●ビットコインに対する課税関係を国税庁がタックスアンサーで公開

国税庁が、ビットコインを使用することで生じた利益について「原則として雑所得に区分される」とし、所得税の課税対象になるとの見解を、このほど「タックスアンサー」に掲載しました。

 

インターネット上で取引や通貨発行が行われる分散型仮想通貨「ビットコイン」は、ネットワーク上で取引が行われるため、取引の仲介手数料が低く抑えられ、迅速に世界中のどこの誰とでも貨幣取引を行うことができることから、日本でも利用者が急増しています。

仮想通貨といえども、実際に損益が生じることから税金が係ることは間違いありません。

そこで、国税庁がホームページに搭載しているタックスアンサー(税務相談の自動回答システム)で明らかにしたその課税関係を見てみると、「ビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分される」としています。

したがって、同じ金融取引である上場株式と比較してみると、上場株式を売却して利益が出た場合には、申告分離課税となり税率は一律約20%になるが、ビットコインは雑所得に区分されるため累進課税が適用され、高所得者の場合は最高税率の45%が適用される可能性があるわけです。

また、上場株式の売買により発生した損失は、将来3年間に渡って繰り越すことができますが、ビットコインは雑所得に区分されるため、発生した損失の将来への繰り越しは認められず、将来ビットコインで利益が発生したとしても過去の損失と相殺することはできません。