年月日は平成15年4月21日です。最大搭載人数は旅客75人で、船員5人、その他乗船者3人を含め合計で83人となっています。さらに、名古屋国税局が出品している見積価額503万円の乗用車ジャガーXFも脚光を浴びています。初年度登録が2010年1月で、走行距離が4831kmしか走っていなくてこの価格は大変お得といえるでしょう。
 今回の公売は、参加申込期間が平成23年9月9日(金)13時から9月20日(火)17時までで、買受申込期間は、平成23年9月30日(金)13時から10月3日(月)13時。最高価申込者の決定日は平成23年10月5日(水)10時となっています。

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自動車関係諸税の簡素化・負担軽減で署名活動を開始―JAF

2011年09月05日

JAF(一般社団法人日本自動車連盟、会長=田中節夫氏)が、自動車関係諸税の簡素化・負担軽減に関する署名活動をスタートさせました。

 JAFでは、自動車関連団体で構成する自動車税制改革フォーラムなどと連携し、自動車関係諸税の簡素化・負担軽減に関する署名活動を、9月5日から開始しています。
 JAFによると「人々の生活に欠かせない自動車には、9種類もの複雑で重い税金がかけられており、特に、自動車の購入・保有段階(車体課税)に課せられている税は、欧米諸国と比較すると約2〜49倍と過重なものとなっています」として、国民の生活に大きな負担となっていることをデータとして紹介。
 また「地方では生活の足として、一世帯で複数台の自動車を持たざるを得ず、自動車に係る税金が大都市圏と比べて大きな負担となっています」と大都市と地方との間に税負担に格差があることも問題視しています。
 JAFでは、ホームページにインターネット署名サイトを設置するほか、各支部窓口やイベントなどで広く署名を呼び掛けていく予定です。そして、生活必需品であるクルマに課せられている複雑・過重な税負担の軽減や、二重課税など不合理な税体系の是正を求める意見を「国民の声」としてとりまとめて、政府・与党へ提出することにしています。

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増税に意欲的な新首相に注文。連合が独自の「税制改革基本大綱」PR

2011年09月05日

日本の新しい顔である野田佳彦首相の誕生に合わせて、民主党の支持団体の連合(日本労働組合総連合会、会長=古賀伸明氏)が、「第3次税制改革基本大綱」を改めてPRしています。

 「税制改革基本大綱」は、中長期的な視点から、連合の考える税制改革の理念と方向性をとりまとめたものです。第3次大綱は今年6月(第1次:1994年、第2次:2003年)に発表したもので、消費税偏重としないバランスのとれた税体系とすることや、累進性の強化などにより基幹税である所得税を再構築すること、税の所得再分配機能を強めること、地域による偏りが少なく安定的な地方税体系とすることなどを柱に税制抜本改革の全体像を提案しています。
 具体的に中身を見てみると、所得税では課税最低限の引き上げや給付つき税額控除の導入(勤労税額控除、消費税税額控除)、税率構造の見直し(段階的に5%程度引き上げ、新たなブラケット追加)などを要請。法人所得課税については、企業の社会的責任に見合った税・社会保険料を負担する(GDP比8.4%→1割程度まで引き上げ)ことが重要としています。
 消費税では、制度的欠陥を是正したうえで、少子高齢社会を支え合うための社会保障財源と位置づけ、消費税の引き上げは、将来に向けた社会保障制度の維持・強化のために全額充当するよう、消費税増税に意欲的な野田首相に注文をつける形となっています。
 注目したいのは、資産課税で、バブル経済以前の水準まで相続税を強化し、格差の拡大・固定化を是正するよう求めていることが識者の間で話題となっています。

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