●日税連が「平成31年度税制改正に関する建議書」を公表

日本税理士会連合会(神津信一会長、日税連)がこのほど、平成30628日に開催した第1回理事会において「平成31年度税制改正に関する建議書」を決定したことを発表しました。今回も重要建議項目として、「消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持」を訴えています。

 

税務行政や租税、または、税理士に関する制度について、日税連は権限のある官公署に建議し、又は官公署の諮問に答申することができると税理士法に規定されていることから、その規定に基づいて「税制改正に関する建議書」を毎年とりまとめています。

建議書の中で、やはり重要建議事項がもっとも注目されるのですが、今回は「消費税における単一税率及び請求書等保存方式を維持すること」と「所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトを進めるとともに、基礎的な人的控除のあり方を見直すこと」、「償却資産に係る固定資産税制度を抜本的に見直すこと」の3点に絞られています。

中でも「消費税における単一税率及び請求書等保存方式を維持すること」については、201910月に消費税の税率が8%から10%へ引き上げられることがほぼ決まっていて、同時に軽減税率が導入されるとともに、いわゆるインボイス方式が2023101日から取り入れられることから俄然注目を集めています。

日税連はかねてより、軽減税率(複数税率)制度については、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること、逆進性対策として非効率であること、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となること等の理由から、単一税率制度の維持を強く主張してきました。そして、反対ばかりするのではなく、「低所得者への逆進性対策としては、例えば、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配付する方法や、一定額の簡素な給付措置などによる消費支出の負担軽減策等を検討すべきである」と訴えています