5年後に導入される消費税のインボイス制度の細かな取扱い判明

このほど国税庁が、5年後に導入される消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)の細かな取り扱いを解説したQ&Aを公表しました。複数税率に対応した仕入税額控除の新方式とあって、小売業を中心に多くの企業が強い関心を示しています。

 

今回のQ&Aで新たに明らかになったものがあります。それは問1「平成3510月1日から導入される『適格請求書等保存方式』の概要を教えてください」とする質問に対する回答で、「適格請求書発行事業者は登録制」になるとしている点です。

適格請求書等保存方式において、仕入税額控除を行うには、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存が義務づけられています。したがって、適格請求書を交付しようとする課税事業者は、納税地を所轄する税務署長にあらかじめ適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し「適格請求書発行事業者として登録する必要がある」とされています。

これは発行する適格請求書に、必ず登録番号を記載しなければならないことになっていて、その登録番号で適格請求書発行事業者であることを確認できる仕組みにしているからです。

また、適格請求書発行事業者は、相手方(消費税の課税事業者に限る)から適格請求書の交付を求められたときは、必ず適格請求書を交付しなければならないことになっています。しかし、事業の性質上、適格請求書を交付することが困難である取引があることも事実。よって、次の取引については、適格請求書の交付義務が免除されることも明らかにしています。

@    3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送

A    出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)

B    生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る)

C    3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等

D    郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)