●台風などで自宅に住めなくなった場合でも住宅ローン控除は適用可能?

今年も全国各地で自然災害が発生しました。そのためか、災害に遭われた方々を中心に「災害により自宅に住めなくなった場合、その年の1231日まで住んでいなかったことから、その年分以降は住宅借入金等特別控除が適用できないのではないか」という疑問の声が出ています。

 

平成297月の九州北部豪雨は福岡県と大分県の合計で、住宅288棟が全壊しました。当然、全壊してしまうと住めなくなるわけですから、仮に、住宅ローンがまだ残っていたとすると、今年分以降、住宅借入金等特別控除が受けられなくなると思うものです。

 これについて、国税当局に聞いてみたところ「住宅借入金等特別控除の適用を受ける要件として、この控除を受ける年の1231日まで引き続き居住していることが必要とされていますが、平成2811日以後に、従前家屋が災害により居住の用に供することができなくなった場合において、居住年以後10年間(居住日が平成1311日から同年630日までの期間内である場合には15年間)の各年のうち、その居住の用に供することができなくなった日の属する年以後の各年(一定の場合に該当する年以後の各年を除く)は、租税特別措置法第41条第1項《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》に規定する適用年(居住日以後その年の1231日まで引き続き居住の用に供している年)とみなして、平成29年分以後の所得税について同項の規定を適用することができることとされています」と回答しました。

 したがって、災害で全壊した場合でも残った住宅にローンは住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるわけです。