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大阪のアピール「事業主すべてを個人住民税の特別徴収義務者に指定」が脚光浴びる

2015年10月26日

今年9月18日に大阪府が府内の市町村と一緒になって採択した「オール大阪共同アピール」が注目を集めています。同アピールの内容が「平成30年度から府内市町村が、原則として、事業主すべてを特別徴収義務者に指定し、個人住民税の特別徴収を徹底する」としているからです。

 個人住民税の納付方法には、事業主が給与を支払う際に天引きして納める特別徴収と、個人が市町村から送られてきた納付書を使って金融機関などで納める普通徴収との2通りがあります。普通徴収の場合、納税のために金融機関等へ出向かなければならず、年4回に分けて納付することから、納付書を紛失したり納め忘れたりするケースが少なくありません。
 ところが、特別徴収だと事業主が従業員の個人住民税をまとめて納付することから、普通徴収の場合のような面倒な作業やトラブルが起こることはまずあり得ません。ただ、特別徴収は年12回に分けて納付することになっているため、事業主の事務負担の増加という問題があります。これについて大阪府では「所得税のように、税額の計算や年末調整をする手間はかかりません」と説明しています。
 なお、個人住民税の特別徴収については、地方税法で「各市町村は所得税の源泉徴収義務者を特別徴収義務者に指定して個人住民税を徴収させなければならない」とされています。この法律に則って、大阪府と府内市町村はオール大阪共同アピールを採択したわけです。具体的には「大阪府及び府内全43市町村は、平成30年度から、原則として、法定要件に該当する事業主すべてを特別徴収義務者に指定し、個人住民税の給与からの特別徴収(給与から差し引き)を徹底します」としています。
 また、共同アピールを採択した経緯については「大阪府及び府内市町村では、これまで関係団体や事業主への周知活動を行うなど、連携して特別徴収の推進に取り組んできましたが、未だ特別徴収を実施していない事業主もいます」と語っています。

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平成26年分の国外財産調書。提出人数がまたまた増えて8,184人に

2015年10月26日

国税庁が、平成26年分の国外財産調書の提出状況をまとめました。それによると、総提出件数・総財産額はともに前年度を上回り約2600件増えています。

 国外財産調書の提出する制度は、その年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年3月15日までにその財産の種類、数量及び価額などを記載した「国外財産調書」を、税務署長に提出しなければならないとされているものです。
 この調書についてこのほど国税庁が今年7月までの1年間のものをまとめたわけですが、国外財産調書の総提出件数は8,184件で、その総財産額は3兆1,150億円となり、国外財産調書提出制度が開始された平成25年度と比べると、それぞれ2,645件、6,008億円増加しました。
 申告された財産の種類別総額では、有価証券が1兆6,845億円で最多となりましたが、構成比で見ると有価証券は前年度の62.1%から54.1%に低下し、それ以外の預貯金、建物、土地、貸付金等の構成比がいずれも上昇しました。中でも、預貯金と建物について2%前後増えた点が注目されます。
 国外財産調書提出制度については、海外にある相続財産の申告漏れが深刻化する中で、国外財産の保有状況を正確に把握するため平成26年1月より導入されたものです。
 調書不提出や虚偽記載には罰則が課されることとなっていますが、国税庁では「制度開始初年度については制度の周知期間確保の観点から罰則の適用がなかったことを考慮すると、今回の提出件数の増加は僅かなものであり、未だ多くの提出すべき人が提出していない状況にある」と見ています。

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国税庁が「登記上の本店所在地と実態が異なる場合でも法人番号をお届けします」

2015年10月19日

10月22日からマイナンバー制度によって指定される法人番号の通知が始まりますが、このほど、国税庁が「登記上の本店所在地と実態が異なる場合、郵便局の転居・転送サービスを利用することができる」とする取り扱いを新たに整備しました。同庁ホームページ上の「法人番号に関するFAQ」に掲載しています。

 法人番号は、マイナンバー制度に則って13ケタの番号が、すべての企業や団体に対して国税庁から通知されるもので、国税庁では基本的に登記上の本店所在地にその通知書を郵送することにしています。
 しかし、企業の中には商取引や公的許認可の関係で実質上の本店機能を有する事務所などの住所が登記上の本店所在地と異なる場合もないわけではありません。特に本店を移転して間もない会社などは、登記上の本店所在地を変更している最中というケースもあり得るわけです。
 そこで、国税庁はこのほど「登記上の本店所在地と実態が異なる場合、郵便局の転居・転送サービスを利用することができる」とする取り扱いを新たに設けました。国税庁では、「登記上の本店所在地と実態が異なる場合、通知書は、登記上の本店所在地へ送付されますので、通知書が届かない場合も考えられます。通知書の送付は、転送不要となっていませんので、郵便局における転居・転送サービスをご利用いただくことにより通知書を転送することも可能です」と説明しています。また、「法人番号指定通知書が届かない場合には、個別に対応させていただく必要がありますので、法人番号管理室(電話0570-033-161)までご連絡ください」としています。
 マイナンバー制度では、個人だけが付番されるのではなく法人にも番号がつけられます。そして、その番号の利用範囲は、個人については社会保障、税、災害対策の分野に限定されていますが、法人については利用範囲の制約がなく、基本3情報とされる「商号又は名称」、「本店又は主たる事務所の所在地」及び「法人番号」まで国税庁によって公表されることになっています。

