●近畿4府県が「個人住民税の特別徴収の一斉指定に向けた共同アピール」を採択
5月24日に大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県の4府県が「個人住民税の特別徴収の一斉指定に向けた共同アピール」を採択しました。事業主が従業員の給与から個人住民税を天引きする特別徴収を徹底していくとしています。
近畿4府県がこのほど採択した「個人住民税の特別徴収の一斉指定に向けた共同アピール」は、個人住民税の特別徴収を行う者として事業主を指定することを義務づけている地方税法の規定(地方税法第321条の4)の周知徹底を訴えたものです。
個人住民税の特別徴収は、従業員が住む市町村ごとに納付しなければならないため、会社側にとっては事務量がそれだけ煩雑になります。専任の経理担当者がいない場合や、従業員の出入りの多い中小零細企業の場合は対応に苦慮していて、特別徴収は敬遠されがちです。やりたくないという地元事業者に市町村側も強く出られず、特別徴収義務者の指定をせずにいるケースもあります。こうして従業員が自分で住民税を納める普通徴収を、多くの自治体が事実上容認してきたわけです。
近畿地方の自治体(大阪府、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県)も例外ではなかったことから、昨年10月26日に「個人住民税の特別徴収推進に関する近畿府県共同アピール」を採択。大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県は、対象となる事業者や納税者に対してさらなる周知を図るため、今年5月24日に「個人住民税の特別徴収の一斉指定に向けた共同アピール」を採択(4府県で同時発表)しました。
4府県は、「特別徴収制度は、従業員が個々に納税のために金融機関等へ行く手間が省け、納め忘れがなくなるなど、従業員にとっても便利な制度です。さらに、普通徴収の納期が年4回であるのに対し、特別徴収は年12回での支払いのため、従業員の1回あたりの負担が少なくて済みます」と個人のメリットをPRするとともに、事業主(給与支払者)には、「所得税のように、税額の計算や年末調整をする手間はかかりません」などと訴えています。