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平成23年度税制改正法案について野田財務相が「会期末までに国会を通す」

2011年05月30日

昨年12月に政府・与党が取りまとめた平成23年度税制改正大綱に基づく、いわゆる税制の年度改正について、野田佳彦財務大臣が6月末までに国会で成立させる決意を表明しました。

 税制の年度改正は、予算関連法案として毎年3月31日の年度末までに国会で成立するのが通常でした。しかし、参議院で与党の勢力が野党よりも弱いねじれ現象が生じているため、平成23年度税制改正関連法案については、いまだ国会を通過していません。
 平成23年度予算案については、参議院で野党側の反対多数で否決されたものの、憲法上の衆議院の優越規定により、年度内に成立しています。ところが、平成23年度税制改正関連法案については、ねじれ現象の影響で年度内に成立する見通しが立たないことから、今年3月10日の時点で現行の子ども手当を6カ月、税制改正法案のうち3月末に効力が切れる租税特別措置を3カ月、それぞれ延長する「つなぎ法案」を国会に提出する方針を政府・与党が発表。そのつなぎ法案は、3月31日に「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成23年法律第12号)」として成立し、現在に至っています。
 したがって、平成23年度税制改正法案と特例公債法案を政府・与党は、会期末となる6月22日までに国会を通過させなければならないわけです。5月24日に財務省内で行われた定例記者会見で野田財務大臣は「3党合意にも税制の改革、特例公債法、これらが触れられているので、各党で真摯な検討が今進められていると思います。それらを踏まえて適切に対応していきたいと思うし、一日も早く成立をさせたいというのが私の思いです」と強い口調で語りました。

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日本経団連が東日本大震災の被災地復興プラン発表。大胆な税制優遇求める

2011年05月30日

大企業を中心とする国内1600の企業・団体が構成員の日本経団連が、5月27日、東日本大震災からの復興に向けた「復興・創生マスタープラン」を発表しました。

 同マスタープランで日本経団連は、被災地全域を「震災復興特区」に指定し、「思い切った税・財政や金融、規制上の支援措置が不可欠」としています。同時に政策の迅速な実現のため、「司令塔」となる組織の早急な設置を求めました。
 産業政策については、「単に震災前の状態に戻すのではなく」「同地域がわが国産業を牽引できるよう新たな視点で復興策を考えていくことが不可欠である」とし、そのためには「震災復興特区」のもとで、「税、予算、規制改革など政策運営を行っていくとともに、道州制を視野に入れた広域の産業政策の実施」を提言しています。
 具体的には、法人税や固定資産税の減免で企業集積を図るほか、被災者の住宅購入にかかる消費税の非課税化、住宅や家電のエコポイント制度の拡充などを要望。東日本の中心産業である農林水産業の復興では、「複合経営体として企業的農業経営を行う民間事業主体を確立」「大規模・先進的経営を実践」することなどを示し、企業の参入を促す仕組みを整えることを求めました。
 日本経団連は、このマスタープランを発表する前日の26日に総会を開き、「国難を乗り越え『新たな日本』を創造する」との決議を採択。その中で「社会保障と税・財政の一体改革の実現は急務」であることと、「震災復興の財源確保を含め、中長期的な財政健全化の現実的な道筋を明らかにしつつ、子供から高齢者まで国民全員が安心して暮せる社会を実現するために、社会保障の機能強化や効率化・合理化に早急に取り組むことを引き続き政府に求めていく」との考えを表明しています。

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震災被災地で活躍しているバイク隊に自動車重量税の減免措置を

2011年05月23日

東日本大震災の被災者救援に大活躍しているバイク隊に税金の優遇措置を求める声が高まっています。四輪車に設けられているエコカー減税やグリーン税制に似たような減税措置が二輪車にはないからです。

 エコカー減税やグリーン税制により、環境にやさしい四輪車を所有する人は、自動車重量税が減額や免除されることになっています。ところが、二輪車を所有する大震災の被災者や二輪車で被災者救援に活躍している人については、環境にやさしいことなど関係なしに原則通りに課税が行われているのです。税制改正により2010年4月1日から、排気量251CC以上の小型二輪車の重量税は1台当たり4,400円となっていて、減額措置などありません。
 被災者救援のために全国から駆け付けているバイク隊と呼ばれるボランティアのことを思い、いま被災者らからバイク隊の人にも税の優遇措置を設けるべきだとする声が聞かれます。また、税理士などの税の専門家からは「同じ重量税が課税される四輪車と二輪車で、片方には減税措置があり、片方には無いというのは課税の公平性を欠く」と指摘されています。
 こうした要望を受け、国土交通省では「現在、財務省と震災被災者関連の特例として優遇措置を設ける方向で検討しているところです」としています。

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東日本大震災の影響で倒産した会社が100社を突破―帝国データバンク調べ

2011年05月23日

民間の信用情報調査会社の(株)帝国データバンクが「東日本大震災関連倒産」の動向調査 (5月17日時点速報)の結果を公表しました。それによると、大震災による企業倒産件数は、累計で100社を突破したとしています。

