●ふるさと納税は抜本的に見直すべき―東京都税制調査会が答申
東京都税制調査会(東京都知事の諮問機関、池上岳彦会長)が平成29年度の答申を取りまとめました。それによると、「ふるさと納税は受益と負担との関係を歪める制度。抜本的に見直し、寄附の本 来の趣旨に沿った制度に改めるべき」と厳しく指摘しています。
今回の答申は「都民・国民の未来を切り開く税制改革の実現に向けて、中長期的な視点から提言」しています。
課税対象別に税制改革の方向性を示しているわけですが、まず、個人所得課税については「ふるさと納税」について「受益と負担との関係を歪める制度。抜本的に見直し、寄附の本来の趣旨に沿った制度に改めるべき」と要請。法人課税については、昨年度と同様に「地方法人税の創設及び拡大は、法人住民税が地方自治体の基幹税の一つであるという事実を無視するもの。地域間の偏在是正と財政力格差の縮小に向けては、地方税財源を拡充するとともに安定的な地方税体系を構築する方向がとられるべき」とする見直しを求めています。
消費課税については「地方消費税の清算基準の制度趣旨は、最終消費地と税収の最終的な帰属地を一致させること。清算基準の精緻化に向けて、統計で把握できる範囲と統計の比率を合わせて高めていくべき」として、清算基準はあくまでも税収を最終消費地に帰属させるためのものでなければならないと指摘。資産課税は「固定資産税に係る商業地等の負担調整措置が見直された場合、地価水準の高い大都 市圏への影響が極めて大きいことを踏まえると、条例減額制度の延長が今後も不可欠」と東京都ならではの事情に配慮を求めています。