●名古屋市が独自政策の法人市民税5%減税を打ち切る
名古屋市の河村たかし市長は2月13日の定例記者会見で、看板政策の「市民税5%減税」について、法人市民税分を2019年度で打ち切ることを明らかにしました。国の法人実効税率引き下げを理由に挙げ、「減税を先導する役割は果たせた」としています。
名古屋市の市民税収は2018年度当初予算案で2,792億円です。そのうち中小企業などが納める法人市民税は2割強の647億円、個人市民税は8割弱の2,146億円を見込んでいます。
同市が法人市民税の減税をやめるのは、国が法人実効税率を段階的に引き下げていくことを決めたからだとしています。市民税5%減税を始めた前年の2011年度の国の法人税は39.54%でした。それが2018年度は29.74%に下がる予定です。河村市長は会見で「国の減税額は市の減税額とは比べものにならないほど大きいので、企業には理解してほしい」と訴えました。そして、「個人市民税の減税は続けるが、法人市民税の減税は止める」として同市は減税の条例改正案を市議会に提案することにしています。
法人税減税の廃止で生まれる財源は約34億円です。その半分を子ども支援などの重点政策に配分し、残る17億円を新設する「企業寄付促進特例税制」に割り当てることにしてます。
同特例税制は2019、20年度の2年間限りで、NPOや社会福祉法人などに年間5千円以上寄付をした法人の市民税を減額する。減額幅は寄付額の69%。河村市長は「頑張っているNPOほど資金面で苦労しているので、協力をお願いしたい」と寄付を呼びかけています。