●経産省の調べで事業承継税制の利用状況の低さ判明
平成26年からの3年間で事業承継税制による相続税の納税猶予の適用前提となる認定は592件で、贈与税の納税猶予の適用前提となる認定件数を合わせても1150件だったことが、このほど経済産業省の調べでわかりました。
いま、中小企業経営者の高齢化が進んでいて、今後5年間で30万人以上の経営者が70歳(平均引退年齢)に達すると言われています。それにもかかわらず、半数以上が事業承継の準備を終えていないとされていて、このまま放置すると中小企業の廃業が相次ぎ地域経済に深刻な打撃を与える恐れがあることから、経済産業省では、平成30年度税制改正で事業承継税制の抜本的な見直しを行うよう財務省に要望しました。
その際、事業承継税制の利用状況を調べたわけですが、実態は想像以上に利用されていないことが判明しました。
具体的には、次のような状況となっています。
●平成28年
@相続税の納税猶予適用の前提となる認定:198件(推計の99件を含む)
A贈与税の納税猶予適用の前提となる認定:237件
●平成27年
@相続税の納税猶予適用の前提となる認定:243件
A贈与税の納税猶予適用の前提となる認定:274件
●平成26年
@相続税の納税猶予適用の前提となる認定:151件
A贈与税の納税猶予適用の前提となる認定:47件
ちなみに、平成27年中に亡くなられた人の中で相続税の課税対象となった被相続人の数は約10万3千人(平成26年約5万6千人)とされています。