●把握した所得漏れ金額の合計額が過去5年間で最高をマーク―28事務年度所得税調査

全国の国税局・税務署が今年6月までの1年間(平成28事務年度)で実施した所得税調査の状況を国税庁がまとめました。それによると把握した申告漏れ所得金額が過去5年間で最高額をマークしています。

 

国税局・税務署が実施する所得税調査には、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行なう特別調査と一般調査があります。また、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査(以下、実地により行う調査を総称して「実地調査」という)と、文書や電話、または来署依頼による面接で、申告漏れや計算誤りを是正する簡易な接触というものもあります。

今回の国税庁のまとめによると、実地調査の件数については、特別調査・一般調査が49千件(前事務年度48千件)、着眼調査が21千件(前事務年度18千件)で、簡易な接触は577千件(前事務年度584千件)でした。

これらの調査等の合計件数は647千件(前事務年度65万件)で、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は40万件(前事務年度396千件)となっています。

一方、申告漏れ所得金額の状況を見てみると、実地調査による申告漏れ所得金額は、全体で5,359億円(前事務年度5,243億円)で、そのうち特別調査・一般調査によるものは4,499億円(前事務年度4,522億円)、着眼調査によるものは860億円(前事務年度722億円)でした。特に、特別調査・一般調査によるものについては、過去5年間で最高額(平成24事務年度は3,894億円だった)をマークしました。

なお、簡易な接触によるものは3,525億円(前事務年度3,542億円)だったことから、調査等合計は8,884億円(前事務年度8,785億円)となっています。

ちなみに追徴税額の状況については、実地調査による追徴税額は、819億円(前事務年度798億円)で、簡易な接触による追徴税額が293億円(前事務年度277億円)、調査等合計は1,112億円(前事務年度1,074億円)となっています。