 帝国データバンクの調査結果によると「東日本大震災による直接、間接の影響を受けて倒産に至った企業は、5月17日時点で累計102社判明した」としています。この数字を知った被災地の地方自治体は、法人関連の税収が大幅に落ち込むことが確実になったことから、大きなショックを受けているところです。
 調査結果を詳しく見てみると、まず、地域別では、岩手、宮城、福島の3県が20社(19.6%)。震災の直接被害を受けた東北と関東以外でも、北海道で8社、北陸8社、中部9社、近畿5社、四国1社、九州で9社が倒産したとのことです。
 倒産パターン別では、「直接被害型」は13社(12.7%)でしたが、「間接被害型」が89社(87.3%)にのぼっています。間接被害型の中では、「得意先被災等による売上減少」が32社(31.4%)、「消費自粛のあおり」が26社(25.5%)でした。
 業種別では、「旅館・ホテル」(13社)が最も多かったとしています。次に多かったのが「機械・金属製造」(9社)で、三番目は「建設」(8社)でした。また、各種部品製造・販売、金型製造などの「自動車関連企業」が10社に達していて、ここにきて増加傾向を示しています。

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株式の公開買い付けで得た所得が配当所得でも譲渡損失との損益通算OK

2011年05月16日

株式の公開買付けに応じて、株式を売却して受け取った代金を配当所得として申告しなければならないケースでも、その株式を譲渡したときに発生した損失と配当所得とを損益通算できることを東京国税局が認めました。

 敵対的買収や株価の急激な下落を防止するために、上場企業が自己株式の公開買付けを行なうケースがよくありますが、その公開買い付けに投資家が応じた場合、受け取った買い取り代金は通常譲渡所得として申告します。
 しかし、株式の公開買付けを行なう上場企業の資本金がゼロ円以下の場合、税法上、買い取り代金は所得税の配当所得として投資家は申告しなければならないことになっています。そのため、金融商品取引業者の間で、譲渡所得の計算上必要となる取得価額がこの場合、消滅した形になるのか、といった疑問が持たれていました。
 このほど、ある金融商品取引業者が「上場会社の自己株式の公開買付けは、そもそも公開買付価格に相当する価値がある株式として取引が行われる上場株式の譲渡であることから、措置法第37条の10第3項第4号の規定により、当該株式に係る譲渡所得等の収入金額がゼロ円とされる場合であっても、当該上場会社の個人株主においては、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、当該株式の取得価額を取得費又は必要経費として控除することになる」との考えを示したことから、それを東京国税局が容認。
 同時に、株式の譲渡所得等の金額の計算上生じた譲渡損失について、上場株式等に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る)と損益通算ができ、しかも、損益通算してもなお控除しきれない譲渡損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、株式等に係る譲渡所得の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除できるという見解を示しました。

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震災被災者を対象に貸金業規則を緩和。借入れで必要な書類の提出期限変更

2011年05月16日

東日本大震災の被災者が、貸金業者から返済能力を超えない範囲で借入れを行う場合に、必要書類が用意できないために資金が借りられないとい状況が起こる可能性があることから、政府がこのほど貸金業法の規則を改正しました。

 まず、昨年6月にスタートした改正貸金業法に盛り込まれている総量規制(複数の消費者金融から借り入れできる限度額を年収の3分の1までとしたもの)に抵触する被災者について、貸金業者に対して領収書などの提出を義務付けていますが、これを不要としました。また、返済期間が「3ヵ月を超えないこと」としている要件を、「6ヵ月を超えないこと」としています。
 次に、希望借入額が自らの収入だけだと総量規制に抵触する被災者も、配偶者の年収を合算することにより基準を満たして希望する金額が借り入れできる人については、配偶者との身分関係を証明する住民票や戸籍抄本を融資実行後6ヵ月以内に提出すればよいとしました。
 また、極度額方式によるキャッシング(総量規制の枠内貸付け)の借入手続きについて、一定額以上利用した顧客は、源泉徴収票などの年収を証明する書面を貸金業者に2ヵ月以内に提出しなければならないことになっていますが、これについて被災者は、源泉徴収票などの入手が困難な状況にあることから「6ヵ月以内」に提出すればよいとしています。
 いずれの措置も、大震災の被災者を対象としていて、今年10月31日までの時限措置です。

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日税連が経産相に東日本大震災の被災者の電子証明書発行に特別な配慮を要望

2011年05月09日

国日本税理士会連合会(日税連、池田隼啓会長)が、4月21日に日本税理士政治連盟(山川巽会長)と連名で海江田万里経済産業大臣に「電子証明書の発行申請に係る本人確認に関する緊急要望書」を提出したことを明らかにしました。

