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平成23年度税制改正法案の主要項目またも継続審議に

2011年06月27日

平成23年度の税制改正法案は、いまだに国会で成立していません。しかも、6月22日、政府・与党は平成23年度税制改正法案の主要項目の継続審議とし、期限切れとなる租税特別措置の適用期間をまたも延長させました。

 そもそも平成23年度税制改正法案は、今年1月25日に国会に提出されたのですが、参議院で与党よりも野党の議員数が上回る、いわゆるねじれ状態が影響していまだに成立していません。政府・与党は今年3月31日に期限切れとなる租税特別措置を3ヵ月間延長することを柱とする「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律」を国会で通して急場を凌いできました。
 しかし、その延長措置を講じた期間内に平成23年度税制改正法案が成立する見込みが立たなくなったことから、政府・与党は6月22日、「期限切れ租税特別措置の延長」、「政策税制の拡充」、「納税者利便の向上」、「課税の適正化」を図った「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」を成立させています。
 よって、23年度税制改正法案の中の、税制抜本改革の一環をなす改正項目については、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」として継続審議されることになりました。具体的には、個人所得課税については、給与所得控除の上限設定や特定支出控除の見直し、成年扶養控除の縮減が実現しておらず、そして、法人課税では、実効税率の5%引下げ(法人税率30%→25.5%)や中小法人に対する軽減税率の引下げ(18%→15%)などが継続審議となったほか、資産課税の相続税の基礎控除の引下げや税率構造の見直しも引き続き検討していく形になっています。

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個人事業者の消費税中間申告で国税庁が青森県と茨城県の納税者に注意

2011年06月27日

毎年8月末日は、個人事業者の消費税の中間申告が集中しますが、今年はとくに東日本大震災の影響でその申告期限が複雑になっているため、国税庁が注意を呼びかけています。

 原則として、前年(平成22年)の消費税の年税額が48万円を超える個人事業者は、消費税の中間申告を8月31日までに行わなければなりません。
 ただし、消費税の課税期間を3ヵ月または1ヵ月に短縮できる課税期間の特例制度を適用している個人事業者については、中間申告をする必要はありません。また、今年は東日本大震災の被災地となった岩手県、宮城県及び福島県に納税地を有している個人事業者については、消費税の中間申告と納付の期限が延長されています

 問題は、東日本大震災の被災地でも青森県と茨城県に納税地を有している個人事業者については、平成23年3月11日から平成23年7月28日までに到来するすべての国税の申告・納付の期限が、平成23年7月29日と定められたことです。そのため、この期間に申告期限が到来する消費税の中間申告については、平成23年7月29日までに申告・納付をしなければなりません。例えば、前年の消費税額が400万円超から4,800万円以下の事業者で、中間申告を年3回に設定している事業者は、本来ならば5月31日までに納めなければならなかった今年1月から3月分の消費税を7月29日までに納めなければならないわけです。

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地方法人特別税を即時廃止せよ―東京、愛知、大阪の3知事が国に共同要請

2011年06月20日

6月15日、 東京都の石原慎太郎知事と愛知県の大村秀章知事、大阪府の橋下徹知事が、「法人事業税の一部国税化の即時廃止に向けた緊急共同要請」を国に対して行いました。

 共同要請では、「法人事業税の一部国税化の暫定措置を即時に廃止し、地方税として復元すること」と「国と地方を通じた安定財源確保の観点から、地方消費税の拡充も含めた税制の抜本改革を行うこと」を求めています。
 法人事業税の一部国税化の暫定措置(地方法人特別税)とは、平成20年度税制改正で政府が創設したもので、地方税の法人事業税の一部を分離して国税化し、地方法人特別譲与税として人口と従業者数を計算の基礎にして国が都道府県に財源を再分配するという制度です。再配分する税を地方法人特別譲与税と呼ぶのですが、あくまでも財政が逼迫している道府県に配分されることになっているため、財政が豊かな東京都などの大都市にとっては、地方財源を横取りされた格好になっています。
 地方法人特別税の創設に際して、国は東京都などに「平成23年度末までに消費税を含む抜本的な税制改革において、偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置である」と説明していたことから、石原都知事らは今回の緊急共同要請を国に行ったのでした。
 今回の要請にあたり石原都知事は「暫定措置撤廃により回復する税収によって、首都東京の防災力強化への取組を更に加速させていく」などとするコメントを発表しています。

