●日本の国税の電子申告の普及状況は先進諸外国よりも大きく立ち遅れている

先進諸外国における税金の電子申告の実態がわかる資料を、このほど国税庁が明らかにしました。その資料からは、国税庁が電子申告の普及に躍起になっている理由を垣間見ることができます。

 

2018年度税制改正法案に大企業の法人税、地方法人税、消費税の電子申告を2020年度から義務化することが盛り込まれて、俄然、注目を浴びている国税の電子申告。まず、誰もが関心を寄せたのが税金の電子申告が先進諸外国では、どれだけ普及しているのかということでした。

じつは、その先進諸外国における税金の電子申告の普及状況がわかる資料が、今年1月24日に国税庁内で開催された第19回国税審議会に国税庁が提出していました。日本の場合、所得税の総申告件数に占める国税の電子申告(eTax)を使って申告された件数の割合は53.5%(平成28年度)ですが、その資料によると、所得税の電子申告の割合が一番高いのはオーストラリアで93%とされています。2番目に高いのはイギリスの85%、3番目がアメリカの83%となっています。

納税人口が日本の数倍あるアメリカが85%という割合は、いかに日本の電子申告の普及が立ち遅れているかがわかる数値です。

ちなみに、法人に対して電子申告を義務化している国についても、その資料で説明されています。具体的に義務化している国を見てみるとフランスとドイツ、イギリスで、いずれも全法人を対象に電子申告を義務化しています。