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「本当に障がい者専用なの?」東京都が自動車税減免申請で調査票を提出要請

2015年10月19日

東京都が都民に対して「自動車税の減免措置を受けている場合には更新申立書を提出して下さい」と呼びかけています。この呼びかけは、障がい者専用車を装って自動車税の減免を適用する不正を防止する観点から行われているものです。

 自動車税は自動車を所有する人に対して課税される地方税ですが、一定の要件を満たす自動車については同税が減額・免除されることになっています。
 一定の要件を満たす自動車とは、身体障がい者等のために専ら使用する自動車や社会福祉など公益のために直接使用する自動車、車いすの昇降装置など障がい者の利用のために改造した自動車などとされていて、同時に、障がいの程度や使用目的、自動車の所有者と障がい者が同一生計であることなどといった要件も満たす必要があります。
 さらに、障がい者の障がいの程度については、例えば、下肢不自由ならば1級から6級までが適用対象とされていて、肝臓機能障害ならば1級から4級までの人が適用できることになっています。そうした障がい者が使用する2500CC以下の自動車ならば自動車税がゼロ円となるわけです。
 ところが、この障がい者のための優遇措置を悪用する人が少なくありません。悪用例としては、家族の中に障がい者がいる場合、その障がい者専用として自動車を購入し、自動車税の減免申請をしたうえで、健常者の息子や娘がいつも通勤や通学に使っているというケースが多いといわれています。
 そうした不正を防止するため、東京都では自動車税の減免申請を行っている人に対して更新申立書の提出を義務づけているわけです。東京都では「毎年適用要件を満たしているかどうかを確認するため、更新申立書と呼ばれる調査票を提出しなければならないこととなっており、この提出がなかった場合には来年度の減免が受けられなくなることになります」と注意を呼びかけています。

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マイナンバー制度スタートで総務省が来年の所得税確定申告期について警告

2015年10月13日

総務省が個人番号カードの交付申請のタイミングに対して注意を呼びかけています。住民基本台帳カードではなく、新たに個人番号カードを使って、e-Tax(国税の電子申告システム)を利用して来年の所得税と個人事業者の消費税の確定申告を行う場合に、支障が出る可能性があるとしています。

 e-Taxを使って税務署に国税の各種申告を行う場合、電子認証機関が発行する住民基本台帳カードなどのICカードに格納されている電子証明書が必要です。しかし、住民基本台帳カードについては、今年12月末をもって各市区町村は交付を終了し、来年1月からマイナンバー制度上の個人番号カードに切り替えて交付することになっていて、電子証明書もその個人番号カードに標準的に格納されることになっています。
 ただし、「個人番号カード」の交付開始以前に発行された住民基本台帳カードに格納された電子証明書は、その有効期間内(発行の日から起算して3年間)であれば継続して使用することができます。
 こうしたマイナンバー制度の導入時に発生することが考えられるトラブルとして、総務省では「個人番号カードの交付申請については、今年10月から可能だが、申請が集中した場合、カードの作成に時間を要し、市区町村窓口における交付が遅れる可能性がある」として注意を呼びかけています。
 例えば、現行の住民基本台帳カードに搭載された電子証明書が本年12月中に有効期間満了で失効する人が、個人番号カードに搭載されている電子証明書で確定申告を行おうとして個人番号カードの交付申請を行った場合、マイナンバー制度開始当初に交付申請が集中することが予測されることから、場合によっては確定申告を行う期間に交付が受けられない恐れがあるわけです。
 というのも、今年10月から個人に郵送されるマイナンバーは紙製の通知カードに記載されていて、身分証明書としては使えません。よって、任意で住所地の市区町村へ出向いて個人番号カードに切り換えることで、その個人番号カードが運転免許証などと同じように身分証明書として使えるようになるからです。
 なお、総務省では「個人番号カードの交付開始に伴い、本年12月23日以降は住民基本台帳カードに搭載される電子証明書の発行及び更新はできなくなる。現行の住民基本台帳カードに搭載される電子証明書の更新を希望する方は、本年12月22日までに、市町村の窓口で手続きをしてください」としています。

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法人税の申告所得金額の総額が過去最高に。アベノミクス効果クッキリ

