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税務署を相手取って戦う納税者。平成21年度の勝訴率はわずか5%

2010年06月28日

今年3月31日までの1年間に税務署が行った課税処分に対して納税者から提起された不服申立てと訴訟の状況を国税庁がまとめました。訴訟で納税者が勝訴する割合は半減しています。

まず、税務署が行った課税処分に対して納税者が最初に不服を申し立てる異議申立てについてですが、平成21年度の発生件数は4,795件でした。相続税・贈与税、徴収関係に係る事案が増加し、一方で申告所得税、源泉所得税、法人税、消費税に係る事案が減少しました。そして、その異議申立てについて税務署が平成21年度に行った処理件数は4,997件でした。納税者の主張が何らかの形で受け入れられたものは591件(一部取消し525件、全部取消し66件)で、その割合は11.8%(前年度8.8%)となっています。
次に、異議申立ての判定に不服がある納税者が、国税不服審判所に提起する審査請求についてですが、平成21年度の発生件数は3,254件でした。これについては、申告所得税、相続税・贈与税に係る事案が減少し、法人税や消費税、徴収関係に係る事案が増加しています。全国の審判所が平成21年度に処理した審査請求の件数は2,593件でした。そのうち納税者の主張が何らかの形で受け入れられたものは384件(一部取消し241件、全部取消し143件)で、その割合は14.8%(前年度14.7%)となっています。
注目の訴訟の状況ですが、平成21年度の終結件数は320件で、このうち、国側が一部敗訴または全部敗訴したものは16件(一部敗訴8件、全部敗訴8件)でした。納税者が勝訴する割合は5.0%(前年度10.7%)となっています。

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7月1日に相続税の路線価公表。全国的に下落して土地の物納も増える

2010年06月28日

来る7月1日木曜日、国税庁が相続税・贈与税の土地などの評価に用いる平成22年分の路線価を公表します。今年も国土交通省が発表した地価公示価格が下落傾向を示したことから路線価も全国的に下落するとみられています。

路線価は毎年1月1日を評価時点とし、国土交通省が発表する地価公示価格や売買実例価額、不動産鑑定士による鑑定評価価額などを基に決定されます。したがって、7月1日に公表される路線価は、今年3月に国土交通省が発表した地価公示価格が大きく影響するといわれています。
今年の地価公示価格は、3月18日に国土交通省が発表しました。それによると平成22年1月1日時点の公示地価は、全国平均(全用途)で前年比マイナス4.6%下落しています。前年と比較できる全国2万7,410ヵ所の調査地点のうち、地価が上昇したのはわずか7地点でした。
土地の用途別に見てみると、全国の住宅地が前年比マイナス4.2%(昨年マイナス3.2%)で昭和58年の水準にまで下落し、商業地はマイナス6.1%(同マイナス4.7%)でこちらも調査開始以来最低となりました。住宅地・商業地ともに2年連続ですべての都道府県でマイナスとなったわけです。
特に三大都市圏においては、住宅地がマイナス4.5%(同マイナス3.5%)、商業地がマイナス7.1%(同マイナス5.4%)とともに下落幅が大きく、地方圏(住宅地マイナス3.5%、商業地マイナス5.3%)を上回る下落率を示しています。これにより、路線価も下落傾向を示した場合は、相続税の物納が増えることが予測されます。というのも相続税の申告は10カ月以内とされていて、相続開始時点の高価な評価額で相続した土地を国が買い取ってくれる形になるからです。

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倉庫内の廃タイヤの中に裏帳簿隠す―国税庁が21年度マルサ白書を公表

2010年06月21日

巨額の脱税犯を取り締まる全国の国税局査察部、いわゆるマルサの平成21年度の査察調査の結果(マルサ白書)を国税庁が公表しました。それによると前年度よりも査察件数が2件増えて213件となっています。

全国のマルサが平成21年度に査察に着手した件数は213件(前年度211件)で、そのうち検察庁へ告発するかどうかを検討したのは210件(同208件)でした。最終的に検察庁に告発した件数は149件(同153件)となり、告発率は71.0%(同73.6%)となっています。
脱税額は、総額で290億円(同351億円)でしたが、そのうち告発分は255億円(同249億円)となっています。告発した事案1件当たりの脱税額は、平均で1億7,100万円(同1億6,300万円)でこちらも前年より増えています。
告発した事案を税目別に見てみると、法人税が84件(同97件)で一番多く、総脱税額は152億円にのぼりました。2番目は所得税の36件(同40件)で総脱税額54億円でした。3番目は消費税の18件(同12件)で総脱税額20億円となっています。
告発した事案を業種や取引別に見てみると、都市部で地価が高騰したことから不動産業や建設業が目立ち、不動産譲渡で得た利益を隠すケースが多かった模様です。また、前年度に引き続き、鉄くず関連業が好況だったことから鉱物・金属材料卸でも売上げを隠すケースが多く見受けられました。
脱税によって得た不正資金の隠匿場所ですが、現金を倉庫内に置かれたスチール缶や工作機械の隙間に置かれた段ボール箱の中に隠したり、倉庫内に重ねて置かれたタイヤの中に裏帳簿を隠していたケースがありました。また、居宅内に置かれた菓子箱に現金を入れていたり、預金通帳をタンスに収納された衣服内にもぐらせていたケースなどもありました。

