●全国の法人の所得が過去最高をマーク―国税庁が28年度の法人税申告事績を発表

国税庁がこのほど、平成28事務年度に全国の税務署に申告された法人税と源泉徴収に係る所得税の事績を取りまとめました。それによると、法人の総所得金額は過去最高をマークしています。

 

今年331日までの1年間の事業年度で、しかも今年7月末までに申告があった(平成28年度)法人税の申告件数は2861千件で、その申告所得金額の総額は634,749億円でした。前年度に比べ19,388億円(3.2%)増加し、7年連続の増加となりました。しかも、その額は過去最高でした。

なお、申告税額の総額は112,372億円となっています。

黒字申告割合も33.2%と、前年度に比べ1.1ポイント上昇し、6年連続の上昇となったことから、安倍政権の経済対策アベノミクスの効果が一部現れた形になりました。

一方、源泉所得税について見てみると、今年630日までの1年間(平成28事務年度)に納付があった源泉所得税(復興特別所得税含む)の税額は17379億円で、前事務年度に比べ9,038億円(5.0%)減少し、7年ぶりの減少となりました。給与所得の税額は2,088億円(2.0%)増加したものの、配当所得の税額が7,056億円(15.3%)減少したことが大きく影響した模様です。

まさに、黒字企業が株主への配当を抑えて内部留保に走った形跡がうかがえるデータと言えます。