 国税庁の電子申告・納税システム(e‐Tax)を使って個人が国税の申告や各種申請・届出を行う場合、申告データなどに電子署名を付与するとともに、電子証明書を添付して送信する必要があります。
 ところが、3月11日に発生した東日本大震災の被災地では、市町村役場などが壊滅的な被害を受け、電子証明書を発行する際に必要な戸籍や住民票に関するデータを損壊してしまっているところが少なくありません。
 認証機関が電子証明書を新たに発行するときや再発行するときには、利用申込者に対して住民票の写し、戸籍謄本、印鑑登録証明書などの提出を求めて、本人確認を行うことが法律で義務付けられています。
 しかし、被災地では、市町村役場自体が被災し、住民票などの本人確認書類の交付が受けられないという状況にある地域があるわけです。日税連によると「e‐Taxを利用したくても電子証明書の発行に必要な書類が準備できず、電子証明書の発行申請ができないという事例が発生している」といいます。
 そこで、日税連と日本税理士政治連盟は、電子証明書の利用申込者の真偽を確認するための書類の交付が被災した市町村役場から受けられない人についても、電子証明書が発行される特別な配慮を行うことを経産相に対して求めたわけです。

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今年から法人税の中間申告用紙が税務署から送られて来ません!

2011年05月09日

国税庁が国税庁の電子申告・納税システム(e‐Tax)を利用している中小企業に対して、法人税の予定申告書用紙の送付を取りやめたことを再度アナウンスしています。

 法人税の予定申告とは、通常、中間申告と呼ばれるもので、期首から6ヵ月間を1事業年度とみなして仮決算を行い、その利益または損失に基づいて所得金額および法人税額を計算して申告しなければならないと規定されているものです。この中間申告を期限内に行えるよう、これまでは同申告書用紙を毎年税務署が、対象となる企業全てに郵送してきました。
 しかし、ここ数年でe-Taxを利用する企業が急増したことから、国税庁ではメッセージボックスに格納する「法人税予定申告のお知らせ」から法人税予定申告書の様式をパソコン画面に表示させて、それを申告に使えるようにしました。同時に、行政経費を削減するため、平成23年4月以降に送付対象となる平成23年9月決算法人から、法人税の予定申告書用紙の送付を取りやめたわけです。
 よって、e-Taxを利用している場合は、「法人税予定申告」及び「消費税及び地方消費税中間申告」のお知らせが新規に利用者本人のメッセージボックスに格納されます。これについて国税庁では「国税庁のe-Taxソフトを使用されている場合には、平成23年1月以降、当該お知らせ内容から『法人名』、『納付すべき税額』等の欄が初期表示された中間申告等の作成画面に移り、簡便な操作で作成・送信することが可能となっています」としています。ただし、送付を取りやめたのはあくまでも法人税予定申告書用紙の送付であって、消費税中間申告用紙については、メッセージボックスに「申告のお知らせ」が送信される企業についても、引き続き送付されます。

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今年も5月末にe-Taxの利用可能な時間帯を拡大します―国税庁

2011年05月02日

国税庁が今年も、法人税の申告が1年間で一番集中する5月末日に、国税の電子申告・納付システム(e-Tax)の利用時間を拡大する予定です。

 e-Taxは、自宅や会社のパソコンを使ってインターネットを通じて国税の申告や納付、各種手続きが利用できる便利なシステムです。法人税の申告については、今年の3月末までの1年間で約150万件が利用しています。
 特に、毎年5月下旬は、全国約250万件の企業の3分の1を占める3月決算法人の申告が集中することから、e-Taxの利用件数も一番多くなります。そこで、国税庁では、今年5月27日金曜日から5月31日火曜日まで(5月29日日曜日を除く)の4日間について、通常ならば午前8時30分から午後9時までの利用時間を1時間30分拡大し、午前8時30分から午後10時30分まで利用できるようにする予定です。
 ただし、電子納税と各種手数料の納付については、e-Taxが利用可能な時間帯であっても、納税者が利用している金融機関のシステム(インターネットバンキングやATMなど)が稼動していなければ使えません。また、国税庁では「当初予定したe-Taxの利用可能な時間内においても、機器のメンテナンスなどにより、予告なくシステムの利用が停止、休止、中断又は制限される場合がありますので、必ず、利用する際には運転状況をご確認ください」としています。

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震災特例法が施行。国税庁が被災者に「ぜひともパンフレットの活用を」

2011年05月02日

東日本大震災の被災者の負担軽減を図るため、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(震災特例法)が国会で成立、4月27日に施行されました。これを受け国税庁が同特例法の内容についてPR活動をスタートさせました。

 震災特例法のPRについて国税庁では、ホームページをフル活用していますが、被災者の多くがパソコンを使えない状況にあることから、パンフレットなどの紙ベースの印刷物の活用も訴えています。
 特に、パンフレットについては、震災特例法をはじめ、既存の税制や国税庁の取扱い通達などに規定されている優遇措置に関する情報を掲載していることから、国税庁では「各手続きの際には、最寄りの税務署までお問い合わせください」としています。
 そのパンフレットの中身については、例えば、事業用資産や棚卸資産を津波などで失った個人事業者に対して「その損失額を平成22年分の事業所得の金額等の計算上、必要経費に算入することができます。この場合において、平成21年分から青色申告をしている方は、平成22年分の所得において純損失が生じたときは、事業用資産の震災損失も含めて、平成21年分の所得に繰り戻して所得税の還付請求をすることができます」といった具合にわかりやすく解説しています。

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