【平成30年度補正予算】2019年に受けられる中小企業の補助金まとめ

平成30年度補正予算による、中小企業に対する補助金の予算が決定しました。
今回は、2019年に中小企業が受けられる補助金のまとめとして、
・ものづくり補助金
・軽減税率対策補助金
・IT導入補助金
・小規模事業者持続化補助金
の4つをご紹介します。

なお、2019年3月20日時点で公募が開始されているものは、「ものづくり補助金」と「軽減税率対策補助金」の2つです。
「小規模事業者持続化補助金」、「IT導入補助金」についてはあくまで予定として公開されている内容ですので、詳細については、正式な公募要項での確認をお願いいたします。

ものづくり補助金

中小企業・小規模事業者等が生産性を上げるために行った、「革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等」を支援する補助金です。
様々な業種において、生産性や品質を上げるための設備導入費用や、システム構築などの費用が対象になります。

予算額は、「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」、「小規模事業者持続化補助金」の3事業を合わせて、1,100億円で組まれています。
ものづくり補助金単独の予算は、そのうち800億円で、前年度から200億円の減少となりました。ちなみに「ものづくり補助金」の正式な事業名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」です。

平成30年度の公募要項はこちらからご覧いただけます。
https://www.chuokai.or.jp/hotinfo/30mh_koubo20190218.pdf

補助金の額

補助金の上限額には、1,000万円と500万円の2類型があります。
下限額は、いずれも100万円です。

補助上限額 対象経費 設備投資
一般型 1,000万円 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費 必須
小規模型 500万円 機械装置費、原材料費、技術導入費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費 必須でない

補助率は、一般型・小規模型ともに原則2分の1ですが、特定の要件下で3分の2になる場合があり、後述しています。

一般型と小規模型の違い

一般型は、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援します。
これに対し小規模型は、小規模な額で行われるものを対象とするもので、設備投資を伴わない試作品の開発などを含むことが特徴です。
つまり一般型は、上限額は高いのですが設備投資が要件となり、小規模型は、上限額は一般型の半分ですが、設備投資が必須でないという点に活用メリットがあります。

専門家活用でプラス30万円

スマートものづくり応援隊など、生産性向上に資する専門家の活用がある場合は、補助金の上限額に30万円上乗せできる可能性があります。

補助率の違い

補助率は、一般型・小規模型ともに原則は2分の1ですが、特定の要件下で3分の2に上がります。

・小規模型(上限500万円)の補助を小規模事業者が受ける場合
・先端設備等導入計画の認定を受けている場合
・経営革新計画の承認を取得した事業者が、一定の要件を満たす場合
など

公募期間

受付開始:2019年2月18日(月)
第一次募集締切:2019年2月23日(土)終了
第二次募集締切:2019年5月8日(水)採択発表は6月中を予定
(電子申請:2019年4月下旬〜5月10日(金)15時)

これから申請可能なのは、第二次募集となります。
なお、公募期間は、平成31年3月20日時点のものですので、必ず最新の情報を確認してください。

第二次募集が不利になることはない

今回のものづくり補助金では、公募を第一次、第二次の2回に分け、審査も2回に分けて行われます。
第一次審査では、第一次募集で応募のあった案件のうち、評価が特に高いものが先に採択され、それ以外の案件は、第二次募集の案件と同時に、第二次審査を受けることとなります。
ただし、第二次審査において、第一次募集と第二次募集で採択方法に差は設けられず、あとから応募した第二次募集が不利になるということはありません。

認定支援機関と連携して取り組むこと

ものづくり補助金は、申請する計画内容について、「認定支援機関」(※)から確認を受ける必要があります。
具体的には、認定支援機関の確認を受けて、その機関の代表者印をもらった「確認書」を、補助金の申請時に提出しなければなりません。
なお、専門家活用によるプラス30万円の対象に、認定支援機関の活用は含まれないので注意しましょう。

(※)
認定支援機関とは、国が認定する公的な支援機関のことです。
主な認定先は、商工会、商工会議所、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等になります。
平成31年2月28日時点における認定支援機関は、全国で32,852機関です。
中小企業庁HP「経営革新等支援機関認定一覧について」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kikan.htm

軽減税率対策補助金

2019年10月から実施される、消費税の軽減税率制度の影響を考慮して、中小企業・小規模事業者等のシステム改修などの費用を補助するものです。既に公募は開始されています。
正式な事業名称は、「中小企業消費税軽減税率対策事業」です。
ちなみに平成30年度補正予算の額は、560.6億円になります。

軽減税率が与える影響とは

そもそも軽減税率とは、消費税率が10%となる中、生活必需品である一部の商品については、現行の8%の税率を、引き続き適用するというものです。
8%の税率には、一定の食品・新聞代が該当します。
したがって、こうした商品を扱う事業では、複数の税率の販売・経理に対応できるシステムの導入が必要になります。

また、課税事業者にあっては、仕入税額控除の要件として、新たに「区分記載請求書等保存方式」という新しい記載要件を具備した書類の保存が必要です。
このため、課税事業者や、課税事業者と取引を行う免税事業者など多くの事業者は、請求書の作成方法を従来のものから変更しなければなりません。

対象事業の類型

補助金の対象となるものは、次の3つです。
・レジ導入の支援
・受発注システムの改修支援
・請求書作成システムの導入・改修支援

補助金の額

補助率 補助上限
レジ導入 原則4分の3
(3万円未満のレジ購入は5分の4)
・レジ1台あたり20万円
・券売機1台あたり20万円
商品マスタの設定が必要あればプラス20万円(上限40万円)
・1事業者あたり上限200万円
受発注システムの改修 原則4分の3 ・発注システム…1,000万円
・受注システム…150万円
請求書作成システムの導入・改修 原則4分の3 150万円

公募終了期間

2019年9月30日までです。
ただし、受発注システムの改修について、システム会社に改修を依頼する場合は、2019年6月28日までに事前申請が必要になります。

IT導入補助金

バックオフィス業務の効率化や、新たな顧客獲得など売上向上に資するITツールの導入費を補助するものです。
補助金の対象物はソフトウェアやシステムで、ハードは対象外になります。
会計ソフトの導入費用や、顧客情報を一元管理するクラウドシステムの導入費用などが対象になる予定です。
平成29年度補正予算での予算額は500億円でしたが、今回は100億円の予定とのことです。前年度から大きく減少する形となりました。
正式な事業名称は、「サービス等生産性向上IT導入支援事業」です。

補助金の額

補助上限額は450万円、下限額は40万円、補助率は2分の1です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の持続的な経営に向けて、販路開拓や生産性向上に取り組むことを支援するための補助金です。
対象は、商工会・商工会議所と一体となって行われる、販路拡大に資する取り組みです。
たとえばHPの作成、看板、チラシ作成、移動販売車・内装の階層などが対象になると予定されています。ちなみに正式な事業名称は、「小規模事業者持続的発展支援事業」です。

補助金の額

補助上限額は50万円、複数の事業者で行った共同設備投資の場合は500万円(50万円×事業者の数)、それぞれ補助率は3分の2になります。

まとめ

平成30年度補正予算によって、中小企業が受けられる補助金をまとめました。
補助金は、とにかく応募に必要な書類を揃えることが大変です。申請をお考えの方はなるべく早めに、信頼できる専門家に相談することが成功のカギです。

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