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相続税の脱税告発件数が過去10年間で最高をマーク―22年度マルサ白書

2011年06月20日

今年3月31日までの1年間(平成22年度)に全国の国税局査察部が着手した脱税調査の結果、いわゆるマルサ白書を国税庁が取りまとめました。それによると相続税の脱税告発件数が過去10年間で最高となっています。

 国税庁の発表によると、全国の国税局マルサが査察に着手した件数は196件(前年度213件)でしたが、前年度からの持ち越し分も含め検察庁へ告発するかどうかを検討した事案は全部で216件(同210件)でした。そして、そのうち検察庁に告発した件数は156件(同149件)で、告発率は72.2%となり前年度(71.0%)を上回っています。
 告発した事案を税目別に見てみると、一番多かったのが法人税の90件で、二番目が所得税の36件、三番目が消費税の19件でした。目立ったのは相続税の9件で、過去10年間で最高の件数となっています。
 脱税額を見てみると、総額は248億円(前年度290億円)で、そのうち告発分は213億円(同255億円)と件数が減った分、金額も落ちています。なお、告発した事案1件当たりの脱税額は、平均で1億3,700万円(同1億7,100万円)でした。
 告発の多かった業種・取引について国税庁では、「昨年度に引き続き、都市部における地価高騰の影響を受けた不動産業のほか、建設業、運送業の告発が多く見受けられた。そして、特色として、技能習得を目的とした外国人研修生を日本企業へ斡旋する“外国人研修生受入事業”や過払金返還請求等の債務整理業務を行う認定司法書士の告発などがあった」としています。

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国の社会保障と税の一体改革の議論に都知事が怒りのコメントを発表

2011年06月13日

政府・与党がいま、社会保障と税の一体改革をめぐって、6月20日の成案決定を目指して詰めの議論を行なっていますが、6月8日、東京都の石原慎太郎知事がそれに対して怒りのコメントを発表しました。

 石原都知事は、6月2日に与党の「社会保障改革に関する集中検討会議」が提示した消費税率の引上げを含む「社会保障改革案」に対して「国の財政のことしか考えていない全く不当なものだ」としています。
 赤字続きの国の財政事情を考慮し、都知事は消費税率の引上げに対して「当然である」としながらも、今後、少子・高齢化の波で社会保障の負担が増えていくのは「地方も同じ」と社会保障の現場を担っている地方の実情を強く訴えています。にもかかわらず、与党が示した改革案は「地方が現場を担っている実態を全く考慮していない」と都知事は怒りをあらわにしたのです。
 現行の消費税制度は、税率5%のうち1%は地方消費税とされています。与党が示した「社会保障改革案」には、その地方消費税の拡充について触れていないのです。そればかりか「議論の前提であるべき法人事業税の暫定措置の撤廃については、全く触れられていない」として、地方税のひとつである法人事業税を国が吸い上げている暫定措置について、見直す方針が示されていないことに驚いているのです。都知事は「かつて国は、この不合理な措置を『税制の抜本改革までの暫定措置』と断言していたが、今後更に継続を目論むとすれば、これは明らかな約束違反だ」としました。
 そして、都知事は「本気で税制の抜本改革を進めるなら、国はこれまでの経緯もしっかり踏まえ、まずは暫定措置を直ちに撤廃し、消費税はもとより、地方消費税も拡充すべきである」とコメントを結んでいます。

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国税庁に「国税局電話相談センターの民間委託は税理士法違反」との声

2011年06月13日

国税局が電話で受け付けている税務相談業務を国税庁が民間業者に委託することに対し、税理士法に抵触するのではないかとする声が寄せられていることが分かりました。

 国税庁では、東京国税局電話相談センターと関東信越国税局電話相談センターの相談業務のうち、オペレーターによる対応が可能な業務について、平成23年11月から、民間に業務委託することにしています。これについて、国税庁がパブリックコメントとして事前に国民に意見を募集。その結果がこのほど公表されました。
 その意見の中に、税理士の専権事項とされている「税務相談」を民間事業者に開放することになるのではないか、と危惧する声があったのです。
 具体的には、「『委託業務遂行に必要な税知識及び税務相談体制等に関する知識を習得させるための研修』を実施とあるが、オペレーターが実施要項18頁記載の委託内容から逸脱して『税務相談』に応じることのないよう実施要項に記載されたい」としています。
 これに対して国税庁は「委託業務の内容は、実施要項18頁別紙3に記載のとおりであり、いずれも税理士法第2条に規定する『税務相談』には該当しません。このため、税理士法第52条の問題は生じず、入札参加資格を税理士又は税理士法人に限定する必要はありません」と回答。しかし、「御意見を踏まえて、受託事業者の責務等について『本委託業務に従事する者は、税理士法(昭和26年法律第237号)第2条第1項第3号に規定する税務相談を行わないこと』を追加するとともに、受託事業者には、締結された契約に定められた委託業務内容を適正かつ確実に実施するよう指示を徹底します」とその意見に配慮しています。

