●国税庁が質疑応答事例改訂―相続により取得した減価償却資産の耐用年数で見解

このほど、国税庁がホームページに掲載している質疑応答事例の改訂を行いました。新たに掲載された事例の中で注目されているのが「相続により取得した減価償却資産の耐用年数」に関する質問です。

 

新たに追加された質疑応答事例は所得税で2問、財産の評価では広大地の評価で11問と地籍の大きな宅地の評価で12問、法人税で6問、消費税で4問、印紙税で1問となっています。この中でまず、注目されているのが所得税の「相続により取得した減価償却資産の耐用年数」についての事例です。

質問の内容は「相続(限定承認を除きます。以下同じ。)により取得した賃貸用の建物(以下「本件資産」といいます。)を引き続き賃貸の用に供した場合に、本件資産の減価償却費の計算における耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」といいます。)第3条第1項《中古資産の耐用年数等》の中古資産に係る見積もりによる使用可能期間に基づく年数とすることができますか」としています。それに対し、「相続により取得した本件資産の減価償却費の計算における耐用年数は、耐用年数省令第3条第1項の中古資産に係る見積もりによる使用可能期間に基づく年数とすることはできません」と回答しています。

そして、この回答について「相続等により取得した資産について、所得税法施行令第126条第2項《減価償却資産の取得価額》の規定では、所得税法第601項《贈与等により取得した資産の取得費等》に規定する相続等により取得した資産が減価償却資産である場合の取得価額は、その減価償却資産を取得した者が引き続き所有していたものとみなした場合におけるその減価償却資産の取得価額に相当する金額とすることとされています。また、所得税法第601項の規定は、同項に規定する相続等によって取得した資産を譲渡した場合における譲渡所得等の金額の計算については、その取得をした者が引き続きその資産を所有していたものとみなすこととされています」と法的な根拠を提示。

それにより、「相続により取得した本件資産について、耐用年数省令第3条第1項の規定に基づき算出した年数により減価償却費を計算することはできず、被相続人から取得価額、耐用年数、経過年数及び未償却残高を引き継いで減価償却費を計算することになります」と結論付けています。