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新築住宅の販売会社が加入する瑕疵担保責任保険の税務処理明らかに

2010年06月21日

住宅の購入時に契約をしなければならない瑕疵担保責任保険について、それを販売する保険会社サイドの税の取扱いが明らかになりました。従来の損害保険とまったく同じ取扱いになっています。

今回の瑕疵担保責任保険の保険会社サイドの税の取扱いについては、国土交通省住宅局が国税庁に問い合わせていたものです。瑕疵担保責任とは、住宅などを購入したときに欠陥やキズがあった場合、売り主が買い主に対して負う責任のことです。新築住宅の建設業者や販売会社は、昨年10月1日から10年間の瑕疵担保責任を確保するため、保証金を供託するか、あるいは住宅建設瑕疵担保責任保険契約を結ぶことが義務付けられました。これにより住宅建設瑕疵担保責任保険というものが誕生し、国土交通大臣が指定した保険会社が同保険商品を販売することになったのです。
問題は、その保険商品が新しい商品であることから販売(引受けを行う)する保険会社サイドの各事業年度における住宅瑕疵担保責任保険契約に係る所得計算の際の税務処理が不透明だったことです。
結論としては、国土交通省が示した「住宅瑕疵担保責任保険契約は、損害保険会社が引受けを行うものと同様に損害賠償責任保険契約の一つであり、これに対して計上を求められる普通責任準備金並びに普通支払備金及びIBNR備金の金額についても、行政庁の指導監督の下、損害保険会社が引受けを行う損害賠償責任保険契約に対して計上を求められるこれらの準備金と同様の計算により算出される金額であると認められる。保険法人においても、普通責任準備金並びに普通支払備金及びIBNR備金については、損害保険会社の所得計算に係る取扱いである損保通達により認められた計算方法を準用して、各事業年度の所得計算を行う」とする見解を国税庁が容認しました。

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OB税理士の退職前顧客開拓にダメ出し。国税庁が内部職員を諌める

2010年06月14日

税務署の職員が税理士として第二の人生を謳歌するために、退職間際に税務調査先などに対して顧問契約を事前にとりつける行為をこのほど国税庁が厳しく諌めました。

税理士法では、第42条で「 国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となったものは、離職後1年間は、その離職前1年内に占めていた職の所掌に属すべき事件について税理士業務を行ってはならない」と規定しています。にもかかわらず、税務署を退職する一部の職員が密かに在職中に調査先などにつばをつけて、自分が退職したら顧問契約を結ぶ約束を取り付けるケースが取り沙汰されていました。
そこで、国税庁は「職員が退職時の地位や縁故を利用して退職後の顧客等の開拓を図るなどといったことは、税理士業界の秩序に少なからぬ混乱を招くほか、本人の在職中の公務の執行について社会一般から無用の疑念を持たれかねない」などとして職員らに警告を発しました。具体的には、6月9日付の総務課情報という形で全国の税務署に流されているもので、税理士法第42条の細かな取り扱いが示されています。
例えば、同規定の適用対象者について「税務署の退職職員のほか、国税不服審判所や税務大学校の退職職員で税理士となった者も対象となる 」としていて、同規定に抵触する事件については、「税理士法人に従事する社員税理士や補助税理士、又は税理士事務所(開業税理士)に従事する補助税理士は、その従事する税理士法人又は開業税理士が依頼を受けた場合であっても、税理士業務を行うことはできない」などとしています。
納税者サイドで注意しなければならないのは、「業務制限の基本的な範囲」です。例えば、署長の場合は、在職中の税務署管内の全納税者が制限の対象となっているので、元税務署長を名乗る人に税務代理を依頼するときには、よく調べたうえで顧問契約を結ばなければ税理士法違反の片棒を担いでしまう恐れがあるわけです。

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会計参与制度の普及イマイチ。日税連が法制審で明かす

2010年06月14日

4年前にスタートした新会社法で、鳴り物入りで登場した会計参与制度が、中小企業の間であまり利用されていない実態が明らかになりました。日本税理士会連合会が法務省法制審議会の会社法制部会で発表したものです。

