●税理士会が作った「2017研究開発税制Q&A」パンフレットを経済産業省が公表
経済産業省がホームページで「2017研究開発税制Q&A」パンフレットを公表しました。税理士会が作成したものとあって、中小零細企業の経営をベースにわかりやすく解説されています。
「2017研究開発税制Q&A」パンフレットは、沖縄税理士会調査研究部が執筆し、日本税理士会連合会調査研究部が監修したもので、平成29年度税制改正で拡充された研究開発税制を反映した解説書です。
そもそも 研究開発税制とは、青色申告法人の各事業年度に試験研究費が発生した場合、その総額のうち一定割合に相当する金額がその事業年度の法人税額から控除されるというものです。とくに、中小零細企業は「中小企業技術基盤強化税制」という優遇措置により、大きな税額控除が受けられる仕組みになっていて、その税額控除割合は12〜17%とされています。
同パンフレットの冒頭のはしがきで、「私たちは、本パンフレットの作成にあたって、できるだけ分かりやすい表現を目指し、図表を多用して明解な解説を心がけました」とされていますが、その片鱗をうかがわせるのが、 試験研究費の中に含めることができる人件費について解説している部分です。
「試験研究費に占める人件費の割合は高く、人件費の範囲をおさえることは重要です」としたうえで、人件費の範囲について「研究員に支給する@賃金・給与、諸手当、A賞与、B退職金、C法定福利費(健康保険法・雇用保険法等による事業主負担額)、D福利厚生費(医務、衛生、保険その他従業員の福利厚生の経費)―、が含まれる」としています。
さらに、「中小企業の場合、役員が試験研究プロジェクトの中心的な役割を果たすケースが少なくありません」としたうえで、役員に退職金を払うときには「在職期間中に研究員であった場合は、退職金の期間配分を行い、研究開発に専ら従事していた期間に相当する額だけを試験研究費に含めます。この場合は、単純な月割りの計算で差し支えありません」と解説しています。