●広大地の相続税評価の改正内容明らかに。新たに規模格差補正率を導入
昨年12月8日に公表された「平成29年度税制改正大綱」(与党大綱)において「相続税等の財産評価の適正化」として広大地補正の見直しが指摘されましたが、このほど、その改正内容が明らかになりました。
広大地とは、面積が1,000u以上(三大都市圏では500u)の宅地で、戸建て分譲を行う場合に道路等の負担が必要となる宅地のことです。現行の広大地の相続税評価額は路線価×地積×広大地補正率で算出することになっていて、土地の間口や奥行、不整形といった土地の形状を加味せず、面積だけで評価額を算出する形になっています。
したがって、土地の形状が加味されていないことから、正方形や長方形といったきれいな形の広大地であっても、三角形や台形などの不整形な土地や無道路の広大地と面積が同じならば評価額も同額になってしまうという不公平な評価が行われているわけです。
そこで、今回の改正に至ったわけですが、具体的には、「財産評価基本通達14−2((地区))の定めにより普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地域に所在するものの価額は、同通達15((奥行価格補正))から前項までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式により求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する」とされました。
次の算式とは、(地積規模の大きな宅地の地積×Ⓑ+Ⓒ)÷地積規模の大きな宅地の地積×0.8のことで、「Ⓑ」及び「Ⓒ」は、地積規模の大きな宅地が所在する地域に応じて、それぞれの数値が財産評価基本通達20−2に新たに定められました。
なお、この改正内容について、国税庁では電子政府の総合窓口e−Govにおいて7月21日までパブリックコメントを募集しています。