2015年10月13日

国税庁が、平成26年度の法人税等の申告・課税状況についてまとめました。法人税の申告所得金額の総額が過去最高となるなど、アベノミクスの効果が表れています。

 国税庁の調べによると、平成26年度の法人税の申告件数は279万4千件(前年度比約2万3千件増)で、その申告所得金額の総額は58兆4,433億円(同9.7ポイント増)、申告税額の総額は11兆1,694億円(同2.1ポイント増)でした。
 申告所得金額、申告税額についてはともに5年連続増加となり、特に申告所得金額の総額は過去最高をマークしています。また、黒字申告割合は30.6%(同1.5ポイント増)と4年連続で上昇し、リーマン・ショック前の水準にまで回復しました。
 そのほか、法人数が301万9千社(同約1万2千社増)、連結法人数が13,301社(同861社増)となり、連結法人の黒字申告割合は59.2%で前年度より1.7ポイント上昇しています。
 また、平成26年度の源泉所得税等の税額は16兆6,870億円で前年度より12.6ポイントの大幅増となり、5年連続の増加となりました。これを主な所得についてみると、給与所得で4,421億円(同4.7ポイント増)、配当所得で1兆3,183億円(同50.3ポイント増)、非居住者等所得で5,370億円(同53.8ポイント増)といずれも増加しています。
 現安倍政権の経済政策であるアベノミクスの3本の矢のうちの2本の矢がもたらした効果が、今回の法人税等の申告・課税状況にクッキリと現れた格好になっています。

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国税庁が平成26年分の民間給与の実態明かす。働く女性の増加が顕著に

2015年10月05日

このほど、国税庁が平成26年分の民間給与実態統計調査の結果を公表しました。それによると、働く女性の数と彼女らの年間所得が著しく増えています。

 今回の民間給与実態統計調査は、平成26年12月31日現在の源泉徴収義務者のうち、民間の事業所(標本値20,551所)に勤務している給与所得者(同298,881人)を対象に調べたものです。それによると、源泉徴収義務者である民間の事業所数を標本値から割り出してみたところ、平成26年12月31日時点で351万件となりました。この数は前年より2万件(0.5%)増えています。給与所得者数も標本値から割り出してみたところ5,592万人で、前年より57万人(1.0%)増えていました。
 また、平成26年中に民間の事業所が支払った給与の総額は203兆809億円で、これも前年より2兆7,212億円(1.4%)増加しました。源泉徴収された所得税額(復興特別所得税を含む)は8兆9,018億円で、前年よりも1,858億円(2.1%)増えていて、給与総額に占める税額の割合は4.38%になっています。
 さらに、1年を通じて勤務した給与所得者数は4,756万人で、前年よりも2.4%増えました。これを男女別に見てみると、男性が2,805万人、女性は1,951万人で、前年と比較すると男性は1.9%の増加でしたが、女性は3.1%も増えています。
 一方、正規・非正規雇用について見てみると、正規雇用者は3,104万人で、非正規雇用者は1,090万人でした。前年と比べると正規は1.6%の増加にとどまりましたが、非正規は4.9%も増加しました。
 年間の平均給与は415万円で、前年に比べて0.3%の増加でした。これを男女別に見てみると、男性は514万円、女性は272万円となっています。正規・非正規別の年間平均給与は、正規雇用者が478万円で、非正規雇用者は170万円でした。前年よりも正規が1.0%、非正規は1.1%増加していますが、とくに非正規雇用の女性については年間平均給与が148万円となり、前年よりも2.9%アップしました。
 平成25年4月19日に日本記者クラブで安倍晋三首相が行なったスピーチの中で、成長戦略の第2弾について「女性の活躍は成長戦略の中核をなすもの」として、働く女性を応援する政策が発表されましたが、その政策の効果が今回の民間給与実態統計調査に現れ始めたものと思われます。

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国税庁が告知。「社員などに交付する源泉徴収票にマイナンバーを記載しないで」

2015年10月05日

このほど国税庁が、会社が従業員などに交付する源泉徴収票にマイナンバーを記載する必要がなくなったことを告知し始めました。個人情報の漏えいなどの恐れがあるために法改正が行なわれたことなどを解説しています。

 政府が10月5日、住民票を有する国民全員に個人番号(マイナンバー)の交付を開始しました。来年1月1日よりスタートするマイナンバー制度に備えたもので、会社などの源泉徴収義務者は、従業員たちから本人のマイナンバーを教えてもらい、給与などの支払を行った人に対して交付する源泉徴収票などに、その本人のマイナンバーを記載して交付しなければならないことになっています。
 ところが、今年10月2日に所得税法施行規則等の改正が行われ「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)が施行される平成28年1月以降も、給与などの支払を受ける方に交付する源泉徴収票などへの個人番号の記載は行わないこと」とされました。
 これにより、給与所得の源泉徴収票だけでなく「退職所得の源泉徴収票」、「公的年金等の源泉徴収票」「配当等とみなす金額に関する支払通知書」、「オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書」、「上場株式配当等の支払に関する通知書」、「特定口座年間取引報告書」、「未成年者口座年間取引報告書」、「特定割引債の償還金の支払通知書」についても、給与などを支払った人に交付する源泉徴収票や支払通知書などに限り本人のマイナンバーを記載する必要がなくなりました。
 あくまでも税務署に提出する源泉徴収票などについてのみ、マイナンバーを記載することになったわけです。
 こうした手続きの改正を国税庁が源泉徴収義務者などに告知しているわけですが、今回の改正理由については「交付の際に個人情報の漏えい又は滅失等の防止のための措置を講ずる必要が生じ、従来よりもコストを要することになることや、郵便事故等による情報流出のリスクが高まるといった声に配慮したもの」と説明しています。

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