●国税庁が文書回答の運営指針を改正。複数の選択肢がある相談を排除

このほど、国税庁が「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の一部改正を行いました。納税者の事前紹介(事前相談)に対して国税局が文書回答を行う相談事項の範囲を改正しています。

 

 日本の税制は複雑で分かりにくいものばかりです。そのため、国税庁は課税に対する納税者の予測可能性の向上に役立ててもらうため、納税者からの個別事情に関する事前照会に対して、一定の要件に該当しない限り、文書による回答を行っています。

 その一定の要件については、国税庁が「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)に定めているわけですが、このほど、この事務運営指針が一部改正されました。

 事務運営指針に定められている「文書回答を行う対象となる事前照会の範囲」について改正されています。具体的には、「(3)仮定の事実関係や複数の選択肢がある事実関係に基づくものではなく、実際に行われた取引等又は将来行う予定の取引等で個別具体的な資料の提出が可能なものに係る事前照会であること。(注)「複数の選択肢がある事実関係に基づくものではなく」とは、一つの照会文書において前提としている事実関係が複数ではなく一つであることをいう」とされていたものが、次のように改正されています。

「(3)実際に行われた取引等又は将来行う予定の取引等で個別具体的な資料の提出が可能なものに係る事前照会であること。(注)「将来行う予定の取引等」に係る事前照会には、照会の前提とする事実関係について選択肢があるものは含まれないことに留意する」