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国税庁が被災地の青森県と茨城県について国税の申告・納付の期限延長措置を解除

2011年06月06日

このほど国税庁が、東日本大震災の被災地のうち青森県と茨城県について国税の申告・納付等の期限の延長措置を解除し、申告・納付等の期限の期日を今年7月29日としました。

 国税庁では、今年3月11日の東日本大震災の発生に伴い、3月15日付けで青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県について国税に関する申告・納付等の期限の延長を告示しました。そして、同告示には「3月11日以降に到来する、延長する期限については、別途国税庁告示で定める」としていました。
 今回、青森県と茨城県について国税庁は、被災後の復旧状況などから「別途国税庁告示で定める期日」を定めても問題ないと判断。同期日について、平成23年7月29日としました。
 ただし、両県内にもいまだに国税を申告・納付できる状態に至っていない納税者もいることから、国税庁では「今回指定した期日以降においても、東日本大震災による災害等により申告等ができない場合は、個別に所轄税務署長に申請して、期限の延長措置を受けることができる」としています。
 なお、国税の申告・納付等の延長期限の期日が平成23年7月29日に定められたことに伴い、青森県及び茨城県の納税者が所得税と消費税(個人事業者)の申告の際に振替納税を選択した場合の振替日については、今年8月31日とされているので注意が必要です。また、東日本大震災で被災した人が、災害復旧に必要な資金を金融機関から借入れるために納税証明書の交付を受ける場合、交付手数料は無料となっています。

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東日本大震災の被災者のうち160万人が3月末までに確定申告をしていた

2011年06月06日

東日本大震災の被災者のうち約160万人が、平成22年度分の所得税・個人消費税・贈与税の確定申告を3月末日までに行っていたことがわかりました。国税庁がこのほど公表した「平成22年分の所得税、個人事業者の消費税及び贈与税の確定申告状況」で明らかにしています。

 税制の年度改正は、予算関連法案として毎年3月31日の年度末までに国会で成立するのが通常でした。しかし、参議院で与党の勢力が野党よりも弱いねじれ現象が生じているため、平成23年度税制改正関連法案については、いまだ国会を通過していません。
 国税庁がまとめた「平成22年分の所得税、個人事業者の消費税及び贈与税の確定申告状況」によると、「東日本大震災により青森県、岩手県、宮城県、福島県及び茨城県の5県については、国税の申告・納付等の期限が延長されているが、今回の資料においては、これらの地域の申告事績を含めて取りまとめている」としています。
 そして、その被災地5県の申告状況について「平成23年3月末日現在の所得税の確定申告書を提出した人員は、約160万人(対前年比約89%)となっていた」ことを紹介。被災者の多くが日頃から“早期申告”に努めていたことがわかるデータと言えます。
 ちなみに、今回の国税庁が公表した同確定申告状況を見てみると、平成22年分の所得税の確定申告書を提出した人員は2,315万人で、平成21年分(2,367万4千人)より52万4千人(▲2.2%)減少し、2年連続で減少しています。そして、確定申告書を提出した人員のうち、申告納税額のあるもの(納税人員)は702万1千人(対前年比▲2.2%)で、その所得金額は34兆6,958億円(同▲2.0%)、申告納税額は2兆2,431億円(▲1.3%)となっています。
 さらに、事業所得者について見てみると、納税人員は142万9千人(同▲2.9%)で、所得金額は5兆6,346億円(同▲1.5%)、申告納税額は4,873億円(同+0.4%)といった状況です。また、今回は還付申告者が6年ぶりに減少した点も特徴のひとつです。平成21年分の1,299万3千人よりも32万人少ない1,267万3千人(対前年比▲2.5%)が還付申告を行っていて、これは平成16年分以来の前年割れとなっています。

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