会計参与は、税理士などが会計の専門家として取締役と同じ立場で責任を負い、中小企業の内部機関として機能することにより、外部からは見えない問題点を発見するとともに、計算関係書類作成に付随して企業経営の問題点を改善するための有用で信頼性の高い情報を提供して、企業経営を正しい方向に導くことが職務とされています。
ところが、日本税理士会連合会の杉下清次会計参与普及推進特別委員長が、今年5月26日に開かれた法制審議会の会社法制部会(部会長=岩原紳作東京大学教授)で説明した「会計参与の現状と役割」によると、会計参与制度の普及が芳しくない状況があります。
同説明では、会計参与に就任する際に必要な税理士資格証明書の発行件数が、平成22年4月末日現在で1,810件しかなく、同年4月末時点までの直近2年間について見てみると、同証明書の発行件数は759 件、発行人数は303 人といった状況が語られました。普及の伸び悩みの一因として「会計参与に係る報酬を支払う余裕のある中小企業は依然少ないと思われる」といった現状が報告されています。そして、日税連としては「普及推進のために、関係官庁や金融機関などと連携し、インセンティブ措置の創設などを検討する必要がある」ことや会計参与に就任した税理士を支援するための「相談窓口の設置や講師養成研修の継続実施」などを説明しました。

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措置法の適用額明細書の提出を。国税庁が中小企業に呼びかける

2010年06月07日

来年4月以後に事業年度が終了するすべての中小企業に、租税特別措置の「適用額明細書」の提出が義務付けられたことを国税庁が告知しています。

租税特別措置の適用額明細書の税務署への提出義務化は、今年3月に国会で成立した「租特透明化法」で定められたものです。租税特別措置に関し、その適用の状況の透明化を図るとともに、随時見直しを行いながら国民が納得できる公平で透明性の高い税制を確立して行くことを目的としています。
具体的に、適用額明細書とは、企業が法人税関係特別措置法の適用を受ける場合に、国税庁が用意した一覧表形式の用紙に同法の条項や適用額などを記載し、法人税の確定申告書に添付して提出する書類のことです。法人税関係特別措置については、例えば「中小企業者等の法人税率の特例」や「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」といった法人税に関する租税特別措置のうち、税額又は所得の金額を減少させるもの(租特透明化法施行令第2条に列記)をいいます。
仮に、適用額明細書を確定申告書に添付しなかった場合や動明細書に虚偽の記載を行なった場合は、受けたい特別措置が適用できなくなることになっています。そのため、国税庁では「適用額明細書の添付もれ、または、適用額の記載誤り等があった場合には、できるだけ速やかに正しい同明細書の提出をお願いしたい」としています。
なお、この適用額明細書についても国税庁では、国税電子申告・納税システム(e −Tax)によって送信ができるようシステム開発を行っていく予定です。

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土壌汚染対策費用の税務がクローズアップ。模範は福岡国税局の回答

2010年06月07日

土壌汚染の原因物質が土地購入後に規制対象となった場合でも、売り主に除去費用を求めることができるとした二審東京高裁判決を、最高裁判所が破棄したことから、改めて土壌汚染対策費用の税務がクローズアップされています。

土壌汚染の原因物質が土地購入後に規制対象となった場合、売り主に除去費用を求めることができるかが争われた訴訟の上告審判決は6月1日、最高裁第3小法廷で下されました。最高裁が、売り主に約4億4,800万円の支払いを命じた二審東京高裁判決を破棄したことから、買い主である東京都足立区土地開発公社の逆転敗訴が確定。同時に、同公社がこれから負担する土壌汚染対策費用の税務に注目が集まっています。
模範となるのは、今年3月26日に福岡国税局が示した取り扱いです。20年以上前に農薬の製造を行っていた会社が同事業を廃止して、その工場跡地の一部を賃貸していたところ、平成19年にその工場跡地に隣接する工事現場で、基準値を超えるダイオキシン及び農薬類が検出され、その後の調査において工場跡地の土壌及び地下水も汚染されていることが確認されました。そこで、同社は、工場跡地の汚染土壌対策を講じる費用について、福岡国税局に文書で回答を求めたのでした。
それに対して福岡国税局は「遮水壁の埋設、汚染土壌の掘削除去、地盤補修、良質土による埋戻し及びアスファルト舗装に要する費用(以下、工事等に要する費用)については、修繕費に該当し、それぞれの工事の完了した日の属する弊社の事業年度において損金の額に算入する。汚染土壌に係る焼却処分の委託に要する費用(以下、焼却に要する費用)については修繕費に該当し、弊社の事業年度の期間中において受けた焼却処分という役務の提供に応じた委託費を、当該事業年度において損金の額に算入する」といった同社の意向を容認する形で税の取り扱いを示しています。

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