●経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案に消費税率引き上げが明記
6月5日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案が政府から提示されました。原案には、消費税率を予定通り2019年10月に現行の8%から10%への引き上げることが明記されています。
「骨太の方針」の原案の冒頭、2024年には史上初めて50歳以上の人口が5割を超え「どの国も経験したことのない『2024年問題』を迎える」と記述されていて、急速に進む高齢化に危機感を表明しています。
そして、その難局を克服するため、歳出・歳入両面における少子高齢化対策が盛り込まれました。歳入については、消費税率8%から10%への引き上げを来年10月に予定通り実施し、「少子化対策や年金、医療、介護に対する安定的な財源を担保」すると明記。景気対策を実施して経済への悪影響を抑え「(消費税増税を)確実に実現できる経済環境を整備する」と強調しています。
その上で、少子高齢化に伴う人手不足の解消を目指し、公務員の定年の65歳への段階的な引き上げの検討や、外国からの人材の受け入れを拡大する新たな在留資格の創設などが盛り込まれました。
それに先立ち、景気対策など、新たな成長戦略も示しています。また、増税前後の景気対策として、住宅などの減税措置のほか、幼児教育無償化などの実施が盛り込まれています。
一方、財政健全化の指標となる基礎的財政収支の黒字化を、当初より5年先送りした2025年度としました。また、即戦力となる外国人労働者を幅広く受け入れるため、新たな在留資格を設ける方針も示されています。
政府はこの方針を与党との調整を経て、6月15日に閣議決定する予定です。